( ^ω^)とξ゚听)ξが下校中のようです

  
886:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 00:08:57.77 ID:t9GqkEKv0
  

どれくらい、経ったのだろうか


ゆっくりと ツンはブーンから、唇を離して、半歩引く

ξ///)ξ「……」
( ^ω^)「……」



お互い、押し黙ったまま





静かにツンは、ブーンに抱きつき 手を背中にまわす



  
893:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 00:12:44.25 ID:t9GqkEKv0
  

( ^ω^)「お…」
ξ///)ξ「……」


ツンも ブーンも 自分の鼓動の音が、やけに大きく聞こえる
ツンの耳で、ブーンの鼓動が聞こえる



トクン…トクン…トックン…トックン…
 トクン…トクン…トックン…トックン…




  
904:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 00:17:57.17 ID:t9GqkEKv0
  

ξ゚听)ξ「………」
( ^ω^)「………」

トックン…  トクン…   トックン…
    トックン… トクン… トックン… 


ξ゚听)ξ「ブーン…」

ブーンに抱きついたまま、ツンは耳元で呟く

この距離でないと、聞こえないような 小さい声で


トクン… トックン… トクン… トックン…
 トクン… トックン… トクン… トックン…








私は… 私は…



  
910:わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 00:19:25.00 ID:t9GqkEKv0
  





        私は━━━━あなたが━━━━好き





             トクン トックン
             トクン トックン









2人の 鼓動が 重なる



  
14: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 01:21:18.87 ID:t9GqkEKv0
  

ξ゚−゚)ξ「…」
( ^ω^「……」

2人は、抱き合ったまま動かない


もう既に真夜中の遊園地では、人もまばらにしかいない
もちろん お化け屋敷の近くの道なら、人はほとんど いや、全くと言っていいほどいなかった





長い沈黙が続く














最初に沈黙を破ったのは、ツンだった



  
21: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 01:28:21.24 ID:t9GqkEKv0
  

ξ゚听)ξ「ブーン… 最初に私達が会った時の事 覚えてる?」
( ^ω^)「…覚えてるお」

( ^ω^)「…あれは確か、9月の夜…林の奥の崖 だったお?」
ξ゚听)ξ「うん… そう」

ツンは話を続ける

ξ゚听)ξ「あの時の私達 全然似てなかったけど、すごく 似てた」
ξ゚听)ξ「自分の家の事で悩んで… 色んなモノが信じられなくなってて…」


ξ゚听)ξ「あの時、私はあなたに 今まで話せなかった事を、いっぱい話した」



  
22: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 01:33:57.79 ID:t9GqkEKv0
  

( ^ω^)「…」

ξ゚听)ξ「どことなく、似てたからだと思う。 …あの時のあなたと わたし」
ξ゚听)ξ「あの時、私とは全く逆の悩み… それをあなたは、私に話してくれた」

ξ゚听)ξ「その時は…時間を忘れるくらい沢山話して…」
ξ゚听)ξ「…その時に 私にあなたは… こういったわよね?」






ξ゚听)ξ「『お金持ちなのに、幸せじゃないのかお?』 …って」



  
28: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 01:39:45.07 ID:t9GqkEKv0
  

ξ゚听)ξ「その言葉を聞いて…あなたは、私の周りの人とは違うんだって…そう 思ったの」

ξ゚听)ξ「今まで、私の事を見る人達は… お金持ちってだけで、私の見る目を決めていた」

ξ゚听)ξ「お金持ちってだけで、私が裕福だと思って… みんな、私の事を 妬んで、利用しようとして…」

ξ゚听)ξ「でも、あなたは違った…。 あの時の私の苦しみを… 解ってくれた」



( ^ω^)「……」



ブーンは、一言も喋らずに ツンの言葉に耳を傾ける



  
35: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 01:48:18.67 ID:t9GqkEKv0
  

ξ゚听)ξ「あなたは、苦しんでる私に こう言ってくれた」

ξ゚听)ξ「『友達になろう』…って」

ξ゚听)ξ「何故だか解らないけど、その時のあなたの言葉… ブーンの言葉を、何も疑わずに信じれた」


ξ゚听)ξ「あの時、あなたに会えなくて、あなたの言葉を聞けなかったら…私、今どうなってたかわからない」



ξ゚听)ξ「ブーン 私にとって、あなたは━━━━」




ξ゚听)ξ「私の友達で 私の幼なじみで 私の人生を変えてくれた人で 私の…大切な人で━━━━」











        「私の…『大好きな人なの』」



  
172: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 21:24:23.62 ID:t9GqkEKv0
  





…長い沈黙

ゆっくりと、時間が過ぎる


ξ゚听)ξ「…」
( ^ω^)「…」




風が空気を切る音が 2人の鼓膜を鳴らす





ブーンは、ゆっくりと口を開く

この距離でないと、聞こえない小さな声で

ツンにしか聞こえない しかし、はっきりとした声で、言葉をつむぐ。



  
174: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 21:29:06.82 ID:t9GqkEKv0
  




自分が、今 一番伝えたいこと━━━━━━━━


自分が、今 一番伝えなければならないこと━━━━





ブーンは、自分のありのままの言葉を ツンに伝える。



  
175: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 21:30:10.03 ID:t9GqkEKv0
  

( ^ω^)「僕にとって……ツンは…」

『好きな人がいる人って、幸せだと思うんだ』



( ^ω^)「僕の…友達で」

『そんな人に好かれてるって事も、凄い幸せな事だと思うんだ』



( ^ω^)「僕の…幼なじみで」

『自分の近くに、自分の事を信頼してる、好いていてくれている人がいるって事でしょ?』



( ^ω^)「僕の…人生を変えてくれた人で」

『…だけど、そう言う人って 近くに居るからこそ…解らないと思うんだよ。』



( ^ω^)「僕の…大切な人でっ…━━━━」

『もしそんな2人が両思いだったら、もっと幸せになれるって 私、思うんだよ』




  
180: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 21:36:46.25 ID:t9GqkEKv0
  



『だから、幸せっていうのは、凄い尊いものだって   思うんだ━━━━━━━━』

















( ^ω^)「ツンは…    僕の…大好きな人だお━━━━」










  
181: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 21:38:12.95 ID:t9GqkEKv0
  



ξ゚听)ξ「あ………………」


ブーンは、ツンを腕で包み込み ツンの顔を軽く胸に押しつける


ξ*゚−゚)ξ「…ん………」
(*^ω^)「……」



呼吸するたびに、相手の胸が上下するのが お互いに解る





ゆっくり、周りの明かりが消えていく
そんな中で、2人は長い間━━━━… お互いに抱き合っていた



  
185: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 21:43:25.17 ID:t9GqkEKv0
  



『本日の営業時間は終了いたしました。またのお越しを…』



終わりのアナウンスが、遊園地に響き渡る



その音声を聞いて、2人はゆっくり お互いの身体を離す
2人の顔は少し蒸気していて、赤らんでいる

冬の寒さが感じられないほど、身体が火照っていた


ξ*゚−゚)ξ「…その… 帰ろっ…か?」
(*^ω^)「…お」




お互いに顔を合わさず、少し俯いたまま歩き出す

足音が、自分達以外には誰もいない遊園地に 妙に響いていた。






  
187: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 21:47:32.68 ID:t9GqkEKv0
  



……

( ・∀・)「青春って…いいよなぁ…」
そう呟きながら、モララーは遊園地の入口・出口のボックスの中で溜め息をつく

ミ,,゚Д゚彡「お疲れっす モララーさん」
ホウキを持って、従業員であるフサギコがモララーの所へやってくる

ミ,,゚Д゚彡「…なんか、今日の終了時間のアナウンス いつもより遅かったっすね?何かありましたか?」
( ・∀・)「…いや、ちょっとね あれだよ」
そう言いながら、親指で遊園地の向こう側を指す

そこには、男女2人の姿がこちらへ向かって来ていた


( ・∀・)「あの2人がラブラブだったんでね… そんな時に、アナウンスなんかで雰囲気崩しちゃいけないだろう?」



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