( ・∀・)は人類牧場を経営するようです

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/20(水) 23:54:11.36 ID:ekmRbnS+O
( ・∀・)「……………」

ξ;--)ξ「うーん、うーん」

( ・∀・)「……………」

ξ;゚听)ξハッ!


( ・∀・)「……………」

ξ゚听)ξ「あれ?ここどこ?」


( ・∀・)∩「やぁ…………」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/20(水) 23:55:33.24 ID:ekmRbnS+O
ξ;゚听)ξ「……………………」


( ・∀・)∩「…………………」


ξ;゚听)ξ「…………………」


( ・∀・)∩「…………………」


ξ;゚听)ξ「…………………」


( ・∀・)∩「…………………」


ξ;゚听)ξ「…………………」


∩( ・∀・)∩「がおおおおおおおおお!!」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/20(水) 23:56:50.77 ID:ekmRbnS+O
ξ;゚听)ξ「ギャアアアアアアアアアア!!」

∩( ・∀・)∩「がおおおおおおおおお!!」


ξ;゚听)ξ「ギャアアアアアアアアアア!!」

∩( ・∀・)∩「がおおおおおおおおお!!」


ξ;゚听)ξ「ギャアアアアアアアアアア!!」

∩( ・∀・)∩「がおおおおおおおおお!!」



∩ξ;凵G)ξ∩「ギャアアアアアアアアアア!!二つの意味でギャアアアアアアアアア!!」ヒリヒリ


∩( ・∀・)∩「…………………」


( ・∀・)「よし!危機は去った!」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/20(水) 23:58:50.81 ID:ekmRbnS+O
第八話


容易すぎる忌み人
油断により生まれた予期せぬ権力 四



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:01:45.17 ID:pJ4c24AMO
朝になった。清々しい朝だ。

休眠状態を終えた僕は、一緒に寝ている彼女を起さないようにゆっくりとベッドから出ると、偽装用の朝食の準備を始めるため台所に向かった。


今日は彼女もいるため朝食は二人分用意しなければならないだろう。

( ・∀・)∩「腕によりをかけて作ってやろうじゃないか」


僕は何となくうきうきした気分になりながら台所に向かった。

他人に自分の料理を食べさせるなんてハイン母さん以来の事だ。

彼女が僕の料理を食べて、どのような反応するのかと考えると自然に気分が高揚した。

とても楽しみだ。



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:04:50.84 ID:pJ4c24AMO
ξ--)ξ「…………………」


( ・∀・)「…………………」


だが僕のそんな楽しい気分も、目の前の不快な物体のせいで台無しになってしまった。


材木と良い香りがする観葉植物のおかげで麗しい香りを保っていたはずの僕の拠点が、今は彼女のせいで腐臭しかしなくなっていたからだ。

ここが忌み人の村で、そして彼女がその忌み人の村の中でこの腐臭をさせているのなら僕は一向に構わない。


だがここは僕の拠点、僕が快適に過ごせるように僕が造った僕の場所だ。

そしてそんな僕の拠点で違和感ありまくりの腐臭をさせている彼女は異物であり、排除しなければならないウイルスに他ならない。



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:08:01.63 ID:pJ4c24AMO
僕の心もここで彼女を排除する事を望んでいるようだ。

なぜならば僕の腕がすでに鋭利な人体切断用の炎熱カッターに変わっているからだ。


このカッターは人体を熱っしながら切る事で切断部から出る出血を抑え、より長く、より相手を苦しめるのに非常に効果的なカッターだ。

そしてこれを彼女に使用する事で、拠点を血で汚すこと無く彼女を容易に排除する事が出来るだろう。


( ・∀・)「……………」

だが違うもう一つの心は、彼女を生かし、彼女を別の形で排除する事を主張している。

もしここで彼女を死で排除してしまった場合、折角この世界で得た初めての自身による原住民の内部観察のチャンスが失われてしまうからだ。



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:10:37.59 ID:pJ4c24AMO
それに,彼女,にも嫌われてしまうかもしれない。

僕は僕の後者の意見に従い、彼女を殺さず平和的な排除を実行する事を選んだ。

だがここで一つの疑問が生まれた。


僕に,心,が二つあっただろうかという疑問だ。


気にするな………


何かがそう呟いた。


確かにそう気になる事では無い。忘れよう。


( ・∀・)つ「…………取りあえず、からしでもぶっこむか」

僕は食料貯蔵庫の中にある唐辛子によく似た植物を取り出すと、それを先程出した炎熱カッターで切り刻み彼女の尻穴にぶち込んだ。

ξ;--)ξ「………………」

( ・∀・)「…………」

ξ;--)ξ「う……………」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:12:27.61 ID:pJ4c24AMO
そしてすぐに効果が現れ始めた。
彼女はうんうんと唸りながら苦しみだし、何かを振り払うかのような仕草を行いながらひたすらもがいた。


ξ;--)ξ「やめて…………こないで……汚らわしい……ブーン」


彼女は急に何かに怯えているかのような寝言を吐き始めた。

こないでとはどういう事だろう。


まぁどうでもいいけど………
ほら早く起きろよ。薬で熱もひいたんだし、僕とクーちゃんの邪魔すんなよ。


ξ;--)ξ「やめて………はなして………いや……」


( ・∀・)「…………………」


ξ;--)ξ「うーん、うーん」


頑張れ!もう少しだ!



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:14:58.85 ID:pJ4c24AMO


ξ;゚听)ξハッ!

( ・∀・)「……………」
ξ゚听)ξ「あれ?ここどこ?」

( ・∀・)∩「やぁ…………」

ξ;゚听)ξ「……………………」

( ・∀・)∩「…………………」

ξ;゚听)ξ「…………………」

( ・∀・)∩「…………………」

ξ;゚听)ξ「…………………」

( ・∀・)∩「…………………」

ξ;゚听)ξ「…………………」

∩( ・∀・)∩「がおおおおおおおおお!!」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:16:52.48 ID:pJ4c24AMO
ξ;゚听)ξ「ギャアアアアアアアアアア!!」

以下略


∩(*・∀・)∩「うん、我ながら良い出来だ!おーい!」


彼女を追い出す事に成功した僕は朝食の準備を終え、寝ているクーちゃんを起こす為ベッドの方に向かった。


川 -)スースー


( ・∀・)「……………」

彼女は非常に良く眠っていた。
昨日は色々あったし、余程疲れていたのだろうか中々起きる気配がしない。

このまま寝かせてあげても良かったのだが、朝食はもう作ってしまったのだ。

冷めた朝食をお客様に出させる訳にはいかない。

僕は彼女の頬を優しく叩きながら彼女に起床を促した。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:18:54.82 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)つ川 -)「ごーはーんでーきーたーよー?」ペチペチ


川 つ゚ -゚)「う、うーん」

彼女はゆっくりと起きだした。
そして呆けた顔で僕の顔を眺め、言った。


川 ゚ -゚)「はらへった」

おはようくらい言ってもいいものだが………彼女が最初に口にしたのはただの生理的欲求だった。

おはよう、良い匂いがするな、ご飯出来てるよー、そうか良くやった、う、うまい!の連打を期待していただけに少し残念だった。

∩( ・∀・)∩「ご飯出来てるよー」


川 ゚ -゚)「食わせろ」


∩( ・∀・)∩「…………………」


何だい何だい……偉そうじゃないのさ………

まぁ、良いけどね。



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:22:12.50 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)「………じゃあ早く食べなよ。冷めちゃう前に……」


僕は何となくがっかりした気分になりながら用意した食卓の方に向かった。
しかし………


川 ゚ -゚)「まて 」


( ・∀・)「……何?」


川 ゚ -゚)「服が無い」

そういえば彼女は全裸のままだった。
昨日あのまま彼女に服を着させず、そのままベッドに運んだんだっけ。

無表情でこちらを睨みつつ、布団で全身を被い自身の裸体を隠している彼女を見て、思わずこれなんてエロゲと言いたくなった。言わないけど……


( ・∀・)「そういえば君の服、床に脱ぎ散らかしたままだったねぇ。今取ってくるよ」


川 ゚ -゚)「まて 」


もう、今度は何だい………



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:24:26.68 ID:pJ4c24AMO
川 ゚ -゚)つ「お前の着てる服で良い。お前の服をよこせ」


( ・∀・)「はい?」


川 ゚ -゚)つ「ほら、早くよこせ!早く早く」


∩(;・∀・)∩「えぇ?ちょっといやぁん!」


彼女は僕の上着を強引に奪い取ると勝手にそれを着用してしまった。
だがやはりサイズが大きいのか袖も丈もぶかぶかで、明らかに彼女に合っていない。


川 ゚ -゚)「うむ、着心地が良いな。気に入った」


しかし彼女は特に気にするでも無く立ち上がると、食卓の方に向かっていった。


( ・∀・)「……………」

僕はただそんな彼女をボーと眺めていた。


川 ゚ -゚)「どうした。飯を食うんじゃないのか?」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:26:20.08 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)「食べるよ、うん………食べるよ」


何となく彼女の態度は癪に障るが、僕はとりあえず彼女と一緒に食卓のテーブルについた。

テーブルの上にはほかほかの目玉焼き、焼いたベーコン、炊きたてのお米等が並んでいる。


冬はドングリ、などと言っていた彼女の事だ。
村ではろくに調理した食物など食べた事は無いだろう。

そんな彼女が僕の料理を食べてどのような反応をするのか今からとても楽しみだ。



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:27:32.09 ID:pJ4c24AMO
川 ゚ -゚)「む…………」

( ・∀・)「……どうしたの?」


川 ゚ -゚)「熱すぎて掴めない……特にこの白い粒」


( ・∀・)「……箸を使いなよ」


川 ゚ -゚)「箸? 」


( ・∀・)つ||「この棒切れだよ」


川 ゚ -゚)つ||「ふむ…………」


川;゚ -゚)「む………うぬぬ」カチャカチャ


( ・∀・)「………………」


川 ゚ -゚)「無理」


( ・∀・)「……………」



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:29:43.72 ID:pJ4c24AMO
成る程、今まで土人並みの人生を送っていた彼女に箸など使える訳が無い。

出来立ての熱い料理はさすがに食べられないか………


( ・∀・)「無理なら仕方ないね。冷ましてから食べなよ」

本当なら出来立ての熱々を彼女に口にして欲しかったのだが、まぁ箸が使えないのなら仕方ない。
多少冷めても味は変わらない。


川 ゚ -゚)「その必要は無い」


( ・∀・)「どういう事?」


川 ゚ -゚)「お前が私にこの飯を食べさせれば良い。私の口にその箸とやらでこの食物を運べ」


( ・∀・)「え? 」


川 ゚ -゚)「ほら早く運べ、冷めるだろ」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:31:55.78 ID:pJ4c24AMO
彼女は口を開けると、早くしろと言わんばかりにこちらを冷たく見つめ、僕に行動を促した。


川 ゚ -゚)じー


彼女が何を考えているのか僕には全く分からなかった。
彼女のこの行動がどういう意図があって行われているのかも分からなかった。

全く分からなかったが、ここで動じるわけには行かない。


( ・∀・)「もう、君は甘えん坊さんだなぁ」


僕は頭の中に疑問を隠しながら、ただ箸を使い彼女の口に朝食を運んだ。


川 ゚ -゚)モグモグ


( ・∀・)「美味しい?」

川 ゚ -゚)「………普通」

( ・∀・)「……………」



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:33:43.73 ID:pJ4c24AMO
普通……ときたもんだ。
ムムム…そんなはずは無いだろう。

美味しいはずだ。それが普通て…………


( ・∀・)「美味しくない?」


川 ゚ -゚)「普通 」


(#・∀・)「そう…………」


普通なんて有り得ない、普通ならそんなに唾液をながし、僕に次を催促したりしないはずだ。

僕は半分焼けになりながら彼女の口に朝食を運んだ。

彼女は結局美味しいとは一言も言ってくれなかったが、一応僕の料理を完食した。

しかし彼女はまだ口を開け、次を要求しているままだ。



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:36:36.34 ID:pJ4c24AMO
川 ゚ -゚)「…………どうした」

( ・∀・)「………いや、もう無くなったし」

川 ゚ -゚)つ「まだあるじゃないか」


そう言って彼女はまだ手をつけてない僕の料理を指差した。

( ・∀・)「………僕の何だけど……それ」


川 ゚ -゚)「知らん、早く食わせろ」

( ・∀・)「……………」
ムムム……今日はヤケに生意気じゃないか。

僕の優しさにも限度というものがある。
これは一言文句を言ってやらねば……

( ・∀・)「君ねぇ、いい加減にしなよ。僕は君のお手伝いさんじゃ無いんだよ」

川 ゚ -゚)「あぁ、そうだな」

( ・∀・)「分かっているんなら………」

川 ゚ -゚)「私はお前の物だ」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:39:11.70 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)「……………まぁそうだけど」


それがどうかしたのか?

その言葉を続ける前に彼女が口を開いた。


川 ゚ -゚)「という事はお前は私の面倒を見る義務がある訳だ」


( ・∀・)「…………はぁ」


川 ゚ -゚)「面倒をみる、と言う事はそれ即ち私の言う事を聞くと言う事に他ならない」


( ・∀・)「………何が言いたいの?」


川 ゚ -゚)「分からないのか?つまりは私はお前の物になったんだから、お前は私の命令を聞く義務があると言う事だ」


( ・∀・)「………矛盾してない?」


川 ゚ -゚)「してない。そうなったんだ。今からな」


( ・∀・)「……………」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:41:41.55 ID:pJ4c24AMO
成る程、そう言う事か……

彼女は契約、即ち自分が僕の物になるという関係の中で、あくまでも主導権は自分にある。

私はお前の物だが、お前は私の物なんだぞ、と僕に念を押している訳か…

それを僕に教え込む為のこのわがまま、そして今から、の魔法の言葉



アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!


やはり彼女は面白い!


これなら僕は彼女の言う事を聞かなきゃいけなくなるじゃないか!


自分の奴隷に従属する……別に悪い事では無い。

彼女の言葉に従い、彼女に支配されようじゃないか………


だが、その前に聞かなきゃいけない事がある。


とても、とても重要な事だ。



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:45:25.99 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)「君の言う事は良く分かった!………だけど一つ聞きたい事がある」


川 ゚ -゚)「…なんだ?」

( ・∀・)「僕のご飯美味しかった?」



川 ゚ -゚)「……………あぁ、驚く程美味しかったよ」

( ・∀・)「………そうかい!なら良いんだ!」

その言葉さえ聞ければ僕はこれといって文句は無い。

うん!オーケーオーケー
( ・∀・)つ「はい、あーん」


川 ゚ -゚)「あーん」

そうして僕は彼女の言うがままに自身の朝食を彼女の口に運び、彼女の,面倒,を見た。

何だかんだ言って彼女も僕の料理を気に入ってくれていたのか、僕の分の朝食もあっという間に彼女のお腹の中に消えていった。



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:48:01.24 ID:pJ4c24AMO
川 ゚ -゚)「ふぅ、満腹だな、もう食べられない」

彼女はそう言うと再びベットに横になり、大きな溜め息をついた。


( ・∀・)「食べた後寝ると牛になっちゃうよー」

川 ゚ -゚)「牛という物がどんな物か私にはわからないが、そんなの迷信だよ」


まぁ、確かにそうだけどね…………


( ・∀・)「ならお好きにどうぞ」


川 ゚ -゚)「あぁ、そうさせてもらう………ところで」


( ・∀・)「何? 」


川 ゚ -゚)「ツンはどこに行った?」


ツン?あぁ、あのゾンビ臭娘か、そういえばすっかり忘れていた。

彼女はよく僕の頭の中から消え去る。
よほど僕の中で重要度が低いのだろう。



63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:50:10.01 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)「あの子なら僕の姿を見て一目散に逃げちゃったよ」


川 ゚ -゚)「そうなのか?おかしいな、まだ薬草の効き目が残っているから後二日は眠ったままなのに」


( ・∀・)「僕の処方した薬でその薬草の効き目が殺されちゃったんじゃ無い?」


川 ゚ -゚)「そういう事が起きるものなのか?」


( ・∀・)「うん」


もちろん嘘だ


川 ゚ -゚)「そうか、彼女が村に逃げ帰ったのなら私達も村に戻った方が良いのかもしれないな」


( ・∀・)「どうして?」

川 ゚ -゚)「皆でお前を村に入れるか入れないかの議論をする必要が無くなったからな。お前が勝手に村に入ってツンの治療を行った以上、彼等はもう逃げられなくなる訳だから」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:52:21.20 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)「逃げられなくなる?何から?」


川 ゚ -゚)「お前と対面するという現実からだよ」

( ・∀・)「……何とも情けない事で…」


川 ゚ -゚)「忌み人、だからな」


( ・∀・)「ま、別にそこはどうでも良いんだけど……ってかクジびきはしないの?」


川 ゚ -゚)「クジびき?」

( ・∀・)「うん、やるって言ってたじゃない」

川 ゚ -゚)「あぁ、討論の終わり頃にやるな、クジびき」


( ・∀・)「クジ中心じゃないんだ」


川 ゚ -゚)「クジで二日も使うわけ無いだろ」


( ・∀・)「ごもっとも」

川 ゚ -゚)「クジは年寄り衆中心でやって、負けた奴が村長を中心にお前と対面する、と言う流れになるだろうな」



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:54:28.52 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)「年寄り?」


川 ゚ -゚)「年が100を超えた連中の事だよ。お前に使者として向かったあのアホ共もクジで選ばれた一応年寄りだな」


( ・∀・)「……なんと」

あの使者達が年寄りだって、そんな馬鹿な………
ひっこし……引っ…越し………ひっこしこしこし
ひぃぃぃぃ!助けておっぱい!

ひいいいいい!僕は美味しくないよ!兄者は美味しいよぉぉ!

弟者このやろう!



( ・∀・)「……………」

とても信じられるような話では無かったが、彼女が言うからには本当なのだろう。

しかしあれが年寄り、もとい年長者か………


ん?だとしたら……



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 00:57:58.67 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)「ねぇ、聞きたい事があるんだけど」

川 ゚ -゚)「何だ?」


( ・∀・)「僕に会いに来た使者達は皆100歳越えてるクジで選ばれた人達だったんでしょ?」


川 ゚ -゚)「そうだが?」

( ・∀・)「じゃあ何で君は僕に会いに来れたの?君56歳なんでしょ?足りないじゃない、年」


川 ゚ -゚)「私は志願したからな」


( ・∀・)「志願?」


川 ゚ -゚)「興味があったからな。こんな誰も近寄りたがらない忌み地に一年も住み着く馬鹿やろうの事がな」


( ・∀・)「ふーん」


他にも色々聞きたい事はあったが止めた。

これから色々と聞けばいいだけの話だ。

欲張りすぎは良くない。



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 01:00:29.11 ID:pJ4c24AMO
僕らはそれから村に戻る為の準備を始めた。


準備、といっても彼女が食べた朝食の食器片付けや彼女の着替えくらいで終わったのだが……


準備を終えると僕らは忌み人達の村に再び向かった。
道中彼女から忌み人達との接し方などを色々聞きながら、僕らは村に急いだ。


(;^ω^)「あ……」


村に着いた。相変わらず、みすぼらしい村だ。

村の入り口に男が一人たっていた。

たしかブーンとか言っていた使者の一人だ。


( ・∀・)「どうも……」ペコ

(;^ω^)「あ、はいどうも」ペコ


僕は大きい声を出さず、なるべく小さなで声で小さく会釈する。



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 01:03:18.64 ID:pJ4c24AMO
彼女に教わった、忌み人達の挨拶の仕方、だそうだ。


( ・∀・)「村長さんはいるの?」

(;^ω^)「は、はい………い、いますお」

( ・∀・)「じゃあ……案内してくれる」

(;^ω^)「は、はいわ、わかりましたお」

( ・∀・)「どうも…」

成る程、逃げない……

彼らに接する時は絶対に大声は出すな。
大きな身振り手振りは行うな。
微笑を絶やすな。

これさえ守れば、余程の事が無い限り怯えはするが逃げるまでには行かない。

彼女の言うとおりじゃないか。

(;^ω^)「こ、ここが村長の家、です」

( ・∀・)「……………」
彼に案内されたのは他の家よりはやや大きめの土の家だった。



75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 01:06:03.40 ID:pJ4c24AMO
川 ゚ -゚)「ここでお別れです」


そう言って今まで黙って着いてきていた彼女と村長の家の前で別れた。


一緒について来て欲しかったのだが…まぁ、こんな村でも一応序列はあるだろうし、仕方が無いだろう。


(;^ω^)「そ、村長き、来ましたお」


/;,' 3「う、うむ、どうもわ、わしがここの村長じゃ、いや、です………」


( ・∀・)「…………」


この村長、随分気の弱そうな村長だ。


常に挙動不審でキョロキョロと辺りを見回し、声は小さい上に震えていて聞き取りづらい。


年だから、では無いだろう。恐らくは僕に対する恐怖心のせいだ。


これがこの村の頂点か。



78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 01:09:37.95 ID:pJ4c24AMO
/;,' 3「つ、つつんを救っていた、だだたいて有難うございました」


( ・∀・)「どうも……」

/;,' 3「し、してあの、あなたはわ、わたしたちにななな、何をお望みなのですか」


( ・∀・)「はぁ………」


いきなり本題、か………


まぁ、おそらくそばにいるブーンとかいう子から僕が何を目的としているかを大体聞いているだろうし、
下手に怖い僕とぐだぐだ会話するより、早く要件を聞いて早く終わらせたい。


そんな気持ちがあるのかも知れない。


なら僕はその気持ちに答えてあげなくちゃ



( ・∀・)「では言います」


/;,' 3「は、はい」



81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 01:12:38.10 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)「僕をこの村に置いて欲しいのです」

/;,' 3「………え?あの今なんて?」


( ・∀・)「聞こえなかったのならもう一度言います。僕をこの村に置いて欲しいのです」


/;,' 3「え?そんな……あ、う話が違う、ブーン…」


(;^ω^)「あ、あのその、この忌み地で薬草とるのが目的なんじゃなかったのかお?」


予想とは違う言葉に村長は混乱したのか、彼はそばにいたブーン君に助けを求めた。

このブーン君からしても寝耳に水だったのだろう、少々戸惑っているように思える。


しかし悪いね、少し事情が変わったんだよ。



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 01:14:44.82 ID:pJ4c24AMO
( ・∀・)「私はこの村の現状を目の当たりにし、大変悲しくなりました。この村にはろくな医療など存在してはいない」

(;^ω^)「あ、あのその」


( ・∀・)「ならば私がこの村に医療を施し、この村の医療の発展、いやこの村の発展に貢献出来れば……そう考えついたのです」


(;^ω^)「そ、それはありがたい事ですが、その、あの」


( ・∀・)「どうでしょうか村長?この私を村に置いて頂けないでしょうか?
損はさせません。必ずこの村の発展に寄与してみせます」


/;,' 3「え?あの、その」


いきなり自分に話を振られた村長の顔はもう真っ青だ。
どうすれば良いのか分からなくなってしまったのだろう。



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 01:16:52.03 ID:pJ4c24AMO
/;,' 3「あ、う、そのあの………あぁ」


彼の混乱は想像以上に大きいようで、真っ青な顔でキョロキョロと辺りを見回しながらひたすら怯えている。

彼女の言っていた通り、この村長は全く使い物にならないようだ。


/;,' 3「帰って………ねぇ帰ってよぉ……」


悪いがそういう訳には行かないんだよ。
さて、そろそろトドメをさす頃か………


( ・∀・)「村長?ご返答は?」


/;,' 3「知らないよぉ………帰ってぇ……帰ってよぉ……」


( ・∀・)「村長…………」


/;,' 3「嫌だぁ、帰って、ねぇ帰ってくださいよぉ……」


(#・∀・)「ごちゃごちゃうるさいんだよぉ!!あぁ!!」



91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 01:19:15.85 ID:pJ4c24AMO
(;^ω^)!!!!


/; ,' 3 !!!!


(#・∀・)∩「さっきからうるさいんだよ!帰って、帰ってって!僕はこの村にいて良いか、悪いかを聞いてるんだ!!おい!!どっちなんだ!村長!!」


僕は村長の胸倉を激しく揺らした後、村長に数回ビンタをするなどしてこの臆病者の村長を徹底的に脅した。


/ ,; 3「ひぃ!許してぇ!!痛いのやだぁ!怖いのやだぁ!!助けて助けて助けてぇ!!」


(;゚ω゚)アワワワワワワ


(#・∀・)「おらおら村長!!どうなんだ!ああ?どうなんだあああ!!」


少々哀れではあったものの、こうでもしなければこの村長から言質は取れない、と彼女が言っていた以上やるしかないだろう。



94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 01:23:08.19 ID:pJ4c24AMO
/ ,; 3「分かりました!!良いです!!この村にいて良いです!!だから虐めないで!!殺さないでぇ!!」


良し、言質取れた。
後は彼女に報告するだけ、だが………
この村長の見事なまでの怯えっぷり…

過去に何らかのトラウマでもあるかのような怯えっぷりだ。


ツンと言う少女も何かに怯えているかのような寝言をはいていたし、この村には彼らが怯えるような,何か,があるようだ。


その,何か,が何なのかはまだ分からないが、この村に居着くと決めた以上、その,何か,とも遭遇する日が来るだろう。


この村での生活に彼女以外の新たな興味が生まれたのはとても良い事だ。

楽しくなってきた。
いやほんとに………………



96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/08/21(木) 01:25:37.58 ID:pJ4c24AMO
第九話へ 続く



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容易すぎる忌み人
油断により生まれた予期せぬ権力 五



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