( ^ω^)は('A`)とのダブルスを貫くようです

  
75 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 23:06:21.13 ID:uQzEfX9AO
  




第八話




あんなに青かった空は少しずつ灰色へと染まっていった。
ドクオは、そんな空を見て、ふと思い出す。

('A`)(午後から雨が降るんだっけか)

ショボンは以前、ウィニィ高校顧問を見据えたまま。二人は、そんなショボンの様子を伺っていた。
そうしていると、ショボンの顔がブーン達へと傾いた。そして、口を開く。



  
76 : 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 23:07:44.41 ID:uQzEfX9AO
  
(´・ω・`)「ブーン…少し来い」
( ^ω^)「…? …はい」

何事かと思いながらもブーンは覚束ない足取りで、ベンチに向かった。ドクオもブーンの後を追い掛ける。

(´・ω・`)「座りなさい」
( ^ω^)「はいお」

指示通り、ベンチ座るブーン。すると、ショボンは肩に掛けていたバックから救急箱を手に取り、中から医療機器を取り出した。




(´・ω・`)「…これで、良いかな」

ショボンは額の汗を手で拭い、救急箱に道具をしまい込んでいく。



  
77: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 23:08:55.42 ID:uQzEfX9AO
  
ブーンの右足には固定器具と包帯が巻き付けられていた。
救急箱をバックに入れるとショボンはブーンの肩を持ち、静かに淡々とした口調で言う。

(´・ω・`)「…デュースが長引く又はタイブレークになったら止めるぞ。わかったな」
( ^ω^)「…お?」
('A`)「…え?」

ブーン達は目を見開く。その表情は驚きと嬉しさが混じっている。
言い終わると、ショボンはドッカリとベンチに座り込んだ。

(´・ω・`)「…さあ、勝ち取ってみろ。VIP高校、ダブルス1を、な」
( ^ω^)('A`)「…はい!」

二つの声が重なった。



  
78: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 23:10:50.64 ID:uQzEfX9AO
  
ゲームカウント、4―5。ポイント、15―0。
試合は、再開された。

( ^ω^)(…あまり痛くないお)

サーブポジションにつくと右足で軽く地面を軽く踏む。あれほどの痛みもショボンの処置により、軽くなった。
ドクオへと視線を移す。少し不安そうにブーンを伺っていた。ブーンは拳を作り、好調をアピールする。すると、ドクオは笑い、頷いた。

( ^ω^)「…フィフティン、ラブ」

カウントを読み上げる。後、11ポイント。
上がるトス。逆クロスへ放たれるサーブ。
そのサーブはコントロールを誤り弟者の正面に飛んで来た。

(´<_` )(よし、行ける)

弟者は構えながら確信する。しかし、



  
80: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 23:12:11.08 ID:uQzEfX9AO
  

ビュウ!

バウンド時に、球が伸び上がった。
完璧に振り遅れる弟者。
なんとか当たり、球は向こうに跳んだものの、サイドラインを越え、アウト。

( ^ω^)「…よし!」

小さくガッツポーズするブーン。その様子を弟者は呆然と見ながら先の記憶を呼び起こす。

(´<_` )(なんだ、あの球の延びは…)

その疑問は瞬時に解決をした。自らに似合わない形となって。
弟者は口元を吊り上げる。

(´<_` )(ふ……馬鹿みたいだな)



  
81: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 23:13:50.41 ID:uQzEfX9AO
  

この後、ブーン達はドクオによるポーチとサービスエースにより、ポイントを連取する。
そして、次のゲームも危ないところを見せるが、何とか食らいつき、ゲームを取った。
ゲームカウント、6―5。ブーン達のマッチゲーム。
ドクオとのタブルスを守りたいブーンの気持ちがブーンの球威を増させていく。負傷のブーンを守りたいドクオの気持ちが積極性を生み出していく。
二つ異なったプレイスタイルは友情という繋ぎ目によって一つの形として生まれようとしていく。
これで最後のゲーム。そして、ドクオのサービスゲーム。

82: 以下、佐賀県庁にかわりまして佐賀県民がお送りします :佐賀暦2006年,2006/10/27(佐賀県と汚職) 23:15:41.86 ID:uQzEfX9AO   
これで最後のゲーム。そして、ドクオのサービスゲーム。
ここまでのドクオのサービスゲームによるキープ率は0%。しかし、やらねばいけないのだ。
二人の勝利と二人のタブルス。その二つをこの手に勝ち取るために。
ドクオは、サービスポジションに移ると、大きく深呼吸をし、集中を研ぎ澄ませる。
渡される、二つのボール。


ドクオはそれををしっかりと受け取った。




To be continued



戻る第九話