( ><)のStand By Me
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:11:50.00 ID:HK6ClSGT0
4. セックスドラッグロックンロール再び
ドクオさんの部屋は雑多としていて、四方から煙草の匂いがする。
僕はぺったんこになった座布団に腰を下ろした。
部屋を見回す。 壁に貼られたウィノナライダーが、僕を見つめている。
('A`)「換気するかあ」
そう言って彼は窓を開けた。
カートコバーンよろしくの長髪が夏の風に揺れた。
('A`)「これ、食えや」
ドクオさんが冷めたコンビニ弁当を差し出す。
僕はそれを頂くことにした。
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:16:03.50 ID:Cast0bEc0
- ( ><)「いただきますなんです!」
( ><)もぐもぐ
(;><)「まっず!」
('A`)「いくら不味くてもハラが膨れれば俺達生きていけるのさ」
そんな言葉を受けながら、僕は油でギトギトのカツと、ぱさぱさとしたご飯を流し込んだ。
確かに満足感は得られなかったが、空腹感は消えてくれた。
飯を食べている間、ドクオさんは僕をぼんやりと眺めていた。
そして食べ終わるのを見ると、おもむろにギターを取り出して弦をなでて遊んでいた。
部屋にまばらなメロディが響く。
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:18:14.64 ID:Cast0bEc0
- ギターに合わせて、ドクオさんが歌い、喋る。
('A`)「ふんふーん♪ 街で俺は出会った♪ 変なボウズと出会った♪」
ジャカジャン
('A`)「ところでボウズ」
ジャンジャン
('A`)「おめぇの」
ジャカ
('A`)「将来の夢は」
ジャカ
('A`)「何だ?」
ジャン!
(;><)「え、えっと…」
- 8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:21:43.86 ID:Cast0bEc0
- ( ><)「わかんないんです…」
('A`)「ああん? 日本の将来を担うヤングがそんなこと言っていいのかよ」
('A`)「強いて言えば?」
( ><)「え、なんだろう…?」
ドクオさんの姿格好を見ていると、とある一つの選択肢が思い浮かんだ。
( ><)「……がいじん!」
( ><)「僕は外人になりたいんです」
- 10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:25:01.47 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「外人?」
( ><)「そうなんです!」
('A`)「そりゃ、また、なんでだよ」
( ><)「え、えっと…」
しどろもどろに僕は答えた。
( ><)「背が高いし… 鼻も高いし… 髪も茶色いし…」
('A`)「…」
(;><)「…」
('A`)「…くっ」
('A`)「うはははははwwww そうかwww 外人になりたいってかwwww」
ちょっとの間沈黙が流れたが、ドクオさんのオーバーな笑いでそれは切り裂かれた。
- 13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:29:08.79 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「さっきからうすうす思ってたけど、お前は面白い奴だな」
('A`)「そんなテメェに歌を捧げてやらぁ」
そう言うと、ドクオさんは再びギターのボディーを膝に乗せた。
ギターの中心に開いている空洞の近くで、手を叩きリズムを取り、揚々と歌い始める。
('A`)「街で俺は出会った♪ 変なボウズと出会った♪」
('A`)「そいつは外人になりたくって町を出たーのさー♪」
('A`)「街で俺は出会った♪ そいつとポリスから逃げ出す♪」
('A`)「そいつはなんかよくわからないけど面白いのさー♪」
('A`)「外人になりたいしょーねーん♪ 外人になりたいしょーねーん♪」
( ><)「ひゅー! ひゅー!」
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:33:12.49 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「街で俺は出会った♪ 歌を歌ってたら出会った♪」
演奏は、止めない限り続くといった調子。
眠たそうな僕にも気付かずに、ドクオさんは自分の世界へとインしてしまったようだ。
そして僕もまた、眠りの世界へと引き摺られていく。
知らぬ合間に蓄積されていた疲れに、凄い力で押されていくようだ。
( ><)「ドクオさん、かっこ…」
( ><)「うぃーー …… 」
( )「…」
- 16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:37:40.04 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「〜♪」
('A`)「ん」
( )「…」
('A`)「なんだ、寝ちまったのか」
('A`)「きっと夜通しで家を出てきたんだな…」
('A`)「…」
('A`)「ふふ」
('A`)「まただ 最近は切れるのが早くなってきたわぁ」
('A`)「しょーがないやつだなあ 俺」
('A`)「やめよう、やめよう って思ってるのに、やっちゃうんだな」
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:41:21.79 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「どーしようもねえや」
('A`)「こればっかりは、もう戻れないんだよ」
('A`)「いーんじゃねえか? こんな人生は、もう終わったも同然だ」
('A`)「おわったもどうぜんだ〜」
ボソボソと何かを喋る声が遠巻きに聞こえた。
しかし、意識は徐々に薄れてくる。しっかりその内容までは把握できない。
「・・すり・・・・どこあっ・・ったっけ・・?」
「ああ・・ ここ・・ か・・」
「・・・・・・・・」
( )(?)
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:45:51.45 ID:Cast0bEc0
- 眠たさを我慢して、僕は瞼を紙一枚分開けてみた。
細長い腕に、細長い注射針。
それが見えたのを確認して、完全に眠りについたのだった。
- 22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:48:37.18 ID:Cast0bEc0
- ( )「…」
( > )「んにゃ」
('A`)「おう、起きたかボウズ」
起きた途端に、ギターの音色がまたポロポロと部屋の中で鳴っているのに気付く。
それが何となく心地良いと僕は思った。
( ><)「今… 何時なんです?」
('A`)「三時ころじゃねぇか」
ドクオさんは、僕が眠る前より少し素っ気無い表情になっていた。
煙草の煙が窓の隙間から逃げていく。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:50:39.75 ID:Cast0bEc0
- ( ><)「三時かぁ」
( ><)(いつもならゲームでもしてる時間かな?)
などと考えていると、テーブルの向かいにいたドクオさんが立ち上がる。
('A`)「よっしゃ! ドクオ'S ステージ 第二部開演といくか!」
('A`)「おめーも行くか?」
(;><)「え、あ、その…」
( ><)「行くんです!」
('A`)「よおし」
- 25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:53:55.82 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「そんじゃボウズはコーラスとタンバリンでもやってろ」
そう言ってドクオさんは、ダンボール箱の中から赤いタンバリンを取り出した。
僕はそれを受け取り、しゃんしゃん、と二回鳴らしてみる。
('A`)「よっしゃ行くぜ」
ドクオさんが蹴りでドアを開く。
太陽の光が僕の体の全体を刺す。
僕はその刹那、夏の匂いを感じ取った。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:57:07.61 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「今年のサマー♪」
( ><)しゃんしゃん
('A`)「裏切りのサマー♪」
( ><)しゃんしゃん
('A`)「お互いサマー♪」
( ><)しゃんしゃん
('A`)「Woo... Yeah!」
( ><)「Yeah!」
街を行く人々のリアクション。 無視 or 冷やか。
だけどドクオさんは何故か楽しそうで、それが僕には非常に不気味に思えた。
ドクオさんの目。ギターも、街行く人々も見ていなくて、ただ虚ろになっている。
それもまた不気味に思えるのだった。
- 31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 22:59:41.66 ID:Cast0bEc0
3曲くらいを演奏した。
ドクオさんの口から「休憩」という二文字が出て、
僕らは缶コーヒー片手に、忙しげな街をぼんやり見つめた。
('A`)「なあボウズ」
( ><)「はいなんです」
('A`)「この街を歩く奴らってよぉ、一体何割くらいガキのころの夢、叶えているんだろうな」
(;><)「うーん」
( ><)「2割くらいだと思うんです」
('A`)「そうか… 2割か…」
ドクオさんの口がもごもごと動いた。
「その2割のうちに俺は入れんかったなぁ」と言ってるのに僕は気付けなかった。
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:03:37.89 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「なあビロード」
( ><)「はいなんです」
('A`)「夢はなぁ、でっかく持てよ。あきらめちゃ、いかんよ」
( ><)「はいなんです」
('A`)「立派な大人になれや」
( ><)「はいなんです」
('A`)「…」
( ><)「…」
やけに喉が渇いた。
苦いコーヒーはあまり好きじゃないのに、僕はドクオさんより少しばかり早く飲み終わった。
空を見上げる。 綿のような雲が切れ切れに空を舞っている。
- 37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:10:08.26 ID:Cast0bEc0
- また少し時間が経つ。
目の前を、ギターケースを担いだ高校生達が通り過ぎる。
ドクオさんは、演奏している時と同じような虚ろな目で、彼らを見ていた。
そしてその後、溜息を一つつき、道具を仕舞い始めた。
('A`)「今日は、もう終わりだ」
( ><)「あれ? 日が暮れるまでやるんじゃないんです!」
('A`)「俺が終わりっつったら終わりなんだよ!」
ドクオさんの怒声に押され、僕は二本の缶コーヒーを道路の向かい側へ捨てに行った。
部屋で見た注射針と、ドクオさんの虚ろな目の関連性を模索しながら。
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:12:54.58 ID:Cast0bEc0
帰り道。僕はドクオさんにとあることを聞いてみた。
ふと頭に思いついたことだった。
( ><)「ねえドクオさん。教えて欲しいことがあるんです」
('A`)「なんだよ」
( ><)「ロックってなんです?」
('A`)「簡単だ」
('A`)「テメーの一番嫌いな奴は誰だ?」
( ><)「えと…」
( ><)「社会科の山田先生なんです」
('A`)「そうか」
- 40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:14:51.38 ID:Cast0bEc0
('A`)「あの空き缶が山田だとするだろ」
ドクオさんが、道端に落ちているアルミ缶を指差した
('A`)「要するに、こういうことだよっ!」
そして缶を目掛け、思い切り蹴飛ばした。
缶は勢いよく陽炎の向こうへ飛んでいく。
('A`)「どうだ。分かっただろう」
(;><)「な、なんとなく……」
本当はさっぱり分からなかったけど、僕はそう答えた。
- 43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:17:50.84 ID:Cast0bEc0
- 部屋に戻ってからは、退屈な時間が続いた。
僕はゴミ箱に捨てられていた音楽雑誌を眺めて時間を潰す。
ドクオさんは、ずっと虚ろになったままだ。
( ><)「あっ、オザケンの新譜出るんだ」
( ><)「…ってこれ、去年の雑誌なんです!」
('A`)ポケーッ
(><;)「……」
- 45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:20:32.34 ID:Cast0bEc0
「10年だ」
(;><)「?」
- 48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:22:21.64 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「俺がこの街に出てきて10年。俺が生まれてもう30年」
('A`)「お前、何歳だ……?」
突然のことだった。
ドクオさんは俯いたまま、僕にそう尋ねる。
(;><)「じゅ、14歳なんです」
('A`)「はぁ」
('A`)「うらやましいねえ」
- 54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:40:50.07 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「若いってのはそれだけで素晴らしいなあ……」
('A`)「お前もそう思うだろ!? あ!?」
(;><)「わ、わかんないんです」
('A`)「いずれ分かるようになるさ。嫌でも思い知らされるようになるさ」
('A`)「俺はなあ、一人でこの部屋で煙草をふかしてるとなあ、気が狂っちまいそうになるんだ… わかるか?」
('A`)「将来のこと… 過去のこと… そんなことは超越した世界だ」
('A`)「俺だってなあ、本当はなぁ!!!!」
ドクオさんの青白かった顔が、途端に紅潮してくる。
テーブルを何回も叩き、その体は、震えていた。
出会った時の陽気な姿は、もうそこにはない。
- 57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:44:15.43 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「19の時だよ。俺はなあ、世界で一番俺を信じていたんだよ」
('A`)「なんだってやれると思ってた… 大成功はしなくたって、そこそこはいけるって確信してたんだ…」
('A`)「仲間もいた! 女もいた! 金は昔から今までずっとねえけどな…」
('A`)「俺の歌とギターさえあればもうどうにでもなるって信じてやまなかったんだ…」
('A`)「それなりに期待もされてたんだぜ……?」
瞳に涙が滲む。鼻腔から鼻水が噴出す。シャツは物凄い勢いで汗ばんできた。
僕は、ドクオさんの急な癇癪に動揺を隠せない。 純粋な恐怖を感じた。
(;><)「ド、ドクオさん…」
('A`)「周りの奴らがよお… どんどん家庭を持って家とか車とか持っていくのを見るのはたまんねぇぞ……?」
- 59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:46:27.94 ID:Cast0bEc0
- そう言いながら、ドクオさんは僕との間合いを詰めていく。
そして、体中の体液を飛び散らせながら、僕の肩を強く掴んだ。
(;><)「いたた! いたいんです!」
(;A`)「俺はぁーー!!!! てめえみたいな奴が憎い!!! 憎いんだよぉーーー!!!!」
(;A`)「くそったれ!!! くそったれめ!!」
僕の頭部をガシガシとドクオさんが殴る。
だけどその拳はどこかへろへろで、我慢しようと思えば出来る痛みだった。
('A`)「何がロックだ! 何がメジャーだ! 何が夢だよぉおおおおおおお!!!!!!!!!!」
(;><)(がまんだ。ここはひたすらがまんするしかないんです…)
- 63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:49:19.87 ID:Cast0bEc0
(;A`)「くそっ! くそっ!」
いつの間にか、ドクオさんの拳はギターに変わっていた。
ぶ厚い板が僕の体を打つ。金属の弦が、時々肌に刺さってとても痛い。
(;A`)「今の俺はただのヤク中のロクデナシだよぉおおお!! どうせえええ!!!」
(;A`)「笑えよ! 笑えよ! てめえ!!!」
この暴力の嵐はいつ終わるのか?
僕はその思考の隙間に、カーチャンの顔を思い出した。
ああ、なんだか、僕はもう―――――
『ドンドンドン!』
- 67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:52:59.23 ID:Cast0bEc0
- ('A`)「ああ!? 何だ!?」
ドアから飛び出してきたスーツの男たちは、ドクオさんを一瞬にして取り囲む。
こんな場面、ドラマで何回か見たことがある。
だけど僕はそれよりも… 額から流れる血のほうが気になった。
「警察だ」
「鬱田毒男、麻薬取締法違反で逮捕する」
(;'A`)「……」
(;><)「…」
- 70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:55:17.41 ID:Cast0bEc0
- 長く茶色の髪の毛を力いっぱいに、掻き毟っていた。
ドクオさんは次に咄嗟に立ち上がり、叫んだ。
('A`)「あぁああーー!! なんでだよ!! いつもこうなんだ!」
('A`)「いつかバレるってわかってるのに!!頭ではちゃんとわかってるのに!!」
('A`)「チクショウ!!! あいつら… ゲロしやがったな!!!!!!!!」
('A`)「誰だ!!! だれだぁああぁああぁ」
泣き叫ぶ体を、警察の人たちは取り押さえる。ドクオさんは振り解こうとするが、無理のようだ。
('A`)「うおおおお!!! 嫌だ!!! 行きたくねえ、行きたくねえよ!!」
警察の怖い男の人と、目が合う。
僕は本能的に、”逃げなきゃ” って思った。
背後の窓が、開いている。
僕はそこに飛び込んだ。
- 73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:56:16.26 ID:Cast0bEc0
- 74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:56:35.62 ID:Cast0bEc0
- そこからのことはよく覚えていない。
ただ夢中で走った。
汗が飛んだ。景色が変わった。空の色が変わった。
頭の中には、微かにドクオさんが奏でたメロディーが残っていた。
そしてあのおっかない形相も。
気がついたときには、もう夕暮れ時。
僕は公園のベンチに腰を下ろした。
蝉の鳴き声が遠くなる。
(;><)「はあ、はあ……」
- 76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/13(日) 23:59:02.63 ID:Cast0bEc0
- ( ><)「はあ…」
( ><)「ドクオさん、どうなったかな?」
( ><)「…やっぱり刑務所行き?」
僕はなんとなくポケットの中をまさぐってみる。
プラスチックの何かを見つけた。
取り出してかざしてみる。 ああ、これはギターのピックだ。
ドクオさんの部屋に置いてあったピック。
( ><)「…」
- 78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/04/14(月) 00:01:29.76 ID:3uIgu/UM0
- ( ><)「…ふんふーん♪」
( ><)「僕は街で出会った♪ シャブ中の男と出会った♪」
ピックを手に取り、僕はギターを弾く真似をする。
歌は、ドクオさんから教えてもらったやつの替え歌。
2節くらい歌って、すぐやめた。 そしたら、額の傷の痛みを思い出した。
さよなら、小さなアメリカ。
4. おしまい
戻る/5