( ^ω^)とξ゚听)ξが下校中のようです

  
188: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 21:49:11.07 ID:t9GqkEKv0
  


ツンとブーンは遊園地から出る

2人は、少しの間 沈黙する


( ^ω^)「……」
ξ*゚听)ξ「……」


なんか今日 黙ってばっかりだなぁ…




ξ゚听)ξ「その…ブーン?」
( ^ω^)「…ぉ?」






ξ゚听)ξ「今から、あの場所… あの崖に…行かない?」



  
191: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 21:58:56.90 ID:t9GqkEKv0
  

( ^ω^)「あの場所…かお?」
ブーンは、十数年前の事を思い出す。

ξ゚听)ξ「そう 初めて私達が会った、あの場所」
ξ゚听)ξ「…一緒に行ってくれない かな?」

( ^ω^)「…お、じゃあ、行ってみるかお?」
ξ゚ー゚)ξ「うん… ありがとう」




そう言いながら、2人はゆっくりと歩き出す









お互いのはく息が、白くなり また消える



2人の手は しっかりと繋がれていた。



  
209: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 22:16:16.23 ID:t9GqkEKv0
  









ガサッ



( ^ω^)「ここの林… あの時以来だお」
ξ゚听)ξ「私も…」

2人は、あの時の雑木林に来ていた
もう真っ暗で何も見えないが、ツンは先へ 携帯の明かりを便りに進んでいく

( ^ω^)「…道、解るのかお?」
ξ゚听)ξ「うん… 昔と全然変わらないからね この道」

そういいながら、2人は先へ進む



  
210: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 22:19:49.64 ID:t9GqkEKv0
  

ガサッ ガサッ…

…少し先に、僅かな明かりが見えた
あそこだろうか?


ガッ

( ゚ω゚)「お゛」


ガサガサッ …  どさっ

暗闇のせいで、足下が見えなかった
ブーンは、倒れていた木に足をとられ、前につんのめる。

ξ;゚听)ξ「ちょっと、ブーン…大丈夫?」





(;^ω^)「お…? この場所…」



  
212: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 22:23:34.55 ID:t9GqkEKv0
  

目の前に広がる風景

あの時とは、少し風景が違うが━━━━

間違いなく、あの場所だ。




( ^ω^)「ぉ… 着いたのか…お?」
ξ゚听)ξ「…そうみたい ね」


そう言って、2人は目の前の風景を見る



  
220: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 22:32:51.57 ID:t9GqkEKv0
  

目の前に広がる風景

あの時にとは少し風景が変わっているが、間違いなく あの時見た風景

崖から見下ろすと、ちらほらと電気がついている
家の明かり、車のライト、高いビルにも電気がついて、光が無造作に散らばる
遊園地では、まだ 観覧車の明かりがついたままだ。


ξ゚听)ξ「…久々に来たけど… やっぱり綺麗ね」
( ^ω^)「…お」

2人は、立ち上がったまま その夜景を見渡していた



  
221: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 22:38:46.03 ID:t9GqkEKv0
  

( ^ω^)「…ツン 座ろうだお」
ξ゚听)ξ「…そうね」

ツンは辺りを見る
どこの地面にも雪が広がり、自分達が歩いてきた場所以外に足跡はない。

( ^ω^)「ぉ、ツン こっちだお」
そう言って、ブーンは先ほど転んだ木に向かう
ブーンは木に積もっている雪を払い、2人が座れる分のスペースを作った


ξ゚听)ξ「ぁ…ありがとう」
( ^ω^)「お、じゃあ座るお」


2人は、ちょうどいい高さの木に腰を下ろす

ξ゚听)ξ「…」
( ^ω^)「…」


再び、お互いの目は夜景へ向かう



  
224: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 22:42:01.86 ID:t9GqkEKv0
  

あの時、この場所で2人は出会った

その出会いが2人を変え

2人の心を近づけた



ξ*゚听)ξ「…」
ススッ…

ツンは、横に座っているブーンの方へ寄り添うように移動する

( ^ω^)「お?」







ξ*゚听)ξ「……」
(*^ω^)「……」



  
225: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 22:45:33.14 ID:t9GqkEKv0
  

ツンの肩が、ブーンの肩へ当たる

トンッ

そのまま、ブーンの肩へ頭を乗せる


ξ*゚−゚)ξ「……」
(*^ω^)「……」



ゆっくり 時間が流れる










しばらくすると、ツンが何かに気付いたように呟く


ξ゚听)ξ「ぁ… プレゼント…」



  
229: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 22:52:32.62 ID:t9GqkEKv0
  

プレゼントを持ってきた事を、すっかり忘れてた。
ツンは、頭をゆっくり戻し 少し膨らんだバッグを漁る


バッグから出てきたのは、赤、緑、金の模様が綺麗に描かれ、金のヒモで封をされた袋だった。

ξ゚听)ξ「…もう、25日… クリスマス だよね?」
ξ*゚ー゚)ξ「はい ブーン  クリスマスプレゼント!」

そう言って、袋をブーンヘ手渡す



( ^ω^)「ぉ?僕にかお?」
ξ*゚听)ξ「…あんた以外に誰がいるのよ?」

ブーンは、ツンから袋を受け取る
ふかふかした感触がして、ブーンの手から一度 ポムッ とした音がした。



  
232: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 23:01:23.64 ID:t9GqkEKv0
  

( ^ω^)「ぉ、結構おっきいお 開けていいかお?」
ξ゚听)ξ「えぇ、どうぞどうぞ」

そう言われて、ブーンはリボン結びで封をされたヒモを シュルッ と解く


( ^ω^)「おぉっ」
ξ゚ー゚)ξ「ふふっ あんた、いつも寒そうなカッコしてるからね。マフラーと、手袋と、ニットキャップよ」

袋の中には、黒を基調とした デザインのものが入っていた。

マフラーは、黒色を元に 縦に一本 横に一本の白い線が入った、シンプルなデザイン

ニットキャップも同じく、黒を元に、縦に一本 横に一本の白い線が入っている

手袋は、黒色でやや薄手の 指を動かしやすいデザインだ



  
234: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 23:11:54.36 ID:t9GqkEKv0
  

ξ゚听)ξ「ほら…あんた毎朝 新聞配達とかしてるでしょ?」
ξ゚听)ξ「新聞を配達する時とか、手袋は薄手の方が 色々と便利かな… って思ったの」
( ^ω^)「お… それじゃ早速…」

ブーンは、ツンから貰ったプレゼントを身につけ始める
ニットキャップを被り、手袋をはめ、マフラーを巻く


( ^ω^)「ぉ、どうかお?」
ξ゚ー゚)ξ「ふふ、私が選んだんだから似合うに決まってるでしょ?」
(*^ω^)「お、ツン ありがとうだお すごい嬉しいお!」

ブーンは嬉しそうに笑い、マフラーに顔をうずめる。
ツンも、安心したようで 自然に笑いが漏れる




( ^ω^)「━━━━━━━━…お」

今度は、ブーンが何かに気付いたように顔を上げる



  
237: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 23:22:08.51 ID:t9GqkEKv0
  

( ^ω^)「僕からも、ツンにプレゼントがあるんだお」
ξ゚听)ξ「ぇ… あ、うん…」
ブーンはそう言うと、ポケットから小さな袋に包まれている何かを取り出す

ξ゚听)ξ「プレゼントって、コレ?」
( ^ω^)「そうだお 受け取ってくれお」

ブーンは、ツンの手にプレゼントを乗せる
大きさの割には、少し重かった


ξ゚听)ξ「開けてみて…いい?」
( ^ω^)「お、どうぞどうぞ だお」



  
240: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 23:25:52.70 ID:t9GqkEKv0
  

…ゆっくりと、小さな袋を束縛しているヒモを解く
そして、袋も外す





そこには、正方形のガラスの箱があった
その正方形の角は少し丸まっている

そのガラスの箱は、月の明かりと夜景の光によって、きらびやかに輝く。










そして、その中にもう一つ ガラスとは違う輝きを見つける



  
241: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 23:28:24.60 ID:t9GqkEKv0
  

ξ゚听)ξ「…」
( ^ω^)「…」

お互いに無言だ

ツンは、すぐに箱を開けはせずに、ガラスの箱の輝きに魅入っていた

その銀と言うべき輝きの中に、異なる輝きが混じる















緑色の━━━━━━━━ 光?



  
262: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 23:45:42.27 ID:t9GqkEKv0
  

ξ゚听)ξ「…?」

一瞬だけ見えた、緑の光
それが、ツンの目に映る



( ^ω^)「…開けてみてくれ だお」
ξ゚听)ξ「…うん」














ツンは ガラスの箱を ゆっくりと 開ける



  
269: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/25(月) 23:55:49.09 ID:t9GqkEKv0
  

ξ゚听)ξ「コレって…」




ガラスの箱の中にあったもの





それは、緑と、僅かな金の装飾をされた、ピアスだった



  
275: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/26(火) 00:03:18.06 ID:jGCD+xGz0
  

( ^ω^)「その宝石、ペリドット…って、言うらしいお」






━━━━ペリドット

8月の誕生石

多彩な色があるペリトッドだが、ブーンが渡したものは オリーブグリーンの鮮やかな色だった

どの鉱石にも言える事だが、鉱石の色は中に含まれる不純物によって決まる
だが その宝石には、特殊な成分が含まれていた



  
277: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/26(火) 00:07:50.55 ID:jGCD+xGz0
  

パラサイト・ペリドット

宇宙からの隕石の中に、極希に含まれている とても貴重な鉱石
その中には、多くの地球外物質が含まれている。


その物質が、絶妙に合わさり、普通の宝石にはない輝きを生み出していた








もちろん、そんな事は2人は知るよしもないのだが



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