( ^ω^)ブーンがパリイを打つようです

  
26 名前:名無しさん 投稿日: 2006/06/29(木) 22:28:26
  

第四話

――夜

一同は塔の中へ突入する。
塔の外をうろついていたモンスターと入れ違いになったのか、
簡単に最上階までたどり着くことが出来た。
流石に、そこでは連戦は避けられなかったが。

( ^ω^)「…いかにも親玉らしい奴がいるお!」


( ^Д^)

大きく口を開いた、狛犬のような獣。
獣の中でも最強と謳われる、トウテツである。
彼らは、恐ろしい威力の術と鋭い視線を併せ持ち、
人間を嬲り殺すと言われる――。



  
27 名前:名無しさん 投稿日: 2006/06/29(木) 22:30:37
  

彼らが近づいてくるのを確かめた獣が、こちらに睨みを利かせる。
――笑っているようにも見えるが。

m9(^Д^)「なんだー、貴様らは?俺はノエル様からこの塔を預かっているのだ。
       俺に挑戦するのはノエル様に刃向かうことだとわかってるのか。プギャー!」

人語を容易く操るところも、流石に最強の獣と言った所か。
しかしブーンもまた、一歩も退くことはない。

( ^ω^)「それがどうしたお?」

獣が呆気に取られたように表情を変える。
想定外だったのだろうか。

( ^Д^)「えっ、そ それがどうしただって。ノエル様だぞ。七古参実力一と言われるノエル様だぞ。
      こ こわくないのか」

( ^ω^)「ノエルだかカエルだか知らないが、人々を苦しめる奴を野放しには出来ないお。覚悟するお!
      てゆーか七古参一ってワグナスじゃないのかお?」

獣が狼狽する様子に、残りの4人が呆れたようにやり取りを見守っていた。



  
28 名前:名無しさん 投稿日: 2006/06/29(木) 22:32:07
  

( ^Д^)「待て!ちょっと待て、そういきり立つなよ。ノエル様は凄いぞ。
      従っていれば次々と新しい体をくれるぞ。それで永遠に生きられるのだ。
      な、いいだろう。お前もノエル様の部下になれ」

これで合点がいった。
どうやら彼は「造られた」トウテツであるらしい。
最強たる威厳が微塵も感じられないのは、そのせいのようだ。

( ^ω^)「そうか、ノエルもかお…。お前は帝国の皇帝について聞いたことがあるかお?」

( ^Д^)もちろん。俺達にとっては第一の敵だからな。俺の前にきやがったら首を取ってやるんだがなー。」

ブーンはニヤリと笑った。瞬間、トウテツの表情が恐怖に染まる。



        ………ま さ か         こ・う・て・い?



( ^ω^)「望み通りだお。首を取ってみるがいいお!」



  
29 名前:名無しさん 投稿日: 2006/06/29(木) 22:33:08
  

造られた生物とは言えども、仮にもトウテツ。
半ば逆切れしたように襲ってくる敵を相手に、長期戦は避けたいところであった。

(・∀・)「速攻なら俺に任せな!」

ジエンリケが空高く飛び上がり、マキ割の要領でトウテツを深く切り裂く。
それに耐え切ったトウテツが、大きく開いた口から光球を吐き出す。

(;>∀<)「うおっ まぶしっ」

( ,,゚Д゚) 「ライトボールとは舐めた真似してくれんなゴルァ!」

       |
   \  __  /
   _ (m) _ピコーン
      |ミ|
   /  .`´  \
    (゚Д゚,,)無双三段だゴルァ!
     ノヽノヽ
       くく



  
30 名前:名無しさん 投稿日: 2006/06/29(木) 22:38:10
  

ギコがその場から姿を消し、トウテツの眼前に現れる。
突き、切り上げ、さらには槍を回転させながらぶつけ、モンスターを空へとかち上げていく。

(#^Д^)「皇帝だか童貞だか知らんが久々にブチキレタァーー!!」

さらにいきり立ったトウテツが、プロシャキオンを睨みつける。
鋭い眼光に、命が凍りそうな程の恐怖を覚える。

(;`・ω・´)「くっ…体がうごかん…」

(#^Д^)「ダイアモンドダストォォォォォォォォォx!!11!!」

トウテツから放たれた無数の氷の弾丸と吹雪が、
加速を加えながらブーン達に襲い掛かる。



  
31 名前:名無しさん 投稿日: 2006/06/29(木) 22:38:59
  

       _,,..,,,,_
      ;/ ,' 3  `--っ
      l   ⊃ ⌒_つ
       `'ー---‐''''"

/ ,' 3 `「その程度の冷気、防ぐなど造作もありません」

パーティを守るように、炎の壁が巻き起こる。

( ^ω^)「トウテツは術ばかりだから、パリイの出番がないお」

ブーンはクロスクレイモアと呼ばれる、特殊な細工がされた大剣を鞘から抜く。

( ^ω^)「道場でやってた技の見よう見まねだお!…ツバメ返し!」

空を舞う燕の逃げ道を妨げるが如く、隙のない連撃をトウテツに叩き込む。

(;^Д^)「くぁwせdrftgyふじこlp;@」

さらには飛翔する炎の壁の巻き添えを喰らい、怪物は力なく倒れていく。



  
32 名前:名無しさん 投稿日: 2006/06/29(木) 22:39:31
  

( ^ω^)「さて、ノエルの居場所を小一時間問い詰めるお」

( ^Д^)「……それは無理だな。ばれたら完全に消されてしまう」

( ^ω^)「おっおっおっ」

ブーンは怪物を引きずり、眉間の寸前で剣を止める。

(;^Д^)「か、勘弁してくれ、移動する伝説の泉にいるなんて口が裂けても言えん!」

( ^ω^)/ ,' 3 `(・∀・)( ,,゚Д゚)(`・ω・´)

(;^Д^)「――…あ。アッーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

怪物の体が、突然塵となって消え去った。
恐らくは、ノエルによって。

/ ,' 3 `「まあ、お約束ですが」

テレルテバをモンスターから解放した一行は、その泉を探しに砂漠へ舞い戻る。
その泉は魔力に満ち、蜃気楼に紛れて存在するらしい。
探索は困難を極めた。



  
33 名前:名無しさん 投稿日: 2006/06/29(木) 22:40:17
  

(*´・ω・)「伝説の泉の水を飲むと、不老不死になれるそうです。
     街の者が数十名、モンスターに対抗するための力を得るために、
     泉を探しに砂漠へ向いました。しかし、誰一人帰ってこないのです。
     …いくらモンスターがいる砂漠とは言え、妙だと思いませんか?」

何度蜃気楼に騙されただろうか。
やっとのことで、幻ではない泉を発見した。
しかし――


(・∀`*)「ここは選ばれた者しか入れないのさwwケケケケケケwwwwww」

(*´-A-)「ここの泉の水を飲めば、確かに不老不死にはなれます。
     でも、泉から出てしまうと…体が急激に老いてしまうのです。
     つまり水を飲んだら最後、ここから二度と出られなくなるのです…」


予想以上に、状況は芳しくなかった。



  
34 名前:名無しさん 投稿日: 2006/06/29(木) 22:41:04
  

(;^ω^)「ここにノエルがいるはずだし、見つけ出して水の詳細キボンするお。
      その前に…この腕輪を着けて…って重っ」

呪われたとも言える人々をどうすることも出来ず、
ひとまず視界に入った建物の入り口を探すパーティ。

思い出したようにブーンが袋から腕輪を取り出して身に付けるものの、
どうもしっくり来ないようだ。

(・∀・)「なんですかいな、そりゃ。腕輪なのに随分重そうにしてますが」

( ^ω^)「幼馴染の女の子に貰ったお守りだお。彼女が言うには…」

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ξ゚听)ξ「皇帝になったんだって?これ、一応お守り。
       よくわからないけど、不思議効果がある腕輪で、なんか凄いらしいわ」

ξ////)ξ「べ、別に心配なんてしてないんだからねっ。あまり物よあまり物っ。
        これを私だなんて思わなくていいんだからっ」

(^ω^)

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( ,,゚Д゚) 「すみにおけねえなゴルァ」



  
35 名前:名無しさん 投稿日: 2006/06/29(木) 22:41:54
  

 ̄ ̄ ̄ ̄~| ̄~| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄フ彡 ̄三三ミ.
ェ  '丶.| |  .i' / ,,..、、彡三彡彡 三三ミ
ミミェ、.,,_'| | | / 〆彡彡彡三   三三ミ
::::::::゙''ミミ    :彡'〆 ,..、、,、-ェェュ  三/ニ\
\:::::::::::::::::      ≠,__匁テフ  三| |./.||   
  .\:::::::::i  :::i\      ::::::::   | り / 
    .\|  ..:::  \     ::::::::    |///  人間が不老不死になる?ふっ、子供じみたおとぎ話だ。
丶.     \  .i        :::::: ,il" ///   だがこんな世の中、
   '丶.    .\ヽ        :::il"  |_ /    おとぎ話が現実になってもいいとは…それでも思わんな
     '丶.    .\''‐-、、.,,  ,il:::::  |
‐-,       '丶.  .\     :  i|
  "‐- 、、.,,    '丶.  .\     |~ 

皇帝の襲来に備え、ノエルは剣を抜き具合を確かめていく。

ィrァ「今皇帝を仕留めたところで、伝承法で一時凌ぎをされるのがオチだな。
   …交渉する価値はあるだろう」



第四話 終





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