( ^ω^)ブーンがJ( 'ー`)しカーチャンに親孝行をするようです
- 179: ◆QueeniallQ :2006/11/28(火) 22:32:32.04 ID:1o+2d8yP0
- J( 'ー`)し 「長岡さん・・いつもいつもご迷惑を」
_
( ゚∀゚) 「いいんですよ、私の本職ですしな はは」
J( 'ー`)し 「あたらしい家まで手配していただいて・・本当に・・」
_
( ゚∀゚) 「あなたと私の仲じゃないですか はは
それにブーン君もそろそろ一人部屋がほしいでしょう」
晴れて入学式を迎えたブーン、その週の日曜日
世の景気もどん底から徐々にあがりはじめていた
そんな中、家族は荷造りを終えていた
そう、新しい家に越すことになったのだ
- 181: ◆QueeniallQ :2006/11/28(火) 22:49:41.69 ID:1o+2d8yP0
- J( 'ー`)し 「ほら、ブーンもちゃんと挨拶しなさい」
( ^ω^) 「おじさん、今までありがとうだお!また遊びにくるおー!」
_
( ゚∀゚) 「おじさんもバルケンもまってるぞ はは」
( ,'3 ) 「バルバル!」
長岡さんの愛犬バルケン。ブーンがカーチャンの帰りを待ってるとき
ドアからバルケンを散歩している長岡さんを見つけるとよく駆け寄って撫でていた
_
( ゚∀゚) 「ところで・・家のバルケンが子供を生んだのは知っていると思いますが
貰い手がいなくて・・家で育ててもいいのですが、よかったらどうですか?」
J( 'ー`)し 「そう・・ですねぇ・・」
- 183: ◆QueeniallQ :2006/11/28(火) 22:56:12.65 ID:1o+2d8yP0
- 急のことなので、カーチャンは考え込んでいた
散歩にいくにも、仕事の後だと遅くなるしエサのお金もいる
( ^ω^) 「わ なめるなだお! お前は元気いっぱいだなだお!」
そんなカーチャンを尻目にブーンは一匹の犬と遊んでいた
他の犬と違い、なぜか一匹だけ耳のたれた雑種だった
( ^ω^) 「カーチャン・・買っちゃダメかお?きちんと面倒みるからだめかお?」
カーチャンはブーンの嬉しそうな顔に心を動かされた
だが決して軽い気持ちで返事をしたのではない
J( 'ー`)し 「じゃあ・・この子を家で育てます
ブーン、きちんと面倒をみなさいね。エサも散歩も
カーチャン、仕事で遅くなる時もあるからあなたがしっかりやるのよ」
( ^ω^) 「やったーだお! うれしいお おっおっ」
- 185: ◆QueeniallQ :2006/11/28(火) 23:08:21.05 ID:1o+2d8yP0
- はしゃぐブーンと子犬をみて、その場にいるみな微笑ましい気持ちになっていた
_
( ゚∀゚) 「ブーン君、しっかり頼んだよ はは」
こうして家族は新たな家へ家具を運びはじめた
お世辞にも綺麗とは言えない築15年ほどの家だった
ただ小さいながらに庭もあり、ここに花を沢山さかせよう。
そんなことをカーチャンは考えていた
( ^ω^) 「おっおっおっー おまわりさん こまってしまって おっおっおおー♪」
/ ,' 3 「バウバウ ワウ ワンワン」
J( 'ー`)し 「ねぇ・・その子名前どうするの?」
(;^ω^) 「あう・・考えてなかったお カーチャンは何か思いつくかお?」
J( 'ー`)し 「そうねぇ・・スカルチノフなんてどうかしら」
(;^ω^) 「なんかちょっと変じゃないかお?」
その時ふと、ブーンの視界に缶コーヒーの空き缶が入ってきた
- 187: ◆QueeniallQ :2006/11/28(火) 23:14:33.44 ID:1o+2d8yP0
- ( ^ω^) 「!! これだお・・ボスだお! かっこいいお!」
J( 'ー`)し 「ブーンが気に入ってるのなら、その名前でいいのよ。」
( ^ω^) 「ボス!これからよろしくだお!」
/ ,' 3 「バウバウ!」
(;^ω^) 「なんかこれじゃ僕が手下みたいだお・・」
カーチャンはそんなブーンをみてこれから始まる生活に期待を寄せていた
ガーデニングの鮮やかな庭 はしゃぐブーンとボス
夏には庭で、年に一度の贅沢な焼肉。冬は雪が積もるのを眺めながら
お茶をすする。今まではそんな余裕はありもしなかっせいなのか
次々に想いが頭をよぎる。カーチャンはこの時幸せで胸がいっぱいだった
( ^ω^) 「新しい家に着いたらかけっこするお!」
/ ,' 3 「バウ!」
- 188: ◆QueeniallQ :2006/11/28(火) 23:21:03.53 ID:1o+2d8yP0
- 家に着くと知り合いの大人たちが家具やらなんやらを配置していった
とうのブーンはボスと遊びつかれて、庭の隅で休憩をしていた
(;^ω^) 「ハァ・・ハァ・・ボスはまだまだ元気かお?」
/ ,' 3 「バウバウ! バウb・・・?」
( ^ω^) 「?どうしたのかお?・・これは・・」
ボスに遅れること数秒、ブーンが見つけたのはまだ小さなスズメだった
羽を怪我しているのか、チュンチュンと泣いてヒョコヒョコ跳ねているだけだった
( ^ω^) 「この子大丈夫かお? なにか食べさせてみるお」
ブーンはポケットに入っていたクッキーを開けてスズメのほうに投げた
(・∞・) 「チュンチュン!」
( ^ω^) 「お!たべたお! カーチャーン、スズメがいるおー」
- 191: ◆QueeniallQ :2006/11/28(火) 23:35:18.17 ID:1o+2d8yP0
- J( 'ー`)し 「あら・・怪我してるのね この子」
( ^ω^) 「そうだお・・可哀相だお」
ブーンは優しく包みこむようにつかんだ。
だが母はブーンを静止しようとしていた・・が、間に合わなかった
知っていたのだ。 一度人間のにおいが付いてしまうと群れには帰れない
大きく育て、そして逃がしてやらないといけないと
そして野鳥を安易に保護してはいけないことも
( ^ω^) 「この子も飼うお! 怪我を治して、もう一回飛ばせてやるお!」
だが母はブーンの悪気のなさそうな顔に何もいえなかった
この子が大きくなったら、話してやろう。そう思っていた
J( 'ー`)し 「・・・そうね。じゃあ、あいてるダンボール箱にいれましょう」
急ごしらえの鳥小屋が完成した
下には新聞紙、拾ってきた木を乱暴に突き刺した
スズメの乗る棒。箱の左右から突き出ている
その中に薄い皿に水をいれおいておく。ふやかせたパンも一緒に
- 193: ◆QueeniallQ :2006/11/28(火) 23:47:10.50 ID:1o+2d8yP0
- (・∞・) 「チュンチュン モグ チュン モグ」
( ^ω^) 「おー・・食べてるお。 早く元気になるんだお」
/ ,' 3 「バウ!」
こうして引越し一日目は片付けもままならぬまま
新たな家族を二人迎えてはじまったのだった
翌朝
( ^ω^) 「ボス!おはようだお!」
/ ,' 3 「バウバウ!」
庭にいるボスに元気よく挨拶をし、長岡さんからもらったエサをあげるブーン
( ^ω^) 「おはようだお!」
(・∞・) 「チュン!」
ダンボールを覗き込むとそこには棒にしっかりと捕まっているスズメがいた
( ^ω^) 「元気そうだお・・よかったお」
J( 'ー`)し 「ブーン、お昼からお買い物行くけど一緒に行く?」
( ^ω^) 「もちろんいくお!」
- 196: ◆QueeniallQ :2006/11/28(火) 23:59:40.60 ID:1o+2d8yP0
- この日も学校は顔を出すぐらいで終わった
流石にこの短期間に友達というのはできなかった
( ^ω^) 「なかなか緊張するお・・いっぱいいっぱい人がいるお」
(=゜ω゜) 「ブーン、一緒に帰ろうぜ」
引越し先はィョゥの近所だった
近所といっても、近すぎず遠すぎずの距離
方角が一緒なので途中まで話しながら歩くのだった
( ^ω^) 「ィョゥ君は友達できたかお?」
(=゜ω゜) 「ィャ・・なんというか、やっぱり別の保育園や幼稚園の奴って
それだけで雰囲気が違うものなんだな。話しかけづらかったよ」
ブーンはィョゥが嫌いじゃなかった。時々調子に乗りすぎるが
そんな馬鹿になれるところが自分には無いものであこがれていた
そのィョゥですら今日は人に話しかけられなかったという 少し心配だった
(=゜ω゜) 「ま、どうにでもなるだろ!なるようになるさ!
そんじゃ俺の家こっちだからまたなー!」
( ^ω^) 「ばいばいだお!」
- 199: ◆QueeniallQ :2006/11/29(水) 00:05:12.02 ID:LiAjtwsY0
- ブーンはィョゥが近所にいてくれてよかったと心から思った
そうでなければ、この帰り道はずっと一人ぼっちなのだ
小学生の足で約25分 一人で帰れば時間はもっともっと長く感じるだろう
( ^ω^) 「・・・カーチャンがまってるお 早く帰るお!」
三 ⊂( ^ω^)⊃
桜が綺麗な遊歩道をブーンは駆け出していった
これからの学校生活、家に帰ってボスと遊ぶこと
その前にカーチャンと買い物にいくこと 全てが輝いて見えた
( ^ω^) 「ただいまだおー」
元気よく扉を開き靴を乱雑に脱ぎ捨て
ドタドタとまだ片付いていないリビングへと向かった
( ^ω^) 「カーチャン ただいまだお 早く買い物に行こうお!」
J( 'ー`)し 「・・・・」
そこにはダンボールの横で静かに正座をしている母がいた
- 203: ◆QueeniallQ :2006/11/29(水) 00:27:11.58 ID:LiAjtwsY0
- ブーンは何も言わず走りながらピカピカのランドセルを
放り投げるようにして置き、ダンボールの中をみた
( ^ω^) 「・・・どうしてだお」
そこには朝見た時には昨日と変わらず元気な姿とは一転して
新聞紙の上で小さく小刻みに震えながら荒く息を吸うスズメがいた
J( 'ー`)し 「カーチャンもね、さっき気付いたの。その時にはもうこんな感じだったよ」
( ^ω^) 「・・・・・・」
ブーンは許せなかった なにかというのはわからなかったが
この子がこんな状態で、なのに自分はルンルンしてて
こんな小さな箱に閉じ込めて、それでいて自分が治してやるだなんて
色々なことを思ったが、目の前の小鳥を見るたびに自分の無力
そして確実に消えていく命に涙を堪えられなかった
( ^ω^) 「・・頑張るんだお 頑張るんだお」
そんなブーンの言葉とは裏腹に
その数十分後 小さな命がひとつ消えた
- 209: ◆QueeniallQ :2006/11/29(水) 00:35:35.88 ID:LiAjtwsY0
- この瞬間 いった世の中でどれだけの命が消えただろうか
その中の小さな小さなひとつの命が消えた だけ だったのだろうか
それは偶然、ブーンと出会い、そして別れたのだろうか
夕日が沈むにはまだ早い頃 カーチャンとブーンは小鳥を埋めていた
( ^ω^) 「・・・・僕がいけないんだお あそこで僕が拾ってなければ
この子は一人で生きてたかもしれないお 飛べなくても生きてたかもしれないお」
( ^ω^) 「僕が・・うぶ ぶひぇ」
J( 'ー`)し 「ブーン、鶴の恩返しってしってるかい?」
( ^ω^) 「?カーチャンがよく読んでくれたから覚えてるお」
J( 'ー`)し 「カーチャンたちはこの小鳥を見つけた そして拾って 一日だけど飼った
そして命を看取った これはね、きっと何か意味があると思うの」
カーチャンはわれながら勝手なことを口走る自分がいやだったが、なぜかとまらなかった
J( 'ー`)し 「人と鶴は決して交わることはできないけれど・・それでもね
思ったり感じたりしてることは一緒なのかもしれないね
あそこであなたが拾わなければ もしかしたら猫に食べられてたかもしれない」
J( 'ー`)し 「もしも なんてことはないのよ あなたは、あなたの行ったことを
しっかりと胸を張りなさい。そして最後までやりとげなさい」
( ^ω^) 「カーチャン・・」
- 215: ◆QueeniallQ :2006/11/29(水) 00:45:34.30 ID:LiAjtwsY0
- ( ^ω^) 「名前・・どうしようお」
小さな山を作ったお墓に、線香を立てた
ダンボールの切れ端に○○の墓 と書こうとしているらしい
( ^ω^) 「僕と君が始めあったとき その時に聞こえた声をそのまま名前にするお」
ブーンはこの時無常を知らないうちに感じていた
まるで友達とワイワイするのを夢見て行った学校の一日目が
みんな無言のまま学校を後にするのを見た時と同じような感じで。
何事もうまくはいかない そんなことは知っているつもりだった
チュンチュンのはか
( ^ω^) 「・・・カーチャン、買い物いこうお。僕もほしいものがあるお」
J( 'ー`)し 「あら、そうね。夕飯の用意始めないとね・・」
その夜、チュンチュンのはかの横ではボスがすやすやと寝息を立てていた
そしてブーンとチュンチュンがはじめてあった場所に
わざわざ砕いたような、そんなクッキーが月夜に照らされていた
チュンチュン
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