( ^ω^)ブーンが学校の七不思議に挑戦するようです
- 128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/08(火) 23:25:17.63 ID:D9f3el0NO
- 凍り付く四人を動かしたのは、廊下から近づいてくる、革靴の音だった。
(;´・ω・`)(見回りだ!!)
ξ;゚听)ξ「か、隠れましょ……!」
一気に現実に引き戻された四人は、それぞれ机の影に身を潜めた。
カツコツと、足音は図書室へ真っすぐ近づいてくる。
(;´・ω・`)(変だな……見回りの時間がいつもと違う)
- 132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/08(火) 23:31:32.92 ID:D9f3el0NO
- ξ;゚听)ξ「……」
(;^ω^)「……」
(;'A`)「こんなときになんだけど……俺等以外に人の気配がするのって安心するよな……」
ξ;゚听)ξ「ふふ……そうかもね」
(;^ω^)「見つかったらアウアウ!……だお」
三人がすっかりいたずらしている生徒の顔になっている一方で、ショボンは一人青ざめていた。
(;´・ω・`)「……」
- 134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/08(火) 23:36:52.69 ID:D9f3el0NO
- (;^ω^)「?どしたおショボン?」
(;´・ω・`)「……おかしい」
(;'A`)「な、なにが……?」
(;´・ω・`)「足音が扉の前から動かない」
ショボンの呟きに、三人は一斉に顔色が変わった。
(;´・ω・`)「あの警備員……なんで扉の前で足踏みしてるんだ」
- 139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/08(火) 23:43:55.21 ID:D9f3el0NO
ξ;゚听)ξ「や……き、気持ち悪いコト、い、言わないでよ」
(;´・ω・`)「事実、音は続いてるよ」
(;'A`)「あわわ……」
(;´・ω・`)「……いや、ホントに警備員なのか……?」
ξ;凵G)ξ「いや、もういやぁ……」
( ^ω^)「ツ、ツン……!!」
(#`ω´)キッ
- 143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/08(火) 23:53:30.08 ID:D9f3el0NO
(;´・ω・`)「あっ、ブーン!?」
机の影から颯爽と飛び出し、ブーンは扉へと一直線に走った。
(#`ω´)「幽霊だか警備員だかズッコケだか知らんが、ツンを泣かすとは許せないお!!」
ξ;凵G)ξ「ブ、ブーン……」
叫びながら、ドアへと手を掛ける。
(#`ω´)「地団駄踏むならヨソでやれこの野郎!!……ってアレ?」
- 147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/09(水) 00:03:50.42 ID:F+HyQyFgO
- (;^ω^)「……誰もいないお」
扉を開けた瞬間、足音は消え、暗い廊下が続いているだけだった。
狐につままれたようなブーンに、三人が駆け寄る。
(;'A`)「だ、誰もいないのか?」
ξ;゚听)ξ「嘘……あ、あの足音はなんだったの?」
(;´・ω・`)(モナー達じゃなかったのか……?)
毒気を抜かれたブーン。
キョロキョロと周りを見回すドクオ。
ブーンの裾を掴んで、震えをギュッと隠すツン。
四人の中で、最初に口を開いたのはショボンだった。
(´・ω・`)「……それにしてもブーン、意外と勇気あるね」
- 150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/09(水) 00:10:50.57 ID:F+HyQyFgO
- (;'∀`)「そ、そういやそうだな。俺のツンに何をするー!!って」
(;^ω^)「そ、そんなコト言ってないお」
(´・ω・`)「ツンの好感度もだいぶアップしたみたいだね」
ξ*゚听)ξ「や、バカ、違うわよ!!」
(*^ω^)「照れるお」
ξ*゚听)ξ「ちっ、違、バカーッ!!」
幻の左ストレートが小気味よくブーンの顎を捕らえた後。
倒れこむ彼を余所に、三人は次なる不思議へと向かった。
- 154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/09(水) 00:21:33.61 ID:F+HyQyFgO
- (;´∀`)「や、やっとあいつら行ったみたいだモナ」
(´<_`;)「足音がどうとか、何を騒いでたんだ?」
(*゚ー゚)「雰囲気にごまかされたとかそんなじゃない?」
ひょっこりと姿を現した五人組。
モナーを筆頭に、ぞろぞろと図書室へと入っていった。
(*゚ー゚)「それにしてもショボンも手が込んでるわね〜。三人ビビらすためによくやるわ」
おもむろに美術の本に手を伸ばすしぃ。
(*゚ー゚)「こんなん仕込みも無しに一発で出てたら世話ないっつの」
言いながら、自身も七不思議を試してみる。
- 157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/09(水) 00:27:08.67 ID:F+HyQyFgO
- (*゚ー゚)「あ……れ?」
適当に開いたページは、VIP高校七不思議どおりに再現されていた。
/ ,' 3「……モナリザ……」
(*゚ー゚)「あ、荒巻……!!」
( ´∀`)「ん?どしたモナ?」
適当に室内をぶらついていたモナーが、二人に近寄っていった。
(*゚ー゚)「な、なんでもない!!なんでもないよ!!ねぇ荒巻……」
/ ,' 3「なんでもない……よ」
- 164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/09(水) 00:33:27.24 ID:F+HyQyFgO
- ( ´∀`)「?おかしな二人モナ……」
(´<_` )「お、おい!!」
突然駆け寄ってきた弟者に、過剰に反応したのはしぃだけだった。
(*゚ー゚)「ど、どしたの!?なななな何……?」
(;´∀`)「ちょ、しぃ、びっくりしすぎだモナ。どしたモナ弟者?」
(´<_` )「……兄者がいなくなった」
- 167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/01/09(水) 00:39:14.49 ID:F+HyQyFgO
- (;´∀`)「いなくなったって……トイレじゃないモナ?」
(´<_` )「いや、目の前から忽然と消えた。兄者はステルス迷彩を持っていたらしい」
(*゚ー゚)「き、消えたって……そんな」
(;´∀`)「図書室の中で隠れんぼする気はないモナ……ん?」
/ ,' 3「……」
モナーの裾を引っ張る荒巻。
見たことのない表情に、モナーは一抹の不安を覚えた。
( ´∀`)「あ、荒巻?どうしたモナ?」
/ ,' 3「……嫌な予感がする……」
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-47,740秒 :2008/01/11(金) 19:18:48.61 ID:jKppovU0O
- (;´∀`)「な、なんだモナ?嫌な予感って……あっ、ちょっとそんなに引っ張らないでモナ」
/ ,' 3「……」
(*゚ー゚)「ちょ、ちょっと。どこ行くの??」
/ ,' 3「学校……出る……」
(´<_` )「む?兄者を単独ミッションにさせる気か?」
(;´∀`)「そ、そんなに恐かったモナ??」
/ ,' 3「……」
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-47,811秒 :2008/01/11(金) 19:21:47.90 ID:jKppovU0O
- 突然動きを止める荒巻。
モナーの裾を離したかと思えば、図書室の出口へ走りだした。
(;´∀`)「あっ!?ま、待つモナー!!」
(;´∀`)(荒巻の様子がおかしいモナ……おばけとか恐がる子じゃないのに)
何かに怯える荒巻を見て、モナーは急いであとを追った。
対して弟者としぃは、なにがなんだかわからない様子で立ちすくしている。
(´<_` )「行ってしまったか」
(*゚ー゚)「な、何?なんなの?どうするの弟者」
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-47,968秒 :2008/01/11(金) 19:28:01.85 ID:jKppovU0O
- (´<_` )「無論。兄者のサポートに回る」
(*゚ー゚)「サポートって……兄者を探すってコト?あ、ちょっと待ってよ」
再び図書室の奥へと歩きだす弟者。
それをしぃは慌ててついていった。
(´<_` )「む。恐いのか?」
(*゚ー゚)「ち、違うわよ!弟者が一人で可哀相だし……モナー達にはもうおいつけないし……」
(´<_` )「つまり一人になるのが恐いのか」
(*゚ー゚)「……あんたってやっぱりやなヤツよね」
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-48,274秒 :2008/01/11(金) 19:29:19.74 ID:jKppovU0O
- (´・ω・`)「……」
ξ゚听)ξ「?どうしたのショボン。顔色悪いわよ?」
('A`)「今更恐くなってきたんじゃねぇの?さっきのなんかホンモノっぽかったしな」
(´・ω・`)「いや……なんでもない。あ、ホラ、ブーン来たよ」
(;^ω^)「ちょwwwwおまいら置いてくなんてひどいおwwwwww」
ξ゚听)ξ「ふんだ……調子にのるからよ。もう少し寝ててもよかったのに」
(;^ω^)「ヒドスwwwwwww」
('A`)「コラそこ、イチャつくんじゃない」
ξ*゚听)ξ「イ、イチャついてないわよ!!ほらショボン、次行きましょ!!」
(;´・ω・`)(皆なんだかんだで度胸あるなぁ……)
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-48,456秒 :2008/01/11(金) 19:31:20.94 ID:jKppovU0O
- (´・ω・`)「三つ目は怪談の定番、トイレのジョバンニさんだよ」
('A`)「ジョバンニ……」
(´・ω・`)「一番右の個室をノックすると、英語で返事が返ってくるらしい」
( ^ω^)「英語で……」
ξ゚听)ξ「今までの中で一番うさんくさいわね」
(;´・ω・`)「と、とにかく!!男は度胸!なんでも試してみるものさ」
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-48,380秒 :2008/01/11(金) 19:35:46.37 ID:jKppovU0O
- そう言ってショボンは一人トイレへと足を踏み入れた。
ξ゚听)ξ「……」
( ^ω^)「お?ツン、入らないのかお?」
ξ゚听)ξ「だって……男子トイレじゃない」
('A`)「いやいや、夜だし他に誰もいないし、気にしないでいいんじゃないか」
ξ゚听)ξ「う〜ん……」
腕を組み、考える様子のツン。
遠慮がちにブーン達に呟いた。
ξ゚听)ξ「……今回は外で待ってるわ」
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-48,867秒 :2008/01/11(金) 19:41:25.06 ID:jKppovU0O
- ξ゚听)ξ「それにここからなら中の様子みれるし」
( ^ω^)「……わかったお」
(´・ω・`)「いいかい?じゃあいくよ」
('A`)「ちょ、ちょっと待って!……よし、いいぞ……」
逃げる体勢を整え、ドクオが返事する。
それに頷き、ショボンは個室の扉をノックした。
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-49,370秒 :2008/01/11(金) 19:44:22.52 ID:jKppovU0O
一……。
二……。
三……。
(;^ω^)「……」
(;'A`)「……」
(´・ω・`)「……返事がない。ただのジョバンニのようだ」
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-49,558秒 :2008/01/11(金) 19:49:38.74 ID:jKppovU0O
- (;^ω^)「なんだおただのジョバンニって……」
(´・ω・`)「仏語で『噂』って意味さ。つまりジョバンニはただの噂話のようだね」
('A`)「な、なんだそうなのか」
(´・ω・`)「嘘だよ。どう考えても人の名前だろバカか君たちは」
(#^ω^)「……」
(#'A`)「なにがしたいんだおまえは……」
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-49,715秒 :2008/01/11(金) 19:57:18.95 ID:jKppovU0O
- ('A`)「今回はなんも出てこなかったな。まぁ毎回出てこられたらこっちの身がもたないしな」
(#^ω^)「おらーっ!!出てこいジョバンニーッ!!」
ブーンは乱暴に扉を叩きだした。
静まり返った校内に、ドンドンと音だけが響く。
(*^ω^)「おらーっwwww楽しくなってきたおwwwww」
(;´・ω・`)「……!!や、やめるんだブーン」
('A`)「そうだよ。うるさいぞブーン。警備員にバレたらどうすんだ」
(;´・ω・`)「いいから!!早くトイレを出るんだ二人とも……」
('A`)「え……?」
- 26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-50,653秒 :2008/01/11(金) 20:05:20.56 ID:jKppovU0O
- (*^ω^)「うっさいおwwwただのジョバンニのくせに七不思議なんて生意気だおwwwww」
(;'A`)「お、おい。なんだよショボン。またなんかあんのか」
ショボンの異変に一人気付いたドクオは、その目線を追った。
(;'A`)(扉……?ブーンの腰のあたり……あ)
('A`)「誰か、入ってる」
その個室は、内側から鍵を掛けれれている証に、取っ手の上部が赤い表示になっていた。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-50,715秒 :2008/01/11(金) 20:11:36.63 ID:jKppovU0O
- (;^ω^)「……お?」
叩く手を止めて、赤い表示に気付くブーン。
途端に沈黙が支配した空間で、誰ともつかない咳払いが聞こえた。
( ゚ω゚)「……」
(゚A゚)「……」
(;´・ω・`)「……出ようか。使用中のようだ」
- 29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-51,622秒 :2008/01/11(金) 20:20:24.63 ID:jKppovU0O
- ゆっくりと、足音を立てずにトイレから退出する三人。
顔を見合わせて、ブーンが呟いた。
(;^ω^)「……ジョバンニに悪いコトしたお」
('A`)「……お前、祟られるかもな」
(;^ω^)「ちょ、恐いコト言わないでくれお」
振り返って手を合わせ、ジョバンニへ謝罪をするが、返事は返ってこなかった。
(;^ω^)「こ、これでたぶん大丈夫だおねツン……あれ?」
('A`)「ツン?どこ行った?」
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-52,044秒 :2008/01/11(金) 20:27:33.82 ID:jKppovU0O
- (;^ω^)「ツン?あれ?どこ行ったお?」
('A`)「?トイレかな?」
(;´・ω・`)「……見に行ってみようか。隣だし」
しかしツンの姿はどこにもなかった。
ブーン達がトイレ内にいる間、ツンは忽然といなくなってしまった。
(;´・ω・`)「……まさか……」
('A`)「……え?」
ショボンの呟きを、ドクオは聞き逃さなかった。
(;^ω^)「……おかしいお。一人で帰っちゃったのかお?」
(;´・ω・`)「そ、そうかもしれないね」
('A`)「お、おいショボン」
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-52,181秒 :2008/01/11(金) 20:33:32.07 ID:jKppovU0O
- (;´・ω・`)「え?」
('A`)「いや、お前今まさかって……」
ドクオが問い詰めようとしたとき、背後から壁を叩く大きな音が響いた。
(;'A`)「な、なんだ!?」
(;゚ω゚)「あわわ、ジョバンニが怒ってるお!!」
- 36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-52,645秒 :2008/01/11(金) 20:40:26.60 ID:jKppovU0O
- 走りだすブーンの後を追う二人。
廊下を曲がり階段を駆け下りる。
ツンも校舎を出ただろうと判断した三人は、非常口を目指した。
(;´・ω・`)「……ん?」
(;'A`)「ど、どうしたショボン」
途中、足を止めたショボンが背後を振り返り耳をすませた。
(;´・ω・`)「……誰かが追ってきてる」
呟いた前方からは、確かに三人のあとを追って走る足音が聞こえた。
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-53,173秒 :2008/01/11(金) 20:48:44.72 ID:jKppovU0O
- ( ゚ω゚)「ひぃぃジョバンニさんごめんなさいだおおおおおお!!」
(;'A`)「え?ツ、ツンじゃないのか?うそ、ジョバンニなの?」
(;´・ω・`)「……!!」
一人逃げようとするブーンを尻目に、正体を確かめようと身構えるショボン。
数秒も経たぬ内に、廊下の曲がり角から足音の主が姿を現した。
- 49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-55,195秒 :2008/01/11(金) 21:23:46.71 ID:jKppovU0O
- / ,' 3「……!!」
(;´∀`)「ショ、ショボン!?」
(;´・ω・`)「モナー!?荒巻も!!」
ぶつかりそうになって、慌てて横によけるモナー達。
(;'A`)「はぁ!?お、オマエラなんでいるんだよ!?」
/ ,' 3「説明は後……!!」
(;´∀`)「あ、だからちょっと待つモナ!!」
- 51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-55,869秒 :2008/01/11(金) 21:31:36.37 ID:jKppovU0O
- ショボンたちを素通りして再び駆け出す荒巻とモナー。
呆気にとられていた三人も、非常口目指して走りだす。
/ ,' 3「他の皆は……ついてきてないの……?」
(;´∀`)「ほ、他ってしぃ達モナ?きてないモナ」
/ ,' 3「……!!もう……間に合わない気がする……」
(;´∀`)「モナ!?」
全力疾走で駆ける五人に、非常口の扉が見えてきた。
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-56,151秒 :2008/01/11(金) 21:40:43.72 ID:jKppovU0O
- (;^ω^)「あうっ!!」
(;´・ω・`)「ブーン!?」
(;^ω^)「あてて……すべったおw」
(´・ω・`)「大丈夫かい?まったく……なんでこんな何もないようなところでこけるんだ」
(;^ω^)「申し訳ないwなんか床がヌルヌルして……て……?」
足元。
転倒した原因を探る指先。
そこには、血生臭い赤がべっとりと付着していた。
- 57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-57,043秒 :2008/01/11(金) 21:53:17.91 ID:jKppovU0O
- ( ^ω^)「……血?」
(;´・ω・`)「……なんだコレは……」
床一面に広がる赤。
途端広がる鉄の匂い。
(;´・ω・`)「なんで……さっきまではなかったぞこんなの……!!」
(;^ω^)「うわ……うわわ」
('A`)「お、おい。どうしたんだ?」
振り返り戻ろうとするドクオの肩が、背後から荒々しく掴まれた。
- 59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-57,227秒 :2008/01/11(金) 21:57:41.61 ID:jKppovU0O
- / ,' 3「行っちゃダメ……早く…!!」
(;'A`)「はぁ?何言ってんだよ?」
ドクオはその手を振り払い、二人の下へと駆け出した。
それを制するかのように、ショボンが荒々しく声をあげる。
(;´・ω・`)「ドクオ来るなッ!!」
(;'A`)「……は!?」
背後では、扉を開け外へ飛び出す音が聞こえる。
時計の針は、十二時を指そうとしていた。
- 62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-57,946秒 :2008/01/11(金) 22:08:54.65 ID:jKppovU0O
- ('A`)「あ。あいつら先行っちゃったよ……ったく」
ぶつくさと呟きながらショボンに近寄るが、異臭に気付き足を止めた。
(;'A`)「なんだこの匂い……うわ!!ブーンなんだそれ!!だだだだだ大丈夫か!?」
(;^ω^)「だ、大丈夫だお。ブーンの血じゃないお」
(;'A`)「そ、そうなのか!?よ、よかった……でもなんだよその大量の血は!?」
(;^ω^)「ま、まさか……ツ、ツン……」
(;'A`)「!!お、おい。変なコト言うなよ!!とにかく警察じゃねぇかこの場合」
(;´・ω・`)「……二人は一旦外に出るんだ」
(;'A`)「はい?いやいや、ショボンはどうすんの?」
(;´・ω・`)「……僕はツンを探しに行く」
- 64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-58,212秒 :2008/01/11(金) 22:16:57.97 ID:jKppovU0O
- (;'A`)「いや、ツンはもう帰ったんじゃないのか?」
(;´・ω・`)「いいから早く!!校舎の外に出るんだ!!」
(;'A`)「ッ!!」
突然張り上げられた声に、身をすくめるドクオとブーン。
(;^ω^)「ショボン……?」
(;'A`)「な、なんだよ。何いきなりキレてんだよ。訳わかんねぇ……行こうぜブーン」
- 67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-58,487秒 :2008/01/11(金) 22:23:28.70 ID:jKppovU0O
- ドアノブを捻り、扉を押す。
甲高い金属音をあげて、非常口が開かれた。
(;^ω^)「とりあえず警察に電……」
('A`)「……なにコレ」
非常口の先は、見慣れた学校の敷地は無く。
一寸先も見えぬ闇が広がっていた。
('A`)「……あれ?」
- 71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-59,170秒 :2008/01/11(金) 22:33:06.29 ID:jKppovU0O
- 右を向いても左を向いても、ただ闇、闇、闇……。
呆気にとられたままドクオは足を踏みだす。
しかし、靴の裏は空を切るばかりで、なんの感触も伝わってこなかった。
('A`)「……」
ポケットの中をまさぐり、小銭を取り出す。
ドクオはそれを闇の中に放り投げた。
( ^ω^)「……」
それは弧を描き、重力が導くままに下へと落下していく。
何にも接触する事無く、下へ、下へと。
('A`)「……音が聞こえない」
ドクオの小銭は、奈落の底へと落ちていった。
- 72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。あと-59,541秒 :2008/01/11(金) 22:41:13.01 ID:jKppovU0O
('A`)「なんだよコレ……」
背後から声が聞こえる。
ブーンは窓の前に立ちすくみ、茫然と外を見ていた。
( ^ω^)「……校舎の外側がなくなっちゃったお」
時計の針は、十二を指したまま止まっていた。
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