( ^ω^)ブーンがJ( 'ー`)しカーチャンに親孝行をするようです
- 114: 猪(進化系) :2006/12/11(月) 12:10:54.05 ID:BUp4j3E60
- ( ^ω^) 「・・・・お?」
J( 'ー`)し 「・・・おはよう」
ブーンは暗い部屋の隅のほうを眺めた後
ベッドの枕あたりに腰をすえるカーチャンをみた
( ^ω^) 「ここは・・どこだお」
J( 'ー`)し 「何行ってるの、ブーン。ここは病院よ」
そうだった。確かあの日ブーンは大学にいた
学生課に校内放送で呼び出され恥ずかしい思いをしながら
窓口までいった。単位を落としたのだろうか?
しかし無愛想な顔の職員の口から放たれたのは
「お前のカーチャン、倒れたぞ」
- 116: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 12:17:04.22 ID:BUp4j3E60
- この時間カーチャンは普段家にいるか
パートで出かけているはずだ。2限が始まるところだった
(;^ω^) 「(カーチャン・・・)」
最近母は調子が悪いと言っていた
数年前から膝が痛いとか、寝起きが辛いとか
年をとればよくある症状だったので
ブーンはそれほど気にしてはいなかった
( ゚д゚ ) 「あぶねぇな!くそったれ!!」
(#^ω^) 「うるさいお!こっちみんなだお!」
ブーンは免許や資格といった類はひとつも持っていない
病院は昔母の母、つまりバーチャンが入院していたことのあるところだった
家からは決して近くない、地下鉄を使えば一時間ほど
だが、ブーンは持ち合わせがなかった。家に帰って
それから駅に向かうより、自転車のほうが早いと考えた
車の行き交う中、赤信号等気にせず突っ切った
- 117: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 12:22:35.20 ID:BUp4j3E60
- (;^ω^) 「(ハァ・・ハァ カーチャン 大丈夫かお・・)」
あまりにも突然のことだった
よくあるドラマなんかだと、テレビの画面がパッ
と切り替わり、すぐに病室にいたりするものだ
だが目の前の風景は常に同じに感じる。
病院が目に入るとそのペダルを踏み込む力も強くなる
( ^ω^) 「!!!」
ブーンは思い切りブレーキとともに自転車を横に向けた
半ばドリフトしながら2mほど滑り止った
( ^ω^) 「・・・・」
間の前には、綺麗な雀の横たわった体があった
ブーンが轢いたわけではない。町中ではたまに
こういうシーンに遭遇する そして周りの人間は
気づいているのかいないのか、足を急がせる
( ^ω^) 「・・・お疲れ様だお」
ブーンは鞄の中のいらないプリントを取り出し
それで雀の体を包み、数100m先の病院まで片手で運転した
そのスピードは先ほどの半分ほどだった
- 118: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 12:26:41.75 ID:BUp4j3E60
- 病院に着くといの一番に駐車場にいった
こういうところは大体花壇があったりするものだ
そこに雀を埋め、いつも持ち合わせている
線香、それにちぎった名も知らない花を
一輪添え、なれた手つきでライターで火をつけた
( ^ω^) 「・・・・花さんごめんだお」
手を合掌すると、花をなでるように
上から下まで手を滑らせ、一言小さくつぶやき
駐輪場にVIP止めのように自転車をとめた
受付の人に病室を聞くと8階だと言う
冷静を装っていたブーンだったが
何故か階段を走りあがっていった
もはや精神が肉体を凌駕しつつあった
- 119: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 12:30:36.58 ID:BUp4j3E60
- さすがに4階ぐらいでエレベーターの存在に気づき
一気に疲れが押し寄せてくる。手すりに飛び跳ねるように
手を突きながら上の階を目指し一段飛ばしで駆け上がる
ドン!
ブーンは勢いよく扉を開けた。こういうとき
名前か、カーチャンなんて叫ぶのは漫画の世界だけなのだろう
( ,'3 ) 「ひょ!?」
(;^ω^) 「あ・・・間違えたお すいませんだお」
個室だと聞いていたのにもかかわらず
4人ほどの老人に思い切り見られた
一人は心臓が止まる勢いで体をビク と動かした
当方のブーンも、恥ずかしさで心臓が止まりそうだった
だが先ほどまで全力で動かしていた体は
そんなことを許しはしなかった
- 120: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 12:35:28.79 ID:BUp4j3E60
- ( ^ω^) 「まったく・・でかい病院だお・・」
ブーンは愚痴をこぼしながら部屋の番号を何度も確認した
8402 間違いない 受付のお姉さんの言っていた番号だ
今度はゆっくりと扉を開くと、目の前には看護婦さんがいた
そして、安らかな顔で寝ているカーチャンがいた
( ^ω^) 「カ・・カーチャン!?」
川 ゚ -゚) 「静かにお願いします」
(;^ω^) 「あ・・すいませんだお カーチャンは大丈夫なのかお?」
川 ゚ -゚) 「そのことについては後ほど話します」
そういうと看護婦さんは部屋を出た。気を使ったのだろうか
ここにくるまでに1時間と30分 ブーンの選択は正解のようだった
その頃には一通りの処置は終わっていたらしい
- 121: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 12:42:36.40 ID:BUp4j3E60
- 大学の講義は4限が残っていたが、ブーンにとって
入学以来はじめての欠席になることとなった
( ^ω^) 「・・・・」
とりあえず母が無事で安心したブーンだった
いや、本当に「無事」なのだろうか?だが
目の前で生きている それだけで今は十分だった
看護婦さんが部屋を出るときに何か言っていたのだが
よく聞いていなかった。ブーンはまるで釈尊のように
部屋の角に置いてある椅子に座りじっと動くことなく
母の眠るベッドを眺めていた そのまますう時間がたった
ガチャ、という音とともに先ほどとは別の看護婦さんが入ってきた
*(‘‘)* 「あの・・いいでしょうか?」
ゆっくりと顔を声のほうに向け、無言のまま体を持ち上げる
いつもより数倍重く感じるは疲れだけのせいではないように感じていた
- 122: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 12:48:21.54 ID:BUp4j3E60
- 時計の針は短いほうが6、長いほうは8をそれぞれ指しているところだった
看護婦さんにつれて行かれ、同じ階にある「診察室」という札の部屋に入った
そこには大柄な白衣の男がパチンパチンと音を立て、レントゲン写真を
机の前にあるボードに貼り付けていた
( ^Д^) 「あぁ、ご苦労さん カーチャンさんの息子さんかい?」
ブーンはなんとなく、なんとなくだがこの医者の顔が
気に食わなかった。理由はわからない、なんとなく。
( ^ω^) 「・・・そうだお」
( ^Д^) 「急のことで驚かれたと思うけど、心を落ち着かせて聞いてほしい」
( ^ω^) 「・・・・」
( ^Д^) 「・・・単刀直入に言ってほしいかい?」
この四文字熟語がでれば、様態がよくないことぐらいだれでもわかる
ブーンは怒りを通り越して呆れていた。看護婦さんは資料を整理している
( ^ω^) 「お願いしますお」
- 123: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 12:55:48.17 ID:BUp4j3E60
- ( ^Д^) 「この写真、みてみてくれ」
そういうとレントゲンの方を目で示した
今ぱっと、素人目でみただけでは何もわからない
( ^Д^) 「ここと、ここと、ここ それにここ 黒い靄みたいなのがあるだろう?」
( ^ω^) 「なんとなく・・」
( ^Д^) 「これが、正常な人の、これが中くらいの症状のレントゲンだ」
( ^ω^) 「!!!!」
そういうとほかの写真を隣に並べた
比較してみれば一目瞭然だった
正常な人のレントゲンははっきりと色の違いがわかる
中くらいな人のも、1/4ぐらいが黒いのがわかる
カーチャンのは 全体が黒くなっていてわからなかった
( ^Д^) 「・・・癌細胞・・・。この部位以外にも、三箇所に移転している
しかもそのどれもが「重度」のものなんだ。」
( ^ω^) 「・・・・」
( ^Д^) 「後・・脳のほうにも、癌とは別の腫瘍が存在している可能性がある」
- 124: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 12:58:51.07 ID:BUp4j3E60
- ( ^Д^) 「明日精密検査をする 私はね、症状はいつも患者に聞かず
素直に教えるんだ 君に聞いたのは、今君が一番気がかりなことだ」
ブーンは途中から医者の察していることしか考えていなかった
顔に似合わず、患者のことをよく見ている医者だと思った
( ^ω^) 「後・・どれぐらい生きられるんだお」
まるでテンプレートのようなやり取りに、実感がなかった
とりあえずその台詞を言ってみただけといったようだ
( ^Д^) 「・・・・もう一度だけ聞く、本当に言っていいんだね」
( ^ω^) 「お願いしますお」
( ^Д^) 「どちらにしろ言うつもりだったんだけどね・・」
( ^Д^) 「長くても、二週間生きられればいいだろう」
- 126: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 13:03:53.47 ID:BUp4j3E60
- ( ^ω^) 「!! そ、そんなだお!!」
ブーンは予想とははるかに違う数字を言われ
思わず大声をだしてしまった 直後あの看護婦さんの顔が頭に浮かんだ
( ^ω^) 「それは・・嘘じゃないお?」
( ^Д^) 「私は冗談は言うが、嘘は言わない主義だ」
二週間 例えば、クリスマスを待ちわびる子供
プレゼントにはしゃぎ、ケーキをおいしく食べ
テレビの特番を見ながら年越し蕎麦をのどに押し込む
映し出される映像は世界中のHAPPY NEW YEAR
そしてダラダラ餅をストーブで焼きながら親戚に顔を見せに行き
気づけば残った宿題を片付ける三日間。そして
七草粥を食べ学校へと行く
母の顔を見られるのは
母と過ごしていられるのは
母に親孝行できるのは
ブーンにとって 「たった」の二週間だった
- 128: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 13:08:42.03 ID:BUp4j3E60
- 大体病院に行って、事故でもないのにこんなに
短い期間の余命宣告がありえるのだろうか
ブーンは信じられなかった
( ^ω^) 「せ・・先生は僕に心の保険をかけるために言ったのかお?」
( ^Д^) 「・・・もう一度言う、私は冗談は言うが嘘は言わない主義だ
たしかにこれはあまりにも辛い現実かもしれない。だが
君が逃げていれば、気づいた頃にh・・」
( ^ω^) 「わかりましただお ありがとうございますだお」
先生が話しているのを途中できった
ブーンはようやく、目の前のパズルのピースを選び始めることになった
( ^Д^) 「明日朝一番で精密検査を行うから、夜には報告できる
診断もあるだろう。全部わかるのはその次の日の朝だ」
( ^ω^) 「・・・講義が終わったら、またくるお」
そういうとブーンは勝手に閉まるドアを強めに、且つ丁寧に押し出し
部屋を後にした
- 130: ◆3s5mh/3F9I :2006/12/11(月) 13:13:32.56 ID:BUp4j3E60
- ( ^ω^) 「・・・なんだお、お金 あったお」
ブーンはいつもと違う場所に財布を入れていることを忘れていた
なぜそんなところに入れたかは覚えていない
とりあえずコンビニに行きオニギリと定番の紙パックジュースを購入して
風が吹くコンビニの外で食べていた
( ^ω^) 「(そういえば昔、パリパリの海苔がいいってカーチャンにだだこねたお・・)」
そんなことを思い出しながら一口一口
まるでどこかの国の子供のように味わい、噛み締め食べていた
口を動かす度に、まるで母との思い出が蘇るようだった
- 136: ◆QueeniallQ :2006/12/11(月) 15:42:46.88 ID:eqpxUcav0
- そう、たかがおにぎり一つで些細な言い合いもしたものだ
( ^ω^) 『カーチャン・・梅干ベチョベチョにつけてあるおにぎり、結構食べづらいお・・』
J( 'ー`)し 『梅干は体にいいし、腐りにくくなるのよ』
( ^ω^) 『今は冬だから腐らないお!それに海苔巻いてあるとシケって
口にくっついて食べにくくなるお!別に海苔はいらないお』
J( 'ー`)し 『おいしいのに・・』
( ^ω^) 『僕はパリパリ海苔派なんだお!』
( ^ω^) 「(最近は・・ベチョ海苔のよさもわかるお・・)」
そんなことを思い出していると残りは一口
それをパックジュースと流し込み、溢れんばかりの
ゴミ箱に押し込んで再び病院に戻った
- 139: ◆QueeniallQ :2006/12/11(月) 15:57:10.86 ID:eqpxUcav0
- 病院に戻ると今度はエスカレーターを使い
母のいる病室へと戻った
( ^ω^) 「・・・・」
あまりにも静かだ
二人で自宅にいるときでも、ブーンが本を読んでいる時なんかは
こうして無言の空間なのに今はいっそう静かに感じてしまう
音を立てないよう椅子に座り、ボーっと天井を眺める
J( 'ー`)し 『ブーン、椅子持ってきて』
( ^ω^) 『なにするんだお?』
J( 'ー`)し 『電球交換しようと思ってね・・』
( ^ω^) 『危ないお 僕がやるお』
J( 'ー`)し 『・・・・』
( ^ω^) 『これでいいお』
J( 'ー`)し 『ブーン』
( ^ω^) 『?』
J( 'ー`)し 『背 カーチャンより高くなったね』
- 140: ◆QueeniallQ :2006/12/11(月) 16:10:25.42 ID:eqpxUcav0
- そんなことを思い出し、当時の嬉しいような
でもどこか悲しいような気持ちを思い出していた
母子家庭になったブーンにとって、母は同時に父のような
存在であったのは確かだった
( ^ω^) 『カーチャン、俺大学行くお』
J( 'ー`)し 『あら・・いけるの?』
(;^ω^) 『お・・酷いお 今の学校は知ってのとおり県内No1の
DQN低脳高校だからちょっと勉強すれば、見てのとおり
内申4〜5の嵐だお。少数ながら中堅大学の推薦があるらしいから
それを狙ってるお』
J( 'ー`)し 『そう・・やっぱり私立なの?』
( ^ω^) 『さすがに・・国公立は無理だお でも頑張って勉強するお』
J( 'ー`)し 『学費・・高校の学費は、免除で月3千円ですんでるけど
大学はそういうのないのよ?私立なら半期で10万ぐらいはするし・・
そうなると、カーチャン流石にだせないよ』
( ^ω^) 『大丈夫だお、家の家庭状況ならほぼ100%奨学金がもらえるらしいし
僕もバイト沢山入って何とかするお』
- 141: ◆QueeniallQ :2006/12/11(月) 16:13:00.33 ID:eqpxUcav0
- J( 'ー`)し 『そう・・ これ』
( ^ω^) 『なんだお、この通ty・・!!! 180万!?どうしたんだお、このお金』
J( 'ー`)し 『これはあなたの学費に使いなさい 他に使っちゃダメよ』
( ^ω^) 『カ・・カーチャン・・』
ブーンはそのときそれ以上聞かなかった
後でわかったのだが、学資保険に入っていたらしい
ブーンが生まれて今まで、こつこつと積み重ねた結果だった
( ^ω^) 「(あ・・大学・・ 明日は・・いかなきゃだお)」
そんなこんなを考えているうちに眠り入ってしまったのだった
- 142: ◆QueeniallQ :2006/12/11(月) 16:17:12.21 ID:eqpxUcav0
- ( ^ω^) 「そうだお・・僕はたしか急いでここにきて・・それで眠って・・」
( ^ω^) 「時計が次の日になってるお・・。!!もう18時かお!?」
ブーンはほぼ丸一日寝ていた
年末に向けて出されたレポートを一気に終わらせ
それが一段落したところで、カーチャンが倒れた
そして無事ということがわかり、両方の心配がなくなり
安心して深寝入りをしてしまった。連日の徹夜も響いた
(;^ω^) 「やってしまったお・・。」
J( 'ー`)し 「ごめんね、あんまりにも気持ちよさそうだったから」
( ^ω^) 「いいお、一日ぐらい休んだって大丈夫だお」
J( 'ー`)し 「それに」
( ^ω^) 「?」
J( 'ー`)し 「ううん、なんでもないの」
( ^ω^) 「?そうかお?」
- 143: ◆QueeniallQ :2006/12/11(月) 16:21:12.88 ID:eqpxUcav0
- 母は、ブーンの寝顔をまじまじと見るのは久しぶりだった
寝ている部屋も違うし、最近では母のほうが早くに寝てしまう
それ以上に、今はブーンと一秒でも長く一緒にいたかった
( ^ω^) 「とりあえず・・カーチャンが無事でよかったお」
そういった後、ブーンははっと気づいた
検査の結果は夜に といっていた
母はまだ、自分が癌に侵されていることを知らないはずだ
( ^ω^) 「家を開けっ放しにするのも物騒だお 一旦帰るお」
J( 'ー`)し 「あら・・そう。気をつけてね。」
( ^ω^) 「明後日には冬休みに入るから、毎日くるお」
そういうとブーンは母がバイバイといったのに手で答え
必要以上に静かに扉を開け、閉めた
- 144: ◆QueeniallQ :2006/12/11(月) 16:24:43.60 ID:eqpxUcav0
- 母は知っていた
自分が後少ししか生きられないことを
そんなことは自分が一番わかっている
そして、看護婦さんと先生にも話は聞いていた
その時ブーンはこちらにお構いなしで眠っていた
J( 'ー`)し 「(ブーン・・起こさなくてごめんね)」
カーチャンは口癖となっている言葉を
今は自転車か電車に乗り帰路を踏みしめているだろう
ブーンに向かって放っていた
その帰り道、ブーンはいつも以上に町が輝かしく見えた
イルミネーションも恋人たちもサンタの格好の店員も
みんな必要以上に光っている
それが、憎らしくてたまらなかった
- 146: ◆QueeniallQ :2006/12/11(月) 16:30:52.61 ID:eqpxUcav0
- ( ^ω^) 「・・・・・」
どうしてかはわからない
だが、とにかく腹が立ったのだ
うつむき加減で自転車を走らせていると
やっと見慣れた道にさしかかった
そこでコンビニの帰り道だろうか
手をつないでいる親子を丁寧に避け
家まで急いだ
キキ!
曲がり角で違う道からきた自転車とぶつかりそうになった
( ゚д゚ ) 「おい!危ないだろ!」
(#^ω^) 「(今日は似たような顔ばっかりみるお・・)うるさいお!こっちみんなだお!!」
普段ブーンはこういう時、一言謝り事を終わらせる
しかし今日は違った、頭の中にあるもやもやに身を任せ行動していた
( ゚д゚ ) 「てめぇが悪いんだろ!謝れよ!」
(#^ω^) 「どっちもどっちだお!ていうかどうでもいいお めんどくさいお」
ブーンは馬鹿らしくなってきた
自分自身に、こんなことで怒れる、今日よく見る顔の相手に
早く家に帰ろうと思ったので、何かごちゃごちゃいっている
相手を無視して再び走り出した
- 148: ◆QueeniallQ :2006/12/11(月) 16:36:21.43 ID:eqpxUcav0
- ( ^ω^) 「(あんなことで腹が立つとは思わなかったお・・)」
少し反省しながら、坂の途中にある自宅を目指す
家に着くとまるで学校から帰ってきたかのように
いつもどおり自転車の鍵ロックし、玄関の鍵を開ける
( ^ω^) 「カーチャン、ただいm・・!」
そしていつもどおり、カーチャン、ただいまだお
そう言ってしまいそうな自分になんともいえない
気持ちを抱いた。そう、カーチャンは今ここにいない
( ^ω^) 「・・・・・」
無言のまま自分の足音に耳を傾け
ボスの仏壇に線香を立て、昨日に続いて同じように合掌をした
( ^ω^) 「(ボス・・あのスズメとチュンチュン 仲良くできるかお?)」
日常の報告が日課になっていた
( ^ω^) 「(ボスも・・遊んでやってくれだお あの花は、綺麗に咲いているかお?)」
( ^ω^) 「(・・・・ボスも大好きな、カーチャンが 倒れたお)」
ゆらりゆらりと線香の煙とロウソクの火がゆれている
家族が暮らすには狭すぎる、独りでは広すぎるこの部屋
ブーンはしばらく手を合わせたままだった
- 150: ◆QueeniallQ :2006/12/11(月) 16:42:40.58 ID:eqpxUcav0
- あまりに突然訪れた日常の変化
世の中からしたらどうということのない変化
その日一人の青年は独りになることが恐かった
潜在的に孤独を恐れていた
まるで人の命はロウソクのよう
ゆっくりと、ゆっくりとユラメキ燃える
燃えて、燃えて、燃え尽きる
燃え尽きる前に、「他」という風によって
消されることもある
溶けたロウは下に遺る
( ^ω^) 「・・・」
無言で敵等に食事を終えると
いつもなら沸いている風呂をシャワーで済ませ
何も考えず、とにかく深く眠りについた
一見いつもと変わらぬ形で、一人だけで眠りについた
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