( ・∀・)と愉快な仲間たちのようです

  
3: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:26:53.79 ID:FeNBJ3L60
  
エピソード3
第十一話『絆創膏(一枚目)』

待ち合わせ場所の公園に行くと、3人の男が小柄な金髪に絡んでいた。
金髪の身長は160ちょっとと言ったところ。他は平均より明らかに高く、頭の悪そうなだぼだぼの服を着込んでいる。
どうして日が沈むとこういう馬鹿そうなのが増えるんだろうか。喧嘩の現場を見るといつも思う。
何を言っているのかわからないが、ガタイのいい連中はドスの効いた声を荒げて金髪に絡んでいた。



  
5: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:29:28.70 ID:FeNBJ3L60
  
脅している最中、先に金髪の手が出る。
('A`) 「オラァ!」
隙だらけのみぞおちに一発決まったかと思うと、ぐぼっという鈍い声を出して一人目が倒れた。

DQN「てめぇ!なめてんじゃねえz」
脅した方の男の金的にケリが入り、続けてアゴの下から拳が飛ぶ。
見ているこっちも痛くなるような光景だ。反則もクソもない。
ぐうの音も言わさず二人も倒してしまった金髪を見て、三人目は明らかに足がすくんでいる。



  
6: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:31:55.48 ID:FeNBJ3L60
  
('A`) 「…てめぇもやられてえのか」
三人目が慌てて逃げ出そうとするが、金髪は容赦しない。
(#'A`)「逃がすわきゃねえだろボケ!」
袖を掴んで引っ張り倒し、上から何度も踏みつける。
(#'A`) 「一対三なら勝てると思ったんだろバカが!死ねっ!」
最後に顔の側面を思い切り蹴られ、とうとう3人とも気を失ってしまった。



  
7: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:34:32.82 ID:FeNBJ3L60
  
( ・∀・) 「おーい、もういいか?」
('A`) 「ん?なんだ、きてたのか」
( ・∀・) 「おう。相変わらず一方的に終わらせやがって…どんだけ強いんだか」
('A`) 「お前が待たせっからこんな馬鹿に絡まれんだろ」
( ・∀・) 「ハハハ、わりぃわりぃ」



  
8: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:37:42.62 ID:FeNBJ3L60
  
さっき言った金髪というのは、もちろんドクオのことだ。
ドクオはいつも服も髪の色が派手。小さい成りも絡んでか、当然それらは馬鹿どもに絡まれる原因となる。
しかし、身長はこんなに低いくせに、殴り合いに関しては俺の周りで右に出るものはいない。
一度喧嘩が始まってしまえば、そのまま終わりにするより止めるほうが時間がかかるだろう。
強い打撃を生み出す腕は意外にもがっちりとしていて、細身につくられているせいか、着ているジャケットが少しきつそうだ。



  
9: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:40:34.22 ID:FeNBJ3L60
  
その腕を買われてか、ドクオのバイトはクラブの警備員だ。警備員というより、用心棒と言ったほうがしっくりくるだろう。
('A`) 「やっぱり俺はここだ、ここ」
とドクオが腕をたたく仕草を見せていたのを覚えている。体を張っているから高給取りだそうだ。
やはりああいうところでは需要があるのだろう。そんな求人広告、見たことないが。



  
12: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:43:19.69 ID:FeNBJ3L60
  
今日はドクオのバイト前にメシを食う約束をしていた。ドクオのバイトは夜中からだし、俺もいつものように暇だったから。
珍しく自分の家から先にドクオが出たら絡まれていた、というだけの話で、こんなのは月に何度もある。
すっかり見慣れてしまったが、ドクオは青アザをつくってきたことはあっても負けたことは一度もない。

( ・∀・) 「さて、と…どこで食いますかね」
('A`) 「バーボンにしようぜ」
( ・∀・) 「またかよ、って言いたいとこだが、賛成」





  
13: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:46:12.95 ID:FeNBJ3L60
  
(´・ω・`) 「やあ。いらっしゃい」
('A`) 「ショボン、オムライス二つ頼む」
(´・ω・`) 「うん、いつものやつだね。このコーヒーはサービスだ」
( ・∀・) 「いつも悪いね」

ここはバーボンハウスという名の、喫茶店兼バー兼洋食屋だ。
しょぼくれ顔のマスター、名前はショボン。俺らと年が近く、話も合うせいかいつの間にか仲良くなっていた。
ちなみにここのオムライスは絶品。こいつとショボンのおかげで、今じゃすっかり常連だ。



  
14: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:48:51.69 ID:FeNBJ3L60
  
腹がいっぱいになった俺らは二人とも満足顔。うまいものを食べると、人は必ず笑顔になる。
雑談をしていると、ショボンが妙な話を切り出した。

(´・ω・`) 「最近、凄腕のホストが出てきたらしいよ」
('A`) 「とんでもねえイケメンだろうな」
(´・ω・`) 「みたいだね。でも、話ではひどく女癖が悪くてトラブルが絶えないってさ」
( ・∀・) 「もてる男はつらい、か」
(´・ω・`) 「ホストなら遊んじゃいけないと思うけどねえ…」

カウンター越しに聞くショボンの話は、いつも面白く新鮮なものばかりだ。
にぎやかな所が近所にあるため、客から聞いた話が絶えないという。



  
15: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:51:46.46 ID:FeNBJ3L60
  
('A`) 「まぁ、おいしい話だな。ショボンもホストやってみたらどうよ。話おもろいし」
(´・ω・`) 「僕には向いてないよ、バーのマスターが一番さ」
( ・∀・) 「ハハハ、確かにそうだな。ホストもここに来たりするのか?」
(´・ω・`) 「繁華街が近いし…たまに来たりするね」
('A`) 「確かにしゃれた内装だし、っと…そろそろ時間だ。バイト行ってくる」



  
16: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:54:56.00 ID:FeNBJ3L60
  
( ・∀・) 「おう、行ってらっしゃい」
(´・ω・`) 「今日もありがと。気をつけてね」
('A`) 「馬鹿が来たら一発でのしてやるっての。気をつける必要ねえって」

そりゃそうだ、と笑ってドクオを見送った後、しばらくショボンと雑談して俺も帰宅した。


ドクオなら誰に絡まれても心配ない…そうやって、この時はまだ気楽に考えていた。



つづく



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