僕らは、まるで愛国者のようです
- 40: ◆g4hoCLAMbw :2008/06/04(水) 22:48:15.68 ID:QZ07gCBq0
- 【4話 はじまりの銃声のおわり】
警官を撃った男達は、案の定広場の人々に向けて銃を構え、発砲し始めた
(;・ゝ・)「内藤!!! 危険だ!!! その女性を連れて遠くへ逃げろ!!! 内藤!!!」
僕はひたすら叫んだが、悲鳴と、足音にかき消された。時々視界の切れ間から、女性と共に姿勢を低くしているのが見える
人込みを掻き分けようにも、流れにはなかなか逆らえない。
「あぁ? なんだコイツ」
「女守ってやがる」
ブーンが、男たちに囲まれた。ブーンは女性の背中に腕を伸ばし、庇っている
女性は身を丸くし、震えている。ブーンも、必死に守りながら、震えている
先生の死に際が、また脳内によぎった。
僕は、必死にブーンのもとへと駆け寄ろうとした。
二度と大事な人が死ぬところなんてみたくない。その一心で。
(;・ゝ・)「ブーン!!! 逃げろ!!!! ブーン!!!!!!」
残酷にも、僕の声は聞こえない。遠くの男達の声が耳に入り込んだ
「そうだ、これで殴って殺したら良いんじゃね?」
一人が、鉄パイプを取り出した
- 42: ◆g4hoCLAMbw :2008/06/04(水) 22:49:16.73 ID:QZ07gCBq0
僕の背中に、悪魔が背中を寄せてほお擦りするような悪寒が走る。
がむしゃらに、人込みを掻き分けようとする。だが、前に進めない。
このもどかしさと恐怖は、やがて吐き気となった。
男がブーンと女性めがけて、鉄パイプを振りかぶった。
「せ―――………のっ!!!!」
このとき、思わず目をぎゅっと閉じてしまった僕は、あまりにも残酷で
あまりにも非道であった、と思う。
想像していた音は、肉を乱暴にまな板に置くような生々しい音だったが、
実際に聞こえた音はそれに程遠いものだった
地面を蹴る音。
カランカラン、と鉄パイプがアスファルトに転がる音も聞こえた。
想像だにしなかったその事態に、僕はゆっくり瞼を開く
('A`)「テメェ、俺のダチに何してんだ?」
- 44: ◆g4hoCLAMbw :2008/06/04(水) 22:49:59.61 ID:QZ07gCBq0
- ドクオがいた
腰に手を当て、正義の味方のような風貌を思わせる彼は、
どうやら鉄パイプの男に華麗なるキックを食らわせたようだ
(;・ゝ・)「ドクオ!!!」
(;^ω^)「ドクオ!!!!」
「なんだ?テメェ」と拳銃を構えた他の男達を一掃するのに、
ドクオは大して時間は要らなかった。
腰からトンファーを取り出し、身構え、彼は芸術的に
曲線や直線を描き、男達を成敗した
- 45: ◆g4hoCLAMbw :2008/06/04(水) 22:50:27.21 ID:QZ07gCBq0
('A`)「他愛も無ぇ」
(;・ゝ・)「ありがとう、助かった」
(;^ω^)「さすがドクオのトンファーは天下一品だお」
確かに、そのトンファーの実力は独学とは思えないほどの実力を
示していた。僕は、広場を見渡す
( ・ゝ・)「また……すぎうら教かな」
('A`)「だろうな」
幸い今回は死者はいないように見えるが、
ところどころ血があるところを見ると怪我人がゼロではないようだ
その日、僕ら三人はあとから来た警察に任意同行し、
事の全てを話した。そして、帰宅し、近くの喫茶店で夕食を共にすることにした
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