( ・∀・)と愉快な仲間たちのようです

  
52: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:24:54.07 ID:FeNBJ3L60
  
第十四話『絆創膏(その四枚目)』

雨の打ちつける、寒い日のことだった。

('A`) 「ゴホッ!げほっ…」
( ゚д゚ ) 「テメーみてえなブサイクがなぁ!」

ひどく腫れた顔面に、また一発拳が入る。



  
55: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:28:28.90 ID:FeNBJ3L60
  
('A`) 「ごめんな…さ…」
( ゚д゚ ) 「聞こえねーよ!あぁ!?」
また思い切り殴る。やさ男の抵抗は既に見られなかった。

o川*;-;)o「やめて!もうやめてよ!」

止めに入るその力は、あまりに無力。



  
56: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:31:25.78 ID:FeNBJ3L60
  
( ゚д゚ ) 「どうだ!好きな女の前で殴られる気分は!」
(;'A`) 「ちく、しょ…」
( ゚д゚ ) 「黙れよ、このブサイク野郎!」
バキッ、ドゴッ…






  
57: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:34:08.74 ID:FeNBJ3L60
  
ドクオは、あの日のことを思い出していた。

自分の二の腕に力を入れる。
数年前とは比べ物にならないくらいたくましい。

('A`) 「…」

この日のために強くなってきた。
向かってくる全てを殴っては、また強くなる。その繰り返し。
自分が受けたあの屈辱は、存分に返してやらなくてはならない。



  
58: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:36:52.76 ID:FeNBJ3L60
  
('A`) 「…動くな」

外灯が照らさない路地裏で、ホストが壁に押さえつけられていた。
正座に近い状態で腕を決められているため、いわれずとも一寸として動けないのが見てわかる。

( ゚д゚ ) 「ちくしょう…誰だ、てめえは…」

('A`) 「今度はお前の番だ…『黙れよ、このブサイク野郎』」



  
60: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:40:43.12 ID:FeNBJ3L60
  
(;゚д゚ ) 「……ド、ドクオ…か…!」

ホストの顔からどっと汗が噴き出した。
「嘘だろ?」という驚きと自分がした行為から来る恐怖が、ホストの頭の中を支配する。

(;゚д゚ ) 「ド、ドクオ…待t」
(#'A`) 「黙れっつってんだろ!」

怒鳴り声と同時、ホストのわき腹に衝撃が走った。

(;゚д゚ ) 「がっ!ぐあああ!」



  
61: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:44:07.61 ID:FeNBJ3L60
  
痛みに耐える暇もなく、続けざまに2発、3発、4発と腹に同じ痛みが走る。

(;゚д゚ ) 「げほっ、ゲホッ、う…クソ…」
('A`) 「あばらがいかれた気分はどうだ?あぁ?」
(;゚д゚ ) 「頼む…やめて、くれ……」
(#'A`) 「やめる?バカが。次は顔だよ!」

ドクオが再度拳を固める。
次の一撃を、これほど待ったことはない。



  
63: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:47:01.41 ID:FeNBJ3L60
  
(;・∀・) 「やめろ!」
('A`) 「!!」

あぶねえ。もうちょっとでヤバいとこまで来てた。
ホストはぐったりしてるが、顔が傷ついてないのが不幸中の幸いか。

从;'ー'从「やめてよ!ドクオがあぶなくなっちゃうよ!」
('A`) 「…何しに来た」



  
64: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:50:03.64 ID:FeNBJ3L60
  
川 ゚ -゚) 「お前を止めに来た。話を聞くんだ、ドクオ」

('A`) 「クー姉……!」

ドクオの細い目が大きく開いた。驚くのは当たり前か。
ほんの少しだが、五年前の面影が顔を出す。

( ・∀・) 「その辺で落ち着け。クーが話したいそうだ」
(#'A`)「うるせえ!事情わかってんだろ!」
从;'ー'从 「でも!ドクオ!」
(#'A`) 「止めんな!」



  
65: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:53:32.15 ID:FeNBJ3L60
  
川#゚ -゚) 「 黙 れ ! 」

キン、と耳にくる怒号が轟いた。ありえないくらいでかい声。
まさか寡黙なクーからこんな声が出るとはと、その場にいた全員が口をつぐむ。

川 ゚ -゚) 「ドクオ……あれから、キューに会ったか?」
('A`) 「…会うわけねえだろ」

川 ゚ -゚) 「キューは今、重い病気にかかっている」

('A`) 「!」



  
66: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 21:56:48.76 ID:FeNBJ3L60
  
突然の一言に驚いたのはドクオだけではない。
だが唯一、ホストだけが寂しそうな、何か諦めたような顔をしていた。

(;'A`) 「キューは…キューは大丈夫なのか!?」
川 ゚ -゚) 「落ち着け、病気自体は治らないものではない」
('A`) 「そうか…」

ドクオから思わず安堵の表情がこぼれる。
五年会わなくてもいかに心配していたかが、嫌でも伝わってきた。



  
70: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 22:00:11.15 ID:FeNBJ3L60
  
川 ゚ -゚) 「だが、重い故に治療費も相当なものだ。…これでわかっただろう」
从'ー'从「だからお金貯まるホストやってたんだね!」
(;・∀・) 「おめーは黙ってろ」
从;'ー'从「ゴ、ゴメン…」

渡辺の茶々を無視して、ドクオが続ける。

('A`) 「商売道具に傷がついたら、金が出せなくなるってことか」
川 ゚ -゚) 「そうだ。私だけではカバーできないような、相当な額だ」
('A`) 「…だけどよ、コイツは女癖の悪い、クソ野郎なんだろ?」

そこで突然、ホストがか細い声で喋り始めた。



  
73: ◆dIeazkfFEk :2007/02/16(金) 22:04:47.00 ID:FeNBJ3L60
  
( ゚д゚ ) 「それは…金の取り方がきたねえからさ」
('A`) 「てめえ…」
胸ぐらをドクオが掴むと同時、慌ててホストが口を開く。

(;゚д゚ ) 「治療費を出すには…ぐっ…金を稼がなきゃならないから…」

川 ゚ -゚) 「…だからドクオ、もうそこまでにしておいてくれ…頼む」
('A`) 「…」



つづく



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