( ^ω^)とξ゚听)ξが下校中のようです
- 497: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 04:14:06.55 ID:nWzVUVYO0
- ξ*゚听)ξ「……」
- ガラスの中にあったそのピアスは、四つ葉の形。
- 宝石…ペリドットの縁は、金で申し訳程度にかたどられているが、緑の輝きと金の光沢が妙な存在感を漂わせていた。
- ゆっくりと、ツンはその輝きを眺める
- 綺麗だ
- ペリトッドの不思議な光沢は、ツンの目を奪っていた。
- 深く 輝き 霞み 鈍く 煌めく
- 降り注ぐ月の光が、そのピアスの輝きをより 美しくしていた。
- ( ^ω^)「ツンは…ピアス つけられるおね?」
- ξ゚听)ξ「…うん」
- 499: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 04:17:22.53 ID:nWzVUVYO0
- ツンは、中学生の頃から耳に穴を開けている
- ツンは、これが嫌だった。
- 金持ち同士のパーティなどでは、嫌でもきらびやかな衣装やアクセサリーを身にまとわなければならない。
- そのせいで、しょうがなく穴を開けた。
- だけど、その時に開けた穴が
- 今は、とても嬉しいモノに変わる。
- 503: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 04:21:04.93 ID:nWzVUVYO0
- ξ゚听)ξ「…じゃあ、付けてみてもいい…かな?」
- ( ^ω^)「お」
- ツンは指先でガラスの箱に収まっている 緑のピアスを取り出し、耳につける
- 冷たいピアスの感触が、耳に伝わった。
- ξ゚听)ξ「……」
- 片方をつけると、もう片方も付け始める。
- さっきと同じような感触が伝わり、ツンは両耳にピアスを付け終わった。
- ブーンは、静かにその様子を見つめていた。
- ξ゚听)ξ「…どうかな?」
- ( ^ω^)「似合ってるお ツン」
- 506: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 04:25:09.34 ID:nWzVUVYO0
- ……………ぐすっ
- ξ;凵G)ξ「…う… ぐすっ…」
- ツンが、突然泣き始める
- (;^ω^)「ぉ、ツン!?」
- ξ;凵G)ξ「う…」
- ツンが、ブーンの胸にすがりつく
- (;^ω^)「ツ、ツン どうしたんだお?気に入らなかったかお?」
- ξ;凵G)ξ「そんなんじゃ…無いわよ……ばか…」
- (;^ω^)「ぉ…」
- ツンは、顔を強くブーンの胸に押しつける
- ブーンの胸で、甘えるように頬をこする。
- ━━━━そのままの体勢で、ツンは嗚咽を漏らしていた。
- 508: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 04:29:21.16 ID:nWzVUVYO0
- …
- …
- …
- ξう凵G)ξ「っ… ブーン… ありがとう」
- ( ^ω^)「お…」
- ξう凵G)ξ「今のプレゼントも…昔の事も…」
- ξう凵G)ξ「私、昔の事に、まだ、ありがとうって…言ってなかったでしょ…?」
- そういいながら、ツンは一度、ブーンの胸から離れる。
- ツンは、まだ涙で涙で濡れている目をこすりながら ブーンの顔を見る。
- ξう−゚)ξ「ブーン…」
- ( ^ω^)「…なんだお?」
- 511: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 04:31:54.67 ID:nWzVUVYO0
- 今度は、あなたから━━━━━━━━
- ξ゚ー゚)ξ「キス…してくれる?」
- 513: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 04:33:58.23 ID:nWzVUVYO0
- 観覧車の輝きが、デジタルの時計を残して消えていく
- そしてやがて、その時計も時を止める。
- そこで時が止まってしまったかのように
- 雲が動き 月の輝きが、より一層強くなる
- ツンの緑色のピアスが、光に反射し キラリと輝く。
- 距離が 縮まる
- ゆっくりと 確実に
- 515: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 04:36:10.36 ID:nWzVUVYO0
- お互いの腕が、お互いの身体を抱きしめる
- お互いの口から、わずかに震えた吐息が出る
- お互いの唇と唇が触れる
- 今までのキスよりも
- 長く
- 深く
- 519: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 04:37:55.30 ID:nWzVUVYO0
- ━━━━……
- 空から、雪がひとつ ふたつと舞い落ちる
- きらきらと月の光を浴びて 真珠のような輝きで
- まるで、2人を祝福するかのように
- 流れ星が一瞬だけ光る。
- それに反応したのかのように、ツンのピアスが 再び輝いた。
- 630: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 22:54:59.00 ID:nWzVUVYO0
- …
- …
- …
- ━━━━…
- ( ゚ω゚)「お゛」
- ガサガサッ … どさっ
- !?
- ξ゚-゚)ξ「だっ…だれ!?」
- ξ゚-゚)ξ「そこにいるのは━━━━━━━━だれ?」
- ツンは、音がした方を振り向く
- そこには、地面にべったり這い蹲っている男の子がいた。
- 632: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 22:57:36.48 ID:nWzVUVYO0
- ( ´ω`)「お… 痛いお…」
- ξ゚-゚)ξ「… 大丈夫?」
- ( ´ω`)「…お?」
- ブーンは顔を上げる
- そこには、小綺麗な格好をした小さな女の子がこちらをのぞき込んでいた。
- 綺麗な目だ
- 第一印象は、それだった。
- 月の光に照らされて、2つに分けてある少女の髪が金の糸のように光る。
- 635: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 23:01:49.83 ID:nWzVUVYO0
- ( ´ω`)「えっと… ここはどこだお?」
- ξ゚-゚)ξ「……」
- 少女は、ブーンを見つめたまま動かない
- 整った容姿と相まって、本当の人形のように見える
- ( ´ω`)「…だれ だお?」
- ξ゚-゚)ξ「………」
- 名前を聞くが、相手は答えない
- そのままの姿勢で、こちらを見つめている
- 637: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 23:05:11.29 ID:nWzVUVYO0
- しばらく静寂が続くと、不意に少女が口を開く
- ξ゚-゚)ξ「…ツン」
- ( ´ω`)「ツン……かお」
- 言葉を口の中で、ぼそりと詠唱する。
- ξ゚-゚)ξ「…そちらは?」
- 再び少女━━━━… ツンが口を開く
- ξ゚-゚)ξ「そちらの名前は…なんていうの?」
- 644: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 23:12:05.13 ID:nWzVUVYO0
- ( ´ω`)「ぇっと…… ブーン だお」
- ξ゚-゚)ξ「…そう」
- ブーンの返答に答えると、ツンはゆっくり ブーンが転んだ木の上に座る。
- ブーンはゆっくりと立ち上がって、服についた汚れを手で軽くはらう
- パン パン パン
- ブーンが服を叩く音だけが響く。
- ツンは、木に座りながら崖の下の風景を見ていた。
- 行き交う車のライト
- まだ電気がついている家庭
- それが不規則に散らばって、星のように輝く
- 645: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 23:16:49.59 ID:nWzVUVYO0
- ( ´ω`)「… となりに座ってもいいかお?」
- ξ゚-゚)ξ「…どうぞ」
- このまま立っててもアレなので、ツンの隣りに座ることにする
- ただし、少し距離はあけて。
- ( ´ω`)「… その…ここってどこだお?」
- ξ゚-゚)ξ「…わたしのトクベツな場所」
- ツンは、相変わらず最小限の受け答えをする
- ( ´ω`)「トクベツな場所?」
- ξ゚-゚)ξ「…うん」
- 647: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 23:24:01.89 ID:nWzVUVYO0
- ξ゚-゚)ξ「…ここにくると、おちつく。景色がきれいで、だれもいないから。」
- ξ゚-゚)ξ「…いやなこと、全部わすれられる。」
- ( ´ω`)「…」
- 淡々とツンは答える
- …言葉の端々に、悲しげな響きがあるのは気のせいだろうか?
- ( ´ω`)「えっと… 何才 だお?」
- ξ゚-゚)ξ「…6才」
- また、淡々と 一拍置いてから答える。
- ( ´ω`)「お… 僕も6才だお 7月28日に誕生日だったお」
- ξ゚-゚)ξ「…わたしより、ちょっと大人…」
- ξ゚-゚)ξ「わたしの誕生日 8月1日」
- ( ´ω`)「3日違いだお そんなにかわらないお」
- ξ゚-゚)ξ「…そう?」
- ツンの髪が、少しだけ揺れる
- 649: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 23:31:10.36 ID:nWzVUVYO0
- ( ´ω`)「…」
- ξ゚-゚)ξ「…」
- ( ´ω`)「家は…どこにあるんだお?」
- ξ゚-゚)ξ「ぇ……」
- ( ´ω`)「お気に入りの場所なら、家ってこのちかくなのかお?」
- なんとなく、聞いてみる
- その質問に、ツンの顔が少し曇った
- ( ´ω`)「……」
- ξ゚-゚)ξ「…………………あそこ」
- 長い沈黙のあと、ツンは林の向こう側にある大きな家━━━━… 屋敷を指さす
- 林に隠れて下の部分は見えないが、それでも十分に大きい事はわかる。
- ξ゚-゚)ξ「…あそこが、わたしのおうち」
- ( ´ω`)「…でっかい家だお」
- ブーンは、ツンの屋敷を見ながら呟く
- 651: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 23:37:08.90 ID:nWzVUVYO0
- ξ゚-゚)ξ「…別に そんな事ない」
- ツンは、無表情に言葉を返す
- ( ´ω`)「…お金持ちなんだおね」
- ブーンは、少し悲しそうな顔をする
- ξ゚-゚)ξ「…だから?」
- ( ´ω`)「お?」
- ξ゚-゚)ξ「……」
- ツンは、また一拍置いてから ブーンに向かって言葉を吐く
- 少しだけ、侮蔑と自虐を込めたような声で
- ξ゚-゚)ξ「━━━━…お金持ちだから、なんなの?」
- 657: わた ◆FmWaTaZ4nU :2006/12/27(水) 23:50:30.57 ID:nWzVUVYO0
- ツンが、今まで以上に無表情な顔と 声で答える。
- ξ゚-゚)ξ「お金持ちだから、なに?」
- ξ゚-゚)ξ「わたしがお金持ちだから、なんなの?なにがあるの?」
- ( ´ω`)「…お……」
- ぞっとする声が向けられ、ブーンは少したじろぐ。
- ( ´ω`)「…その……」
- ξ゚-゚)ξ「お金持ちだから何?なんでもできると思ってるの?」
- ( ´ω`)「そこまでは言ってな━━━━」
- ξ゚-゚)ξ「お金持ちだから… わたしは… わたしは…」
- ツンの言葉が、急に小さくなる
- ブーンは、少し不思議な顔でツンを見る
- 唇を思いっきり噛み、ツンは言葉を止めていた。
- ( ´ω`)「…お金持ちなのに、幸せじゃないのかお?」
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