( ・∀・)と愉快な仲間たちのようです

  
4: ◆dIeazkfFEk :2007/02/19(月) 22:08:42.53 ID:A8bCEVrO0
  
エピソードその4
第十六話 『処方箋(一枚目)』

いつもの3人でクラブへ遊びに行った次の日のことだった。
俺とドクオは飲み続けた上、暴れるように踊っていたせいか完全な二日酔い。
昨日あれだけ吐いたというのにまだ残っている。口からは酸っぱい汁しか出てこないが。
(;・∀・) 「おう、うぇええええ」
(;'A`) 「モララー…早く代われ…」



  
5: ◆dIeazkfFEk :2007/02/19(月) 22:11:24.79 ID:A8bCEVrO0
  
俺とドクオで便器の取り合いをしているにもかかわらず、渡辺はいたって元気だ。
あの元気はどこから来るのだろうか。野郎二人が朝弱すぎ、と言えばそれまでだが。

从'ー'从「出かけてきまーす♪ばいばーい♪」
('A`) 「元気だな…あいつは…」
( ・∀・) 「飲んでないんじゃねーのk」
(;'A`) 「おうええええええええ」
(;・∀・) 「ちょ!ドクオ!ここで吐くな!!」



  
6: ◆dIeazkfFEk :2007/02/19(月) 22:14:07.49 ID:A8bCEVrO0
  
そういえば、俺は渡辺に関して知らないことが多い。
家がどこにあるのかも知らないし、年齢は確か同い年だったと思う。
詳しく知っている事と言えば、バイト先と好きな食べ物くらいだろうか。
本人からちっとも話そうとはしないが…ここにいる時点で、変な奴なのは間違いないだろ。
楽しく過ごせればそれで結構だけどね。



  
8: ◆dIeazkfFEk :2007/02/19(月) 22:16:56.37 ID:A8bCEVrO0
  
ようやく波が落ち着いたところで、ドクオが口を開いた。
('A`) 「なぁ、渡辺ってここんとこ毎日出かけてるけど、どこ行ってんの?」
( ・∀・) 「知らねえ。バイトが忙しくなったんじゃねーのか」
('A`) 「だろうな。あの人気なら無理もない、か…」

以前も話したが、渡辺はメイド喫茶の人気ナンバーワンだ(エピソード1参照)。
顔もかわいいし、天然にバカをおまけでつけたようなあの性格。
おまけにスイカみたいな巨乳ときてるもんだから、当然っちゃ当然。



  
9: ◆dIeazkfFEk :2007/02/19(月) 22:19:43.63 ID:A8bCEVrO0
  
('A`) 「出し切ったら腹が減ってきたな…なんかねーのか」
( ・∀・) 「何もねーよ。ショボンに何か作ってもらおうぜ」
('A`) 「賛成。今日ばっかりは、オムライスは簡便だけど」

よたよた歩きのまま、俺たちはバーボンハウスへ向かうことにした。
さすがに何も作る気が起きないし、こういうときは胃に優しいものが食べたくなるだろ。

二日酔いの解決ばかり考えていたせいだろうか。
「驚愕」ってのはこういうことを言うのか。
そんなこと、このときは誰も思わなかった。






  
10: ◆dIeazkfFEk :2007/02/19(月) 22:23:26.85 ID:A8bCEVrO0
  
(´・ω・`) 「いらっしゃい。あれ?今日は渡辺さん、いないんだ」
('A`) 「おう、二日酔いでグロッキーなのは、俺らだけ」
(´・ω・`) 「へぇ、じゃあ今日は彼氏とデートかな」
( ・∀・) 「彼氏?あのバカに彼氏がいるわけねーだろww」

(;´・ω・`) 「え…渡辺さん、この前彼氏と来たよ」

(;'A`);・∀・) 「はぁ!?」
(;´・ω・`) 「……知らなかったの?」



  
11: ◆dIeazkfFEk :2007/02/19(月) 22:31:38.60 ID:A8bCEVrO0
  
ショボンの話はこうだった。
渡辺は彼氏(と思われる男)と来て、いつもどおりオムライスを注文した。
ショボン曰くホストやオタクではないみたい。
羽振りの良さそうな格好をしていたらしいから、とりあえずメイド喫茶の客じゃなさそうだ。
とにかく俺たちはその話を聞いて、驚くばかりだった。



  
15: ◆dIeazkfFEk :2007/02/19(月) 22:36:31.28 ID:A8bCEVrO0
  
('A`) 「あんなのにも彼氏ができるとはねぇ」
( ・∀・) 「ホントに彼氏かよ。全然知らなかったぜ」
(´・ω・`) 「僕は知らないことに驚きだよ。今夜あたり聞いてみたら?」
('A`) 「そうだな……おっ、いいこと思いついた」

ドクオがにやりと笑った。ろくなこと考えてなさそうだ。



  
19: ◆dIeazkfFEk :2007/02/19(月) 22:42:02.99 ID:A8bCEVrO0
  
('A`) 「明日あたり、渡辺の後つけてみようぜ」
(´・ω・`) 「それはまた…ずいぶんと悪趣味な」
('A`) 「なぁに、彼氏のお姿、ちょっと拝見させてもらうだけだ」
( ・∀・) 「それならおもしろいかもしれねーな」
('A`) 「だろ?どんなツラしてるか楽しみだ」
(´・ω・`) 「ふぅ…あんまり無茶しないようにね」



  
22: ◆dIeazkfFEk :2007/02/19(月) 22:47:56.13 ID:A8bCEVrO0
  
ショボンは半ば呆れていたようだが、その後はいつものように談笑した。
まあ、ドクオの考えも渡辺を心配した上でのことかもしれない。
あの性格だから、相手が悪い奴でも気づかないだろう。俺も少し心配だった。
面白半分、ってのも確かだけどな。スケジュールが埋まるのは楽しいし。

…俺たちは能天気すぎたみたいだ。気づいてなかった。
ひらめきってのは、トラブルを招く元になる。



つづく



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