( ^ω^)は('A`)とのダブルスを貫くようです

  
19 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:28:00.90 ID:uQzEfX9AO
  




第二話





昼では目障りな程に教員で溢れた空間も居なくなってみれば、中々虚しいものだ。
そんなことを頭の片隅に浮かべながら、ショボンはデスクワークを淡々とこなしていた。
かたかたと無機質にキーボードを叩く手は、どこか機会的な物を思わせる。
それも区切りに入り、ショボンは休憩を入れた。空になったコーヒーを入れようと席を立ち上がったその時、唐突に机に置いてある携帯電話が電子音を鳴らし始めた。
ショボンは、それを手に取り発信者を確認した。
そこにはブーンと言う文字が浮かんでいるいた。
通話ボタンを押して、スピーカーに耳を近づける。



  
20 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:28:51.98 ID:uQzEfX9AO
  


(´・ω・`)「もしもし。ブーン君かい?」
( ^ω^)『どうも、今晩はですお』

どこか、温和な雰囲気を感じさせる声だ。いつもの彼の声がそこにはあった。
もう振り切ったのだろうか。

(´・ω・`)「どうだ、もう決心したのかい?」

いいながら席を立ち、一度入れそびれたコーヒーを入れるため、カップに手を取った。

( ^ω^)『はい、しましたお』

その言葉に、ショボンはポットを傾けながら、ほっと胸を撫で下ろした。



  
22 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:29:50.60 ID:uQzEfX9AO
  
その矢先に、ブーンの声が続いた。

( ^ω^)『僕には、やっぱりドクオとのタブルスが1番なんですお』
(´・ω・`)「は?」

間抜けな声に共鳴するようにショボンのポットを持つ手の力が抜けたが、何とか持ち直す。
それにお構い無しにブーンは続ける。

( ^ω^)『僕のテニスはドクオで始まりましたお。だから、僕のテニスにはドクオが必要不可欠なんだお。…勝手な願いとはわかってますお』

間が空く。ショボンは言葉を遮らない。

( ^ω^)『僕らに、チャンスをください…!』
(´・ω・`)「…」

確かに自分勝手だ。しかし、強く重い思いだとショボンは思った。
ポットを退けて、覗かせる黒の水面には、小さな笑みを浮かべるショボンの表情があった。



  
24 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:30:50.02 ID:uQzEfX9AO
  
柄にも無い。こんな言葉一つで決断を揺るがせるなんて。
ショボンは一度日程表を調べた。
明後日、土曜日に他校との練習試合が控えている。
そして、口を開いた。

(´・ω・`)「…わかったチャンスを上げるよ」
( ^ω^)『本当ですかお!?』

その声は一気に歓喜の色に染まっていた。
ショボンはあくまで冷静に続ける。

(´・ω・`)「明後日、ウィニィ高校との練習試合があるんだ。…ドクオとのダブルスで流石ペアに勝て。勝てたら君達をダブルス1にしよう」

流石ペア。
この県では中々有名な強豪ペアだ。
正直、ブーン・ドクオペアでは勝利は厳しいところだろう。
取れて4か5ゲームくらいが打倒か。



  
25 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:31:34.41 ID:uQzEfX9AO
  
( ^ω^)『わかりましたお!』

それを知ってか知らずか、活気に溢れる声を最後に通話が途絶えた。
残されたショボンは携帯を閉じ、窓へと視線を傾けた。

(´・ω・`)「らしくもない…」

吐かれた呟きは誰に届くでも無く、浮かんで、消えた。




To be continued



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