( ・∀・)と愉快な仲間たちのようです
- 17: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 19:57:15.20 ID:FeNBJ3L60
- 第十二話『絆創膏(二枚目)』
俺たち三人の活動時間は、もちろんそろって夜中まで続く。
朝メシ、いや、朝昼メシは当番が決まってはいるものの、起きていれば食べるといった調子。
当番制にはしているが、ドクオや渡辺もちゃんと自分の家がある。
ドクオはアパートで、渡辺は…そういえば知らない。どちらも行った事はないが。
いつも通り、バーボンから帰ったその日も夜まで起きていた。
- 18: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:01:02.79 ID:FeNBJ3L60
- 从'ー'从「お腹すいたー」
( ・∀・) 「ドクオ来るまで待ってろ」
从'ー'从「むー。お菓子ないの?おかしおかし♪」
(;・∀・) 「ガキかおめーは」
从'ー'从「ガキじゃないもん!早くどくちゃん帰ってこーなーいかなー」
相当腹が減っているのか、いつも以上に早く早くと急かす。
確かにドクオが帰ってくるのがいつもより少しだけ遅い気がした。
そう思って渡辺の相手をしていると、メシを待たせた本人がようやく帰ってきた
- 19: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:04:44.07 ID:FeNBJ3L60
- ('A`) 「…」
从'ー'从「おかえりどくちゃん!早くごはんごはんごはん!」
(#'A`) 「うるせえっ!」
騒ぎ立てる渡辺をドクオが一喝した。
いつもなら「うるせえなあ渡辺は」と軽く言うだけなのに、今日に限って何故か相当不機嫌だった。
喧嘩をした後でもこんなに不機嫌になることはないし、見る限り負けたわけでもなさそうだ。
- 20: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:08:11.60 ID:FeNBJ3L60
- 从;'ー'从「な、何怒ってるのよぉ…」
(#'A`) 「なんでもねえよ!」
(;・∀・) 「お、おい…マジでどうしたんだ?」
(#'A`) 「なんでもねえって言ってんだろ!今日は帰る!」
( ・∀・) 「おい!ドクオ!」
バタン!と勢い良くドアを閉めて、ドクオは帰ってしまった。
- 21: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:10:58.96 ID:FeNBJ3L60
- 从'ー'从「どうしたんだろ……なんかあったのかな…」
( ・∀・) 「…俺にもわかんねえ。バイト前は、なんともなかったんだけどな」
从'ー'从「うーん…あっ!ケータイ忘れてる!」
玄関にドクオのケータイが落ちていた。ドアを閉めた時に落ちたのだろうか。
俺がドクオを追おうとすると、渡辺が
从'ー'从「んー…今はそっとしとこ。ね?」
と言って止めてきた。
- 23: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:13:39.45 ID:FeNBJ3L60
- 渡辺なりの気遣いなのだろう。根っからの天然バカだが、こういうところは良くできている。
それにケータイを忘れたとなれば取りに戻ってくるだろうし、明日になれば機嫌も戻っているかもしれない。
下手に動くよりは、待っていた方がいいかもしれない。
( ・∀・) 「そうだな。じゃあメシにするか」
从'ー'从「うん♪ごはんごはんー♪」
…
- 25: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:16:41.22 ID:FeNBJ3L60
- しかし、次の日になってもドクオは戻ってこなかった。
怒鳴ったことに意地を張っているのか、それとも何かあったのか。
念のためバイト先にかけてみたものの出勤していないとのこと。
家の固定電話は元からないのか、メモリに入っていなかった。
从'ー'从「……どこ行っちゃったのかな…」
渡辺はひどく心配そうにしていた。罪悪感もあるのだろう。
必死に探したようだったが、結局会うことはなかったみたいだ。
- 26: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:19:18.16 ID:FeNBJ3L60
- (´・ω・`) 「ドクオがいなくなった?」
( ・∀・) 「ああ。ここには来てないか?」
結局見当がつかないまま、バーボンハウスに行くことにした。藁をも掴むとはこのことだ。
まぁ、渡辺が「オムライス食べたい」と言ったからだけど。
(´・ω・`) 「来てないねぇ…何かあったのかい?」
( ・∀・) 「原因はわからねえけど、出て行ったとき、すごい不機嫌だった」
(´・ω・`) 「それじゃあわからないのも無理ないね。来たら連絡するよ」
( ・∀・) 「悪いな、頼む」
- 27: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:21:57.55 ID:FeNBJ3L60
- (´・ω・`) 「こういう時に役にたてなくてすまない。話のネタならあるのにね」
从'ー'从「モグモグ…おいしぃ…モグ」
俺とショボンが真剣な話をしているというのに、渡辺は食うことに夢中だ。
さっきまでの罪深そうな表情は、どこへ行ったのだろうか。
そこが渡辺のいい所と言えばそれまでだが。
- 28: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:24:36.44 ID:FeNBJ3L60
- 从'ー'从「ごちそうさま!ちょーおいしかった♪」
(´・ω・`) 「ありがとう、作ったかいがあるよ」
( ・∀・) 「こんなバカ、褒めなくていいぞ、ショボン」
(´・ω・`) 「いやいや…しかし、君たちはホントに仲がいいね」
互いのことはあまり知らないし、意識したこともないが、他の人から見ればそうかもしれない。
一日いなくなっただけで心配できるってことは、それなりに仲がいいのだろう。
余計なことと言えば、バカな言い争いがあるくらい。それも今ではお約束。
- 29: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:27:52.36 ID:FeNBJ3L60
- ショボンの店を出た直後、ケータイが鳴り響いた。
着信音がミスチル。持ち主にちっとも似合わないそれを流すのは、ドクオのやつだ。
登録されてない番号からかかってきている。もしかしたらと思い慌てて出ると、女の声がした。
『もしもし、ドクオ?』
( ・∀・) 「あ、すいません、ドクオがウチにケータイ忘れちゃって…」
『ん、そうか…それじゃ…』
( ・∀・) 「待って!そこにドクオはいないのか?」
『え、いないけど…まさか、何かあったのか?』
- 31: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 20:31:06.79 ID:FeNBJ3L60
- 手短だったが、俺はその変な口調の女にドクオがいなくなったことを話した。
いなくなったと言っても一日連絡がつかなくなっただけだし、他人が聞いたら妙に思うかもしれない。
でも、その電話以外に手がかりはなかった。正確には、見つけようがなかった。
ドクオなら、万一にも心配は無いだろうけど。
…確かに「心配」はない。
だけど、とびきりでかい「問題」があった。
一言じゃ解決できないほど、大きな問題が。
つづく
戻る/第十三話