( ФωФ)さとりごころのようです

3: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 17:44:35.58 ID:4sNxa27Q0
   



  一章 夏風燃ゆる


     三話 朝明け




4: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 17:48:17.74 ID:4sNxa27Q0
砂尾神社の朝は早い。
まず実質、神社の主を務めるヒートが朝五時に起床。
そしてシューが朝五時半に起床。
シューが起きたあとで、神社の掃除。
六時までに一通り終わらせて、その後はヒートが朝ご飯を作りにかかる。

シューは外で七時まで木刀を素振りする。
素振りを終えたら風呂で汗を流して、ヒートが作った朝ご飯を食べる。


その習慣が今朝から少し変わった。


男がシューと出会ってから一夜が過ぎて朝になる。
ヒートは朝作る料理の量を増やす。
シューにいたっては素振りの時間が今までより少ない。

そして六時四十分のこの時間、この男は、

( +ω+)「……zzz」


気持ちよさそうに眠っていた。
当然、襖をゆっくり開ける音なんて聞こえないだろう。



7: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 17:51:27.03 ID:4sNxa27Q0
( +ω+)「……zzz…………zzzzzz」













l _‐ノv ススッ


lw´‐ _‐ノv パタン



lw*‐ _‐ノv「……寝ているね」



8: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 17:55:13.60 ID:4sNxa27Q0
シューは男の足元にこっそり立つ。
そして深呼吸を三回、その小さな体に気合を詰めれるだけ詰め込み、


lw*‐ _‐ノv「あーいきゃーん」

( +ωФ)「……んぁ?」


*・゚゚・*:.。..。      .:*・゚゚・*:.。..
*・゚゚・*:.。..lw*‐ _‐ノv。.:*・゚゚・*:.。. 「ふらあーい」
*・゚゚・*:.。..。.      :*・゚゚・*:.。..


男の瞳には天井、そしてその真ん中にやたらキラキラした背景オプション付きニット帽娘。
シューどんどん大きくなっていき、やがて目的地に着陸するだろう。
ただし寝起きの頭ではそれに気づくのは不可能というもの。


(;+ω+)「おぷっっ!!!」

lw*‐ _‐ノv「ああっ、人を起こすのってこんなに気持ちいいものなんだね!」

男は咳き込み、布団の上ではシューが間違った常識を話す。
言葉には元気がみなぎっていて、幸せそうだ。
布団一枚挟んでの天国と地獄がそこに完成していた。



10: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 17:59:33.93 ID:4sNxa27Q0
(;ФωФ)「げほ、がはっ…………おい、どういうつもりだ?」

lw´‐ _‐ノv「へ?起こしに来ただけだけど」

平然と答えるニット帽。
男は朝特有のローテンションとシューの「?」を表した顔を見て、怒る気力をなくす。
そして自然と彼の目はシューの長い髪がかかる背に向く。

(;ФωФ)「……今度からやさしく起こしてください、お願いします」

lw´‐ _‐ノv「つまらん」

(;ФωФ)「つまらなくていいんだ!!」

シューの背中に丸々太った白いリュックが張り付いていた。
そしてその口が半開きになって、中身を覗かせる。
『広辞苑』『園芸図鑑』……その他、辞書っぽい分厚い本を彼の目が認めた。

(;ФωФ)「……今体重何キロなのだ?」

lw´‐ _‐ノv「女の子に向かって体重何キロとな?
       もっかいダイブしてやろうか?」

(;ФωФ)「それはノーサンキューッッ!!
       そうじゃなくてそのリュックを装備して何キロあるのだと聞いてるのだ!!
       六十キロ以上あったらお前ちょっと表に出ろ!!!」

lw´‐ _‐ノv「知らないけどリュックの中は五キロくらいじゃない?」



11: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:05:09.76 ID:4sNxa27Q0
(;ФωФ)「五キロ……」

男は考える。
シューの体型は標準、低身長に分類できる。
ならば体重は四十前半、プラス五キロだとすると五十キロに届くかどうか。

(;Фω+)「……ふむ」

lw´‐ _‐ノv「?」

( ФωФ)「それなら今回の愚行、許してやってもよい」

ぼそりと言葉を投げる。
シューはそれを聞き、期待で目を輝かせる。
昨日と変わらず、ぼんやりした薄目は変わらずにいたが。

lw*‐ _‐ノv「え?それじゃあ今後はこうやって起こしてもい「やめてくださいっ!!」(ФωФ;)



lw´‐ _‐ノv「……つまらん」

男は今日一度目のため息を吐き、上半身を起こす。
そして自分の腹のあたりに寝そべってる少女を見下ろし、二度目のため息。

(;ФωФ)「すまん、着替えたいから出て行ってくれないか?」

lw´‐ _‐ノv「ん、分かった。
       朝ご飯はできてるからすぐ来てね」



13: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:10:50.43 ID:4sNxa27Q0
シューは出てきた襖へ向かい、自分の部屋へ戻る。
ぱたんと室内に音が響き、向こうの部屋でしばらくの間物音がした。
やがて気配が隣部屋から廊下へ消え、そこで三度目のため息を吐いた。


時計を見る。六時五十分。
まだ痛む腹をさすり、立ち上がる。
痛みのおかげで自慢のムスコは黙っている。いいことだ。
素早く着替えて洗面用具を持ち、廊下へ出る。

洗面所に着き、そこでも素早く作業する。
歯磨きを終え、顔を洗い、さあ居間へ向かえ。


男は急ぐ。
部屋にいる時はシューから言われたからだった。
しかし廊下に出たとき、急ぐ理由が少し変わった。

(*ФωФ)「朝で腹ペコ状態だからな」

誰に言うわけでもなく言い訳をする。
居間から廊下へ流れ込んでくる朝餉の香り。
彼の鼻孔へ流れていった瞬間、いてもたってもいられなくなったのだ。

洗面用具を片付け、急ぎ足で居間へ向かう。
開かれたガラス障子の仕切りを越える。



15: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:14:39.32 ID:4sNxa27Q0
(*ФωФ)「おはよう!」

ノハ*゚听)「おはよーさん!!」

lw´‐ _‐ノv「おは」

挨拶は三者三様。
男とヒートは比較的元気に、シューはぼそりと挨拶した。

(*ФωФ)「……」

ノパ听)「あれ?ロマさんどうしたの?」

男は呆然と立ち尽くし、テーブルの上に載ってる物を見つめる。
湯気を立てる白いご飯にわかめ入りの味噌汁。
中央に陣取るのはニンジン、しいたけ、こんにゃく、たけのこ等、たくさんの具材が入ってる煮しめ。
どんぶりに刻み葱とかつお節が盛られた納豆。
そして煮しめの隣に位置する豆アジの南蛮漬けと出し巻き卵。

その全てがコーラスとなって彼の網膜と鼻孔に訴えかける。
「どうかおいしく食べてください」、声を聞いた気がした。

(*+ω+)「……ぅ」

ノハ;゚听)「ちょwwwwいきなり何泣いてるのwwwwwwwww」

久しぶりに見たであろう朝ご飯らしい朝ご飯に、涙腺直撃の彼だった。



18: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:19:12.83 ID:4sNxa27Q0
彼はしばらく棒立ちだったが、シューの「はよ座れ」の一声で腰を下ろす。
そうして三人の声が揃う、「いただきます!」

ノパ听)「ま、煮しめと南蛮漬けは昨日の残りだけど。ごめんね。
     あとお口に合わないかもしれないけど……」

(*ФωФ)「とんでもない!
       とてもおいしゅうございます!!」

lw´‐ ,‐ノv「ロマうるさひ」

ノハ*゚听)「ハハハ、ありがとう!
      嬉しいよ!!」

lw´‐ ,‐ノv「ヒー姉もうるはひ」

男とヒートがシューの大声が響く中、一人だけ抗議する。
口の中に物を詰め込んで、言葉にならないところがあるが。
二人はそれに気づいていながらもあえて指摘しない。

lw´‐ ,‐ノv「納豆もらうね」

ノハ*゚听)「あいよ」

lw´‐ ,‐ノv モグモグ

lw´‐ ,‐ノv「おかありもらうね」

ノハ*゚听)「あいよ」



20: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:24:14.63 ID:4sNxa27Q0
( ФωФ)「……よく食べるなぁ」

lw´‐ _‐ノv「……んん。育ち盛りですから」

(*ФωФ)「その割には身長低いがな……ププッ」

lw´‐ _‐ノv「……育ち盛りですから」

ノハ*゚听)「ロマさんもどんどん食べてね!
      おかわりはたくさんあるよ!!」

(*ФωФ)「心得た。シューよりも食ってやるぞー」

lw´‐ _‐ノv「む?言ったな?」

ノハ*゚听)「頑張って全部空にしてねー」


ヒートはぼんやり思う、弟ができたみたいだなあ。



21: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:28:43.56 ID:4sNxa27Q0
…………。
……。


楽しい朝餉の時間が終わり、彼とシューは居間でくつろいでいた。
ちなみにヒートは流し場に立ち洗い物をしている。
目を向けると、嬉しそうに微笑むヒートの横顔と空いた食器の山。
作った者として全部平らげてもらうのはやっぱり嬉しいのだ。

そして全部平らげるのは人が多ければ多いほど難しくなる。
何故ならその分料理が増えるから。
実をいうとヒートは作り置きと言う意味でかなり多く作ったのだ。

  _, ._
lw´‐ _‐ノv「……」

(;+ω+)「……ゲプ」

だからこそ完食を達成した二人の顔も難しくなるというもの。
しばらくは消化のため動くことすらままならないだろう。
  _, ._
lw´‐ _‐ノv「……ロマ」

(;+ω+)「……なんだ?」
  _, ._
lw´‐ _‐ノv「君、馬鹿らろ」

(;+ω+)「舌回ってないぞ、大馬鹿」



25: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:33:51.35 ID:4sNxa27Q0
lw´‐ _‐ノv「はぁぁぁふうぅぅぅぅぅぅぅ……」

気合を入れるため、ニット帽は大きく息を吐く。
男はそれをぼんやり見る。

今日のニット帽は昨日と違うものだった。
昨日は茶と白のものだったが、今日は赤と緑の色違いバージョンだ。
二種類の色は互いに主張しあっていて、じっくり見ると目が痛くなる。

lw´‐ _‐ノv「よし、ロマ。ちょっと散歩するぞ」

( +ω+)「はいはい、いってらっしゃい。
        私はもう少し休ませてもらうからな」

lw´‐ _‐ノv「……君も来るんだよ。
       お腹蹴られたくなければさっさと立つ」

(;ФωФ)「おいっ!!」

不穏な単語を聞いて言われたとおり立ち上がる。
ニット帽はそれを認め、流し場へ声をかける。

lw´‐ 0‐ノv「ちょっと出かけてくるねー」

     「あいよー!!お昼までに戻って来るんだよ!!」

元気な声が返ってきた。



26: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:37:20.94 ID:4sNxa27Q0
(;ФωФ)「……うぷ……動くのもきついのに」

lw´‐ _‐ノv「動けばその分カロリー消費できるじゃん」

(;ФωФ)「……運動部の発想だな」

愚痴をこぼしながらも玄関を出る男。そのあとを続くニット帽。
靴を履き境内へ出ると、涼しく澄んだ空気と刺すような光がお出迎えしてくれた。
朝日が元気に挨拶し、空は青々と彼らを見下ろしている。

肌で夏の空気を感じて、男の隣で空を仰ぐ者がいるので彼も倣う。

lw´‐ _‐ノv「んー……っと。
       いい天気だねぇー」

( ФωФ)「そうだなぁー」

その言葉は神社を囲む林も同意してくれてるだろう。
石段に近づくと、昨日、闇で包まれた町を見渡すことができた。

山々が腰を下ろし、彼らに寄り添うように建物が見える。
町の中央部と思われるところはたまに建物が見えるが、基本的に田んぼや畑だ。
だからだろうか。遠くに見える十字路、その傍に立つ大木がよく目立っている。
そこから視線を右側へ向けると、小さな川が流れているのを確認できた。

( ФωФ)「いい景色だな」

lw´‐ _‐ノv「自慢の田舎町だ」

ニット帽は胸を張る。



27: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:41:32.02 ID:4sNxa27Q0
トントンと肩を並べて石段を下る。
まるで兄妹のようにおしゃべりをする。

( ФωФ)「こういうところでひっそり暮らせば幸せだろうな」

lw´‐ _‐ノv「老け込むの早いって。……まあ私もそう思うけどさ」

(*ФωФ)「お前が老け込むのはもっと早いだろう?」

lw*‐ _‐ノv「そのとーりだね」

のんびりと足並みをそろえて、やがて石段を下りきる。
シューは目線を上げ、神社のほうを見て言う。

lw´‐ _‐ノv「ここが砂尾神社」

(;ФωФ)「知ってるから」

lw´‐ _‐ノv「んじゃここから軽く町内一周しようか」

(;ФωФ)「え?しんどくね?」

lw´‐ _‐ノv「小さな町だからだいじょーぶ」


「神社から時計回りで行くよー」、先行する少女に男は何度吐いたか分からないものを吐く。
元気だなとこっそり思う。



28: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:49:27.22 ID:4sNxa27Q0
lw´‐ _‐ノv「みて分かるとおり、分雲町は山々で囲まれた町なんだ。
       北に、私たちの神社のある『兄者山』。
       東に、住宅地がある『弟者山』。
       北西に、麓に役場やバス停がある『姉者山』。
       南西に、寺がある『父者山』がある」


lw´‐ _‐ノv「この四つの山の内側が分雲町だよ。
       そして兄者山と弟者山の間、北東に『妹者丘』がある。
       そこでは温泉が繁盛してるよ。
       さらにその後ろに『母者山』。
       あれはここらへんで一番大きい山だね」

( ФωФ)「ほうほう」

神社を……つまり兄者山をだが……出てから二人は東へ進む。
その間、シューは男にこの町の説明をする。
彼は説明を受け、町の地図を頭に浮かべる。

lw´‐ _‐ノv「基本的に山裾付近に建物が集中してる。
       理由はいろいろ。
       妹者丘では温泉があるから、その周りに商店街もできた。
       西と南はこの町の出口となってるから、コンビニや交通機関がある。……まあそれだけじゃないけどね」

( ФωФ)「kwsk」



31: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:53:19.47 ID:4sNxa27Q0
lw´‐ _‐ノv「妹者丘は源泉などの面もあるからいいんだよ。問題は西だよ。
       何代か前の町長が外面を気にして、西に役場を立てたんだ。
       その風習が今もあって西に公共施設が集中してるんだよ。
       あと、役場はないけど南のほうも同じ感じかな?」


lw´‐ _‐ノv「あとこれは分雲町全体に言えることなんだけど。
       平野部……いや、盆地部か……まあその、平らな土地は農業利用したほうがいいって考えなんだ。
       そんな考えがあるから、町長の考えを助長させたんだよ」

昨日の会話を思い出し、男は納得する。
と同時に疑問も生まれた。
なので彼は思ったことを言ってみた。

( ФωФ)「だから昨日、ドーナツ型の夜光が確認できるといってたわけか。
        でもそれなら町長間違ってないんじゃないか?
        山裾に役場を建てても文句は出ないものかと思うのだが?」

男の言葉を聞いたシューはすぐに言葉に表さなかった。
ただし、何か空気が変わったのを彼は敏感に察知した。
清々しい空気が一転して、ドロドロと言いようのない生温いを伴うものへ。
彼の質問からたっぷり三分経ったのち、シューはぼそり。

lw´ _ ノv「……不便なんだよ」

(;ФωФ)「……も、文句は聞いてやるぞ?」

二人は緩やかな上り坂を歩く。
シューは男に色とりどりの文句をぶつける。
「街灯変えろ」「ATMを近場に設置しろ」「クマうぜぇ」「役場遠い」etc ……。



33: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 18:58:46.10 ID:4sNxa27Q0
lw´ _ ノv「大体役場は本当に仕事をしてるのか?そう問わずにいられないよ。
      だから神社もとばっちりを受けるんだよまったく……」

(;ФωФ)「とばっちりというと?」

lw´‐ _‐ノv「……役場は遠いから。
       だから近くで文句を聞いてくれる神社に人が流れる。
       相談には乗るけど……文句が絶えない」

(;ФωФ)「うわぁ……お疲れ」

おそらく先ほどの文句は人から譲り受けたものが多いのだろうな、と彼は思った。
緩やかな坂が急になってきた。
上り坂のはずだが、シューも彼もつらく感じてはいない。
シューは毎朝石段を上り下りしているし、彼は登山が趣味だ。
二人とも足腰は鍛えてある。

坂を上り終えると大きな看板が目に付いた。
シューは看板まで近づき、それに手を向ける。

lw´‐ _‐ノv「ん。
       『ここはいい温泉じゃ!ゆっくりしていくのじゃ!!……バイ妹者丘』
       というわけで、妹者丘に着きましたっと」

書かれてる文字をそのまま読み、紹介を始める。
男は視線をシューから周囲へ向けると、飲食店やコンビニ、本屋、スーパーなどを見て取れた。
ただし、それらは他の町と比べるとそれほど大きいものではない。
そして近くにデパート並の建物があるせいで、それらがひどくこじんまりしてる印象を受ける。



35: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 19:05:46.27 ID:4sNxa27Q0
彼は妹者丘で一番大きい建物の看板を遠目で見る

( ФωФ)「妹者温泉……」

lw´‐ _‐ノv「そ。あれが妹者温泉。
       結構いい商売してるみたいだよ」

( ФωФ)「なるほど。
        温泉目当てで人が来る。
        その客に目をつけて儲けようってことか」

lw´‐ _‐ノv「まあそんなとこ。
       それにここに来る人は外からだけじゃないからね。
       町内の皆さんもよく来るから、商店街ができちゃったんだよね」

( ФωФ)「ほうほう」

シューもここをよく利用する。
だからどこにどんな店があるか大体把握しているようで、彼に簡単に説明する。
もちろん温泉の説明も忘れない。
露天風呂が最高だと彼女は言う。

lw´‐ _‐ノv「今度、皆で入りにいこうか?」

( ФωФ)「お、いいね」

lw*‐ _‐ノv「…………えっちぃね」

(;ФωФ)「え?混浴設定なの?」



36: ◆pGlVEGQMPE :2009/01/15(木) 19:09:48.30 ID:4sNxa27Q0
lw´‐ _‐ノv「さて、妹者丘の説明は大体終わり。
       次いこうか」

混浴設定に触れずに道を進むニット帽。
ころころ話題を変えるのはいかがなものか?
せめて質問には答えてくれと思う者が一人。

そんな彼の考えなど露とも知らず、我が道を行くニット帽。
置いていかれては困るので、男はシューの後をついてゆく。


次に歩くは東部。
二人は坂道を下り、妹者丘を後にする。












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