( ^ω^)達はタイムマシーンに乗るようです

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 19:49:51.15 ID:gRGYj6AH0


ラボトリー前。
ガシャリガシャリと、金属が軋む音が聞こえてくる。


( ゚∋゚)「クエーッ! あいつらは何やら光線銃のようなものを使うからな
     いいかお前等! ぬかるなよ!」

ΩΩ< オオーッ!!

( ゚∋゚)「ショボンのあの殺気を湛(たた)えた静かな瞳! 
     あれは絶対何か企んでいるに違いない」

( ゚∋゚)「ブーンとやらはニコニコしているが、
     ああいう奴が1番危ないのだ」

( ゚∋゚)「ドクオ…」

('∀`) 

( ゚∋゚)「あいつは危ない! とにかく危ない! 顔つきだけで分かるのだ」


ブーン達が出発した時刻とタッチの差で、政府の集団はラボトリーに辿り着いた。
クックルは重装備の兵士を2、3人引き連れている。彼らを生け捕る気で満々である。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 19:54:17.78 ID:gRGYj6AH0
クックルの向こう側に、同じようにラボトリーに向かう人影が一つあった。
それは、タイムトラベル中ヘリカルの御守を任されたドクオの母親である。
ヘリカルをしっかり躾けようと、かなり意気込んでいる様子だ。

J( 'ー`)し「ヘリカルに会うのは久しぶりだわ」

J( 'ー`)し「好き嫌いはどれくらい直ってるかしら?
      あの子は男3人に甘やかされて育っているからね、アタシがしっかり教育してやらなくちゃあ」

J( 'ー`)し「勉強ばかりできても、お嬢様状態で世間に出たら大変なのよ」

J( 'ー`)し「まず何からやらせようかしら。基本は足腰…
      やっぱり家中の雑巾掛けは外せないねっ!」

J( 'ー`)し「それからお料理も、そろそろ包丁の使い方ぐらい習わせとかないと」

J( 'ー`)し「ドクオは勉強は周りの友達に比べてあんまりだったけど…
     (いや、周りの子たちが頭良すぎってのもあるわね)
      ヘリカルはその真逆だわー」

J( 'ー`)し「これからの時代! 仕事もできてお料理もできるスーパーレディが流行るわよ!」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 19:57:30.46 ID:gRGYj6AH0
ガチャリ… ガチャリ…


( ゚∋゚)「うむ? 人影が見える」

クックルの隣にいた兵が反射的に銃を構えた。

( ゚∋゚)「馬鹿モン! あれは女性だ、あいつらではない! 銃を下げろ!」

J( 'ー`)し「誰かしら? あの人たち」




家の前で一つの集団と一人の女性は鉢合わせになった。
クックルは歩兵たちを止め、かしこまってドクママに挨拶をする。

( ゚∋゚)「今晩はご婦人、貴方もこの研究所にご用がおありですかな?」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:01:25.57 ID:gRGYj6AH0
J( 'ー`)し「ええ! 息子たちが出かけている間、
      ここの女の子を預かる約束をしていたのよ」

( ゚∋゚)「なんと! あいつら …いやいや 
     あの博士達のお袋さんでしたか」

J( 'ー`)し「そういう貴方は? 何やら恐い人達を引き連れていらっしゃるけど…」

( ゚∋゚)「私は科学庁のクックルと申します。
     我々は博士側に用事があるのですよ クエッ」

J( 'ー`)し「まあそんな所から! 息子がいつもお世話になっております…」

ドクママが改まってクックルにお辞儀をしたりするので、
クックルはすっかり彼女のペースに乗せられてしまった。

J( 'ー`)し「それじゃあ一緒に行きましょう♪」

(;゚∋゚)「は、はい」

重装備や立派なスーツに身を包んだ男達は、
かっぽうぎ姿の初老の女性を先頭に、玄関先へと向かうのであった。



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:06:43.31 ID:gRGYj6AH0
J( 'ー`)し「ドクオー。カーチャンですよー」

古びたインターフォンからは何も声は聞こえてこない。

J( 'ー`)し「あら? どうしたのかしら」

( ゚∋゚)「きっと地下の研究所にいるのですよ。参りましょう」





ドアを開けて、クックル達は建物の中に入る。
まるで家宅捜索をしにきた刑事のように、物々しい雰囲気をクックル達は漂わせていた。
慎重に、一歩ずつ廊下を進んでいく。



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:08:44.11 ID:gRGYj6AH0
(;゚∋゚)「気をつけろー… いきなり光線が飛び出すかもしれんからな」

ΩΩΩ<はいっ!

J( 'ー`)し「ちょっとあんたたち!」

(;゚∋゚)「むっ!?」

J( 'ー`)し「靴はちゃんと揃えて人様の家に上がるものですよ!
     こっち来なさい!」

(;゚∋゚)「一時退却だ!」

ΩΩΩ<はいっ!


J( 'ー`)し「相変らず小汚いわねー… 
      月にどれくらい掃除しているのかしら?」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:13:15.19 ID:gRGYj6AH0
なんとか一行は地下室の前まで辿り着いた。
途中、ドクママの小言があちらこちらに飛んだが、クックルの緊張の糸はまだ張ったままだった。
そして勿論、依然としてブーン達の姿は見えない。

J( 'ー`)し「この階段から地下室に行けるのね。ヘリカルも一緒にいるのかしら?」

ドクママはリズミカルに階段を下りた。
そして、ドアノブに手を掛けようとした瞬間、クックルに制止された。

(;゚∋゚)「相手は光線銃を持っていますッ! おい、お前等先に行くのだ!」

J( 'ー`)し「へっ?」

(;゚∋゚)「あいつらは我々よりずっと高い技術力を持っています!
     何を持っていても不思議ではありません!」

J( 'ー`)し「いやー そんなに褒められるとカーチャンまで嬉しくなっちゃうわ
      おっほっほっほwwww」

(;゚∋゚)(やはり子も恐ろしいというのは親も恐ろしいのだ)



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:16:13.98 ID:gRGYj6AH0
同行してきた兵士の一人が前へ進む。
そして、ドアをおそるおそる開ける。ひんやりとした風が差し込んできた。

Ω「…」

ガチャリ

Ω「……?」

Ω キョロキョロ

Ω「…!!!」

彼は研究所を見渡し、あることを発見した。

Ω「クックルさん!」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:17:01.60 ID:gRGYj6AH0
( ゚∋゚)「よし! 一気に踏み込むぞ!」

Ω「いえ、違うんです!」

Ω「先を越されましたッ! タイムマシーンも跡形もなく消えています!!!」

(;゚∋゚)「なぁぁぁああにぃいいい!!!???」





( ゚∋゚)「ルゥパァーーーーーン!!!!!!」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:19:35.42 ID:gRGYj6AH0
クックルは膝を床に落とし、苦虫を噛んだ。
兵士達はそれを尻目にマシーンの移動の痕跡などを調べていた。
しかしショボン達のタイムマシーンは、その場から瞬時にワープしたので無駄なのであった。


ドクオのカーチャンはその頃、リビングにヘリカルを探しに来ていた。


J( 'ー`)し「まぁーったく汚いねえ! 
      あの子達にも、掃除のやり方をイチから指導してあげなきゃ駄目ね」

J( 'ー`)し「それにしてもヘリカルはどこかしら? 
      一緒には絶対連れて行かないってショボン君は言ってたけど…」


ショボンと我が子が仲良く写っている写真から、ふと目線を下げる。
透明のテーブル。そこには、一枚の薄い紙が乗っていた。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:22:40.71 ID:WCDdojDF0
J( 'ー`)し「あら、何かしら… この紙」

J( 'ー`)し「…これはヘリカルの字だわ」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

おばあちゃんへ


わたしは、ママにあいにいきます

むりだとおもうけど

さがさないでね♪



   ヘリカル
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:25:50.07 ID:WCDdojDF0
J( 'ー`)し「―――!!」

J( ー )し ぱたっ



そのままドクママはソファーに卒倒してしまった。
日が暮れ、辺りは段々暗くなり、1番星が見え始めた頃。
人類初の時空を超えた旅が、今こうして幕をゆっくり開け始めたのだった。
タイムマシーンは進む。
科学の進歩とかそんなものではなく
ブーン、ドクオ、ショボン、ヘリカル、それぞれの思いを乗せて。






―――――――
――――



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:28:22.79 ID:WCDdojDF0


ピキュルルルーーーー…… ヌルポ ガッ


( ^ω^)「よし、エネルギー充電モードに入ったお」

('A`)「よし、外に出るか!」

(´・ω・`) 「設定時間軸… よし
      設定時間空間… よし
      設定到達座標… よし
      設定時間実際時刻…       
      これだけやや誤差が生じたな。昼間に着く予定だったのに、もう夜だ」

(;^ω^)「すまんお」

(´・ω・`) 「いいさいいさ。それじゃあ、夜中の散歩に洒落こもうか」


タイムマシーンの流線型が、夜空に浮かぶ星空を写している。
ブーン達は無事に2年後の未来に辿り着いていた。



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:33:22.96 ID:WCDdojDF0
ブーンが設定した到着場所は、彼らの町の山だった。
緩やかな坂道を下り、彼らは麓(ふもと)の墓場に辿り着いた。先日ブーンが墓参りに来た場所である。
夜空はまだ少し青みがあって、日が暮れてそれほどでもない時刻。
そこを流れる空気も、まだ少し暖かった。

('A`)「あれ…? まだ夕方が少し過ぎた頃じゃないか?」

( ^ω^)「見下ろす景色も、明かりが沢山見えるお!」

(´・ω・`) 「本当だ…。到着したときは真夜中みたいに思えたのに…」

(´・ω・`) 「時差ボケならぬ、時空ボケかな」

('A`)「はは。そんなもんだな…
    よし、行こうぜ」

( ^ω^)「そう遠くない未来をちょっと覗き見だお!」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:35:47.95 ID:WCDdojDF0
彼らは少し歩いた。ドクオの目に、赤い花が留まった。
小さな石墓に寄り掛かる身は枯れている。


('A`)「おい見ろよ。杉浦の墓の花が枯れてやがるぜ」

(´・ω・`) 「まったく、あいつらの枕元に出て言ってやろうか」

( ^ω^)「それじゃお化けだおwww」

( ^ω^)「…」

('A`)「まだ、あるんだな」



(´・ω・`) 「そりゃそうだ。まだ過去は変わっていないんだ」


少し冷めた口調で言い放ち、ショボンは淡々と先へ進む。
夜空はどんどん黒くなっていくようだった。



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:39:16.68 ID:WCDdojDF0



⊂ニニニ( ^ω^)ニニ⊃「夜の街を走るのは楽しいお!」

('A`)「うーん。あまりこの街は変わってねーな」

(´・ω・`) 「そりゃたったの2年だからね。
       あ、でもほら。あそこのラーメン屋は、僕等の時代じゃレンタルビデオ店じゃないか?」

('A`)「細かい所なら日々激しく移り変わっていくよな〜 うんうん」

わざとらしく感慨に耽るドクオの横で、ブーンは無邪気に走っていた。

⊂ニニニ( ^ω^)ニニ⊃「ブーンwwww」

ドッ

(  ゚ω゚)「あうちっ! すいませんお!」

(:::)「…いやいや、こちらこそ…」




(;^ω^)(………あれ?)



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:42:51.66 ID:WCDdojDF0
(´・ω・`) 「…」


いくら時代が変わっても、変わらないものが幾つかある。
それは例えば… 夕食時に家族を照らす、柔らかい食卓の明かり。
そしてその家族たちの笑顔。

彼らにとって過去に行くことは、自らそういった幸せな食卓を奪うということになるらしい。
しかし、それでもブーン、ドクオ、ショボン達の信念は変わらなかった。
山奥で充電されているタイムマシーンのディスプレイは、【Back_to_9_years】と表示している。
充電が終了するまで、後、約12時間だとも表示されてあった。


立ち止まり、何かを考えるショボンに、ドクオが話しかけた。


('A`)「寄ってくかー? 見ていくか?」

( ^ω^)「ここを右に曲がればSCラボトリーだお」



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:46:37.67 ID:WCDdojDF0
(´・ω・`) 「…いや、いいよ」

('A`)「…そっか」


そう言うショボンの足元に、誰かが捨てた新聞紙が被さる。
ショボンは日付の欄を見つめた。


(´・ω・`) (水曜日… 夕食当番は僕か)



それからまたしばらく彼らは歩いた。
ふと何かを思い出したように、ショボンは立ち止まり、一つ呟いた。

(´・ω・`) 「なあ、」

('A`)「ん?」

(´・ω・`) 「……ヘリカル、ちゃんとやってるかな」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:48:13.60 ID:WCDdojDF0
( ^ω^)「あっかんべーしてお尻ひっぱたかれてるかもしれんおwww」

(´・ω・`) 「お前のかーちゃん厳しいからなあ…」

ショボンの目線はドクオに向けられている。

('A`)「ああ!! 
    だから反抗して俺は、こんなスカポンに育っちまったわけだ!」

(´・ω・`) 「掃除、洗濯、お料理、あとお裁縫とか、そういうのは大得意だけどな」

( ^ω^)「理想のお嫁さんだおwwww」

('A`)「バーローwww」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:50:49.94 ID:WCDdojDF0
(´・ω・`) 「それじゃあヘリカルもおばさんにみっちり鍛えてもらって、
       いい女になってもらわないとな!」

( ^ω^)「カーチャンそっくりに育ったら大変だお!」

('A`)「そうそう! あの子はいい年して料理の一つも作れなかったからな…」

( ^ω^)「ぶほっwwww ”毒物酢酸カレー事件”を思い出したらなんだか笑えてきたおww」

('∀`)「うひゃひゃwww 他にもよー…」

('∀`)「…」


('A`)「過去の話は、”過去”に行ってからにしようか」


(´・ω・`) 「そうだな。よし、そろそろ戻ろう……」


月は、山へと戻る3人の若い背中を追いかけていた。
その日の月は綺麗な真ん丸で、蒼い夜空で一際輝いていた。



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:55:37.74 ID:WCDdojDF0
タイムマシーンに戻った3人は、狭いスペースでそれぞれ眠りにつく。
起きて少ししたら、ちょうど充電が終わる時間である。
ブーンが持ってきたポケットラジオから、陽気なDJの音が聞こえてくる。

「・・・・・ヘーイ、それじゃ次のナンバーは長岡ジョージの新曲”オッパイヘヴン”だ!・・」

「・・おっぱいいっぱい夢いっぱ〜い♪ 君のおっぱいは僕のヘヴン!オアシス!ラブ!アンド
   エクスタシー!!!! もませろ!もませろ!しゃぶらせろ!・・・・・・」

('A`)「へえー 2年後はこんな歌が流行ってるんだ」

(´・ω・`) 「つーか放送禁止だろコレ」

( ^ω^)「……」

( ;ω^)「ヘリカル元気かな〜… だお」

('A`)「おいおい、さっきからお前等ヘリカルのこと心配しすぎだろ!」

(´・ω・`) 「だってよぉ〜…」

('A`)「あの子はしっかりもんさ
    それに滅茶苦茶頭がいい。どんな境遇でも、どんなことがあっても生きていけるさ」

彼らの心配の矛先
それは、ヘリカルがドクオのカーチャンに預けられていることではない。
それからしばらくの間、男三人の湿っぽい会話は続いた……。



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 20:58:34.03 ID:WCDdojDF0
( ^ω^)「…」

( ^ω^)「…」

( ^ω^)「ねよっと」

(´・ω・`) 「そだな。今日はもう滅茶苦茶疲れた。ほんとーーーーーに疲れた!!」

( A )「んがー」

( ^ω^)「ドクオの奴、もう寝てるお」


ブーンはラジオの電源を切る。同時に照明も静かに消えた。
夜のざわめきがタイムマシーンを包んだ。


――――――
――――



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:00:47.66 ID:WCDdojDF0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜

( ^ω^)「ふう… やっとピッタリなネジが見つかったお」

*(‘‘)*「おとーさん!」

(^ω^ )「おっ、ヘリカルだお! ヘリカル、宿題は終わったお?」

*(‘‘)*「うん! 10秒で終わった!」

(^ω^;)(相変わらずだお)


*(‘‘)*「ねーねー! これタイムマシーンでしょ?」

( ^ω^)「そうだお! 僕等の夢を乗せたタイムマッスィーン!」

*(‘‘)*「ヘリカルも乗りたい! かんせーしたら乗りたい!」

( ^ω^)「どぉーしよっかなー だおww」

*(‘‘)*「いじわるー!!」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:02:50.74 ID:WCDdojDF0
( ^ω^) 「ヘリカルってジェットコースター乗れるお?」

*(‘‘)*「うーん… ヘリカルはまだ132cmだから… 乗れない」

( ^ω^)「んじゃ駄目だおwwwww 
      このタイムマシーンも140cm以下のお子様は乗れませーんwwww ふひひww」

*(‘‘)*「えー!! そんなのありかよキーーック!!」

(;^ω^)「ぎゃう!」

*(‘‘)*「よし! 今日からまいにち牛乳たくさん飲むぞ! 
     タイムマシーンがかんせーするまでヘリカルは140cmになります!」

( ^ω^)b「がwwんwwばwれwww」

*(‘‘)*「ふんだ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(  ω ) すやすや………


―――――――――
―――――――



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:05:13.76 ID:WCDdojDF0







*( )*「…」

*(‘‘)*

*(‘‘)*「ふわああーーーー… よく寝たぁ」

*(‘‘)*「タイムマシーンに乗って、すぐ寝ちゃったなあ…
     色々ときのうは忙しかったからなぁ」

*(‘‘)*「…ここはどこなんだろ」

*(‘‘)*「真っ暗でぜんぜんわからないや」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:06:48.44 ID:WCDdojDF0
目覚めたヘリカルは足を伸ばしてハッチを押してみた。ハッチは少し力を入れると難なく開く。
凛とした朝の太陽の光が、ヘリカルを包んだ。


:.:.:.:.:.:.:.lヽ:,}`ヽ、:.:i,ヾ\:.:.:.l ト`丶:ヽ:.:.:l'、:丶
:.:.:.:.:.:.i:l V,==≧、、 、\l _∠^N:.ト:.l \!
:.:.:.:.::::}' / ,r''"でi)ヾ''='  ケr。ヽ !:.:l ゙i!
:::,':::::::l   {,     ノ   ヽ二ノ i,jリ
:::、:::::::l   ` ‐ '' "      丶、 V
rュ:::::::l              / ',
f-う、::::',              '^ ' 、 ', うおっ、まぶしっ!
 「(ヽ:トi        , ――---r' l
', ヽ ヽゝ      /_,,.. -―、‐f  ,'
::\`" 〉     (~´: : : , -┴' /
、::::::ゝ‐' ',      `'‐ '"´ ,,..::'  /
>ぅ-y'  '、            ,'
,r‐ァ'   丶、、          !
  {,      `` −- 、、_,ノ
  丶          人



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:09:27.73 ID:WCDdojDF0
*(‘‘)*「…ってここ」

*(‘‘)*「私の町のうら山じゃない! なーんだつまらないの」

ヘリカルは背伸びをして、タイムマシーンの内部を覗き込む。
男3人が仲良くイビキをかいて寝ている。


(  ω )「んごーー… ドクオー… 足、 くっせぇー…」

( A )「ショボン… 腕… どけやがれ…」

(´ ω `)「だれだ… 屁ぇこいたの……… むにゃ…」


*(‘‘)*「よしよし、まだ寝てるな!」

*(‘‘)*(2年後のみらいなんだよねここは…)

*(‘‘)*「よし! 探検だー!!」



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:12:08.26 ID:WCDdojDF0
*(‘‘)*「あーるこー♪ あーるこー♪ わたっしはげんきー♪」

*(‘‘)*「…だけど、お腹へったなあ」

*(‘‘)*「でもだいじょうぶ!」

ヘリカルは持参してきたリュックを開いた。
そして、少しばかりの小遣いを入れた財布があるのを確認すると、また閉めた。
リュックの中には、財布の他に、水筒、お菓子、地図、時計などが入っている。彼女は完全に遠足気分だ。
少し歩くと、墓場に出た。墓場といえども、この時間帯ならば爽やかな風が吹いている。

*(‘‘)*「おはかだ!」

*(‘‘)*「おばけにゃ がっこーもー」

*(‘‘)*「しけんもなんにもない♪」

*(‘‘)*(うらやましいなちくしょー…)

*(‘‘)*「!」

ヘリカルは、ドクオと同じように枯れた花に気がついた。



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:14:43.66 ID:WCDdojDF0
*(‘‘)*「この人かわいそう…
     他の人よりおはかが小さいし、花もかれちゃってるわ」

*(‘‘)*「よし! ヘリカルが新しい花をつんであげよう!」

そう言って、ヘリカルは山を違う道から再び登り始めた。













―――――
――――



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:17:12.28 ID:WCDdojDF0


( -ω-)「…」

エネルギー ジュウデン カンリョウ
エネルギー ジュウデン カンリョウ
エネルギー ジュウデン カンリョウ

(#-ω-)「…」

(#-ω-)「あー もう うるさいお……」

(-A-)「ブーンー めざましどけいとめろー…」

( -ω-)「うーい…」


( -ω-)つ○ ぽちっ



( -ω-)「…すぴー」
(-A-)「…ふがっ」
(´-ω-`)「………ん?」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:17:52.98 ID:WCDdojDF0





寝惚けたブーンが押したボタンの下には、「起動」という二文字が記されてあった。

―――――――次の行き先は、過去。






47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/03/21(金) 21:18:44.99 ID:WCDdojDF0
*(‘‘)*「よーし! これでだいじょうぶだ!」

*(‘‘)*「じょーぶつしてね! あ、もうしてるか」



*(‘‘)*「―――?」



*(‘‘)*「今、地面がゴゴゴッてほんの少し揺れたような…………」



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