( ^ω^)嘘つきブーンとロボット三原則のようです

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/25(木) 23:20:49.34 ID:X0R1SPzmO
プロローグ「二人は見合う」


―――とにかく暗い。
その黒色がどこまで続いているのかさえ分からない。
そんな暗闇だった。

不意に、一箇所に明かりが灯る。
ただその明かりは弱々しく、ぼやけ加減が不気味さを表していた。

(  ω )『よう、久しぶり』

明かりに照らされているのは恐らく僕だろう。
だろう、というのは顔がはっきり見えないので声でしか判断が出来ないからだ。

……あれ?あそこにいるのが僕なら僕は一体誰なんだ?



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/25(木) 23:22:48.72 ID:X0R1SPzmO
(  ω )『おいおい。また混乱してるのか?良い加減慣れろよな』

溜め息混じりの僕の声でようやく思い出すことが出来た。

あそこにいるのは『僕』で僕は僕じゃないか、と。

( ^ω^)「悪かったお。すっかり忘れてたお」

(  ω )『おいおい、またその喋り方かよ……。何故俺にまで猫を被るんだ?』

( ^ω^)「猫?何のことだお?」

(; ω )『またそれか……』

『僕』は困ったように語尾を濁す。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/25(木) 23:24:05.78 ID:X0R1SPzmO
( ^ω^)「本当に何を言ってるのか分からないお」

僕はやれやれ、と大袈裟に両手を振った。

(  ω )『それだよそれ』

( ^ω^)「え?」

『僕』の突然の指摘に思わず動作を止める。

(  ω )『その変な語尾や大袈裟な仕草をわざとやってるんだろうって言ってるんだ』

(  ω )『そうすれば皆面白がってくれるからな』

(  ω )『そうなれば嫌われることもない。結局お前は傷付きたくないんだよ』



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2008/12/25(木) 23:26:35.71 ID:X0R1SPzmO
一気にまくし立てる『僕』に僕は何も言えない。

(  ω )『そうやって上っ面だけの笑顔を浮かべてるうちは、人付き合いも上っ面だけなのさ』

( ^ω^)「…………」

(  ω )『まただんまりか……。今日はこの辺にしといてやる。夜も明けるしな』

『僕』がそう言うと辺り一面に光が差し込み始めた。

嗚呼、確かに僕は君の言う通り、上っ面だけの笑顔で生きるグズなのかも知れない。

でも、それなら君は、本当の『僕』はどんな顔を―――


( ^ω^)嘘つきブーンとロボット三原則のようです



戻る第一話