( ・∀・)と愉快な仲間たちのようです

  
31: ◆dIeazkfFEk :2006/12/15(金) 01:33:18.56 ID:nI73HUP30
  
第五話『ご主人様(その四人目)』

次の日の夜、俺達はちんぽっぽが店から出るのを駅前で張っていた。
あのニダニダ言っていた男に(無理矢理)協力してもらい、仕事が終わったら駅に来るよう言っておいたのだ。

('A`) 「しかし…アキバってのは夜になるとホントに人がいねーな」
( ・∀・) 「新宿じゃねーんだ。電気街だぜ、ここは。…っと!おいでなすったぞ!」
('A`) 「よっしゃ、黒幕退治と行きますか!」
( ・∀・) 「打ち合わせどおり、殴っちゃダメだぜ、ドクオ」
('A`) 「俺は、女は殴らねーよ」
「女は殴らない」というのがドクオのポリシーだというのは、会った時から聞いていた。
あえて言ったのは、血気盛んなドクオだからどうしても不安になるだけで。



  
32: ◆dIeazkfFEk :2006/12/15(金) 01:36:23.66 ID:nI73HUP30
  
三人そろって、こっそり後ろから近づく。ドクオが先手を切って相手の手を掴んだ。
('A`) 「ちょっと待ちな!渡辺の件でちょっと話があるんだがよ」
(*‘ω‘ *) 「…」

最初は抵抗したものの、ピザ女は渡辺を見て、すべてわかっているのか黙ったまま俯いていた。
これでケリが着く。そう思った直後、いきなりピザが怒鳴り出した。



  
33: ◆dIeazkfFEk :2006/12/15(金) 01:37:39.51 ID:nI73HUP30
  
(#*‘ω‘ *)「あんたたちにはわからないっぽ!」
(;・∀・) 「落ち着け!別に殴ろうってわけじゃ…」
(#*‘ω‘ *) 「こんな顔、殴られたところで何もかわらないっぽ!」
( ・∀・) 「お前、何を…」
(#*‘ω‘ *) 「毎朝苦労してメイクして、それでもブサイクだなんて言われて…生まれつきいい顔してる奴にはわからないっぽ!」
('A`) 「そんなのただのひがみじゃねえか!迷惑かけていいわけねえだろ!」
(#*‘ω‘ *)「うるさいっぽ!お前らなんかに、お前らなんかにわかって…」



  
34: ◆dIeazkfFEk :2006/12/15(金) 01:40:49.44 ID:nI73HUP30
  
パチン!と、ピザの頬から突然威勢のいい音が響いた。
俺もドクオと同じで、女を殴るようなことはしない。ビンタもご法度。
叩いたのはもちろん、渡辺。

从#'ー'从「うるさいのはあんたよ!」

その場にいた全員が、何が起きたのかわからない、という顔をしていた。



  
35: ◆dIeazkfFEk :2006/12/15(金) 01:42:49.63 ID:nI73HUP30
  
从#'ー'从「ブサイクで嫌なのはわかるけど!だけど、かわいそうな人を利用していいわけないでしょ!」
(*‘ω‘ *) 「……」
从#'ー'从「あんたがブサイクでも好きになってくれた人でしょ!それなのに…それなのに!」
( ・∀・) 「…渡辺、その辺にしといてやれ」
从#'ー'从「だけど…むぅ…」



  
36: ◆dIeazkfFEk :2006/12/15(金) 01:45:32.36 ID:nI73HUP30
  
渡辺が黙った後、ちんぽっぽはうずくまって、静かに泣き出した。
異性に愛されたことがない故の行為だったのだろうか。
加害者は、いつも誰かの被害者なのかもしれない。

('A`) 「ま…ちっとは考え直すことだな。それに、あの男はあんたのこと、まだ好きみたいだぜ」
( ・∀・) 「…今からでも遅くねえだろ。さ、行くか」

言葉をかけても、ちんぽっぽはうずくまって泣いているだけだった。



  
37: ◆dIeazkfFEk :2006/12/15(金) 01:46:01.33 ID:nI73HUP30
  


帰りの電車の中、なんだか、三人とも疲れきっていた気がする。
渡辺が黙ったままだったが「バカの割にはマトモなこと言ったじゃねえか」というドクオの一言で、またいつものやりとりが始まった。
ホントしょうがねえな、と俺もいつものように、横で見ていた。

俺は大学中退、ドクオはフリーター、渡辺は馬鹿。
な?こんな三人組でも、けっこう楽しいこと、あるだろ?



エピソードその1『ご主人様』  完



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