( ^ω^)それでも僕は変わらないようです

6: ◆j0VQcv9RTo :2009/05/31(日) 23:39:09.86 ID:Y9H/7EPz0







第三話「変わる想い、変わらない想い」







7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2009/05/31(日) 23:40:24.57 ID:Y9H/7EPz0


僕は、(私は)

変わりたかったのよ(変わりたかったんだお)

もっと明るくなれたら(もっと素直になれたら)

でも(だけど)

――それは、全ての記憶を無くしてまで手に入れたいものだったのか?
   (それは、私らしさを無くしてまで手に入れたかったの?)



9: ◆j0VQcv9RTo :2009/05/31(日) 23:43:28.82 ID:Y9H/7EPz0


―――――――……・・・・・・ ・ ・  ・   ・

背中が冷たい。
…湿っている?寝汗でもかいたのだろうか。
それにやけに背中が痛い。

( ´_ゝ`)「( ^ω^) …あれ?」

周りを見渡すと、中世風の煉瓦の建物が立ち並ぶ石畳の道の上に寝ていた。
というか人の家の玄関の前だ。

(´<_` )「…起きたか、兄者」

混乱した頭をまとめていると、ドアに付いたライオンの形のノッカーが揺れ、
目の前の家の中から男が出てくる。

鼻筋が通っており、スラリとした長身。
イケメン、といってなんの差し支えも無い整った身だしなみと顔。

(´<_` )「なにをボーっとしてるんだ。さっさと入れ。
      母者はもう怒ってないようだから、早く朝飯を食えよ、また母者に殺されたいのか?」

なにやら良く分からないが、家から放り出されて一晩過ごしたらしい。
そりゃ石畳で寝れば身体が痛いわけだ。



10: ◆j0VQcv9RTo :2009/05/31(日) 23:45:22.69 ID:Y9H/7EPz0

( ´_ゝ`)「( ^ω^) ごめんお。えーっと…」

男の名前を呼ぼうとして、考える。
と、昨日と同じ頭の痛みが襲ってくる。

( ゚_ゝ゚)「( ゚ω゚) おうふぅっ!」

しかし、昨日よりも幾分弱い痛み。
身体が早くも慣れはじめてきたのだろうか。それはそれで問題だ。

(´<_`;)「何を奇声をあげてるんだ…早く入れって兄者。本当に殺されるぞ?」

( ´_ゝ`)「( ^ω^) ごめんだお、弟者。今行くお」

今日の自分は、名前は「流石兄者」
26歳。独身、自分の部屋を研究室と銘打って怪しげな薬や装置を作っていて、
たまにできる成功作を薬や、便利な機械として売って商売をしている。

さっきの男は双子の弟「流石弟者」
運動神経良し、顔も良し、性格も良しなパーフェクトな弟。
街で『護街団』という職業をやっている。

この街を守る戦士…とは言っても平和な時代だ。
半分公務員みたいなもので、よっぽど事件が無い限りデスクワークに忙殺されている。



12: ◆j0VQcv9RTo :2009/05/31(日) 23:47:13.70 ID:Y9H/7EPz0

(´<_`;)「まったく、『実験』も大概にしろよ?
       そのうち勘当でもされるんじゃないかとこっちがヒヤヒヤする

( ´_ゝ`)「( ^ω^) 分かってるお、ほどほどにしとくお」

(´<_`;)「兄者が素直だとすごくキモいな…だから拾い食いはやめろと普段から言ってるだろう」

(;´_ゝ`)「(;^ω^) 待てお。流石にそれは失礼すぎないかお?」

明日は赤い雪が降るんじゃないかと呟く弟者を尻目に家の中へ入る。
――と、いきなり小さな影が飛びついてくる。

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者なのじゃー!生きてたのじゃー!」

(;´_ゝ`)「(;^ω^) おー妹者。ってえ?なに?僕死んでる設定かお!?」

(´<_` )「…そりゃ、この寒い中外に一晩いたら凍死が基本だろう」

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者早くあさごはんたべるのじゃ!母者がまってるのじゃ!」」

それだけ告げると、とてとてと外へと出ていく妹者。
大方友達とでも遊びに行くのだろう。平和万歳。



14: ◆j0VQcv9RTo :2009/05/31(日) 23:48:24.91 ID:Y9H/7EPz0

( ´_ゝ`)「( ^ω^) これから死地に行かなければならない僕に…弟者から一言」

(´<_` )「おk。辞書で『自業自得』を引いてから行くといい」

そう言ってさっさと玄関を出て行った。
あぁ。出勤なのね。
弟者からのフォローをもらえない状態で対母者は辛すぎると見知らぬ『経験』が言っている。

今日がここで初めての生活なのになんでいきなりこんな目にあってるんだろう。

( ´_ゝ`)「( ^ω^) …ウツダシノウ」

いなくなった自分をドクオは心配してるだろうなぁ…
こんな世界があるって知ったら、彼は来たいと思うのだろうか。
しばらく会うことのできない『あっち』の世界の親友の口癖を呟いて、居間へと向かった。



15: ◆j0VQcv9RTo :2009/05/31(日) 23:50:04.70 ID:Y9H/7EPz0

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「……」

(;´_ゝ`)「(;^ω^) ……」

テーブルに向かい合って座り、二人だけの無言の朝食。
父者は危険を察知したようだ。逃げやがったなあの禿。

とにかく気まずい。非常に気まずい。

記憶によれば、昨日は実験中にワライタケエキスをガス状にしたものが漏れて、
一家大爆笑、腹筋崩壊の後、母者の右ストレートを喰らって、記憶が途切れている。

回想していると、低いドスのきいた声が食卓に響く。

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「…あんた、反省はしてるんだろうね?」

(;´_ゝ`)「(;^ω^) はい…」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「…もう、あんなことはないようにすると誓うかい?」

(;´_ゝ`)「(;^ω^) はい…」



16: ◆j0VQcv9RTo :2009/05/31(日) 23:52:14.21 ID:Y9H/7EPz0

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「歯ぁ。食いしばってるかい?」

(;´_ゝ`)「(;^ω^)はい…え?」

その刹那。
本当にコンマ一秒よりも短い時間。

左の頬に、固い『なにか』の感触を感じた瞬間に
――身体は窓を突き破り、気づけば再び一晩を共に過ごした石畳とキスしていた。

…無茶苦茶怒ってるじゃん。弟者の嘘吐き。

視界が、暗転した。



18: ◆j0VQcv9RTo :2009/05/31(日) 23:54:40.21 ID:Y9H/7EPz0

―――――――……・・・・・・ ・ ・  ・   ・


( ´_ゝ`)「( ^ω^) …どうしよう」

気絶すること約一時間。
やっとのことで目を覚ました僕は、町をうろついていた。

( ´_ゝ`)「( ^ω^) 研究室にはもどれないな…」

というか家に戻れない。
あの拳はたとえボクシングのチャンピオンでも見切れないだろう。

その辺で実験用の材料と簡単な昼飯でも買って、河原にでも行ってピクニック気分でも味わおう。

( ´_ゝ`)「( ^ω^) よし!思い立ったが吉日生活!」

そして、石畳の上を商店街へ。
パンとリンゴがいいだろう、手で食べられるし。
そんなことを思いながら、道のわきに並んだ色とりどりの商品をのぞく。

ミ,,゚Д゚彡「へい!らっしゃい!」

( ´_ゝ`)「( ^ω^) …え?」

なんだろう、このデジャヴな感じは、なんで店員は元気な人ばっかりなのかと。
『カウンター』の趣味なんだろうか。



20: ◆j0VQcv9RTo :2009/05/31(日) 23:56:22.75 ID:Y9H/7EPz0

とりあえずパン――とはいってもサンドイッチなんかではなくフランスパンのような固めのパンだが
それととリンゴ、ビン入りの水を買うと再び石畳を河原へと歩きだす。

人ごみの中を、人のいないほうへと歩く。
記憶に沿って歩いている限り、河原は街からはずれているらしい。

( ´_ゝ`)「( ^ω^) りんごりんごーりんごりんごりんごー」

古いロックに合わせて勝手に替え歌しつつ、道を行く。

――( <●><●>) 『次お会いするまでに、返事を考えておいてください』――

そういえば、あのカウンターの“しもべ”もりんごを買っていた。

( ´_ゝ`)「( ^ω^)…返事、かお……」

“しもべ”に協力するのか否か。

( ´_ゝ`)「( ^ω^) 難しい、ところだお…」

とりあえず河原に行って落ち着いて考えるべきだろう。
そう思い、顔をあげた。



21: ◆j0VQcv9RTo :2009/05/31(日) 23:58:26.11 ID:Y9H/7EPz0

――瞬間。

('A`)

見慣れた顔が、
いや、今は少し懐かしいくらいに感じられる顔があった。

(;´_ゝ`)「(;^ω^) ドクオ…!?」

声を張り上げる前に、その姿は人ごみの方へと消えていった。

まさか。
そんなはずはない。

(;´_ゝ`)「(;^ω^)ドクオがこの世界に…?」

きっと見間違いだろう。
そう思う反面、もしも本当にドクオだったら彼も危ない。

(;´_ゝ`)「(;^ω^) …まさか」

悩みの種が一つ増えた苦悩のような、旧友に会った嬉しさのような。
複雑な心境のまま、河原へと歩を進めていった。



22: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:01:09.18 ID:UcvbwCQ/0

( ´_ゝ`)「( ^ω^) ふぃー」

河原に着くと、川のほうを向いて、土手に座る。
風が気持ちいい。考え事にはちょうどいいくらいだろう、
色々と、考えることができてしまったわけだし。

“しもべ”の提案、『カウンター』の事、ドクオがいたこと。


パンを頬張りつつ、川に石を投げては考えをまとめていく。
“しもべ”に協力することは実際デメリットはない。

強いて言うなら信用できない事、だろうか。

( ´_ゝ`)「( ^ω^) (それなら…)」

迷う必要なんてない。
多少の信頼のなさに目をつぶるべきだろう。
しかし、釈然としない。



24: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:03:12.78 ID:UcvbwCQ/0

やはり、何かが引っ掛かるのだ。
言葉で言い表せない、『何か』が。

( ´_ゝ`)「( ^ω^) …返事って言われてもなぁ」

( <●><●>)「確かに返事というものは、大事なものなんです」

( ´_ゝ`)「( ^ω^)そうそう。だから迷ってるんだお…え?」

( <●><●>)「どうも。ブーンさん」

昨日と同じ服装にシルクハットの少年。
被っている黒いシルクハットをちょこんと外してあいさつする姿は、様になっている。

それにしても、今日は何回驚けばいいのだろうか。
いつの間にか“しもべ”が隣に座っていた。

(;´_ゝ`)「(;^ω^)なんでいるんだお!?っていうかなんで僕だとわかるんだお!?」



27: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:05:52.92 ID:UcvbwCQ/0

( <●><●>)「まぁ、一応主を欺いているとはいえ、『カウンター』側の人間ですから」

それぐらいはわけないことです。と言うと、腕に抱えていた紙袋を下ろす。
中身はりんごがこれでもか、というほど大量に入っていた。

(;´_ゝ`)「(;^ω^)そんなもんなんですかお…」

( <●><●>)「はい、そんなものです」

さらりと言い放ち、紙袋からりんごを取り出す。
一緒に果物ナイフも取り出して、くるくると器用に皮を剥いていく。

僕はパンを水で流しこみ、りんごを丸齧りする。

( <●><●>)「さっそくですが。時間もありませんので、本題よろしいでしょうか?」

切ったりんごを頬張りながら、静かに言う。

( <●><●>)「私に、協力していただけますか?」



28: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:07:46.20 ID:UcvbwCQ/0

(;´_ゝ`)「(;^ω^)もしも、断ったら…?」

( <●><●>)「……特にあなたには何もありません。他を当たります」

ただそれだけを言うと、ゆっくりと息を吐く。

( <●><●>)「もう一度聞きます。『協力していただけますか?』」

不思議と心は落ち着いていた。
迷ってはいたが、どちらかを選ばなければならない。

――それならば



( ´_ゝ`)「( ^ω^)僕は――」



ぱちゃん、と川で魚の跳ねた音がした。



30: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:09:46.05 ID:UcvbwCQ/0


―――――――……・・・・・・ ・ ・  ・   ・


ノハ‐凵])「ξ‐凵])ξ ふああぁぁぁ」

大欠伸をして、伸びをする。
外はまだ暗い。時刻は早朝のようだ。

頭の上でなっている目覚ましを4つほど止めて、覚醒する。

ノパ听)「ξ゚听)ξ さ、今日はどうなってるのかしら」

洗面所へ行き、鏡を見る。
昨日と同じ、しかし幾分弱い痛みが頭を襲う。

今日の名前は「素直ヒート」
「護街団」に所属しており、今日は非番なので休み。
年齢は19歳。



31: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:11:07.27 ID:UcvbwCQ/0

ノパ听)「ξ゚听)ξ …冷蔵庫の中、何にもない」

食べ物の一つもない。
その日暮らしの生活をしてるらしいからしょうがないことなのかもしれない。

ノパ听)「ξ゚听)ξ 買って外で食べようかな…」

外に出ようかと、玄関のノブに触れるか触れないかのうちに向こうからドアが開いてくる。

ノパД゚)「ξ゚Д゚)ξ ぎゃあああ!」

ドアと壁の間に挟まれて、悲鳴を上げる。
ドアの向こうから入ってきたのは、銀髪ショートカットに、白衣をはおった女性。

从 ゚∀从「おらぁ!『貴人』!いるのはわかってんだぞこら!」



32: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:13:00.43 ID:UcvbwCQ/0

从 ゚∀从「…あれ?」

きょろきょろと周りを見渡した後、恐る恐るドアと壁の隙間を覗いてくる。

从;゚∀从「おぉ。すまんな」

ノハ#゚听)「ξ#゚听)ξ …どちらさまでしょうか?」

从*゚∀从「よくぞ聞いてくれた!俺こそは!この世界の裏番長ハイン様だ!」

ノハ#゚听)「ξ#゚听)ξ …おk。コロス」

わけのわからない自己紹介で納得する私じゃない。

从 ゚∀从「まぁ冷静になれって。『貴人』さんよぉ。俺はあんたに警告をしに来たんだぜ?」

ノパ听)「ξ゚听)ξ え?『貴人』って…」

さっきも引っかかったが、『貴人』は異世界から来た人物の異称。
でも、なぜこの女は私が『貴人』であることを知っている?

心の中で警戒の黄信号が点滅する。



33: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:14:44.59 ID:UcvbwCQ/0

从 ゚∀从「あー。まぁ俺についての説明は面倒だからハブく。そのうちまた会うだろうしな。
     今は緊急だから用件だけ話させろ」

こちらの警戒を読み取ったのか、手をぷらぷらと振り話し始める。

从 ゚∀从「いいか?よーっく聞けよ?
     これからお前のところに『カウンター』の関係者が来てお前に質問をする」

口を開こうとするが、手で制される。

从 ゚∀从「とりあえず聞いてくれって。
     その関係者の質問には、「YES」と言え。だが、絶対に油断はするな。常に気をつけろ」

ノハ;゚听)「ξ;゚听)ξ ちょっと!そんなこと急に言われても!」

从;゚∀从「信用しろってのが無駄なのは百も千も承知だ。
     だが、こっちも時間がない。あいつらがこんなに早く動き始めるとは思わなかったんだ」

もはや訳がわからない。
「あいつら」?「動き始めた」?

从 ゚∀从「『カウンター』には気をつけろ。今はこれ以上言えないんだ!
     お願いだ。信じてくれ。俺はお前を助けるためにこれを言ってるんだ」

ノパ听)「ξ゚听)ξ …明らかに胡散臭いじゃないの」

从#゚∀从「あー!もう!分かった!俺は『カウンター』に近い人間だよ!
     お前と内藤ホライゾンを『カウンター』に利用されたら困るんだよ!」



35: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:16:38.06 ID:UcvbwCQ/0

ということは、“しもべ”の同類ということなんだろう。

ノパ听)「ξ゚听)ξ あなたは『カウンター』の敵なの?」

从 ゚∀从「まぁ、敵と言えば敵だ。だが、厳密にいえば敵でも味方でもない」

余計に訳がわからない。

――と、玄関から戸を叩く音がした。

从;゚∀从「やべっ!奴らだ!じゃ!俺の言ったこときっちりやれよ!」

窓から出て行こうとして、振り返り、

从 ゚∀从「俺の名前はハインだ。ピンチになったら俺の名前でも出せば助かる…かもな」

そう言い残すと、窓から飛び降りて行った。

ノハ;゚听)「ξ;゚听)ξ 何だったのよ…一体」

茫然と立ち尽くしていると、再びドアを叩く音がする。

ノパ听)「ξ゚听)ξ はーい!今出ますー!」



37: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:19:06.99 ID:UcvbwCQ/0

(*‘ω‘ *)「対応が遅いっぽ。留守かと思ったっぽ」

玄関を開けると、立っていたのは自分と同じくらいの年齢の少女。
これが“しもべ”なのだろうか。

ノパ听)「ξ゚听)ξ …どちらさまでしょうか?」

さっきと同じ対応。
しかし、幾分冷静になれたのは、ある意味ハインのおかげだろう。

(*‘ω‘ *)「あー。『カウンター』の関係者って言えば通りがいいっぽ?」

さっきハインが言った通り。
ということは、これが“しもべ”?
とてもじゃないがそうは見えない。



38: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:20:24.05 ID:UcvbwCQ/0

ノパ听)「ξ゚听)ξ …何の用ですか?」

(*‘ω‘ *)「おう。単刀直入に言うっぽ。『カウンター』潰すから協力しろっぽ
       断ったら、まぁ元の世界に戻れなくなるだけだっぽ。どうだっぽ?」

これはどちらかといえば脅しだろう。
もし「元の世界に帰りたい」なら選択肢はない。

ノパ听)「ξ゚听)ξ …NOとは言えないじゃないですか」

(*‘ω‘ *)「まぁ、別にNOでも困らないっぽ」

この少女は、私が「帰りたい」と思っているから自信満々なのだろう。
断るわけがない。そう思っているはずだ。



41: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:22:03.37 ID:UcvbwCQ/0

しかし。

ノパ听)「ξ゚听)ξ (正直、まだ迷ってるのよね)」

戻りたくないわけではない。
しかし、こちらの生活が楽しいのは昨日で実証済み。

――从 ゚∀从「関係者の質問には、「YES」と言え。だが、絶対に油断はするな。」――

先ほどの『ハイン』の言葉が頭をよぎる。
あの必死さが嘘だとは思えない。しかし、他になにも信じられることもない。

(*‘ω‘ *)「できれば、即決が嬉しいっぽ。こっちにも色々と事情があるもんで」

どうするべきなのか?
もう頭がこんがらがって、どうしたらいのか分からない。

“しもべ”『ハイン』『カウンター』『内藤ホライゾン』

それらの単語がぐるぐるとまとまりのないまま頭をめぐる。

しかし、考えるよりも行動すべき時なのかもしれない。
この「素直ヒート」の記憶が、そう言っている気がした。

ノパ听)「ξ゚听)ξ …私は――」



42: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:23:17.28 ID:UcvbwCQ/0







――バラバラだった物語の歯車が、しっかりと噛み合い、廻り始めた。







44: ◆j0VQcv9RTo :2009/06/01(月) 00:24:50.80 ID:UcvbwCQ/0



第三話―了―



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