( ^ω^)ブーンが日本一のロックバンドになるようです

  
317: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:39:57.78 ID:nzj+ibGl0
  
( ^ω^)「今日は隣の県のライブハウスでライブだお!」

高校を卒業し、ライブも数え切れないほど行ってきたT,V,I,P,。
暴れるような派手なパフォーマンスと、ドクオが書く詩の世界観、シンプルでストレートなロックビートが人気で
いろいろなライブハウスからお呼びがかかり、月4、5のペースで演奏をしている。

メンバー20歳の夏。初めて地元、ニュー速県から飛び出て、隣の県であるラウンジ県でライブを行う。
海沿いの国道を、メンバーと機材を載せたバンが疾走する。



  
318: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:42:00.09 ID:nzj+ibGl0
  
('A`)「海か・・・」

外をタバコをふかしながらボーっと眺める。窓から出た煙が外の風景にすうっと飲み込まれていく。

('A`)「海なんて高校でてからいってねえよな」

(´・ω・`)「ライブ終わったら行こうか?」

運転中のショボンがドクオに話しかける。



  
319: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:42:49.86 ID:nzj+ibGl0
  
('A`)「いや・・・だりぃ」

( ^ω^)「海wwwいきたいおwwww」

(´・ω・`)「ライブが無事終わったら海でビールでも飲もう」

バックミラーでブーンに笑いかけ、ゆっくりとハンドルを切る。
いつの間にか海は風景から消え、ビルが立ち並ぶ中を車は走行していた。



  
322: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:44:50.28 ID:nzj+ibGl0
  
(´・ω・`)「よし。ついたよ」

( ゚∀゚)「はやくギター弾きてぇ」

今まで寝ていたジョルジュが起き、メンバーはライブハウスに機材を搬入しはじめる。
今ではショボンのスタジオにあったものをライブごとに持ち運んでいる。
やはり使い慣れた機材が一番、ということでだ。

('A`)「よろしくおんしゃす」

店長「わざわざ今日はありがとうね」

挨拶をすませ控え室に向かう。
対バンの人たちがそこにはいたのでそこでも挨拶をする。

( ^ω^)「今日はよろしくおねがいしますおー」



  
323: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 21:53:28.35 ID:nzj+ibGl0
  
ξ゚听)ξ「あ、おねがいしまーす。今日1バンド目のI Can Flyです」
川゚-゚)「ガールズバンドだがよろしく」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」

( ゚∀゚)(かわいこちゃんktkr)

( ^ω^)(あれ・・・?あの巻き髪の子・・・)

ブーンは巻き髪の子とどっかで会ったような気がしていたが誰だか思い出せなかった。



  
327: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 22:03:42.52 ID:nzj+ibGl0
  
ブーンは巻き髪の子とどっかで会ったような気がしていたが誰だか思い出せなかった。

なんだかんだでT,V,I,P,はリハを終え開場までそれぞれの時間をすごす。
外にご飯を食べに行くもの。
バンで寝るもの。
他のバンドのリハを見るもの。
控え室でやたらとタバコを吸うもの。
メンバーは時間をそれぞれ自由に使っていた。

ブーンはI Can Flyのリハを見学していた。



  
330: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 22:09:57.09 ID:nzj+ibGl0
  
( ^ω^)(やっぱり、あの巻き髪の子どっかであったことあるお・・・)

まだブーンは考えていたが彼女らのリハを見ているうちにどうでもよくなってしまった。

ギターボーカルの巻き毛の子。ギブソンエクスプローラーを使用。分厚い音をアンプからだしている。
声も高すぎず低すぎず、中性的なボーカルだ。

ベースの黒髪ストレートの子。ギブソンフライングVベースを使用。足元にいくつもエフェクターを置いている。
ベースシンセや、ベースワウなど飛び道具的なエフェクターが多いようだ。

ドラムの巨乳の子。パワーは少し足りないが、それを補う美しいフォームと、正確なリズム。
特にペダル使いがとてもすばらしい。

(*^ω^)(女の子が変形ギターもつとドキドキしちゃうお・・・!)

ブーンは変形ギターを持つ女の子フェチだった。



  
334: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 22:26:33.49 ID:nzj+ibGl0
  
I Can Flyの演奏が始まる。曲調はギターポップといった感じだ。
ところどころにベースエフェクターがはさまれ、おもしろい演奏となっている。

( ^ω^)(歌メロもいいし、うしろのバンドサウンドもまとまってるお・・・。僕もエフェクター買おうかお・・・)

店長「気にいったのかい?ブーン君。彼女ら、いい曲やってるだろ」

ブーンの横にすっと店長がやってきた。

(;^ω^)「うぉwwwびっくりしたおwwww」

店長「彼女達は今、めきめきと頭角を表しているガールズバンドなんだ。」

( ^ω^)「そうなんですかお」

店長「作る曲もメロディが秀逸でなじみやすい。これから上に行くバンドだよ、君達と同じようにね」

( ^ω^)「はぁ・・・」

店長「今日のライブ、期待してるよ!」

店長は勢いよくバシッとブーンの背中を叩くと外に受付の準備をしに出て行った。
背中からじんじんと痛みを感じている中、ブーンは考えていた。

( ^ω^)(そうだお・・・。T,V,I,P,はこれからどんどん上にいくんだお・・・。最高のロックバンドになるんだお!がんばるお!)



  
339: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 22:49:16.17 ID:nzj+ibGl0
  
開演の時間になった。
ライブハウスは結構埋まっていた。

T,VI,P,には観客が1人でも今できる最高のライブを見てもらうという信条があった。
だがやはり観客がたくさんいるということはモチベーションがあがる。

メンバーはI Can Flyのライブを見るために観客にまじっていた。

('A`)「結構はいってるな・・・」
(´・ω・`)「そうだね。半分くらいがI Can Fly目当てらしいよ」
('A`)「まじか」
( ^ω^)「店長さんお勧めのバンドらしいお。そういえばジョルジュは・・・?」
(´・ω・`)「バンで寝てるよ。出番が近くなったら起こしてくれって」



  
340: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 22:56:02.01 ID:nzj+ibGl0
  
登場SEが流れ始める。キューティーハニーだ。
観客から歓声があがる。

ξ゚听)ξ「こんばんわー!今日もとばしていくわよー!」

観客「ウオオオオオオ!」

スネアの連打から曲がはじまる。
ベースがワウを踏みながら音を重ねてくる。ミュートギターがそれに加わる。
照明が明るくなり、一気に音が爆発する。ライブがスタートした。

('A`)「こういう感じのはあんま好きじゃねえなあ。たばこすってくるわ。」

しばらくだまって聞いていたドクオがそういい控え室へ向かってしまった。



  
342: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 23:02:32.67 ID:nzj+ibGl0
  
(´・ω・`)「あのドラムいいフォームだねぇ」
( ^ω^)「バンドもすごくまとまってるお。いいバンドだと僕は思うお」

ライブはすごい盛り上がりを見せた。ガールズバンドには男の客が女の子目当てでつくことが多いが
彼女達の客層には女の子もたくさんいた。
かわいさだけでなく曲でファンをつけたのがブーンにはわかった。

ξ゚听)ξ「みんな今日はありがとー!この後もいいバンドが出るから聞いていってねー」

ジャーン ジャーン ジャーン

クリーンサウンドでピアノのお辞儀のコードを弾き、三人が礼をしてI Can Flyのライブはおわった。



  
347: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 23:20:04.58 ID:nzj+ibGl0
  
(´・ω・`)「よし、じゃあ準備しようか。ブーン、ジョルジュを起こしてきてくれ」
( ^ω^)「把握した」

ブーンは勢いよく外へと両手を広げてダッシュした。

今日のライブは4バンド出演する。T,V,I,Pは3バンド目だ。
I Can Flyの次のバンド、つまり2バンド目は高校生コピーバンド。
彼らの演奏が始まったそのときメンバーは控え室で準備をしていた。

('A`)「おーNirvanaのコピーやってるよ」

控え室にもれてくる音を聞いてドクオがうれしそうにつぶやく。
抱えたホワイトファルコンでSmells Like Teen Spiritのイントロを弾き始める。
いつごろからかドクオはギターを弾きながら歌うようになった。かっこいいという理由から。
ホワイトファルコン(ダブルカッタウェイ)を選んだ理由もかっこいいから。
ただバンドのバランスは壊したくないらしくアンプから音はめったに出さない。



  
349: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 23:26:49.84 ID:nzj+ibGl0
  
( ゚∀゚)「ああ、はやくライブしてえぜ」
(´・ω・`)「セットリストの確認、ちゃんとしといてね」
( ^ω^)「紙に買いといたお。みんなの分もあるおー」

そう言いブーンはみんなに紙を配る。

( ゚∀゚)「お、さんきゅー」

タバコに火をつけながらジョルジュが紙を眺める。

( ゚∀゚)「そろそろ新曲つくらないとな」
(´・ω・`)「そうだね、このライブが終わったらがっつり曲作る時間とっておくよ」



  
353 名前: ◆jtzYt15r/c [フヒヒwww遅筆ですみません] 投稿日: 佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 23:37:30.26 ID:nzj+ibGl0
  
しばらく誰もなにもしゃべらない時間が続く。ライブ直前はだいたいいつもこうだ。
ドクオのギターの生音と漏れてきた音だけが控え室に響く。今はThe Whoを演奏しているようだ。

ブーンはこの時間が大好きだ。緊張しているのかわくわくしてるのか、
自分でもよくわからない心境になっている状態。この状態がなんとも言えずに心地良い。

そうこうしているうちに高校生バンドがあがってきた。

( ^ω^)「おつかれだおー」
高校生「ありがとうござっすwwwおつかれさまですwww」
('A`)「フーをコピーするとか、みどころあるなおまえらwwww」
高校生「あざっすwwwww」

('A`)「よーし、行こう!」
( ^ω^)「うおい!」がしっ
( ゚∀゚)「・・・」がしっ
(´・ω・`)「うん!」がしっ

ステージへと彼らは向かった



  
357: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/25(佐賀県職員) 23:50:39.33 ID:nzj+ibGl0
  
登場SE、RadioheadのThe National Anthem が流れ始める。
この曲はとても無機質な曲だ。しかし、なぜか気分が高揚してくるという不思議な曲。
メンバーはこのSEをとても気にっていた。

幕が開く。

('A`)(今日は完璧アウェイだな)
('A`)「ハロオオオオオオオオオオオ!」

ドクオが叫ぶ。

ジョルジュのギターも負けじと叫ぶ。

1曲目、T!D!N!はジョルジュのイントロからのギターリフ1本で突き進む曲。
スピード感あふれるこの曲は、T,V,I,P,のライブスタート曲としてよく使われる。
観客の肩が揺れ始める。テンションをあげるにはもってこいの1曲だ。



  
366: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 00:00:53.98 ID:gZeTX+vi0
  
この1曲でT,V,I,P,は観客の心をつかんだ。
2曲目、アップルバイヤー。
3曲目、エアロバキバキ
とハイテンションなナンバーでどんどん加速していく。
観客の中からダイブをするものも表れた。ライブハウスは彼らの空間となった。



  
374: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 00:17:07.26 ID:gZeTX+vi0
  
4曲目、打って変わってブルージーな曲、サーバーダウン。
この曲はジョルジュがパソコンでおっぱい動画を落としているときに
アップローダーの鯖が落ちてしまったときの悲しさを歌にしているらしいが
観客はそんなことも知らずに、聞き惚れる。

彼らはライブ中にMCをまったく入れない。
最初は受けを狙ったり、いろいろしゃべっていたのだが
('A`)「観客は音を聴きに来てるから無駄にしゃべる時間があったら演奏する」
というドクオの意見からだ。

5曲目、落ちる
6曲目、エターナルフォースブリザード
食らったら相手は必ず死ぬ曲。
最終曲、ksk

怒涛の勢いで演奏し彼らのライブは終わった。



  
378: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 00:33:02.77 ID:gZeTX+vi0
  
真夜中の海。
メンバーは来る途中で見かけた海岸で酒盛りをしていた。

(*'A`)「おれはあああああ!ろっくだあああああ!」
(*゚∀゚)「おっっっっぱああああああああああああい!」

海に向かって叫ぶすでにできあがった二人。幸い近くに民家がないので騒音の心配をする必要はなかった。
なまあたたかい風が吹く中、缶ビールをのみつつショボンとブーンはこれからのことを話し合った。

( ^ω^)「これからどうしていくお?」
(´・ω・`)「作った曲も結構な数になってきたし、自主制作CDを作って売り出そうと思う」
( ^ω^)「おお!CD!」
(´・ω・`)「自宅のスタジオで事足りると思うから新曲を作ってCDも作ろう」
( ^ω^)「そしてゆくゆくは・・・」
(´・ω・`)「メジャーにいけたらいいね。ま、メジャーにいけなくても活動はできるけど」
(*^ω^)「いくお!絶対いくお!がんばるおショボン!」

ドクオとジョルジュは海に入り、波と戯れている。
二人ともアルコールが入ると全く別の人になってしまうようだ。



  
383: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 00:48:19.29 ID:gZeTX+vi0
  
そんなメンバーに近づいてくる人影があった。

ξ゚听)ξ「こんばんわー」
川 ゚ -゚)「今日はおつかれさまだ」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」

よく見るとビニール袋をぶらさげている。彼女達もここで打ち上げをする予定だったらしい。

(´・ω・`)「あ、I Can Flyの・・・」
( ^ω^)「今日はお疲れ様でした」
川 ゚ -゚)「実に奇遇だな。私達はライブの後よくここで反省会をやるんだ」
ξ゚听)ξ「ご一緒してもいい?」
(*^ω^)「もちろんだお!でもおかしいよっぱらいが二人ほどいるお」
川 ゚ -゚)「かまわない。私もよっぱらいになるからな」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」

そういうと黒髪の女の子は持ってきた缶ビールをぐいっといっき飲みし始めた。
みるみる顔が赤くなっていく。

ξ;゚听)ξ「ちょっと、クー!」

川*゚ -゚)「海が・・・・・・好きだああああああああああ!」



  
385: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 00:55:04.33 ID:gZeTX+vi0
  
そういうと彼女は海に向かって走り始めた。そしてダイブした。

(*'A`)「おかしいやつがきたぞおおお!」
(*゚∀゚)「美乳だあああああああ!」
川*゚ -゚)「はははは!気持ち良いぞ!ツン!ぽっぽ!君達もくるといい!」

( ^ω^)(ツン・・・?)

ブーンは思い出した。小さいころ近所に住んでていつも自分を泣かす、強気の女の子を。
その女の子は小学校に入る前に引っ越してしまったことを。



  
390: ◆jtzYt15r/c :佐賀暦2006年,2006/10/26(佐賀県教育委員会) 01:08:26.88 ID:gZeTX+vi0
  
ξ゚听)ξ「もー、クーったらいつもああなのよね」
(´・ω・`)「はは、おもしろくていいじゃないか。」
( ^ω^)「思い出したお!いじめっ子ツンだお!」
ξ゚听)ξ「へ?」
(´・ω・`)「どうしたんだよ、ブーン。いきなり」
( ^ω^)「ツン!覚えてないかお?ブーンだおwwwww」
ξ゚听)ξ「もしかして、あの泣き虫ブーン・・・?」
(#^ω^)「泣き虫じゃないお!!」
ξ゚听)ξ「あははっ!すごい偶然www」
(´・ω・`)「なにやらなつかしい再会みたいだね」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」

懐かしい再会を果たし、楽しい夜をすごすブーン達。
何かうまく行き過ぎていて少し怖いと思うブーンだったが、今が楽しければそれでよかった。

第3章 終了



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