( ^ω^)は('A`)とのダブルスを貫くようです

  
27 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:34:17.47 ID:uQzEfX9AO
  




第三話




('A`)「バカヤロウ!!」

次の日、ブーンはドクオにショボンとの約束を伝えた。
喜ぶだろうと思い、胸を高鳴らせていたのだが、帰って来たのは罵倒の台詞だった。
一緒唖然としたが、持ち直し反論する。

( ^ω^)「な、馬鹿とはなんだお!! せっかくチャンスを貰ったていうのに!」
('A`)「うるせえ! …お前は俺を馬鹿にしたいのかよ!!」
( ^ω^)「…」



  
29 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:37:58.52 ID:uQzEfX9AO
  
ドクオの表情は剣幕一色。知らされた瞬間に手が出ていないのが不思議だ。
やはりそこは理性による配慮なのだろうか。

('A`)「俺がお前をどういう気持ちで送り出したかわかってるのか!? 俺が、俺は!」

しかし、ドクオが怒っている事には変わりはない。
怒りによる脳内の暴走がドクオの言動を少しばかりか乱している。

( ^ω^)「…そんなもんしらんお!」

しかし、そんなドクオの怒りもなんのその。はたからみればドクオの怒りを増長させそうな発言をブーンは若干怒声混じりなものの、はっきりとした口調で自らの考えをピシャリと言い放つ。



  
30 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:39:14.26 ID:uQzEfX9AO
  
ドクオはその言葉に呆気に取られた表情を見せた。
後にみるみる表情を怒りに歪ませ、とうとうブーンに飛び掛かった。
されるがままにブーンの体は地面に倒れこんだ。しかし、こんなことが起こっても、ブーンの瞳は静かにドクオを見つめていた。
それを気にもかけず、ドクオはブーンに怒声を浴びせる。

('A`)「お前一人のそのくだらない同情ででチームや俺を踏みにじるんだぞ!!」
( ^ω^)「そうかもしれないお!」

ブーンの声色はドクオに触発されていて感情的になっていて、荒かった。

('A`)「そうかもしれないだと? 違う、そうなんだよ! お前、チームが大事じゃないのかよ!?」
( ^ω^)「大事だお!」
('A`)「なら!」
( ^ω^)「でも、それ以上にドクオとのダブルスが大事で大好きなんだお!」
('A`)「……は?」



  
31 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:40:29.98 ID:uQzEfX9AO
  


ようやくドクオはブーンの雰囲気の違和感に気付いた。
ドクオが押さえ付けているブーンの腕が震えている。
ブーンは黙るドクオに声を震わせながら続けた。

('A`)「……」
( ^ω^)「…僕のテニスはドクオ無しではありえないんだおっ…!」

ブーンの瞳が潤いを帯び始めた。

( ^ω^)「僕にチャンスを…くれお。ドクオ……!」

ドクオの押さえ付ける手の力が徐々に弱まっていく。
そして、いよいよブーンの目からは涙が流れ始めた。



  
32 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:42:09.03 ID:uQzEfX9AO
  


( ;ω;)「ヒック、僕に…ヒック、チャ…ン…ス…を!最後のチャンスをくれお!!」

しゃくりを上げながらみるみる崩れていくその表情。
ドクオの手は力を失っていた。
ドクオの怒りは何時しか何とも言えない気持ちになっていた。
何かが込み上げて来るがドクオはそれを押さえ込む。

('A`)(…けっ)

そんな中で、ただ一言だけ、ドクオは呟いた。

( A )「…やっと吹っ切れると思ったのによ」

雫の粒が、ブーンの頬へと落ちた。



  
33 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 21:43:04.55 ID:uQzEfX9AO
  




( ^ω^)「行くお、ドクオ」
('A`)「…ああ」

ウィニィ高校のコートは公立高校ながらのオムニコートだった。人工芝のシートが敷かれた地面に砂が散りばめられている。
二人は、コートへと足を踏み入れる。一歩一歩踏み締める度、何処か重さが感じられた。
そして、ブーン達はネットを挟み、流石ペアと向かい合った。
流石ペアの一人、兄者がラケットを地面に立て、問う。

( ´_ゝ`)「フィッチ?」
( ^ω^)「…ラフだお」

ブーンの答えと共に、ラケットが回された。
――――不安と緊張の中、ブーン達にとっての運命の戦いが、始まる。




To be continued



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