('A`)ドクオはキラーマンのようです
- 19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/05(月) 19:55:01.07 ID:r5AlfnmJ0
第三話 ホタルの光
('A`)「いやー、このひややっこおいしいですねー!!!」
('、`*川「ドクオさん、いっぱい食べてくださいね。遠慮はいりませんから」
('A`)「はい!!いっぱい食べます」
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさん、そんなに慌てなくてもご飯は逃げないよ!」
/ ,' 3「う・・ぐう・・おお・・・ごほごほ!!!喉につまった!」
みんなの笑い声が響く、平和な一般家庭の食卓。
料理は田舎ながらの純和風で、流石というべきかおいしい。
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/05(月) 19:56:48.85 ID:r5AlfnmJ0
新鮮な食材は、田舎でしかとれない。
食通の私にとってはうれしいことだ。
/ ,' 3「ふいー。まったく、早く助けんかいばかたれ!!」
('A`)「ははは、すいません」
もちろんこのジジイもいる。
私は苦笑いをしながら、心の中で呪いの言葉をつぶやいていた。
/ ,' 3「う・・・うごぉおおおお!!!!!」
ガシャーンという食器が地面に落ちた音と共に、人が倒れる音がした。
私の呪いのせいか知らんが、ジジイがぶったおれた。
ζ(゚ー゚*ζ「おじいちゃん!!どうしたの!?」
お母さんやデレちゃんが近寄る。
私も渋々、ゆっくりゆっくり駆け寄った。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/05(月) 19:58:32.04 ID:r5AlfnmJ0
/ ,' 3「ふぉ・・・が・・・のど・・・に・・」
どうやら、喉に食い物をつまらせたらしい。
まったく、二度も喉に詰まらせるとは・・・。
あきれながらも、ジジイが死ぬと面倒なので私はジジイの体を持ち上げ上下に振った。
/ ,' 3「ガハァッ!!」
スポーンと食いかけの芋と入れ歯が出てきた。
私はおもわず笑いそうになったが、必死でこらえた。
ζ(゚ー゚*ζ「おじいちゃん!!大丈夫?」
ジジイはデレちゃんが心配していることなどお構いナシに、なんか言ってる。
/ ,' 3「ふぉがふぉがががふほふほ!!!」
・・・入れ歯を取れ、と言ってるように聞こえなくも無い。
というか入れ歯が無いとしゃべれんらしい。
私は入れ歯を取って、ジジイに渡した。
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/05(月) 19:59:49.93 ID:r5AlfnmJ0
('A`)「ど、どうぞ」
/ ,' 3「ぷはぁっ! ワシャ助けてもらってもちーっともうれしくないからな!!!」
プイっとそっぽを向くジジイ。
素直じゃないのか、本気で言ってるのかわからんが非常に腹ただしい。
ζ(゚ー゚*ζ「もう、おじいちゃん。ドクオさんが助けてくれなかったら死んでたかもしれないんだよ!?」
/ ,' 3「死んだらばあさんとこにいけて本望じゃ!!」
そういうとジジイは風呂!と叫びながら、その通り風呂へと向かった。
('、`*川「ごめんなさいねドクオさん、おじいちゃん素直じゃなくて・・・」
お母さんは深々と私にお礼を言った後、食事は終わった。
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/05(月) 20:01:04.64 ID:r5AlfnmJ0
時刻は、夜の9時
('A`)「……」
私は寝室にいた。
ふとんに寝転がり、バックの中からナイフを取り出す。
('A`)(200万・・・それだけのことで、あの幸せな家庭を崩すのか?)
私はナイフを見つめながら考えていた。
たしかに、私は今までまともな給料をもらったことが無い。
ゴミをあさったりして食料をかせぎ、服は拾ったこのいちご柄のスーツのみ。
・・・そんな人生をこんな簡単な任務で終わりにできるんだぞ?
もう私は人生の負け組では無い。
もう3流の殺し屋じゃない。
('A`)「……よし」
私はポケットにナイフを突っ込み、デレちゃんの部屋へと向かった。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/05(月) 20:01:59.60 ID:r5AlfnmJ0
コンコンと2回ほどノックする。
デレちゃんがドアを開き、顔を出した。
('A`)「あのさ、散歩に行かない? とっておきの場所があるんだ」
嘘だ。
ζ(゚ー゚*ζ「本当ですか!よかった。ちょうど暇だったんです!」
君のその笑顔も嘘なのか?
すべてが嘘なんだ。これは夢だ。
そう思わなければ、私はこの子を殺せないから。
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/05(月) 20:03:21.63 ID:r5AlfnmJ0
('A`)「涼しいね。昼とは大違いだよ。」
私とデレちゃんは、夜の川原を歩いていた。
虫や川や木達が自然の音楽を奏でる。
その音は、私を責めているように聞こえた。
('A`)「僕のいる東京とは大違いだな・・・」
ζ(゚ー゚*ζ「ドクオさん、東京からきたんですか?」
('A`)「うん、一応ね」
ζ(゚ー゚*ζ「私、東京とかそういう都市には行ったことないから憧れてるんですよ」
('A`)「でも、僕は東京よりここのが好きだな。」
ζ(゚ー゚*ζ「そうですか? でも東京は便利じゃないですか。コンビニとか映画館とかあるし」
('A`)「そんなもの、この夜空の星にはかなわないよ」
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/05(月) 20:04:24.05 ID:r5AlfnmJ0
私は夜空を見上げた。きれいな星達も怒ってる。
私に対して怒ってる。
話をしながら、私は人気の無い森道で立ち止まった。
('A`)「デレちゃん」
ζ(゚ー゚*ζ「はい?」
ポケットの中のナイフに手をかける。
でも、そこから手が動かない。
(;'A`)(200万なんだぞ!!動けよ!!俺の手!!)
脳の指令は届いている。だが、何かが私の手を止めている。
私は手に意識を集中し、少しずつナイフを取り出す。その時だった。
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/05(月) 20:06:10.46 ID:r5AlfnmJ0
ζ(゚ー゚*ζ「ああ!!!」
デレちゃんは右のほうを指差した。
('A`)「これは……」
そこにはすこし開けた場所があった。
そして、そこを舞う光。ホタルの光だ。
ζ(゚ー゚*ζ「綺麗・・・」
私の手はナイフから離れ、ただ呆然と目の前の光を見つめる。
('A`)「ホタルが・・・こんなに綺麗だったなんて・・・」
ホタルは光の線を描き、時には点灯した。
美しい。私はもうなにもかも忘れ、この美しい光に見とれていた。
ζ(゚ー゚*ζ「こんな場所があったなんて・・・。」
私はその場に座り込んだ。デレちゃんも私の隣に座った。
私達はしばらく、自然の起こした奇跡に見とれていた。
('A`)(ああ、これは神様が私に目を覚ますように、この場所へ導いてくれたんだな)
私は優雅に舞う蛍の光を見て、そう思った。
- 32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/05(月) 20:06:32.62 ID:r5AlfnmJ0
1日目終了
期限まで残り6日
第三話終わり
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