('A`)が神を認めないようです。

1: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 00:51:28.64 ID:G1LSrSfR0
('A`)   :クーと訓練中。4段階目に挑戦中。能力は火、水、雷、槍、弓、合成、アンチ。
( ^ω^) :ショボンと訓練中。4段階目はクリアしていてドクオとツン待ち。能力は火、重力、剣、アンチ。
ξ゚听)ξ :つーと訓練中。4段階目に挑戦中。能力は空間、アンチ。

川 ゚ -゚)  :ドクオと契約してる契約者。所持能力は火、水、雷、重力、剣、槍、弓、合成、アンチ。
(´・ω・`) :ブーンと契約してる契約者。所持能力は火、水、重力、剣、槍、アンチ。
(*゚∀゚)  :ツンと契約している契約者。所持能力は空間、アンチ。


<ヽ`∀´> :神軍のリーダー。ゼロの中で唯一神と直接コンタクトが取れる。能力はフレイムランスのレベル92。

( ´_ゝ`) :人軍のリーダー。弟者と組んで人軍を率いている。能力はフレイムボールのレベル43。
(´<_` ) :立場は人軍の副リーダーだが、実際は二人で仕切っている。能力はフレイムボールのレベル22とアンチ系統のレベル100。

(・∀・)  :神。膨大な人数と強制契約し、ゼロを生み出した元凶。能力はフレイムウォールとアンチソードのレベル300の二つのみ確認済。



2: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 00:55:58.60 ID:G1LSrSfR0

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



足元から湧き上がる炎。
だが、この攻撃はアンチフレイムで無効化されることはわかっている。
弟の能力のアンチフレイム。
これに今まで何度助けてもらったかわからない。

しかし、そんなことは目の前にいる天使もわかっているはず。
それなのになんだ?この余裕の表情は。

嫌な予感が頭をよぎる。
直感的に後ろを向くとそこには。



4: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 00:58:26.14 ID:G1LSrSfR0


(´<_`;)「…………っ!!」


フレイムランスが弟に向かって飛んできていた。
遠くでニダーのにやけている表情が見える。

あのバカ…、気を失ったままでいればいいものを。


( ´_ゝ`)「隙あり!」


後ろから弟を蹴り飛ばす。



5: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:00:47.88 ID:G1LSrSfR0
その瞬間目の前に迫ってきたのは炎の槍だ。
これに貫かれれば間違いなく命を落とすな。
冷静にそんな事を考える。
しかし、それは自分に触れたと同時に消滅する。
弟がかけてくれたアンチフレイム。
その効果は相手の火の能力を一度だけ防ぐ事ができるもの。

それはつまり―――。


天使の攻撃は防げないことを意味している。



7: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:03:59.80 ID:G1LSrSfR0


(´<_` メ)「痛っ…。 いきなり後ろから蹴り飛ばすのは卑怯だぞあにj…」



弟の声が聞こえる。
どうやら無事だったようだ。
よかった。

こちらを見て完全に硬直している。

気にするな。
これも兄の務めというやつだ。



8: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:05:47.40 ID:G1LSrSfR0

幼い頃、俺はお前にとても辛い思いをさせてきたんだ。
テストでいい点数を取れば皆が褒めてくれる。
サッカーで活躍すれば、皆が尊敬のまなざしでこちらを見てた。

それらが誇らしかった。

大好きな弟の、頼れる兄でありたかった。

だが、それらの行動は全部お前を辛い目に合わせていたんだよな。
周りの大人にも、クラスメイトにも、親にすら比べられ続けていた。
俺が頑張るほど、お前は劣った弟だと評価された。

そんな簡単な事を、馬鹿な俺はお前が家出するまで気付かなかったんだ。

…本当にごめんな。



9: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:07:41.92 ID:G1LSrSfR0


大丈夫だ。

ちゃんとお前は俺が守ってやる。

お兄ちゃんが守ってやるからな。

だから。だからそんな顔をするな。


(;<_; )「あにじゃああああああああああああ!!!」



12: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:11:01.30 ID:G1LSrSfR0

<;ヽ`∀´>「馬鹿な…。弟を庇って…。」

(`・ω・´)「…たいしたものだ。」


肉の焦げる匂いがする…。

あぁ、なんだ。焦げているのは俺の体か。

痛い。痛い。痛い。

熱いとかじゃなくて、ただ体中が痛い。

それでも。
それでも弟が助かったんなら俺は…。



15: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:16:54.51 ID:G1LSrSfR0

(;<_; #)「貴様らーーー! よくも…、よくも兄者を!」

<;ヽ`∀´>「ウ、ウリは知らないニダ!あいつが勝手に…。」

(;<_; #)「だまれ!殺してやる。殺してやる!!」


弟者がニダーに飛び掛っていく姿が見える。
俺の為に怒ってくれてるんだな…。

だけど、今はダメだ。

そいつらには今のままじゃ勝てない。

なんとか逃げてくれ、弟よ。



16: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:18:52.17 ID:G1LSrSfR0

(`・ω・´)「コール。」


天使がそう呟き、手を振るとそこには一本の剣が握られていた。
こんなことまで出来るのか。
どうやら神だの天使だのという話もまんざら冗談でもなさそうだ。

だが…、たとえ相手が神の使いだとしても。


(メ#´_ゝ`)「てめぇぇ! 人の弟に向かって何しようとしてやがる!」


剣をたかだかと振りかぶっている天使に向かって突進する。
だが、体は思うように動かない。
脚がもつれ、飛び掛るつもりが天使に向かって倒れこむのが精一杯だった。



17: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:20:29.70 ID:G1LSrSfR0

(メ#´_ゝ`)「そ…、それ以上、弟に近づいたら…。ただじゃおかねぇ…。」


呼吸もままならない。
随分情けない姿になってしまったもんだ。

弟よ。

頼むから逃げてくれ。

お前だけは…生きてくれ。


俺は…。ここまでだから。



18: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:22:50.50 ID:G1LSrSfR0





(;`・ω・´)「人間如きが俺の炎をくらってまだ動けるのか…。」

(;<_; #)「あにじゃああ! もう動かないでくれ! 頼むから、じっとしててくれ!」

<;ヽ`∀´>「…まったく。恐ろしい執念ニダ。」

(;<_; #)「あにじゃに近づくな!! ぶっ殺すぞ!」

(`・ω・´)「いちいち五月蝿いやつだ…。黙らせるか。」


天使が剣を構える。
この馬鹿はまだ俺の弟を狙うつもりらしい。
何度も同じ事を言わせるなよ。



20: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:24:36.82 ID:G1LSrSfR0


(メ#´_ゝ`)「おと…う…に、 さ…るな…。」


天使の足首を最後の力で握り締める。
もう…立つ事もできないから。


(;`・ω・´)「くっ…。上等だ。お前から先に消してやる。」



そう聞こえた直後―――肘から先の感覚がなくなった。



しっかり掴んでいたはずの相手の足が動き出した。

どうしてだ?

俺の手はあいつの足首をつかんだままなのに。

どうして…。どうしてあそこに俺の手が?



21: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:26:12.76 ID:G1LSrSfR0


(;<_; #)「やめろおおおおおおおお!!」

<ヽ`∀´>「うるさいやつニダ!」

(;<_; #)「うぁっ!」



弟がニダーに蹴り飛ばされてこちらへ倒れこんでくる。
受け止めなきゃ。
このままじゃ弟が転んでしまう。
俺が受け止めてやらなきゃ。


どうやって?


手がないのに?



23: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:31:19.84 ID:G1LSrSfR0


そう考えてるうちに、今度は太もものあたりが熱くなるのを感じた。



振り向くと、そこには俺の足が転がってた。



…あーあ。

頑張って鍛えたのにな〜…。
毎日走りこんだり、スクワットしたり。

足も手もないんじゃ、もう…。守ってやれないじゃないか。



25: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:33:29.08 ID:G1LSrSfR0

ごめん。


ごめんな。弟者。


大切な、大切な弟。


残念だけどさ。俺ここまでみたいだわ。



じゃあな。  お前は元気でいてくれな。


だから…早く逃げてくれ。



26: ◆2tIpUAdHJU :2007/12/02(日) 01:34:02.22 ID:G1LSrSfR0

そこで俺の意識は途絶えた。








(`・ω・´)「コール。」

<ヽ`∀´>「ニダニダw」

(;<_; )「うわああああああああああああああああああ!!」

(  _ゝ )「…………。」





第21話 兄の想い



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