('A`)が神を認めないようです。

1: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:38:39.84 ID:5/j2yzWt0
('A`)   :クーと訓練中。4段階目に挑戦中。能力は火、水、雷、槍、弓、合成、アンチ。
( ^ω^) :ショボンと訓練中。4段階目はクリアしていてドクオとツン待ち。能力は火、重力、剣、アンチ。
ξ゚听)ξ :つーと訓練中。4段階目に挑戦中。能力は空間、アンチ。

川 ゚ -゚)  :ドクオと契約してる契約者。所持能力は火、水、雷、重力、剣、槍、弓、合成、アンチ。
(´・ω・`) :ブーンと契約してる契約者。所持能力は火、水、重力、剣、槍、アンチ。
(*゚∀゚)  :ツンと契約している契約者。所持能力は空間、アンチ。


<ヽ`∀´> :神軍のリーダー。ゼロの中で唯一神と直接コンタクトが取れる。能力はフレイムランスのレベル92。

(・∀・)  :神。膨大な人数と強制契約し、ゼロを生み出した元凶。能力はフレイムウォールとアンチソードのレベル300の二つのみ確認済。



3: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:40:24.18 ID:5/j2yzWt0

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(*゚∀゚)「う〜ん…。大分いい線いってると思うよ?」

ξ;゚听)ξ「はぁ…はぁ…。本当に?つーは息も切らしてないじゃない。」

(*゚∀゚)「でもツンだって倒れなくなったよね〜♪ 強くなってる証拠だよ!」

ξ*゚听)ξ「…全然つーには勝てないけどね。」



5: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:41:44.75 ID:5/j2yzWt0

そう悪態をつきながらも頬が少し熱を帯びていくのがわかる。
自分でも多少は手ごたえを感じているのだ。
つーの言うとおり、意識を失うような事はなくなった。
今はまだ訓練中だし、実践とはまた違うのだとわかってても
多少は成長してる実感があるのは嬉しい。

もっともつーにはまだまだ遠く及ばないのだけど。


(*゚∀゚)「ちょっと休憩にしようか〜。私も疲れたよ。」

ξ゚听)ξ「…嘘ばっかし。 でも休憩は大事よね。」



6: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:42:55.51 ID:5/j2yzWt0

そう、何事も大事なのは集中力。
そのために、無駄に長い時間かけてだらだらやるよりは短時間集中して訓練したほうが効率がいい。
ほかには…、ほら、やっぱ糖分とか?チョコとか、スイーツ(笑)とか?


ξ゚听)ξ「ケーキバイキング行きたいな〜…。」

(*゚∀゚)「ケーキバイ…? 何それ??」

ξ゚听)ξ「え?ケーキバイキングよ。行った事ない?」

(*゚∀゚)「う〜ん?ケーキ屋さんの事?」

ξ;゚听)ξ「ちょっと本気で言ってる?」



8: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:44:00.51 ID:5/j2yzWt0

釣りだろうか?
不安になって彼女の顔を見てみるが、とても嘘を突いてるようには見えない。
そういえばつーってカワイイのにあんまりお洒落な服とか持ってないような…。


ξ゚听)ξ「つーって私と契約する前はどんな暮らしをしてたの?」

(*゚∀゚)「え…? どんな…。」

ξ゚听)ξ「うん。ほら、洋服とかどこで買ってるのかなって。」



9: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:45:39.31 ID:5/j2yzWt0

(*゚∀゚)「あ、服ね。 今着てる服はしまむらってとこで1900円で買ったんだ♪」

ξ;゚听)ξ「しまむら…? ドコ?」

(;*゚∀゚)「知らないの?すっごい安い服がいっぱいあるんだよ!下着もあってね、私が今つけてるのなんて上下で1500円!」

ξ;゚听)ξ「せん…ごひゃk…!?」


どうしよう? ここって突っ込んでいいところなのかな?
いい年した女の子が上下で1500円の下着つけてるなんて…。

しまむらなんてショップ聞いた事もないし…。

ケーキバイキングのことも知らないみたいだし、あんまりそういう事に興味ないのかな?



11: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:46:56.93 ID:5/j2yzWt0

(*゚∀゚)「今度一緒に買い物行こうよ! 最近ちょっとブラが合わなくって…。」

ξ;゚听)ξ「う、うん。そうね。楽しみにしてるわ。 そういえばつーってお金どうやって稼いでるの?」

(*゚∀゚)「普通に働いてるよ? 私ナースだから。」

ξ;゚听)ξ「普通に働いてるの!?しかもナース!?」

(;*゚∀゚)「え?? なにか問題ある?」



14: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:48:40.52 ID:5/j2yzWt0

ナース…。
言われてみれば、明るい性格に親しみやすいキャラ。
看護士さんとか似合いそうな気がする。

でも…、普通に働いているのだろうか??


(*゚∀゚)「ツン達が知らないだけで、世の中には普通に私達契約者がまじってるんだよ?
     ややこしくなるから、絶対バレないようにするっていう掟があるんだけどね。」

ξ;゚听)ξ「え!?あ…。 ごめんなさい…。」



16: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:51:32.26 ID:5/j2yzWt0

考えを見透かされたような答えが返ってきて、驚いてつい謝ってしまった。
なんだか少し気まずい。 よくよく考えて見ればつーは私と契約できるだけで、
他には何の変哲もない普通の人なんだ。
能力は今は私だって使える。
契約してるのもお互い様だ。
つまり現在つーと私に大きな違いなんてないのだ。

だけど…私は知らず知らずのうちにつーを違うものだと判別していた。
人間じゃない、契約者なんだと。
そういう考えもすべて見抜かれてしまったような気がする。


(*゚∀゚)「気にしなくていいよ♪ 知らない事があったら何でも聞いてね。」



18: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:52:54.67 ID:5/j2yzWt0

バツが悪そうな顔をしていると優しく微笑みかけてくれた。
その笑顔はなんだか作り物のようで、悲しい気持ちも、辛い気持ちも、全部抱え込んだ上で笑ってるみたいで…。


ξ;;)ξ「ごめん…なさい…。」


私はなんてダメなんだろう。
ブーンに優しくしてあげることもできない。
ドクオに感謝の気持ちを伝える事もできない。
それでも二人は一緒にいてくれる。

極度な恥ずかしがりやの私のことをわかってくれてるのか、
今でも離れないで側にいてくれてる。



19: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:54:07.32 ID:5/j2yzWt0

でも今回私がしたことはそんな事とは比べ物にならない。
私はつーが特別なものだとして見ていたんだ。
優しく接してくれて、おかげですぐに打ち解ける事ができて、
契約してくれて、さらに訓練まで付き合ってくれてるのに。
そんなつーを、私達人間とは違う存在だとして扱った。
無意識だったとはいえ、それは区別だ。差別だ。

私は最低だ。



ξ;;)ξ「私…私…」

(*゚∀゚)「…泣かないで。大丈夫だよ。」



21: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:55:56.24 ID:5/j2yzWt0

つーはそう言いながら優しく抱きしめてくれた。
私の頭をなでながら、何度も大丈夫だと言ってくれた。
その時気付いた。
つーはきっと今までに何度も辛い思いをしてきたんだろうって。
イヤな思いをしながら、それでも頑張って生きてきたんだって。
そうやって全てを隠して笑ってきたんだろう。

ただ周りの優しさに甘えるだけの私とじゃ大違いだ。


(*゚∀゚)「落ち着いた?」

ξ゚听)ξ「…うん。本当にごめんなさい。」

(*゚∀゚)「もう、謝らなくていいってば♪ それより他に聞きたい事無い?」

ξ゚听)ξ「…じゃあ、あとひとつだけ。」



23: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 01:57:10.69 ID:5/j2yzWt0

強くなろう。
能力だけじゃない、内面も強くなるんだ。
いつまでもブーン達に甘えてばかりいられない。
つーとは契約したんだ。面倒を見てもらうだけってワケにはいかない。

だけど、その前につーに聞いておかなきゃならない事がある。
さっきつーが何気なく言った一言に含まれていたその言葉。
そして、ついさっきまで抱きしめられながら感じていたこの疑問。
今聞いておかなくちゃならない。


ξ゚听)ξ「ねぇ、つー。」

(*゚∀゚)「はいはい? どうしたね?」

ξ゚听)ξ「あなた…胸の大きさは??」



24: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 02:00:27.13 ID:5/j2yzWt0

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(´・ω・`)「どうやらツンの方はもう少しで終わりそうだけど、ドクオはもう少しかかりそうだね。」

( ^ω^)「ツン頑張ってるお! ドクオww もっと頑張れおww」

(´・ω・`)「もう訓練も大分慣れてきたし、今からは自主練習にしようか。
      僕もそろそろレベルの上限を上げる訓練に入るよ。」

(; ^ω^)「お?? いきなり自主練とかいわれても何していいかわからないお…。」

(´・ω・`)「そうだね〜…。じゃあ、レベル200の使える回数を増やす練習をしておこうか。
      回数が使えるに越した事は無い。」

( ^ω^)「それならブーン一人でもできそうだお! 頑張るお。」



25: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 02:01:51.12 ID:5/j2yzWt0

最近気付いた事がある。
能力者同士の戦いにおいて、重要なことは二つある。

一つは集中力からなる、自分が出すべき能力を瞬間的に判断し、
それを実際に使えるかどうかだ。
能力を発動する際に、頭の中で能力を右舷化すればどうなるか、どういう能力なのか、レベルはどれくらいなのか、
大きさ、動き、色、範囲などをしっかりとイメージする。
それがしっかりできていなければ望む通りの能力は発動しないのだ。



27: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 02:03:09.87 ID:5/j2yzWt0

そして、もう一つは精神力からなるスタミナだ。
僕達は契約者とは違い、どれだけ能力を使ってもレイが必要になたったり、他に特別な代償は必要としない。
ただ、連続して使用したりレベルの高い能力をしようすると目眩、吐き気、頭痛などの症状に襲われる。
精神力に長けている者は多くの回数、またはより高いレベルの能力を使えるのだ。
能力を使う際に必要となってくる精神力はその種類によって異なるようだ。
自分の感覚ではフレイムウォールのレベル100を一回使うより、レベル90のフレイムランスを5回使うほうが楽だ。
だが、重力のレベル100を一回使うのとレベル90のフレイムランスを一回使うのはあまり差を感じない。
剣は重力よりややしんどいくらいだ。
それぞれによって精神力が削られる割合は違うみたいだが、僕が今使える能力の中で一番精神力をけずられるもの。
それがフレイムウォールのレベル200だ。
使用限度回数は4回くらいか。
他に能力を使わなかったと仮定した場合だ。



28: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 02:04:43.37 ID:5/j2yzWt0

( ^ω^)「…目標は10回連続で使えるようになること。 頑張るお!!」


自分に集中力があまりないことはわかってる。
だけど、精神力はショボンに褒められた。
短所を補うより長所を伸ばすべきだ。そう言ってショボンはほとんどの訓練を精神力を鍛えることに切り替えてきた。
また、戦闘のコツのようなものもある程度わかってきた。
例えば、剣の能力は一度具現化してしまうと、具現化させてる間は精神力は消費しない。
具現化の瞬間に必要なだけなんだ。
ということは、疲れれば剣を具現化してそれで戦ってる間に精神力を回復させればいい。
あとは、アンチ系統の使用にはほとんど精神力は必要ない。
死にそうなほどに目眩がひどくなってもアンチ系統の能力だけは使用できるのだ。


( ^ω^)「さぁ…。訓練始めるお。」


目標は大きい。
しっかり気合を入れなおそう。



29: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 02:05:49.52 ID:5/j2yzWt0

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「そうか。いよいよだな。」

暗闇の中でそう低く呟く。
ピッという音を出して会話は終了した。
ただボタンを押すだけで会話が終了するのだ、電話とは便利なものだな。
今起こっている争いもそんな風に簡単に終わらせる事が出きればいいのだが…。


「…くだらん幻想か。」



32: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 02:07:32.83 ID:5/j2yzWt0

そんなに簡単な話ならもうとっくに終わっている。
考え方の違い。争ってる理由はそれだけだが、それが決定的だ。
手に入れた力を他の者に見せ付けたい気持ちはわからなくも無い。
だが、どう考えても力を持たない人間を殺すのはおかしい。

今まで多くのゼロではない人たちが神軍によって殺されてきた。
理由はいろいろだ。
自分の能力を強くしたいため、殺し続ければ神に優遇されると信じてる者や、ただ殺す事に快楽を得てる者までいる。

…能力を持たない人達に何の罪があるというんだ。
ゼロじゃない。それだけで殺されるというのか。
家族もいる。今まで一生懸命生きてきた者、幸せをかみ締めていた者。
それらはただゼロじゃなかった、それだけの理由で砕かれてしまうのか。



34: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 02:13:34.87 ID:5/j2yzWt0

「…人のことは言えないがな。」


神軍は間違っている。だけど…自分は?
人軍のリーダーとなってから、自分は正しいと思った事なんて一度もない。
神軍にいる者達だって元は人間だ。
その彼等の命をいくつも奪ってきたのは自分なのだ。
さらに、神軍から一般人を守るための力を得る為に、神軍に肩入れしているゼロではない人間を殺してきた。
守るために殺すのだ。
なんという矛盾だ。
くだらない…。これは、ただの自分のエゴなんだ。
もはや何が正しいのかなんて問題ではない。



35: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 02:14:38.39 ID:5/j2yzWt0

「それでも…神軍は止めなくてはならないんだ。」


たとえこの体が朽ちる事になろうとも。


「兄者? 部屋を真っ暗にして何をしているんだ?」


パチッという音がしていきなり部屋全体が明るくなる。
…眩しい。
まったく、電気をつける前に一言くらい聞いてくれてもいいんじゃないだろうか。


( ´_ゝ`)「なに、恥ずかしくていえないような事を…な。」



36: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 02:16:06.89 ID:5/j2yzWt0

(´<_` ;)「またか? 神軍との戦いも近いというのに、程々にしとけよ。」

(* ´_ゝ`)「だって女神が降臨なさってるんだぜ?これで興奮しないようなら男じゃない!」

(´<_` #)「大事な戦いの前にVIPなんかしてるんじゃない!」


おぉ…、弟者がお怒りになられた。
といっても本気で怒ってるわけではなさそうだ。
こういう何気ないやりとりがあるからこそ俺は正気を保っていられる。



37: ◆2tIpUAdHJU :2007/11/04(日) 02:17:44.30 ID:5/j2yzWt0

…神軍。決戦のときは近づいている。
もうお互い後には引く事はできないだろう。
決着をつけよう。
間違っているのはお互い様だ。
だが、俺はお前たちのやり方を認めるわけにはいかない。それがタダのエゴだとわかっていてもだ。
正面衝突まで、あと五日。



第18話 人軍のリーダー



戻る第19話