( ФωФ)さとりごころのようです

38: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:21:59.79 ID:zC5zpbd/0
   



  三章 影法師


     二話 夢幻法談



42: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:26:10.29 ID:zC5zpbd/0
今から数えて八時間は暗闇の時間のはずだ。
しかし駅や大きな建物、街灯のおかげで、アスファルトで舗装されたここの道はその定理に当てはまらないらしい。
温泉のある妹者丘ほどではないが、西部もずいぶん明るいようだ。

( ФωФ)「そういえばシャキンさんに聞きたいことがあるのですが」

(`・ω・´)「なんですか?」

( +ω+)「ウツロってなんですか?」

この町に来てから常々思っていたことを、彼は口にする。
彼とて生まれ持った力のおかげで、心霊現象に多少の耐性はあった。
が、ウツロと呼ばれる現象は、分雲町なるこの地で初めて体験した。


ウツロとは、この地が霊的な何かに近いため起こる、と彼は聞いている。


霊的な何か、とは随分ぼかした言い方である。
そう彼は思っているし、ヒートたちが意図的にぼかしているという点は、おそらく正しいだろう。
どうしてそんなことを、という理由を彼はあえて聞かないでおく。
そしていままでの心霊現象とは異なるゆえ、ウツロなるものは彼にとって理解しがたいものだった。
また彼は実際に体験して、ますます頭を悩ましているのだった。

だからこそ、ウツロを知る複数人に話を聞かなければならない。
別個の視点から一つのものを見ることは理解を進める上で重要であり、そのため彼は一人一人に語ってもらうよう頼んでいる。
砂尾家の二人にはもう聞いた。まだ尋ねていない者は寺の方々のみだった。



43: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:28:53.16 ID:zC5zpbd/0
(`・ω・´)「ふむふむ。
       ロマネスクさんはウツロについてどれだけのことを知ってますか」

( ФωФ)「そうですね……」

霊について。
死者は魂となって記憶を浄化される。
全ての記憶が浄化された魂の状態を無我といい、現世に化けて出てくることはない。
逆をいえば、その流れに抗えば霊として現世にあらわれうる。

ウツロについて。
浄化の過程で魂という器から切り離された記憶が、この地に影響を及ぼす。
分雲町は霊的な意味で近いため、死者の記憶が生者と同調する。
そして生者の魂と肉体の情報を半分持っていかれて、ウツロが現界する。
そのまま不安定な状態を維持することは害でしかなく、最悪死ぬ。

( ФωФ)「だからウツロは祓わなければいけない、と言っていましたが」

(`‐ω‐´)「ふむふむ」


(`・ω・´)「では、その定義をいったん忘れてください」

(;ФωФ)「……はい?」

ノハ*゚听)「そーゆー心構えで聞きなさいってことだよ」

一瞬、目が点になりかけた彼だが、ヒートの助言で何とか理解する。
彼は心の中で呪文を唱えた、「 1 、 2 の、 …… ポカン!」



44: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:31:49.69 ID:zC5zpbd/0
シャキンは彼を見て、もう話しても大丈夫だろうと口を開いた。
ただしそれは、彼にとってみれば予想外な切り出し方だった。

(`・ω・´)「まず、世界中にどれほど宗教があるかわかりますか?」

(;Фω+)「え?……ま、まあ、四種類かと」

戸惑いながらも何とか答えることができた。
そして彼は自分の回答を頭の中で確認する、「キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教……だよな?」
シャキンはそれを聞き、満足そうに言った。

(*`・ω・)「もっとあります。
       日本の神道のような土着信仰や、またカルトと呼ばれるものも宗教に入るでしょう」

(`・ω・´)「あーあー、落ち込まないでくださいね。
       これはただの確認ですので」

( Фω+)「……ほうほう」

別にそれほど彼は落ち込んではいなかった。
むしろ、ここからどのようにウツロの話に持っていくのか気になっていた方が大きいようだ。
そしてシャキンは、ここからが本命だと言わんばかりに声を張る。

(`・ω・´)「宗教では必ずといっていいほど死後の世界が明記されます。
       つまり宗教の数ほど死後の世界があるといっていいわけです」



46: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:35:41.98 ID:zC5zpbd/0
ここでシャキンは息を吸って問題を提示する。

(`・ω・´)「……ここで考えてみてください。
       なぜ死後の世界はこれほどあるのでしょう?
       ……いや、むしろこう言うべきかもしれませんね。
       “ほとんどの人は死後の世界など見たことないのに、なぜこれほどの世界を知っているか”と」

(;Фω+)「ぬ?」

つまり、ダルマ体型の男はこう言いたいのだろうか?
「語り継がれた死後の世界は全て偽物だ」と?

たしかにそう言われても、一つの主張として通るだろう。
臨死体験をすると三途の川が見えることがある、とテレビの向こう側の誰かが言ったことがある。
しかし、それが幻覚ではないと否定しきることなど、おそらくできない。
『見た』だけでは証拠になりはしないのだから。

ノパ听)「和尚がそれを言っちゃっていいのか、って思うけどね」

(`・ω・´)「神や仏はいないといっているのではありませんよ。
       いたとしても、私たちには正確に理解することなどできないと言っているのですよ」

なるほど、と彼は思う。
例えば、彼の目には霊が映る。
しかし、その霊がどうして現れるのかなど彼には知りえないことだ。
シューの説明で、なぜ霊が現れるのか理解できたと思ったが……それすら間違えなのかもしれない。



48: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:38:17.91 ID:zC5zpbd/0
(;ФωФ)「なるほど。
        そしてそれはウツロにも言えることなんですね?」


(`・ω・´)「そうです。
       しかしウツロは現実で存在し、そのままにしておくと人が亡くなります。
       だから我々はウツロを祓いますが……対処するためには、まず相手を知らなければいけません。
       どうして現れるか?
       どうすれば現れないようになるか?
       どのようにすればウツロを祓えるか?
       ……その法則性を先祖の経験と推測から定義していく必要がありました」


シューが彼に話したのはつまり、そういうことだったのだ。
対処するのに何も知らないままだと、おそらく屍を増やすことになるだろう。
だからシャキンのいいたいことはよく分かる。

(`・ω・´)「ウツロを定義はしましたが、基本的に彼らは“よく分からないもの”なんです。
       だからあなたの目で見て、ウツロの性質を見極めていってください」

(;+ω+)「……」

('A`)「……」


彼は和尚の話を聞き、一つの予感が頭を満たした。



51: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:43:00.18 ID:zC5zpbd/0
ノハ*゚听)「ところで」

シャキンの話が終わったところでヒートは切り出す、「これからどうする?」
今夜の見回りは和尚と彼の顔合わせの意味が大きい。
とはいえ、彼らはもう分雲町の西部に到着してしまった。

通常見回りは、寺は南から、神社は北から出発して中央部の一本杉で落ち合った後、それぞれ西東に別れる。
そして西東を見回りしたら分雲町の外縁を沿う形でそれぞれ帰宅している。
しかし今回は、一本杉で落ち合うまで同じだが、そのあとは西部まで一緒に歩いてきた。
いつもならここから帰宅の流れなのだが、これ以上一緒に歩くとなるとどちらかが遠回りしなければならない。

つまりヒートの問いは「ここで別れる?それともまだ話す?」という意味なのだ。
その意味を正確に理解したシャキンはすぐに答えた。

(`・ω・´)「二人とも。
       時間ができたら是非寺にいらしてくださいね」

( ФωФ)「はい、わかりました」

ノハ*゚听)「おやすみなさい」

そうして二人組の方は北へ、和尚は南へ足を進めた。



52: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:47:05.47 ID:zC5zpbd/0
西部から北へ歩いていくと、ちろちろと水を鳴らす小さな川があった。
そしてその小川の先を視線で追うと、夜空に同化した大きな影を認めることができた。
分雲町を囲む五つの山の一つ、姉者山である。

ノパ听)「そういえばロマさんって山歩きが趣味だったっけ?」

( ФωФ)「ああ、そうだが。
        ……しかしその趣味が原因でこういう暮らしができていると思うと感慨深いな」

ノパ听)「もしかして不満があったり?」

( +ω+)「いや、とても楽しい。
        あっちでの生活ではあまり話す人がいなかったからな」

ノハ;゚听)「…………ぼっち?」

(;ФωФ)「違う。周りの奴らが皆、帰省しているだけだから」

ノパー゚)「そっか、安心した」

ヒートはほっと胸を撫で下ろす。
彼女に心配させてしまったようで、彼はすこしだけ申し訳なく思った。
横で歩く彼女からは弛緩した空気が流れでていたが、すぐに気を引き締めた。

( ФωФ)「どうした?」

ノパ听)「いや、ちょっと話を戻すね。
     山歩きが趣味なのは結構だけど、母者山と姉者山には絶対入らないでね」



56: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:51:05.71 ID:zC5zpbd/0
( ФωФ)「どうして?」

ノパ听)「姉者山には神がいるんだよ」

(;ФωФ)「はぁ?」

このご時世において、山に神が居座っているということだろうか。
しかしいきなり言われて、「はいそうですか」と納得できる類の言葉でもない。
ヒートの発言は、山に神がいると信じられていた昔ならともかく、現代では否定の一言で片付く。

なぜなら、世界地図を作れてもロケットを飛ばしてみても、『神の国』は見つからず、
冒険家や研究者が地球上の生物を虱潰しに登録していっても、『神』のジャンルは見つかっていないのだから。

そんな誰も見たことのない“神”というものが、現世のどこかにそうそういるわけがない。

ノパ听)「いや、言いたいことは分かるよ。
     でもいるんだよ、あそこには」

(;Фω+)「にわかには信じられんな」

彼の言葉を聞いて、ヒートは腕を組んでうなる。
どうも、どう説明するかを考えているようだ。
しばらく二人は無言で歩きつづける。


そしてヒートが腕組みをとくと、丁寧に話し始めた。



58: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:53:55.60 ID:zC5zpbd/0
ノパ听)「ロマさんは幽霊を信じるよね?」

( ФωФ)「まあ見えてるからな。
        それが?」

ノパ听)「神道の考え方だけど、霊も神様になりえるんよ。
     だから八百万の神という考えが日本にはあるんだよ。
     ちなみに『幽霊に足がない』ってのも、昔は死んで神様になると考えられてたからなんだ」

つまり彼女が言いたいことはこういうことだろうか。
「神( = 霊)は現世に存在しているが、通常なら見えない存在だ」と。
言葉にすると当り前な定義な気がするし、それを信じろといわれても疑問に思ってしまうだろう。
だが、彼が幼いころから目にしてきた“霊”という現象が神に絡むなら、容易に否定できなくなってしまう。

ノパ听)「姉者山には神様の祠がある。
     あれはあの山で死んだ人らを祀って神様になったクチだから。
     でもその神様は荒神でね。
     だから霊感の強いロマさんはなるべく立ち寄らない方がいいと思うんだ」

( ФωФ)「荒神?」

ノパ听)「あー、祟りとかやっちゃう神様のことだよ。
     畏敬の念を込めないと危害加えちゃうやつ……っていえばいいかな?
     ロマさんにも分かるように言うなら“怨霊”かな?」

(;+ω+)「そいつは」

誰にとってもそうだが、彼にとってみても悪霊という類に会いたいわけがないのだ。
ヒートは無限に点在する星々を見上げて話す、「だから大昔の人は祀らなければならなかったんだよね」



60: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:56:47.60 ID:zC5zpbd/0
ノパ听)「まあ実のところ神様がいるかどうかは別にいいんだ。
     問題は『もしあの山にそういうのがいたとしたら、そいつはすごくヤバいやつ』ってことだよ。
     ロマさん。君子危うきに近寄らず、だよ。
     貴方は霊感が強いから、いい標的になりえるだろうからね」

(;+ω+)「……なるほど、姉者山のことは分かった。
        して、母者山の方はどういう理由があるのだ?」

もしかしてそこにもヤバい神がいるのだろうか。
母と名のつく山だ。もしかしたら姉者山と同じ特性を持っているのかもしれない。
『特殊効果 : 悪霊憑き』みたいな。

ノパ听)「いや、あそこには神様とかいないはずだよ、多分」

(;ФωФ)「多分ってなんだ?多分って?」

ノハ;゚听)「えーと、とりあえず神様祀ってないはずよ。
      ただあそこでは昔から神隠しとかあったから」

あいまいな回答のツっこみを入れられ、ヒートは誤魔化すように母者山の危険性を話した。
……神隠しか。遭難しやすい山ということだろうか?
それとも樹海みたいに死者が多すぎて、霊が目撃されやすいということか?

「とりあえず近づかない方がいい」というヒートの忠告を、彼はありがたく受け取ることにした。



61: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 22:59:18.99 ID:zC5zpbd/0
( +ω+)「こういっては悪い気もするが。
        ここもずいぶんおかしな町なんだな」

ノパ听)「まあね。
     流石にそこは否定できないねえ、悲しいことに」

( +ω+)「気分が安らぐいい町なのにな」

ノハ*゚ー゚)「……そういってもらえると嬉しいよ。
      なあに、おかしな町だけど悪いことばかりじゃないんよ?
      私らが頑張ってその分皆が安らげると考えれば、案外誇りに思えるからね」

( ФωФ)「強いな」

ノハ*゚ー゚)「姉ですから」

('∀`)

そうこう話しているうちに砂尾神社がある兄者山に着いた。
彼にとってこの夜の話は意義あることばかりだ。

ウツロについて。
姉者山の神について。
母者山の神隠しについて。
ヒートの強さについて。

帰ったら一度整理して考えてみようと彼は思った。



63: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 23:02:37.01 ID:zC5zpbd/0
石段を上り、砂尾家の玄関の戸を開けるとすぐにシューが顔を出した。

lw´‐ _‐ノv「おかえりー」

ノハ*゚听)「ただいまー」

( ФωФ)「ただいま」

('A`) タダイマ









lw´‐ _‐ノv「……ロマ、話があるからちょっと顔貸せ」

(;ФωФ)「……ああ、わかった」


なんとなくだが彼は嫌な予感がした。



64: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 23:05:22.01 ID:zC5zpbd/0
そうして彼はシューの部屋へと招かれた。
その様子から、どうもヒートには聞かれたくない内容らしいと憶測できた。
ヒートもそれを察して、居間でのんびりくつろぐことにした。

「あいつは空気を読めるのか読めないのか正直分からんな」、ヒートに対する彼の感想である。
もちろんシューの前で彼はそれを言わなかった。
彼女らの姉妹愛はよく知っているだけに。


シューの部屋に入った彼は複雑な顔をする。
畳の部屋に、机と本棚。
机の上にはノートパソコンのみ。
本棚には難しそうな学術書から宗教関連のもの、教科書などが収められている。
部屋の脇には、二本の刀が乱雑に置かれているのも目に入った。

全体として無骨でひどく無機質な印象を受ける。

(;+ω+)「お前の趣味は何なのだ?」

lw´‐ _‐ノv「無趣味でいいじゃん。
       それよりもだね……」

シューは彼の腕を引っ張り、部屋の奥へ引き寄せる。
まるで今から内緒話でも始めるかのように。

事実、それは内緒話だった。



66: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 23:08:16.62 ID:zC5zpbd/0
lw´‐ _‐ノv(まずはじめに言っておく。
       何を隠そう、私は霊感があったりする。
       体質的に霊とかもばっちり見える。
       ……さて、なにかいうことはないかね?)

(;+ω+)(あー……そういうことか。
        なんというか、すまん)

lw´‐ _‐ノv(どうしてこうなった?)

(;+ω+)(霊を意識して見てたら憑かれると思ってな。
        だから無視し続けてたのだが……)

lw´‐ _‐ノv(ここまでついてきちゃったと)


シューの口から発せられた告白は、実はそれなりに衝撃的であるはずだ。
しかし、それ以上にうんざりすることがあるので、彼は驚かずにそのまま受け流す。
二人はこっそり自身の背後を覗き見る。


       ('A`)
       ノ( ヘヘ



クリアボディの男はリラックスモードに入っていた。



68: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 23:10:43.74 ID:zC5zpbd/0
lw´‐ _‐ノv(とりあえず応援してあげるから)

彼の肩に軽く手を載せる。
彼としても、おかしなやつを連れ込んでしまった責任を感じている。
「やらなきゃいけない」、面倒に思うと同時に、シューの言葉が少しだけありがたかった。

分解するイメージを頭に描く。

( +ω+)「……」

( Фω+)「あー、もし?そこの不審者さん」



('A`)

('∀`)


('∀`) ヤットキヅイテ…

(#ФωФ)「ふんっ!」


(#ФωФ)≡つ)∀ ) クレタボアアアッッ ! !



70: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 23:13:12.61 ID:zC5zpbd/0
……この土地はある意味近い、とシューは言っていた。

何に近いのかは明らかにしなかったので、おそらく彼女も知らないのだろう。
ただ、それは霊的な神秘なのだということだけは分かる。
だからこそこの町にはウツロというものが現れるのだから。

そして現れるのはなにもウツロだけではない。
霊的な神秘に近いということは霊的な何かだけでなく、霊も直接的に絡んでくるだろう。
ときには、彼にも理解できないほどのものが出てもおかしくない。


    ('∀`)


ぶっちゃけるとコレである。



(#ФωФ)≡つ)A ) 、 ; ' . ・



71: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 23:15:50.12 ID:zC5zpbd/0
ちなみに彼の力は、霊の強さで浄化できるかどうかが決まる。
そこらへんの浮遊霊なら、彼が力を使えば簡単に消える。
逆に土地に居ついた霊などは、すぐに消えてはくれない。

霊の強さは、彼には分からない点が多すぎて説明できない。
しかし、ウツロを説明してくれた時のシューの言葉を借りるなら、想いの強さによるところが大きい。
どれほど真剣に、真摯にそれを貫くかで奴らは強大になる。
その想いが良いものならば守護霊、悪いものなら悪霊というように。
どちらも彼には浄化しにくい相手だ。


(#ФωФ)≡つ)A ) 、 ; ' . ・


分解するイメージを頭の中で作り上げ、拳から放出する。
それを何度か繰りかえし、彼は悟る。

そしてこの霊は強い霊だ。
コレは悪霊かどうかと問われると、答えに迷うが。
正直にいえば、本当にこいつは強いのだろうか、と疑問なのだが。


     
(#ФωФ)≡つ=つ)A ) 、 ; ' . ・
      ≡つ=つ



73: ◆pGlVEGQMPE :2009/08/17(月) 23:18:42.96 ID:zC5zpbd/0
…………。
……。


lw´‐ _‐ノv「……ロマの力でも祓えないことがあるんだね」

(;+ω+)「まあな。
        触れたらどんな霊でも祓える有能なものじゃないからな」

lw´‐ _‐ノv「ぶっちゃけ幻想殺しみたいなものだと思ってたよ」


(メメA メ)


とりあえず彼はシューに、すまんと謝った。







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