( ^ω^)ブーンが幸せの意味を知るようです

  
92: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 19:22:47.72 ID:0OP4LY3q0
  
--9話-後編--

宿に帰って、ショボンのお祝いパーティをした。
パーティと言っても、お菓子や飲み物を買って、飲んで騒ぐだけだが。

(*'A`*)「ショ、ショボンさん!!おめでとうございます!!もう格好良すぎて痺れに痺れて・・・」

ブシュッ

(;^ω^)「あー、ドクオ、また思い出して鼻血吹いたお・・・ティッシュあげるお」

(´・ω・`)「ドクオ君。貧血になっちゃうと勃つものも勃たなくな
  _
(;゚∀゚)「さぁさぁさぁ!ドクオは横になってゆっくり休みな!明日は試験なんだからな」

(;^ω^)「(ナイスフォローだお、この人にエロトークさせるわけにはいかないお)」

(*'A`;)「ふぁい・・・・」

そういって、ドクオは凭れ掛かっていたベッドに横になった。
狭い宿なので、この部屋に目立つものと言えばベッドと机、あと椅子ぐらいしかない。あとは小物が少し。

なので、ベッドにいてもちゃんと会話に参加できる。



  
94: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 19:42:05.36 ID:0OP4LY3q0
  
( ^ω^)「ところで、明日は僕たちはどんな事をするんだお?」
  _
( ゚∀゚)「最初だからな、そんな難しい事はない。まずは下級の"和解者"の試験だから緊張しなくていい。
     基本的には審査員が2人いて、ありふれた喧嘩の演技をする。何通りかパターンがある。
     それをうまく仲直りさせることが1次試験だ。」

(´・ω・`)「それに合格したら2次試験。これは合格とかそういうのはないんだ。
      とりあえず今の戦闘能力や、魔法が使える人はそれを見せるんだ。
      余程戦えない人意外は落ちたりしないから、ブーン君もドクオ君も心配しなくていいよ」
  _
( ゚∀゚)「まぁ、お前たち2人なら落ちることはないさ!
     受かったら、コロシアムバトルにでも行くか?」

('A`)「コロシアム・・・バトル?」

  _
( ゚∀゚)「そうだ。認定試験をしてるあのコロシアム、夜になるとトーナメントの戦いが始まるんだ。
     職業ごとに戦う、つまり和解者は和解者同士で戦うから、危ないことはないさ。」

('A`*)「ちょっと、やってみたいかも・・・」

( ^ω^)「ドクオは戦うの好きだおね。僕も自分の実力がどれぐらいか見てみたいお!」



  
95: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:03:02.34 ID:0OP4LY3q0
  
(´・ω・`)「ジョルジュももちろん"討伐士"グループの試合に出るんでしょ?」
  _
( ゚∀゚)「もちろん!これぐらいしか楽しみねーからなぁ!」

ジョルジュがそう言って元気よく腕を振る。おっぱい!おっぱい!
討伐士も戦ってないと鬱憤が溜まるようだ。

  _
( ゚∀゚)「ショボンはどうするんだ?"討伐士"の戦いに挑戦してみるか?」

(´・ω・`)「いや、僕はいいや。今日ので疲れちゃったしね。」
  _
( ゚∀゚)「お前は今日の試合で目立ってるからな。出てきたら相手もビビっちまうだろうし」
そう言って、二人は笑いあう。

( ^ω^)「そういえば、ちょっといいですかお?ショボンさんって、最年少の"討伐士"なんですかお?」



  
96: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:03:37.23 ID:0OP4LY3q0
  
(´・ω・`)「一応、そういう事になってるね。今までは、ジョルジュが最年少だったんだけどね」
  _ ( ゚∀゚)「普通の人が"討伐士"になるのは30歳ぐらいかな。15歳から"和解者"の試験が受けられて、
     下級から中級、上級の和解者になるのに10年。それから"討伐士"の試験に受かるのに5年ってとこだからな」

それよりも、気になることがある。最近疑問でならなかったこと。
( ^ω^)「・・・ショボンさんって、ジョルジュさんより年下だったんですかお?」
  _
( ゚∀゚)「おまwwwwそれ禁句wwww」

ジョルジュは20代前半に見える。実際、筋肉がそこまでムキムキでなければもっと若くてもいいんじゃないか、とも思える。
ただ、ショボンは、どう見たって20代後半だ。
おっさん臭いわけではない。背も高く、細身で、繊細な顔立ちだ。だから、すごく大人びて見えるのだ。

(´・ω・`)「僕、一応まだ10代なんだけどな・・・やっぱ、老け顔なのかな」
ショボンがいつもより更にショボンとなる。ブーンは呆然としている。10代なんて、そんなバナナ!
  _
(;゚∀゚)「一応言っておくが、俺が"討伐士"になったのが5年前、21歳の時だ。
     16歳で"和解者"になって、5年で"討伐士"になった。ショボンは、15歳で"和解者"になって19歳で"討伐士"になったんだ」



  
97: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:28:53.36 ID:0OP4LY3q0
  
('A`*)「ショボンさん・・・19歳だったのか・・・メモっとかなきゃ・・・ムフフ」
鼻血がようやく止まったのであろうドクオがメモをとろうとする。

(´・ω・`)「・・・ねぇ、ドクオ君?」

('A`*)「はっはははははっははい!?」
ドクオが飛び起きる。

(´・ω・`)「こんな老け顔の僕は嫌かい?」
ショボンが、濡れた瞳をドクオに向ける。少し甘えるような表情で。
      (*'A`*;)「いやっそんな嫌なわけ・・・」
その瞳に見つめられたドクオが大量の汗を流しながら答える。前屈みなのは・・・気のせい?

(´・ω・`)「嫌じゃないの?良かったぁ」
ショボンが微笑む。無垢な少年の様に、夏の向日葵の様に。

(*'A`*;)「あの・・・いや!!そのあの・・・くぁw背drftgyふじこふじこlp;@:」

ドクオは何故かふじこを2回言いながらトイレに駆け込んでいった。
後処理はちゃんとしてくださいね。



  
98: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:29:37.11 ID:0OP4LY3q0
  
( ゚∀゚)「お前・・・やりすぎだろ」

(´・ω・`)「んー?なんのこと?」
ショボンが高揚して赤くなった頬のまま答える。

( ^ω^)「ジョルジュさん・・・言っても無駄だお。この人酔ってるお」

ショボンがさっきから飲んでいたジュースに似たそれは、酒であった。
  _
( ゚∀゚)「未成年が俺の酒飲むな!俺の氷尻・・・」

( ^ω^)「氷結のパクリかお・・・くだらないお」
  _
( ゚∀゚)「氷尻も美味いが!氷乳も美味いぞ!」

そういって、酒の缶を冷蔵庫から取り出す。缶にはジョルジュの好きそうな絵が描かれている。



  
99: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:30:37.38 ID:0OP4LY3q0
  
  _
( ゚∀゚)「さぁ、ブーンも飲め!」

( ^ω^)「ちょwさっき未成年は飲むなってwwwwww」

ブーンは抵抗したものの、結局は酒を飲まされてしまった。
そこからは、酒飲みパーティにと変貌した。

フェロモン出しっぱなしのショボン、腕を振っておっぱい!おっぱい!と叫ぶジョルジュ。
ブーンは酒でべろべろになった。

途中でドクオが何かを出し切ったような、そう、何かを全力で出し切ったような清清しい顔をして戻ってきた。
ジョルジュに酒を飲まされた。酔ったドクオはショボンに抱きついていた。

・・・酒乱ばっかりだお。もう滅茶苦茶だお。
そう思いながらも、ブーンはこのパーティを楽しんでいた。



  
100: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:44:59.19 ID:0OP4LY3q0
  
( ゚∀゚)「あー、しかし、うちの店は大丈夫かねぇ」
騒ぎに騒いだ後の静寂に、ジョルジュがぽつりと呟いた。

( ^ω^)「もうそろそろおじいさんが帰ってきて、お店再開してるんじゃないかお?」

  _
( ゚∀゚)「じーさん、もう歳だからな・・・」
ジョルジュが寂しそうに笑う。

( ^ω^)「心配、ですかお?」
  _
( ゚∀゚)「うちのじーさん、たまに店開けるの忘れてるからな」

(;^ω^)「たいした天然ボケだお」



  
101: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:45:34.88 ID:0OP4LY3q0
  
  _
( ゚∀゚)「じーさんの心配なんかしてないさ。俺は別にホームシックとかねぇしな。
     それよりも、ブーンがツンと離れたくないって言い出すかと思ったぜ」
冗談めいた声でジョルジュが言う。

( ^ω^)「・・・確かに、一緒にいたかったお。でも、守るって、強くなるって約束したんだお」

あの、ツンと一緒に過ごした夜以来、ツンとは会っていない。
眠るツンを夜明けまで見守って、一番マシそうな人、ウンディーネにツンを託した。

ウンディーネは僕に、「また旅に出るのか?」と問うた。
ツンを守りたいから、強くなる、またいつか帰ってくるから。ツンは、もしかしたら悲しむかも知れない。
ツンに伝えてくれ。もし辛いなら待っていなくてもいい、でも僕はまたツンに会いに来るから。

確かそういう事を言って、ジョルジュの家に帰ってきた。
そして、魔法が使えるようになったからまた旅に出ないか、ということをショボンに伝えた。



  
102: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:55:54.25 ID:0OP4LY3q0
  
それで、西の島に行くことになって、とりあえず顔を洗いに行った。
洗面器に水を入れて、顔をごしごしと洗っていたら、洗面器からウンディーネが現れた。

精霊は、それぞれの持っている力のものを、自由に移動出来るんだそうだ。
ウンディーネなら水のあるところはどこでも移動出来て、サラマンダーなら火の中は自由に移動出来る、と教えてくれた。
そしてウンディーネは言った。
ツンが起きた。ブーンの言った事を伝えた。そして伝言があると。
ウンディーネは伝言を伝え終わると、最後に「ツンを守ってやってくれ」と言ってすぐに水の中に消えた。

ブーンはポカーンとしながら、とりあえず顔を洗って、旅の支度をした。

そして旅に出ようとしたら、ジョルジュが旅の仲間になった。
あと2日もすればおじいさんが温泉旅行から帰ってくるので、一緒に行くとジョルジュが言った。
4人の旅が始まった。
そして、今に至る。



  
103: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:56:13.57 ID:0OP4LY3q0
  
( ^ω^)「・・・それにしても、ショボンさんって強いおね。高名な師匠についたとかすごいお」
酔いつぶれて半分寝かけているたショボンをと、隣で爆睡するドクオを見ながらブーンが呟く。
  _
( ゚∀゚)「こいつも、昔は全然だったんだぞ?元々腕力とかもない奴だしな。魔法に目覚めてから一気に成長したんだ」

(´・ω・`)「ジョルジュだってー、昔は剣重ーくて持ててなかったーでしょー」
まどろんでいて、ちゃんとした発音もできていないショボンも喋りだす。

( ^ω^)「二人は幼馴染なんだおね。そういえばジョルジュさん、剣使うんですかお?        でも、旅に出るときから既に剣持ってなかったお。」
  _
( ゚∀゚)「というか、師匠は一緒なんだ。うちのじーさんが師匠で、小さい頃から色々見てくれててな。
     剣なんだが・・・実はな


ゴン!

物凄く、小気味よい音がした。ジョルジュが頭を抱えてうずくまっている。

/ ,' 3「全く・・・旅に出るのに剣を忘れるとはどういうご了見じゃ」



  
104: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:56:37.64 ID:0OP4LY3q0
  
  _
( ゚∀゚)「じじい!すまねえな、持ってきてくれたのか」
頭をさすりながらジョルジュが言う。まだ頭が痛いようだ。こぶになりかけている。

( ^ω^)「荒巻・・・さんかお?あの、有名な?」

/ ,' 3「いかにも。私が荒巻じゃよ」
見かけは壮年なのに、老人口調のこの人は。
長く続く"和解" そしてそれの上級職である"討伐""守護"の職業の中でも特に功績を残した、荒巻スカルチノフ。
その偉大な功績から、英雄とも呼ばれている。

確か、炎使いと対峙した際に、利き腕を焼かれてしまい、
神経に異常をきたして戦場を退き、それからは親の店を継ぐと同時に孤児院を開いたと聞いている。
右の腕には包帯が巻かれている。
体中に傷跡がある。歴戦の戦士の傷跡。
しかし、なんと優しい目をした人だろう。



  
105: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:56:58.10 ID:0OP4LY3q0
  
(´・ω・`)「荒巻じーちゃんおひさしぶりー」
ショボンの間の抜けた声で我に帰る。

/ ,' 3「ショボン、久しぶりじゃの。ご両親は息災か?」

(´・ω・`)「去年会いに行った時はやっぱり東の島で研究に没頭してましたー」
東の島。文明・文化が異常に発展した島。どれぐらいすごいかと言うと、今度宇宙旅行が出来るようになるらしい。

/ ,' 3「人の精神の構造の解明を主に研究、死者の復活や永遠の命がテーマだったんだっけのう。」

(´・ω・`)「マッドサイエンティストですよねー。僕も人のこと言えないけどー」

/ ,' 3「ショボンは魔法の解明の研究だったかの。いいではないか。
    それより、ここに来るまでに聞いたぞ。めでたいことに"討伐士"になれたんだのう」

(´・ω・`)「ありがとー。じーちゃんも元気そうで良かったよ」



  
106: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:57:25.81 ID:0OP4LY3q0
  



( ^ω^)「ジョルジュさんのおじいさんが、荒巻さんなんてびっくりだお」
  _
( ゚∀゚)「血がつながってる訳じゃないけど、俺のじーさんだぜ」

/ ,' 3「ジョルジュの両親を拾ったんじゃよ。この子の父も母も、私の孤児院の子なんじゃ」

( ^ω^)「なるほどだお。家族に血のつながりは関係ないお!」

/ ,' 3「ふむ・・・君は確かブーン君と言ったかね?」

( ^ω^)「どうして僕の名前を知ってるのかお?Mr.マリックのつもりかお?」

/ ,' 3「ハンドパワー!!で相手の名前が分かればすごいのう。
    いや、ツンに聞いたんじゃよ。君も、4精霊に会ったんだとな」

( ^ω^)「君、も?って事は・・・」

/ ,' 3「いかにも、私も会ったことがあるのじゃよ。洗礼の時に、サラマンダーに気に入られてのう」



  
108: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:58:02.02 ID:0OP4LY3q0
  
( ^ω^)「・・・」
ブーンは、荒巻の方をじっと見ている。

/ ,' 3「どうしたのじゃ?」

( ^ω^)「荒巻さんとサラマンダーって少し似てるおね。髪の色とか、そっくりだお」

荒巻は窓のほうに歩く。表情は見えない。
/ ,' 3「ふむ・・・今のサラマンダーには確かに似ておったかも知れんのう。
    北には多い髪の色じゃ。似ておる事もあろうて。

    ・・・さて、私はそろそろ帰るよ。子供たちが待っておるからのう。」

('A`;)「待ってぇ!!!行かないでぇ!!!!!」

( ^ω^)/ ,' 3「!?」



  
109: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 20:58:35.35 ID:0OP4LY3q0
  
(-A-;)「ショボンさん!!あたしってそれぐらいの価値しかない男だったのねー!!!!!」

(;^ω^)「・・・寝言だお。気にしないほうがいいお。」

/ ,' 3「これがシルフの言っていたというドクオ君か・・・将来すごい男になりそうじゃの。

    では、元気でな。ブーン君また会おう」


そういって部屋から出て行く荒巻。しかし、ジョルジュの前で一回立ち止まって耳打ちをしていた。
「・・・・が動き出しそうだ」と言っていたように聞こえた。



  
110: 1 ◆et0cofkO4A :2006/08/09(水) 21:02:19.29 ID:0OP4LY3q0
  
荒巻が部屋から出た後、ジョルジュがパーティのお開き宣言をした。
明日に備えて寝るように、と。

ショボンやドクオはほとんど寝ていたから、ベッドに入ってすぐに寝てしまった。
ブーンも、アルコールのお陰ですんなり寝付いた。



だから、ジョルジュが剣を携えて外に出て言った事など、誰も知らなかった。


--第9話 終わり--

戦闘なしでも長くなったので9話をここで終わらせます・・・

(本^ω^能)<次は僕も出るお!!



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