( ^ω^)は('A`)とのダブルスを貫くようです
- 65 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 22:44:08.38 ID:uQzEfX9AO
第七話
ブーン達は崩れるようにベンチに座った。
そして、思い思いに水分を口に含んでいく。
ゲームカウント4―5。流石ペアリード。
次を奪われると、ブーン達の敗北が決定してしまう。
しかし、二人の中には不安はなかった。それには理由がある。
それは、次のゲームのサーバーがブーンだということだ。
ブーンは自身でも自らのサービスに信頼を持っている。
証拠に、今の所、ブーンのサービスゲームは二回回って来たが、二つとも危なけなく取っていた。
- 66 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 22:45:20.12 ID:uQzEfX9AO
( ^ω^)「…次のゲーム、絶対取ってやるお」
しかし、プレッシャーはある。
ぶつぶつと呟くブーンを見兼ねて、ドクオは背中を叩く。
('A`)「大丈夫、楽勝にとれるさ。俺も頑張ってフォローするし。さ、スマイルスマイル」
ドクオの笑顔にブーンも表情を崩した。
ブーンは正面を見つめる。ベンチにの座る流石ペアを。
( ^ω^)「後、3ゲーム…」
呟くと、ラケットを握り、立ち上がった。ドクオも立ち上がる。
ドクオとブーンは視線を合わした後、静かに頷き、ポジションへと移った。
その時、ドクオは気付かなかった。
―――震えの止まらない、ブーンの右足を。
- 68 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 22:47:02.87 ID:uQzEfX9AO
ボールを数回付き、レシーバー、兄者を見据え、ブーンは口を開く。
( ^ω^)「…カウント、フォー、ファイブ」
言い終わり、上がるトス。瞬間、足を曲げ、左手を掲げ、準備はOK。
伸び上がる足、脇に抱えられる左手、物凄いスピードで振られるラケット。ボールとのインパクトは良好。そして、振り切る。
相手コートへと伸びるサーブ。ザイドのサービスラインの上。
( ´_ゝ`)(くっ…!)
ボールへと伸びる兄者のラケット。しかし、それは触れる事なく、空を切っていった。
サービスエース。
このゲームの先手ポイントはブーン達だった。
('A`)「よっしゃあ!」
- 69 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 22:47:52.27 ID:uQzEfX9AO
その様子を見届けたドクオは、喜びをあらわにしながらブーンの方へと向く。
その時、
('A`)「…なっ!」
ドクオは異変に気付いた。
ブーンが足を押さえてうずくまっているのだ。
急いで駆け寄るドクオ。
('A`)「ブーン! 大丈夫か!?」
屈み込むと苦痛に歪み切ったブーンの表情が伺えた。
ドクオに気付いたブーンは強がりに笑顔を作った。
( ^ω^)「ふひひっ…っ大丈ブイ…だお」
(´・ω・`)「…ブーン!」
- 70 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 22:50:08.02 ID:uQzEfX9AO
ショボンもブーンの元へと駆け寄って来た。そして、早い手際でシューズとソックスを脱がしていく。そこには…
(´・ω・`)「…捻挫だ。多分サーブの時の着地を誤ったのだろうな」
('A`)「…なっ!」
青く滲むブーンの右足首を見ながらショボンは静かに宣告を落とす。それに驚きを隠せないドクオは声を漏らした。
ショボンは続ける。
(´・ω・`)「…もう試合を続けては行けない」
( ^ω^)「っ…そんな!僕はまだできますお!」
ショボンの言葉に反射的にを否定するブーン。ショボンは首を横に振った後、患部に指で刺激を与えた。瞬間、部分を痛覚の電流が走った。
- 71 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 22:51:10.35 ID:uQzEfX9AO
( ^ω^)「……っう!!」
苦痛に歪むその様子をショボンは見届けた後、瞳を閉じた。
(´・ω・`)「こんな、足で続けてみろ。…下手すれば大会にすらでられなくなるかも知れないんだぞ」
('A`)「…なっ!」
俯くドクオ。終わりの三文字が頭の中を過ぎる。
ショボンは立ち上がり、ウィニィ高校の顧問へと口を開いた。
(´・ω・`)「すいません、この試合…」
( ^ω^)「待つお!」
- 72 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 22:52:44.93 ID:uQzEfX9AO
- ブーンの声がショボンを遮った。
見下ろせば、強い瞳でこちらを睨み付けるブーンの顔がある。
( ^ω^)「…続けさせてくださいお」
('A`)「ブーン!?」
(´・ω・`)「駄目だ。第一、この状態で試合にでても先は目に見えているだろう?」
( ^ω^)「…まだ、わからないお!」
声を荒げて、言うと、ブーンは地面にラケットを付き立て、立ち上がった。ガクガクと右足が震えていた。
その様子にドクオの中にも強い気持ちが芽生える。
( ^ω^)「お願いだお、…先生!」
('A`)「…っ俺からも頼むよ…先生!」
頭を下げる二人。
(´・ω・`)「…」
ショボンはその様子を見た後、ウィニィ高校顧問へと視線を移した。
To be continued
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