( ・∀・)は人類牧場を経営するようです

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/23(水) 23:12:30.78 ID:4f3vaV6hO
自分はただ寂しがっただけだ。

人に自分という存在に認知してもらいたかっただけだ。

自分が異端の存在であると言う事も分かっていた………


だが自分はこの世界にいたって良いはずだ。

誰はばかる事も無く存在したって良いはずだ。

認めて欲しかった

愛して欲しかった



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/23(水) 23:13:54.18 ID:4f3vaV6hO
だが人という他者は自分という存在を否定した。
誰も認めてくれなかった
存在を否定し、世界に生きる事すら許してくれなかった。

もう忘れ去られるなんて嫌だ

皆に自分を見て欲しい

分かって欲しい。


だから僕は…………



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/23(水) 23:15:50.94 ID:4f3vaV6hO
( ・∀・)は人類牧場を経営するようです


序章

「世界の終わり」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/23(水) 23:17:44.32 ID:4f3vaV6hO
人は、民族というものは、結局一つになる事は出来なかった。

肌の色、生まれた国、習慣や性格の違い

この世界の様々に存在する人という生物は皆違っていた。

違っているから憎しみあったりもするし愛し合ったりもする。

許しあう事も………

だが国、そして民族という個人とは違う全体はそうはいかない
それぞれ自分の国、民族を守るため、違う者達といつでも争っている。

そして時には些細な理由でお互いを殺しあったりもする。



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/23(水) 23:19:40.31 ID:4f3vaV6hO
どんなに時を重ねても、いつでも違う人が僕は大好きだった。


たとえどんな目にあったとしても人を愛していた。

人になりたかった。人に認めて欲しかった。


でも人は結局自分を認めてはくれなかった。

だから僕は人とは違うやり方で皆に認めてもらう事にした。




それは殺す事だった。



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/23(水) 23:21:55.29 ID:4f3vaV6hO
人を沢山殺すと、人は僕を危険と判断する。
つまり僕に注目し、僕を危険な存在として認めてくれる。

更に人を殺し続けると国が自分を認めてくれる。
そしてその国の人々が僕に恐怖という感情を当てて認めてくれる。

悲鳴や恨みの言葉をぶつけながら、死んでも僕の存在を刻み続けてくれるのだ。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/23(水) 23:24:03.15 ID:4f3vaV6hO
国という全体の中の人を殺し続ける事で更に違う国が僕を認め始める。

違う国の人を殺す事で更に違う国の人が………


そうしていつしか世界の国の人に敵として認められた僕は有頂天になった
人の恐怖が見たくて殺し続けた。


元々強い力を得ていた自分に人は敵にすらならなかった。

ただ延々と殺し続けた。

嬉しくて、ただ嬉しくて

僕は人を殺し続けた。これが僕が人と繋がる方法だと思っていた。



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/23(水) 23:27:00.53 ID:4f3vaV6hO
だが違っていた。いつしか人は居なくなってしまった。

殺し過ぎた事で、人は滅んでしまったのだ。

僕は絶望した、恐怖した。

人がいなくなってしまった世界で生きる事を、人がいないことで起こるであろう寂しいという感情が起こることを………

悲しいから、寂しいから
僕は僕を止める事にした。

つまり死のうと思ったのだ。



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/07/23(水) 23:29:01.56 ID:4f3vaV6hO
ただのプログラムに過ぎなかった自分が、自分を殺すという事を考えついたのだ。

それはとても喜ばしい事だった。

自殺という概念は人にしか与えられていない行動だったからだ。

自殺して死んだ世界でまた人がいるかもしれないという希望もあった。

もし居たならば、今度は違う形で人と繋がろう。

そう思いながら僕は僕を絶った。


序章 終わり



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