( ><)がお酒の素晴らしさを知るようです
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 21:42:17.40 ID:g2u2A+XDO
第三話はじまるよー!!
「まだ朝なんだ」
- 5: ◆N8fsVCU5do :2008/03/03(月) 21:46:36.10 ID:g2u2A+XDO
- ( ><)「うー、おはようなんです!」
ビロードは朝早くに起きました。時計は7時を指しています。
( ><)「お金が欲しいから早起きしたんです!三文がほしいんです!」
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 21:47:29.92 ID:g2u2A+XDO
- ビロードは仕事をクビになったので無収入でした。だからなんとかお金になることをしようと必死でした。
( ><)「今日も面接にいくんです!」
ビロードはタウンワーク片手に街へと向かいました。
そして面接会場へ向かいました。
- 7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 21:49:12.69 ID:g2u2A+XDO
- |^o^|「うちのかいしゃにはいるにあたってのしぼうどうきをおしえてください」
( ><)「えーと、家から近くてじきゅうがいいからなんです!!」
|^o^|「それだけですか?ほかにもいえがちかいところはあるはずです。なぜわたしどものかいしゃなのですか?」
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 21:50:12.72 ID:g2u2A+XDO
- ( ><)「求人誌にのってたからなんです!!」
|^o^|「これはこれは。おはなしになりませんね。つまみだしなさい」
|^中^|「わかりやした。そーれー」
ポイッと面接会場から投げ出されるビロード。
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 21:51:01.78 ID:g2u2A+XDO
- (#><)「もう二度とこないんです!!」
ビロードは顔をタコみたいに赤くさせプンプン怒りました。
しかしビロードはめげませんでした。
何故ならばビロードには母親がいるからです。
ビロードの母は病気です。心臓の病気で先は長くありませんでした。
- 12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 21:52:07.68 ID:g2u2A+XDO
- (;><)「お母さんにいいところを見せて早く安心させるんです!」
ビロードは頑張ります。次々と面接を受けみごとに奈落の底へ墜ちていきます。
(・ω・)「やりたい仕事はなんですか?また特技は?」
(;><)「全部わかりません・・・」
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 21:54:55.03 ID:g2u2A+XDO
- ビロードは迷っていました。仕事はしたいのですが何の仕事がしたいのかわかりませんでした。
元々、正直者なビロードは嘘をつくこともできず、ひたすらわかりませんわかりませんと言うばかりでした。
(;><)「結局どこも駄目でした・・・」
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 21:57:23.97 ID:g2u2A+XDO
- そりゃあ受かるものも受かりません。
なにがしたいかわからないやつを会社に入れても辞めるのがオチだと普通の会社は思うからです。
ビロードは行くアテもなくなり公園へいきました。
ビロードは情けなくなり涙が溢れました。
- 18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 21:58:24.32 ID:g2u2A+XDO
- (;><)「うっうっ。やりたい事がわからないなんてなしゃけないんでしゅ。」
泣くビロードに近づく人影。
(-@∀@)「うはwwwあそこでなんか泣いてるしwww」
( ^Д^)「平日の昼間からスーツで泣く大人www負け組全開じゃないすかwww」
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 21:59:15.34 ID:g2u2A+XDO
- (;><)「急になんですか!君達にはまだ、大人の世界がわからないんです!」
(-@∀@)「そんな気持ち一生わからなくていいし(笑)」
( ^Д^)9m「プギャーwww」
(#><)「うるさいんです!」
- 21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:00:00.12 ID:g2u2A+XDO
- ビロードが滑り台で口論しながら泣いていると一人の老人が近づいてきました。
/ ,' 3 「これ!人を泣かしたりからかっちゃいかん!悪ガキめ!」
(-@∀@)「じーさん、おれらなんもしてないぜ?」
( ^Д^)「勝手に泣いてただけだしwww」
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:00:52.89 ID:g2u2A+XDO
- / ,' 3 「どっちにしろちょっかいは出しとったら同じじゃ!謝って散れ!」
(#-@∀@)「なにその言い方。久々カチーンと来たね。」
(#^Д^)「今のは心の広い俺らでも頭きちゃったなー・・・オラァ!!」
すると悪ガキたちはおじいさんに殴りかかりました。
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:02:46.40 ID:g2u2A+XDO
- (;><)「や、やめるんです!そういうのは悪いことなんです!」
(#-@∀@)「うるせぇ!原因はてめーが泣いてたからだろーが!くたばれ!」
ビロードはパンチを一撃くらい倒れました。
(#^Д^)「次はてめーだよ糞じじいwww」
/ ,' 3 「ひぃ、あべし〜」
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:03:40.15 ID:g2u2A+XDO
- おじいさんを蹴り上げようとした足が後ろからおさえられました。
(メ><)「おじいさんを殴るのはよくないんです」
ビロードは静かに悪ガキ達に言いました。
悪ガキ共はビロードの手を踏みつけまた一撃殴りビロードを吹き飛ばしました。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:04:37.12 ID:g2u2A+XDO
- (-@∀@)「おいじじい、今度こそk」
(メ><)「や、やめ・・るんで・・・す」
ばたりとそれだけ言いビロードは倒れてしまいました。
(;^Д^)「これちょっとヤバいんじゃないの?」
(;-@∀@)「俺知らない。俺帰る!」
(;^Д^)「まっ、待ってよ!」
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:06:49.97 ID:g2u2A+XDO
- ドタバタと悪ガキ達は退去していきました。
/ ,' 3 「ヒィーッ、間一髪救われたぞい。坊主、大丈夫か!?」
へんじはないただのしかばねのようだ
/ ,' 3 「い、いかんぞこれは!すぐに手当てじゃ!」
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:07:54.21 ID:g2u2A+XDO
- おじいさんはビロードを引きずり、病院へむかい、先生にみてもらいに行きました。
病院にて
( ´ー`)「次の方どうぞ」
/ ,' 3 「坊主!死ぬんじゃないぞ!」
( ´ー`)「あー、打撲ですね。湿布貼っときますね」
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:08:59.97 ID:g2u2A+XDO
- / ,' 3 「先生!この子は助かるんですか?」
( ´ー`)「打撲ですから」
/ ,' 3 「せ、先生!この子を、この子を助けてやってください!」
( ´ー`)「打撲ですから」
/ ,' 3 「手術は成功しますか!?余命は!?」( ´ー`)「シラネーヨ」
- 34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:09:47.92 ID:g2u2A+XDO
- なんとか無事に手当てをしてもらいビロードは一命をとりとめました。
そしておじいさんの家へお呼ばれしました。
( ><)「どうもお邪魔するんです!」
/ ,' 3 「うむ。まぁ座れ。何か飲むか?」
( ><)「いただくんです」
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:10:43.08 ID:g2u2A+XDO
- おじいさんはてくてく冷蔵庫へ向かって行き、冷たい飲み物を出してくれました。
/ ,' 3 「しかし絡まれたあげく殴られるなんて災難じゃのう。まぁわしのお陰で一命はとりとめたがなwww」
ビロードが殴られた原因の85割はこいつの責任である。
- 39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:11:50.88 ID:g2u2A+XDO
- ( ><)「ほんとに助かったんです!じゃあ早速頂くんです!」
ビロードはその透明な液体をごくごく飲みました。
( ><)「けほっけほっ。な、なんですかこれは。」
/ ,' 3 「んー?最近の若いモンはカストリ焼酎も知らんのか?」
- 41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:13:02.26 ID:g2u2A+XDO
- ( ><)「あ、戦争のお酒なんです!こんなの初めてなんです。」
/ ,' 3 「戦争の酒か・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あれはわしがまだ21の時じゃった。
日本は戦争で敗れなにもかもが1からのスタートじゃった。
- 42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:15:15.92 ID:g2u2A+XDO
- そんときの娯楽は博打と拳闘と酒しかなかった。その中でも、酒はわし一番の楽しみじゃった。わしは造船所で働き、月に一回闇市で銀シャリと味噌汁とカストリを飲むのが楽しみじゃった。
それを喰らうとエネルギーを感じた。
- 43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:16:25.59 ID:g2u2A+XDO
- 生きとる、わしは生きとるぞと力強さ、体の呼応を感じた!
だけど、その楽しみを邪魔する悪い業者がおった。
そいつらはカストリで金儲けしよったのじゃ。
悪酔いしやすい密造酒や、工場とかで使うメチルアルコールを薄くした物、それらはひどく劣悪じゃった。
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:18:13.74 ID:g2u2A+XDO
- だけど、わしらはそれを飲むしか、この辛い日常を乗り越える事ができなかった。
わしは悔しかった。頑張って稼いだ金もそんな劣悪な物にかわるのが。
わしは我慢ならずに奮い立った。
- 49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:19:14.52 ID:g2u2A+XDO
- 焼酎蔵に弟子入りをして本物を習い、みんなに、本物の味を、本物のカストリをみんなに提供しようと頑張ったのじゃ・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
/ ,' 3 「そういえば坊主、お前はなんであそこで泣いておった?」
- 52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:21:42.81 ID:g2u2A+XDO
- ( ><)「僕は・・・かくかくしかじかで・・・」
/ ,' 3 「そうか・・・どれ、一つ話をしてやろう。」
おじいさんは語り出しました。
- 55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:22:49.59 ID:g2u2A+XDO
- / ,' 3 「人間の寿命を72年として、人生を1日にしてみよう。お前はまだ二十歳そこらだろう。つまり21だったら、まだ7時だ。お日様が顔をだして、家族が起き出す時間だ。
- 56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:24:57.65 ID:g2u2A+XDO
- 家族が起き出す時間だ。取り返せる。まだまだやれる!仮に、三十路ぐらいでもまだ昼前、全然巻き返せる!でもな、わしはもう深夜じゃ・・・12時すぎとる・・・お前がうらやましいわい」
そういうとおじいさんはぐいっとお酒を飲んだ。
- 59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:28:01.24 ID:g2u2A+XDO
- ( ><)「おじいさん、僕はなにもできません!でもおじいさんは立派なんです!」
/ ,' 3 「ははっ。たわけがwww」
おじいさんは少し真剣な顔をした。
/ ,' 3 「坊主、この年寄りと組まんか?やりたいこと?見つけんか?わしはお前にかけてみたい」
- 61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:29:23.92 ID:g2u2A+XDO
- ( ><)「できるならやりたいです!」
/ ,' 3 「よしきたわい!そうきたら善は急げじゃ!ここの通帳に五百万ある、わしらで会社おこすぞ!」
(;><)「す、すごいんです!でも、それで何の会社やるんですか?」
- 66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:31:11.21 ID:g2u2A+XDO
- / ,' 3 「なにしたらいいかわからん!だから何でもすればよかろう。なんでも屋商社をやるんじゃー!」
そういうとおじいさんはパタリと倒れ寝息をたてた。ビロードはそっと布団をかけて、窓を見ました。
今日は満月です。
- 68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/03(月) 22:32:35.90 ID:g2u2A+XDO
- ( ><)「満月さん、僕はやれるんでしょうか?いや、やらないといけないんです!応援していてください。ノンノさん、アッアン」
ビロードはお月様に手をあわせてゆっくり時間をかけてカストリを飲み、おじいさんに感謝しましたとさ。
第三話終わり
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