('A`)が狭間で生きるようです

2: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 15:50:32.30 ID:TK5dDeGy0
第四話「レジスタンスにおっぱいは関係ねえ!」


いつだってコンプレックスだった。
父のようになれない自分を嫌いながら、そんな自分でもいいと言い聞かせる。
自分を肯定しながら、父を否定する。
父を肯定しながら、自分を否定する。
その狭間で俺は生きていた。

大学に入ってブーン達と出会った。
父のように清らかなブーン。
俺がなれなかった父の姿。
ブーン、お前は良いやつだ。
俺の大切な、親友。
だからこそ、俺はお前が心から憎いよ。

('A`)「…どこだここ」

見慣れない天井に戸惑いながら、首を動かして辺りの様子を伺う。
どこだ…?見覚えがあるのに頭が痛くてよく分からない。
みんなはどこに。
俺は今一体どこにいるんだ?



3: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 15:52:58.98 ID:TK5dDeGy0

そう考えていると、不意に部屋を仕切っていたふすまが開いた。

( ゚∀゚)「あ…!」

ジョルジュ先輩!?
なんで!?

( ゚∀゚)「おーい!!みんな!!ドクオが起きたぞ〜!!!」

みんな!?
ていうか、ここはどこ?俺はドクオ!

=\(*^ω^)/

=\ξ*゚听)ξ /
          「「「「ドクオ〜!!!」」」
=\(*´・ω・`)/

=\川* ゚ -゚) /



5: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 15:56:32.50 ID:TK5dDeGy0
あ、みんなだ!
思い出した!ここショボン先輩の家だ!
ていうかなんでみんな、集合しているの?
今外暗いし、あれからどんだけ寝てたんだよ俺は。

(*´・ω・`)「みんな落ち着け!ドクオが何が何だか分からない顔をしている!」

ξ*゚听)ξ「うん、そうね!みんな落ち着きましょう!!」

( *^ω^) 「おっお!!!おっおっお!!」

川 *゚ -゚)「わっふる、わっふる!!」

( ゚∀゚) 「お前がぶっ倒れたのが3日前。
お前ん家が分からないからとりあえずショボン先輩の家に運んだものの遅くなったから解散。
でも皆心配になって戻ってきて結局3日間泊まり込みだよ」

ありがとうございます、ジョルジュ先輩。
ああ、確かによく見たらビールやチューハイの空き缶が隣の部屋に見えます。
心配してたけど、途中から飲み会に変わったんですね、分かります。
あ!気が付いたら皆若干酒臭い!



6: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 15:59:53.16 ID:TK5dDeGy0
(*´・ω・`)「目覚めたらまず言おうと思ってたんだ!
ありがとうドクオ!このまま目覚めなかったらどうなるかと思ってたよ!」

ξ*゚听)ξ「私もありがとう!ドクオありがとう!」

川 *゚ -゚)「正直、ただのダメ大学生だと思ってたよ!ありがとうな!」

( *^ω^)「おっお!!おっおっお!!」

( ゚∀゚) 「酒臭いのは勘弁してくれ。みんな不安をまぎらわせたかったんだ」

そう言えばジョルジュ先輩めちゃめちゃ酒強かったよな。
あ、でも皆の言葉が素直に嬉しい。
さっきまで憎んでいたはずのブーン。
自分の憎しみよりも、、寂しさの方が勝るのはなんでなんだろうな。
心に多少の不安が引っ掛かるものの皆の言葉を受け取る。



7: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 16:03:06.30 ID:TK5dDeGy0

(*´・ω・`)「さて、酒の勢いに任せるのはここまでにして」

(´・ω・`)「ドクオ」

ショボン先輩が神妙な面持ちになり、俺に何かを伝えようとしている。

(´・ω・`)「お前はソードになった。だけど僕はお前の先輩だ。
お前よりも弱い存在だ。だけども変わらずにお前に先輩面をするからな」

川 ゚ -゚)「私はお前に助けてもらった。これからもそういうことがあるかも知れない。
たけど私がお前の先輩だと言うことを忘れるな」

ξ゚听)ξ「あんたは、私の同期。そして、友達。それ何も変わらないからね!」

( ^ω^)「ブーンはこの前言った通りだお。僕と君は友達だお」

( ゚∀゚)「ドクオ、おっぱいが【ある】のも素晴らしい。だけど【ない】のも同様に素晴らしいんだ。
例えみんなにおっぱいがあっても、例えおっぱいが皆になくてもそれは変わらない」

勝手に羨み、勝手に憎みそれでも離れたくなかったこの関係。
一番恐れていたこと。
もう、この関係が続かないかもしれないこと。
みんなは、それを察してくれていたのかもしれない。
俺の不安を分かって、一番欲しい言葉をくれた。



8: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 16:06:33.55 ID:TK5dDeGy0
なのに、そうなればなるほど俺の中の影法師も強くなっていく。
疑って疑って自分には相応しくないなんて考える。
くそ、なんだって俺はこうなんだ。
あとジョルジュ先輩もやっぱり酔っていますよね?

( ;A;)「みんな…」

色々な気持ちを抱え、涙で言葉が出ない俺を皆は優しく慰めてくれた。
恥ずかしいのに嬉しい。
落ち着くまでに俺は大分時間を要することとなった。

('A`)「それで、世間は今どんな状態なんですか?」

(´・ω・`)「見ての通り、僕らが3日間酒盛りをしていたことからも
分かるように学校は一時休校になった」

川 ゚ -゚) 「私達の事件が切っ掛けだったな。ソードの中に暴走する人間が出た。
お前のように止めようとしたソードももちろんいたらしいがな」

ξ゚听)ξ「そして、ドクオが目覚める少し前、ホロカード大学でレジスタンスが結成されたわ。
多分、今もニュースに流れていると思う」

( ^ω^)「だけど、そのレジスタンスはソードの集まりだお。特権をもっと寄越せ
と言っているらしいお。一般の学生はそいつらの人質のようになっている状態だ
お」
_
(*゚∀゚)「レジスタンスにおっぱいは関係ない!」



9: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 16:08:43.59 ID:TK5dDeGy0
きっとずっと俺を見ててくれてたんだろう。
ジョルジュ先輩、二年という中間でどちらの面倒も見るために酔わないように
してくれたんですね。
ありがとうございます。
ホロカード大学か、構内に道路が走っている馬鹿でかい大学だ。
あの大学でレジスタンス…一種の自治区だな。

('A`)「あのモララーとか言う奴等は?」

(´・ω・`)「外交問題が難航しているらしい。聞いた話だと彼等は9人の集まりだ。
ホロカード、今はVIPの国内問題まで手を回していないらしい」

川 ゚ -゚) 「しかし、9人と言えども全員がレべル5だ。
その気になれば、軍隊どころか核ミサイルですら相手にならないらしい」

('A`)「なんだって、そんな奴等が外交に難航しているんですか?」

(´・ω・`)「あくまでも平和的にいこうとしているらしい。争いは避ける姿勢を崩していない。
また、8人で世界を飛び回っている時間的束縛も大きい」

川 ゚ -゚) 「残った一人がリーダーのモララーだ。
だかこいつも外的からの侵入を許さないために、外からの警備だ。
雷のソードを持ち、船が近づいただけでもその電波が分かるらしい」

('A`)「国内は混乱しているってことですね」



10: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 16:12:10.65 ID:TK5dDeGy0
(´・ω・`)「その通りだ。インフラ系やマスコミ除いて、他は一部のソードが好き勝手にやっている。
レベル4以上の存在が確認されない今、それ以下のランクが暴れているらしいな」

川 ゚ -゚) 「奴等もテレビ等の娯楽は欲しいらしい。
だが、いつここまで来るかは正直時間の問題だ」

クー先輩がそう言うのを聞いて、俺はまた不安にかられた。
敵がここに来る。
選択肢は三つ。戦う、逃げる、従う。
従うはないだろう、あるとすれば残り二つ。恐らくは逃げるだろうがそれでも
必要なことはある。

守るのか、俺が。
この影法師を使って。

そこまで思考が及んだ瞬間に自分の思考が影法師に支配されるのが分かった。
いや、今まで押さえ付けていた感情、言葉が勝手に溢れだしてくる。
影法師?いや、全部俺の言葉だよ。

見捨てればいいじゃないか。
レジスタンスに入って、好き勝手にやって何が悪い。
虐げられてきた俺が、他の人間を虐げる、汚す、嬲る。
たまらないじゃないか、ああたまらない!



11: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 16:14:09.03 ID:TK5dDeGy0
だけども俺のソードは恐らくレベル2だろう。
影を操る俺の能力、目眩ましの力。
戦っている途中に分かった。あの影はソウルで晴らすことが出来る。
きっと俺より強い奴等がいる。
俺が好き勝手にやっていたら、俺がまた虐げられる。
身勝手なシーナ人を裁いたのは同じシーナ人だったように。

('A`)「俺が守ります。みんなを俺が守ります」

(;´・ω・`)「ドクオ、お前がそう言うのを正直待っていた。
だけれども、お前を犠牲にしてまで言ってもらえる価値があるのか僕には分からないんだ」

ショボン先輩が申し訳ない顔で、そう言う。
違うんです、ショボン先輩。違うんです。

('A`)「みんなは俺の大切な人です。僕にとって価値があるから守るんです。
いや、守りたいんです」

(;´・ω・`)「ドクオ…お前ってやつは…」

( ^ω^)「…」



12: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 16:16:54.25 ID:TK5dDeGy0
ここにいる居心地の良さ。
結局のところ、それを守るために戦う。
単独で来るのは、強いだろう。
弱ければ徒党を組む。それが来たら諦めるか命乞いをすればいい。

つかの間の英雄を楽しもう。
偽善者だと自分を責めれば責めるほど俺の影法師は強くなるのを感じる。
ネガティブになれば、強くなる。
誰かのためにという理由が一番使えないソードだよ、ちくしょうが。

(´・ω・`)「まあ、今はドクオの回復を喜ぼう!!みんな酒盛りの再開だ!!」

( *^ω^)「おっお!!!」

川 *゚ -゚)「ワッフルワッフル!!」

ξ*゚听)ξ「とことん飲みましょう!!」

( *゚∀゚)「おっぱい!おっぱい!!」



13: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 16:18:29.58 ID:TK5dDeGy0
皆と酒盛りをしながら、喜びと絶望が入り交じる。
打算を超えたものを皆が与えてくれる。
だから、俺は打算で皆を守ると言う。
ごめんよ、みんな。
俺こそみんなを守る価値が無いんだ。
出来る限りはやるよ。でも、それでも俺はいざというとき裏切るかもしれない。

さよならの時は俺も首を切るから。



14: ('A`)が狭間で生きるようです :2009/03/01(日) 16:23:21.97 ID:TK5dDeGy0
第四話「レジスタンスにおっぱいは関係ない!」 終



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