( ^ω^)とξ゚听)ξが下校中のようです

  
407: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 01:26:23.24 ID:LIgFLfwq0
  




……
………



『おい、ボロ家』『くせぇ』『こっちくんな』『あっちいけ』
『なんでお前学校来てるの?』『なんかいるよ…』『邪魔だよ』
『死ね』『お前んちってボロいの?』『さわんなよ』『は?何いってんだよ』










         『    貧    乏    人     』



  
409: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 01:34:17.82 ID:LIgFLfwq0
  

…ブーンの家は、決して裕福とは言えない家庭だった
いや、むしろ、生活するのがやっとのレベルだった。

『お前の家の晩飯って給食なんだろ?ww』
『お前の家って、簡単に燃えそうだよな。ボロ過ぎだろw』
『いっつも同じ服来てくるんじゃねぇーよ 貧 乏 人 』








( ´ω`)「…ただいま…だお…」
J( 'ー`)し「あら、ブーン お帰り 今日はパート無いから、一緒にご飯食べれるよ」

ブーンに父親はいない
自分が生まれてから、すぐに死んでしまったそうだ 顔も覚えていない
それから、一人息子であるブーンを、母親はパートをしてなんとか育てていた。



  
414: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 01:45:31.87 ID:LIgFLfwq0
  

住んでいる場所は、築何年かも解らないほど古いアパート
その中でも、毎日の水道代を節約し、電気を最低限しか使わないようにし、ガスも料理をする時にほんの少し…
そんなギリギリの家計の中で、生活を切り盛りしていた。

( ´ω`)「ぉ、給食の余ったパンと牛乳 持ってきたお」
J( 'ー`)し「あぁ、いつもごめんね これ、味付けするからね」
そう言って、台所にブーンガ持ってきた給食の余りを持っていく


夕食
( ´ω`)(今日も…パンに砂糖と…牛乳かお…)
家計が苦しいのは解っている
だが、毎日虐められ、毎日こんなモノを食べている自分はなんなのだろうか と、子供心ながら考える

( ´ω`)「……」
J( 'ー`)し「毎日こんなのでごめんね もうちょっとお母さん頑張るから」
( ´ω`)「……」
J( 'ー`)し「毎日学校から給食持ってきて…みんなに何か言われてないかい?」
( ´ω`)「…別に 何も言われてないお…」
J( 'ー`)し「ホントにかい?イジメとかはない?大丈夫かい?」



  
418: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 01:52:59.83 ID:LIgFLfwq0
  

( `ω´)「!……無いって言ってるお!うるさいお!」
J( 'ー`)し「ブーン…」
( `ω´)「毎日毎日…同じ事ばかり言わないでくれお!」
J( 'ー`)し「……」

( `ω´)「…もういいお」
そう言いながら、ブーンは玄関へ向かい、靴を履こうとする

J( 'ー`)し「ブーン、どこいくつもりだい!」
( `ω´)「うるさいお!カーチャンには関係ないお!」

そう言いながら、扉を乱暴に開け玄関を飛び出す


J( 'ー`)し「ブーン!!」

J( 'ー`)し「……ブーン…」



  
423: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 01:56:23.28 ID:LIgFLfwq0
  


( `ω´)「…まったく…カーチャンもカーチャンだお 毎日毎日…」

キュルルルルル…


( ´ω`)「…お腹すいたお……」

ろくに食べ物を食べていない…給食が一番のごちそうだ
そんな状況で、夕飯を抜いたらお腹が空くに決まってる…。


( ´ω`)「……」
( `ω´)「…でも!ここで帰ったら男じゃないお!家出してやるお!」



  
425: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 02:02:05.70 ID:LIgFLfwq0
  

もちろん、家出といっても泊まる場所もないし、お金は一銭も持っていない。オマケに夜中だ
ただただ、夜の街をうろつくだけだった。

( ´ω`)「だいぶ遠くまできちゃったお……」

ブーンが呟く

ブーンが今立ってる場所は、自分達の住んでいる場所が見渡せるほどの高さだった
ブーンは立ったまま、その町並みを眺めていた。

( ´ω`)「あそこが学校で…あそこが…銭湯の煙突かお?あんなにちっちゃいお…」
( ´ω`)「ホントに遠くまで…来ちゃったお…」

ブーンは、溜め息をついて、その先へ進む



  
429: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 02:15:04.43 ID:LIgFLfwq0
  
その先は、多少入り組んだ林だった
カラスが鳴き、木がざわめく。そんな音にビクビクとしながら、ブーンは進んでいった。

( ´ω`)「ここって…どこだお…?」

自分が一歩 足を踏み込むたびに、枝が折れる音がする

( ´ω`)「………」
ブーンは、行く当てもないまま、先へ進んでいった。


月が雲で隠れ、自分がどこを歩いているかすらも解らなくなる
前も 後ろも 右も 左も 上も 下も
全てが真っ黒な闇に染まっていた


ガッ

( ゚ω゚)「お゛」

暗闇のせいで、足下が見えなかった
ブーンは、倒れていた木に足をとられ、前につんのめる。


ガサガサッ …  どさっ

…だっ…だれ!?

そこにいるのは━━━━━━━━だれ?



  
435: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 02:23:13.21 ID:LIgFLfwq0
  







目覚まし時計「ジリリリリリ ナグッタネ!オヤジニモナグラレタコトナイノニ! ジリリリリ」

バチン

( うω-)「お… 朝かお…」
( -ω-)oO「まだねむいお…」

そういいながらも、ブーンは洗面台に無意識に歩き、顔を洗う…

( ^ω^)「…おっし、今日も元気に新聞配達だお!」


ブーンは、玄関で靴を履き、扉を勢い良く開け玄関を飛び出していった



  
488:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 14:02:07.61 ID:LIgFLfwq0
  

目覚まし時計「チッ チッ チッ  モルスァァァァアアアア!!」
 
ガチャン


ξ><)ξ「ん〜…」

ξ゚听)ξ「…はぁ 今日から冬休みか…」

セバス「おはようございます お嬢様」
ξ゚听)ξ「おはよう じい」
セバス「朝食の用意ができております お早めに」
ξ゚听)ξ「解ったわ」

ツンはセバスチャンが部屋から出た後、ベットから起きあがって着替えを始める








ξ゚听)ξ「そうだ… プレゼント…何にしよう」



  
494:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 14:18:26.72 ID:LIgFLfwq0
  



( ^ω^)「おっおっおっおっ」

ブーンが息を弾ませるたびに、息が白くなってはき出される


( ^ω^)「お、コレで今日は最後だお」
最後の郵便受けに新聞を入れると、ブーンは腕時計を見て時間を確認する

( ^ω^)「お、今日は割と早くおわったお いいことだお」

( ^ω^)「少し早いけど、あの店は開いてるかな…だお?」



  
495:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 14:22:47.28 ID:LIgFLfwq0
  

ブーンは、サイフを取り出し、金額をを確認する

( ^ω^)「…お 多分コレで大丈夫だお」

ぼそりと、サイフをしまいながら呟く
自然にブーンの顔から、笑みがこぼれる


あの時のお返しに

あの時と同じ物を


そう思いながら、ブーンはまた、息を弾ませながらその場を後にした。



  
497:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 14:30:40.69 ID:LIgFLfwq0
  

一方、ツン


ξ゚听)ξ「はぁ…どうしようかしら アイツへのプレゼント…」

朝食を食べ終わり、ツンは自分の部屋にいた
ツンは、自分の部屋でベットに寝っころがりながら、プレゼントの事で悩んでいた。

こんな家柄だ。買うなら、宝石でも家でも なんだってプレゼントできる
でも、そんなモノを買うつもりは無いし、そんなものをあげたってブーンが喜ぶだろうか?いや、そんなわけない
何をあげればいいんだろ…


ξ゚听)ξ「はぁ…こんな事なら、もっと早くに何あげるか…考えておけばよかった…」



  
501:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 14:44:28.13 ID:LIgFLfwq0
  

……ぁ

そういえば、アイツ…マフラーとか してたっけ…・?
ぁ、手袋もしてないし…

あいつ、いつも朝に新聞配達してるんだよなぁ…

寒くないのかなぁ… 


…あいつってどんな色好きななんだっけ?

身につけてるもの… 黒色…?






ξ*゚听)ξ「ちょっと、出かけようかしら…?」

そう呟いて、ツンはベットから体を起こし ダッフルコートを着て マフラーを巻く

セバス「おや、お嬢様 お出かけですか?」
ξ゚听)ξ「えぇ、ちょっと ね」
セバス「それなら、お車をお出し致します」
ξ゚听)ξ「あんまり派手なのじゃないのでね?」

色々な事を思案しながら、ツンは玄関の扉を開け、外へ出かけていった



  
506:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 15:02:37.36 ID:LIgFLfwq0
  

(;^ω^)「はぁ…遠いお… あいつの店って、なんでこんな所にあるんだお…」

今ブーンが居るところ

賑やかな人里から、少し離れた場所
民家はほとんどなく、とても静かな場所
道路の横には、田んぼや畑、ビニールホウスがあり、雪がうっすら積もっている

まぁ、要するに 田舎 だ


ブーンは、かれこれ一時間ほど歩いている


( ^ω^)「…おっ? 見えてきたお」
ブーンが目を少し細めて見ている場所には、小さな家があった



  
512:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 15:18:34.93 ID:LIgFLfwq0
  

(;^ω^)「はぁ…やっとついたお…」
(´・ω・`)「…ぉ、来たようだね。待っていたよ」


ブーンがその家の扉を開けると、ショボンが待っていた
家とはいったが、扉を開けると目の前にあるのは玄関ではく、壁いっぱいの商品だった

( ^ω^)「相変わらずだおね… この店は…」
(´・ω・`)「まぁ、気にしないでくれ 僕の趣味だよ」

壁には、棚がいくつも並び、商品が飾られている

棚に並べられている、なにやら怪しげな液体。壁に飾られた鹿の頭の剥製。
綺麗に並べられたアクセサリー類。鈍い光を放つ水晶。
と、思ったら、なにやら可愛らしい人形も置いてある。

薄暗い部屋の中で、そんなアンバランスな商品が所狭しと並べられていた。



(´・ω・`)「昨日の夜にいきなり電話するから、何事かと思ったよ」
(;^ω^)「お、正直すまんかったお」
(´・ω・`)「いや、いいさ どうせ暇だったしね」



  
514:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/24(日) 15:32:29.30 ID:LIgFLfwq0
  

( ^ω^)「…にしても、中学の頃に初めてここに来た時は驚いたお」
(´・ω・`)「はは、初めてここに来た人は、みんなそんな感じだったよ?」
( ^ω^)「まぁ…ドクオは『すげー!なんだこりゃー!』って喜んでたけど だお」


ブーン・ドクオ・ショボンは、中学校からの付き合いだ

ある日、ブーンにドクオが「面白い場所ってない?」と言った時
今までは余り関わり合いが無かったショボンが、いきなり「僕の家に来るかい?」と言った時が、初めての出会いだった

(´・ω・`)「…あの時に、キミは「アレ」ばっか見てたねぇ」
( ^ω^)「ぉ、「アレ」が、ちょっと昔の思い出のモノに似てたんだお」
(´・ω・`)「ふふふ キミが欲しそうにずっと見てたんでね。ちゃんと取っておいてたよ」


さて……











「注文を聞こうか」
  
515 :猪(vipper) :2006/12/24(日) 15:35:50.97 ID:ae3WcxVHO
  

相変わらずセリフ回しうまいな

ワクテカ
  
516 :福禄寿(ふくろくじゅ) : 2006/12/24(日) 15:36:09.39 ID://vENX1O0
  

バーボンwwwwwww
  
517 :初夢(アキバでびゅーしてきた) :2006/12/24(日) 15:36:27.61 ID:Bp/GFTjZ0
  

最後の台詞で鳥肌たった
  
519 :黒豆(七粒) : 2006/12/24(日) 15:59:00.90 ID:lUSBGysqO
  

こんなにかこいい「注文を聞こうか」をはじめて聞いた!
わくてか…



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