( ^ω^)は8つのメロディーをさがすようです

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 19:53:01.32 ID:NRVNW/540
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  その1  ネス   レベル99 
  その2  ひろゆき レベル67
→ その3   ブーン  レベル 3



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5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 19:54:01.56 ID:NRVNW/540
― 第三話 ひるさがりのたびだち! だお―


昨夜の騒動はブンブーン(42)の殉死によって、ひとまず幕を閉じた。
朝が来る。 山に集まっていたパトカーの姿はもうない。
少年は、庭に彼の墓を作った。 アイスの棒に「ブンブーン」と書いて、砂丘に突き刺しただけのものだが。



( ^ω^)「ブンブーン……」

( ^ω^)「今思い返してみれば、僕と名前被ってるおww」

( ^ω^)「…」



ブーンはポケットの中から、ちっぽけな石ころを取り出した。
一見、ただの石に見えるが、そうではないらしい。
ブンブーンの死に際の言葉を、彼は思い出す。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 19:57:24.12 ID:NRVNW/540
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

※ショボンの家


(・Ш・)「ぶ、ぶーん… こっちへ来なさい」

( ^ω^)「ゴミ箱から声が… ビンビーン! まだ生きているお?」

(・Ш・)「ああ、かろうじてな… ブーン、死ぬ前におぬしにどうしても言わねばならんことが…」

(;^ω^)ゴクリ

(・Ш・)「28コ ある!」

( ^ω^)「んじゃパス」

(・Ш・)「うそじゃよwww うそじゃよwww」

(#^ω^)「てめぇ本当は瀕死じゃねーだろ!」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:01:11.98 ID:NRVNW/540
(・Ш・)「おぬしに伝えねばならんことはただ一つ!」



    (・Ш・)「”お前だけの場所”を探すのじゃ!」



( ^ω^)「ど、どういうことだお…?」



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:01:51.62 ID:NRVNW/540
(・Ш・)「今からおぬしは旅に出る。それは分かるな? 
 世界を周って、ギーグに対抗できる力を蓄えるのじゃ」

(;^ω^)「なんだかRPGみたいだお」

(・Ш・)「RPGといっても、ただレベルを上げただけでは… 
 強力な超能力や武器を身に付けただけでは、絶対奴には勝てぬ」

(・Ш・)「世界各地に散らばる”パワースポット”に行き、
 お前の隠された力を引き出してもらわなければならん!」

( ^ω^)「なるほど、なんとなく分かってきたお。
       でも、なんでそこを”僕だけの場所”とはじめに呼んだんだお?」

(・Ш・)「行けば分かる… そのうちな」

(;^ω^)「気になるお」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:04:39.30 ID:NRVNW/540
( ^ω^)「それで、とりあえず僕は何をすればいいんだお?」

(・Ш・)「まずはこの地にあるパワースポット ”ジャイアントステップ”を目指すのじゃ」

(・Ш・)「ワシが乗ってきた隕石型UFOのレーダーでは、ここからとても近い位置にあるはずじゃが……」

(;^ω^)「ジャ、ジャイアンステップ? そんなハイカラな名前の場所、オネットにはないお」

(・Ш・)「そんなはずはない。よく歩き回ってみるんじゃ… ウッ………!!」

(;^ω^)「ビンビーン!?」

(・Ш・)「どうやらもう本当にお別れのようじゃ……………」

(・Ш・)「最後に、私の全ての念力を使い、旅に絶対必要なあるアイテムを…」


朽ちたはずのブンブーンの体躯が、黄金に輝く。 
すると、どこからか小石が現われ、ショボンの家のフロアにコツン、と落ちた。
それを拾い上げた時には、既にブンブーンは事切れていた。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:07:16.57 ID:NRVNW/540
ブーンは寂莫の念に駆られ、叫んだ。


( ;ω;)「ビンビーン!!!!! ビンビーン!!!!!!!!
       ビンビンビンビンビンビーン!!!!!!!!!」

(・Ш・)「ワシは… ブンブーンじゃ…」

(*^ω^)「良かった! また生きていたお!」

(-Ш-)「…」

( ;ω;)「やっぱり死んだぁあっぁああああああああ!!!!!!!!!!」






(´・ω・`) 「ねぇ、パパ、アイツゴミ箱と話してるよ」

(◎´・ω・`) 「そっとしておきなさい。 きっと頭がおかしいんだ」

(´・ω・`) 「あっはっははははwwwwwwww」(´・ω・`◎)

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17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:10:12.98 ID:NRVNW/540
ふとブーンは回想から抜け出す。 
手に握るのは、ブンブーンが死に際に残した小石。



( ^ω^)「…」




( ^ω^)「こんな小石、何の役に立つお?」

( ^ω^)「50Gとどうのつるぎよりシケてる餞別だおwww」

( ^ω^)つ○ 「すてちゃえ」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:12:42.18 ID:NRVNW/540
ブーンは茂みの向こうに石を投げ捨てる。
直後、「イテッ!」 という声が茂みから返ってきた。


(;^ω^)「あ、あれ? 人がいたお! やばいお! 怒られちゃうお」

(@∀@)「もー、痛いじゃないかブーン君♪」

⊂ニニ(^ω^ )ニニ⊃「ギャー ダメニンゲンだー にげろー」

(@∀@)「ちょwwwww」




茂みから現われたのは、近所に住んでいる「ライヤー」という男性。
自身は「フリー・トレジャーハンター」と呼んでいるが、
周りから見ればただのニートである。



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:26:35.43 ID:41EeYuBG0
ライヤーはブーンに石を返し、語りかける。


(@∀@)「ブーン君、ブーン君。面白い話しがあるんだ。聞くかい?」

( ^ω^)「えー、ニートさんの話しは全部嘘八百だから別にいいですお」

(@∀@)「ニートって言うんじゃない!!
     …今度ばかりはマジの中のマジ話さ」

( ^ω^)「それじゃ20秒だけ……」


ブーンは腕時計で時刻を確かめる真似をする。
平和な町の情事。 ライヤーは鼻息を荒くしてぺらぺらと喋り始めた。



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:28:07.38 ID:41EeYuBG0
(@∀@)「そうかい!!!
     実はね… 最近、趣味で穴掘りを始めてたらキンピカの像を見つけちゃってさ!!
     もうほとんど掘っちゃったようなもんなんだけど……」

(@∀@)「これがまたすっごい像なんだ。 金ぴかなだけじゃない。見ていると心を奪われるような…
     そんなすげぇ掘り出しもんなんだ。 信じられるかい? オネットにそんな素晴らしいものがあったんだよ!!」


( ^ω^)「ふーん」



(@∀@)「発掘作業はもう最終段階に踏み込んでいる。 きっと今日の夕暮れには全部掘り出せるだろう
     君の友達のショボン君にも今手伝ってもらっててね… くふふふ」



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:45:57.21 ID:to1VilXb0
(@∀@)「全部掘り出したらあんなとこやこんなとこのオークションに競りに出すんだ
     きっと凄い値がつくぞ… そしたら僕は瞬く間に大富豪だ」

(@∀@)「今までニートニートって散々バカにしてきたパパンやママン。
     それに君みたいなクソバカガキをアッと言わせてやるのさクヒヒヒヒヒヒ!!!!!!!!!!」

(@∀@)「…ちゃんと聞いていてくれたかいブーン君。 …ってあれ?」


しーん……


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

※ブーンの部屋


( ^ω^)「たいむ いず まねー だお」

( ^ω^)「僕はこれから旅に出る準備を整えるんだお! ニートの妄想に付き合ってる暇はないお!」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:47:24.64 ID:to1VilXb0
( ^ω^)「世界の平和は僕の手にかかってるお…」

( ^ω^)「実感ないけどwwwww」

( ^ω^)「ま、僕は本当はそんなことしてる暇ないんだけどwww 勉強とか野球とか忙しいんだけどwwww」

(*^ω^)「楽しそうだから、いっちょやってやるお!!」



「ブーンー ごはんよー」




( ^ω^)「わかったおー」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:47:57.12 ID:to1VilXb0
ブーンは階段を下り、食卓へと向かう。
テーブルには、たくさんのてばさきに、カレーライス、コカコーラ
彼の大好物ばかりが並んでいた。


(  ゚ω゚)「わわっ、誕生日でもないのに、どうしたんだお! この気合の入れ様は!」

J( 'ー`)し「旅立つ息子に、少しでも力をつけてあげたくて… ね」

(;^ω^)「かーちゃん! なんで僕が旅に出ること知ってるお?」

J( 'ー`)し「あんたの瞳の輝きを見てれば分かるわ」

( ^ω^)「さすがかーちゃんパワー… おそるべし」



*(‘‘)*「っつーかイヌが私に教えてくれたのよねー!」

/ ,' 3 (”奥さん、あんたの息子が世界を救うらしいですぜ ってな”)



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:48:19.74 ID:to1VilXb0
( ;ω^)「うっ…… うっ…」

もしゃもしゃ…

( ;ω^)「今日のてばさきは… なんだかちょっと… しょっぺぇぜ……」

J( 'ー`)し「男の子のくせにメソメソするんじゃありません!!」

J( 'ー`)し「ほら、これも… あとこれも食べなさい」

もしゃもしゃもしゃ…




(   ^ω^)「ごっつぁんでした」

*(‘‘)*「泣いていたわりにはよく食べたねwww」

(   ^ω^)「そりゃあ、かーちゃんの料理を食べるのはこれで最後になるかもしれないお」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:48:43.87 ID:to1VilXb0
J( 'ー`)し「そんなこと言うんじゃありません!」

J( 'ー`)し「いつでも… 戻ってきていいのよっ」

(   ;ω;)「うわーん」


感動的な場面を切り裂くように、
うるさい電話の音が部屋の隅で鳴った。



じりりりりりり!!



*(‘‘)*「はいはい!」

「おぅ、ヘリカルか! ブーンいる?」

*(‘‘)*「おにいちゃーん! お父さんだよ!」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:49:14.70 ID:to1VilXb0
( ^ω^)「もっしー?」

『おうブーンか! 元気してるか?』

( ^ω^)「元気すぎてオナラで空を飛べそうだお!」

『ははは! まるでキ○肉マンだな!』

( ^ω^)「何の用だお? 僕は今から旅に出るんだお!」

『なぬう? はじめてのおつかいに出演するって? …大きくなったなあ、ブーン』

(  ゚ω゚)「アホか!! 僕は、世界を救う… なんでもないお
     ちょっとそこまで、遊びに行ってくるお」

『ああ、それじゃあ旅先で何か困ったことがあったらパパに電話しなさい
 お金のことくらいだったら色々面倒みてあげよう』

( ^ω^)「恩にきるお! …ところでパパは、どこにいるんだお?」

『…』



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:49:33.42 ID:to1VilXb0

『そ、それはだなあ…』

『や、やめろっ!!!! そのタケノコは!! ああっ!!! 大量放出ぅううーー!!!』

『回せ回せ!!!! あーもう!!! …うわぁあぁあああああ!!! 逆転ホームランやでー!!!』




ブーンは受話器を置いた。




(^ω^ )「…」

J( 'ー`)し「…」

*(‘‘)*「…」

/ ,' 3 「…」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:49:58.43 ID:to1VilXb0
( ^ω^)「…とーちゃんはどんな仕事をしているんだお?」

J( 'ー`)し「うーん。 IT関連って言ってた」

/ ,' 3 (ちょwwwwww)










( ^ω^)「よーし! それじゃあお腹もいっぱいになったし!」

( ^ω^)「さあ、行くおっ!」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:50:32.63 ID:to1VilXb0
ブーンは揚々とドアを開け、午後の熱い日差しを、身体いっぱいに受け止めた。
山も、花も、鳥も、虫も、みんな自分の旅立ちを祝福しているように思える。

…そして、後ろの母と妹も。



J( 'ー`)し「さっき”いつでもかえってきていい”なんて言ったけど、
     そういえば明日からご近所さんと温泉旅行だわ」

(;^ω^)「ちょwwww」

*(‘‘)*「わたしもお兄ちゃんみたいに何かに挑戦してみるわ!
     アルバイトとか!」

( ^ω^)「僕のクラスメイトが社長の息子の、エスカルゴ運送なんてどうだお?」

*(‘‘)*「分かった!」




( ^ω^)「…さて、それじゃあ、行ってきますおー!」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/05/22(木) 20:50:47.64 ID:to1VilXb0
ブーンは一歩、また一歩と踏み出した。
途中、お母さんの姿が見えなくなるまで、何度も後ろを振り返る。
それは彼が、まだ子供だから……



( ^ω^)「寂しくなんかないお〜♪」

/ ,' 3 (ところで何で僕も連れていかされてんの)

( ^ω^)「野宿とかするとき、枕代わりになるかな〜 って」

/ ,' 3 (てめえwwwww)






一人の少年と、一匹の犬は街へと下る。
さあ、まずは「ジャイアントステップ」の居場所について、情報収集だ!


(続く)



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