( ^ω^)ブーンがJ( 'ー`)しカーチャンに親孝行をするようです
- 1: VIP足軽c :2006/11/27(月) 11:47:33.08 ID:r9mLLWmn0
- 年も暮れる頃、ここはとある小さな町の小さな病院の小さな個室
静寂の中聞こえるのは小さな吐息だった
( ーωー)「スー・・・スー・・・・」
J( 'ー`)し 「・・・・・・・・・」
カーチャンは痩せこけた顔でじっとブーンの顔を見つめていた
そんな彼は、普段まったく夢を見ない。神様の気まぐれか
はたまた悪戯なのか、今日は世界中の誰よりも長い夢を見ていた
- 10: VIP足軽c :2006/11/27(月) 11:57:50.44 ID:r9mLLWmn0
- 遡ること10と余年、バブル崩壊の影響を受けてか
ここに貧乏な家庭があった。当時ブーンは5歳だった
J( 'ー`)し 「あんたも明日から保育園だねぇ」
( ^ω^) 「いっぱいいっぱい友達つくるお 楽しみだお」
J( 'ー`)し 「カーチャンも明日はお洒落しなきゃね」
( ^ω^) 「カーチャンは何もしなくても綺麗だお」
ブーンは近所のおばあさんの庭弄りを手伝うなど、
周りから優しい子と呼ばれる子供だった
J( 'ー`)し 「今日はおいしいもの作ってあげるね、何が食べたい?」
( ^ω^) 「うーん・・カーチャンの作ったものなら何でもいいお!」
普段から働きに出ているカーチャンの手料理を食べる機会が
あまりなかったブーンには、うれしくてたまらなかった
- 12: VIP足軽dca :2006/11/27(月) 12:02:16.37 ID:r9mLLWmn0
- J( 'ー`)し 「じゃあ、買い物一緒に行こうか」
( ^ω^) 「やったお!カーチャンと買い物だお!」
近くのスーパーまではしゃぎながら歩いていく二人
しかし店内に入るとブーンは一目散にどこかに走っていった
カーチャンはしばらく探したが、どこにも見当たらなかった
J( 'ー`)し 「あの子・・どこ行ったのかしら?」
⊂( ^ω^)⊃ 「ブーン」
J( 'ー`)し 「ブーン、一人でいっちゃだめっていったでしょ?
後お店の中でブーンをすると人の迷惑になるからやめなさい」
( ^ω^) 「あ・・ごめんだお うれしかったからつい・・だお・・」
- 14: VIP足軽dca :2006/11/27(月) 12:08:44.10 ID:r9mLLWmn0
- レジを通すと、三桁の数字がボードに浮かび上がっていた
J( 'ー`)し 「・・・・・・・」
カーチャンは、少し悲しげな顔で1000円札を出した
J( 'ー`)し (本当はもっと色々かってやりたかったんだけどねぇ・・)
鳥ムネ肉、レタス、から揚げ粉、ジャガイモ、
半額シールの張られたハム、それに雑貨
( ^ω^) 「フヒヒ!フヒ!!フビュ」
そんなカーチャンの思いなど他所に、ブーンは早く家に帰りたくて
笑い方まで変になっていた
J( 'ー`)し 「ブーン・・変な笑い方しないの」
( ^ω^) 「フヒ・・はーいだお 早く帰るおー」
- 16: VIP足軽dca :2006/11/27(月) 12:15:30.12 ID:r9mLLWmn0
- 三畳一間・・まではいかないが、4畳半の部屋にキッチン
後は寝室だけの古びた家。隣には屋敷が立っていた
そこの主人と知り合いで、安く借りているのだった
_
( ゚∀゚) 「お、カーチャンさん。こんにちは。お買い物ですか」
J( 'ー`)し 「えぇ、今帰りです。明日ブーンが入園式なので買出しに・・」
_
( ゚∀゚) 「そうか・・ブーン君、明日は楽しみだね」
( ^ω^) 「うん!友達いっぱい作るお!でも、それよりも
カーチャンの料理が楽しみだお!!」
_
( ゚∀゚) 「はは、本当にいい子だねぇ・・ブーン君は。」
J( 'ー`)し 「それじゃ、お元気で」
家族は家に上がり、夕飯の準備を始めた
- 17: VIP足軽dca :2006/11/27(月) 12:21:41.47 ID:r9mLLWmn0
- トントントン・・家に響くのは軽快な包丁の音
ブンブンブン・・聞こえるのはブーンの鼻歌
J( 'ー`)し 「あら・・ニンジンがないわ」
今日のメニューは鳥の唐揚げにポテトサラダ
最近豆ご飯続きだった育ち盛りのブーンにはたまらないご馳走だった
( ^ω^) 「ブンブンブン♪ブブブンブーン♪」
⊂( ^ω^)⊃ 「ブブブンブーン♪」
カーチャンは埃が立つからやめなさい と注意をしようとしたが
今日ぐらいはいいだろうと、自分も鼻歌を歌い始めた
- 19: VIP足軽dca :2006/11/27(月) 12:31:14.88 ID:r9mLLWmn0
- 食卓には唐揚げとポテトサラダ、あまったジャガイモ
で作った手作りポテチが並べられた。そこでカーチャンが一言行った
J( 'ー`)し 「トーチャン、今日も遅いって。いつもいつもごめんね」
( ^ω^) 「そうかお・・お仕事だからしかたないお・・
だって、トーチャンもカーチャンも僕のために毎日忙しいんだお
僕のほうこそごめんだお」
ブーンがいい終わると、カーチャンは泣き出した。ブーンが泣いてるカーチャンを見るのは
初めてだった。ブーンは混乱しながら、再び謝っていた
(;^ω^) 「あう・・ご・・ごめんだお、カーチャン・・僕なんか悪いこといったかお」
J( 'ー`)し 「違うの・・違うの ごめんね ブーン ごめんね・・」
そういい終わるとカーチャンは大声をあげて、机に突っ伏した。
- 20: VIP足軽dca :2006/11/27(月) 12:36:08.90 ID:r9mLLWmn0
- (;^ω^) (あうあう・・どうすればいいんだお・・?僕は・・そうだお!)
ブーンはポケットから飴玉を取り出して、カーチャンの側にコト、と置いた
J( 'ー`)し 「・・・?」
( ^ω^) 「カーチャン、今日誕生日だお。」
J( 'ー`)し 「あ・・・」
カーチャンはそれ以上言葉が続かなかった。自分でも誕生日等というものを忘れていたし
プレゼントをもらったのも随分なことだった。それに、自分の息子にプレゼントをもらった
その状況、子供の泣いてしまった自分。徐々に冷静に自分を見つめなおしていた
( ^ω^) 「さっき、お店に行ったときに買ってたんだお
カーチャン、ハッピバスデートゥューだお。」
- 23: VIP足軽dca :2006/11/27(月) 12:44:23.02 ID:r9mLLWmn0
- J( 'ー`)し 「あ・・・ありがとう。お金・・どうしたの?」
( ^ω^) 「ずっと前にお駄賃もらったのをとっておいたんだお
本当は食べ終わったら渡そうと思ってたんだお」
普段ならお駄賃をもらうとすぐにお菓子を買ってしまうブーンだったが
普段からカーチャンに何かしてあげたいと思っていたブーンは、それを使わずにとっていた
J( 'ー`)し 「・・・ありがとうね。さめちゃうから・・食べようか」
( ^ω^) 「うん!!いただきますだお!!」
この後ブーンは焦げたポテチを一番に食べたため、
カーチャンに、それは後に食べなさいといわれ、はーいだお と返事をした
(;^ω^) 「カーチャン・・唐揚げが微妙に生だお・・」
J( 'ー`)し 「ほんとねぇ・・」
カーチャンはブーンに早く食べさせたいがために
火の通りも確認せず、味見もせず、せっせと作ったのだった
そんなことをいいながらもおいしそうに食べるブーンを見て
いつも通り優しくにっこりと微笑むカーチャンであった。
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