( ^ω^)ブーンが幸せの意味を知るようです

  
142: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 00:19:12.26 ID:BguWmmVL0
  
--第22話 後編--

ブーンとツンが再会し、ドクオとショボンが師弟愛(?)を大いに咲かせたその日の夜の事。


( ^ω^)「もう満腹ですお・・・ウンディーネのご飯は最高ですお・・・」

ぱんぱんに膨れ上がった腹をさすりながら、満足そうな溜息。

ξ゚听)ξ「あら、残念ね。折角食後の紅茶とデザートをお持ちしましたのに」

あからさまに気取ったツンの口調と歩み。
薫るのは紅茶のマスカットフレーバー、焼き菓子の匂い、ツンの香水。


( ^ω^)「別腹発動だお!!サラマンダーがツンの淹れる紅茶は絶品だって言ってたお!」


ξ゚听)ξ「お褒めに預かり光栄ですわ・・・ってこの口調ちょっとキモイわ」

彼女にお嬢様気取りは向かないらしい。
いい意味で、下町にいそうな女の子だから。



  
148: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 00:25:18.60 ID:BguWmmVL0
  


広い部屋に紅茶が注がれる音が響く。
こぽぽ、と心地よい音をたててティーカップになみなみと注がれる鮮赤色の液体。

それはちょうどふたつぶん。

真っ白な、クッションとベッドと机ぐらいしか見当たらない部屋で、二人きり茶会が始まった。


ずずっ

(;^ω^)「あっついお!」

ξ;゚听)ξ「急いで飲むから・・・大丈夫?アイスティーにする?」


からから、と涼しい音と共に無作為に削られた氷のかけらがカップに入れられる。


(;^ω^)(出だしからかっこ悪いお・・・シルフさんに"頑張れよ"って言われたのに・・・)

って、何を頑張るのだろう?何を?ナニを!?



  
150: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 00:28:51.78 ID:BguWmmVL0
  

ξ゚听)ξ「ブーン?もう紅茶冷えたわよ?」

(;^ω^)「ふひぃっ!何も考えてまぜんお!このまま押し倒してあばばばばっばとか!!」

ξ゚听)ξ「貴様・・・ここで死ぬか?それとも、去るか?」

ヤクザ顔負けの仕草で指を鳴らすツン。
どうしてそうも綺麗に音が鳴るんですか。

(;^ω^)「冗談ですお・・・」

ξ゚听)ξ「こっちも冗談よ。本音としては




     や ら な い か?」



( ^ω^)「アッー!」



  
152: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 00:34:38.57 ID:BguWmmVL0
  

(;^ω^)「つ・・・ツンさん?」


ξ゚听)ξ「冗談の後に冗談を言わないとは限らないでしょ?まだまだ甘いわ、精進なさい。

     それに知ってた?巷では、"ツンデレ委員長"ってのが流行らしいわよ?」

くつくつと、してやったりの表情で笑われた。
向かい合ったクッションに座った彼女に。


( ^ω^)「僕の煩悩なんて、全てお見通しですかお・・・」

そんないたずらっ子のような表情をされると、
こっちはやられたりの表情で苦笑を返すことしか出来ないじゃないか。



  
153: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 00:37:06.78 ID:BguWmmVL0
  


ξ゚ー゚)ξ「そういうことー」

ふふーんと言わんばかりの生意気な顔。
世界中の人々から信仰される、崇高な巫女の表情はどこにもなかった。




あぁ、時間よ止まってしまえ。
このままでいてください。
この子をデレのままでいさせてください。


・・・ツンの部分はもういりません。



ブーンは、心で密かにそう祈った。



  
155: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 00:43:31.21 ID:BguWmmVL0
  


( ^ω^)「ごちそうさまですおー」

そう言いながらカップをソーサに置いて一息つく。

ツンもとうに紅茶を飲み終えていたが、
まだこの部屋には紅茶の匂いが残っている、とブーンは思った。


それは、とても居心地のいいもの。

( ^ω^)「ふたりの思い出を閉じ込めたこの匂いが、いつまでもここに残ればいいのにだお・・・」

ξ゚ー゚)ξ「だけど霧散して、消えちゃって、大気とまじりあっても、それはもっと素敵なことだと思うの。
     世界にあたし達のことが、記憶が残されるのだから。そしてその大気は世界を巡るわ」



  
159: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 00:49:15.38 ID:BguWmmVL0
  

ツンも、同じことを考えていたのだろうか。
ただ、考え方が違っただけで。

ξ*゚听)ξ「ごめんね、うまくことばに出来なくて。

     それより、紅茶のおかわりいる?まだお菓子も残ってるし」


( ^ω^)「あ、お願いしますお」

言い終わるのが早かったか、ツンの立ち上がるのか早かったか。


こちらに顔をあまり向けてくれなかった。
・・・照れてるのかお?



  
161: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 00:51:58.34 ID:BguWmmVL0
  

( ^ω^)「ツンのその考えこそが素敵だと思うお!」

部屋を出て行こうとするツンの背中にそう呼びかけた。

ゴン!

ξ*゚听)ξ「ばっ!あんたいきなり何いってんの!!


     早くお茶淹れてくるから、ちょっとは大人しくしてるのよ!?」

ドアに頭を打ったようだ。
動揺のせいか、思いきりよろめきながらツンは部屋をあとにした。



  
164: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 00:59:16.33 ID:BguWmmVL0
  


( ^ω^)「にしても・・・ショボンさん、GJだお」

独り言をついつい声に出してみたり。

"今日は帰ってこなくていい"だなんていきなり言われて困ったり悲しくなったりだったけど、
その後でちゃんと"ドクオ君といい夜を過ごすから"と言ってくれた。

含みはあったような気がするけど・・・性的な意味でだろう。


( ^ω^)「ツン、早く帰ってこないかなだお」


胸が躍る、とはこういうことを言うんだろうな。
気を抜いたらツンを抱きしめてしまいそうだ。

でもツンは礼儀深い北の島の民族。
僕達みたいなコミュニケーションとりまくりの民族じゃないんだから、わきまえないと。


それにしたって。



  
167: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 01:04:07.15 ID:BguWmmVL0
  


( ^ω^)「この居心地のよさはなんなんですかお・・・」

どうしてだろう。
小さい頃、ともだちと野をかけ、母と共に歌をうたい、
父の背中におんぶされ、いつの間にか眠っていたあの頃を思い出した。


同じ匂い。なつかしいにおい。胸がきゅうっとしめつけられるような。


ツンは魔法が使えなくたって、大事なものを持っている。
それを、守ってあげなくちゃ。

彼の決意はどんどんと固く。
信念はゆるぎないものとなる。



  
171: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 01:09:31.11 ID:BguWmmVL0
  


( ^ω^)「・・・」

ツンが部屋からいなくなって約3分ほど経過したころ。

( ^ω^)「そわそわ・・・」

口で言うな。


とセルフツッコミをしたくなるほどに落ち着きがなくなっていた。


ブーンは学校の成績簿にも"落ち着きがありません"と書かれた子である。
ツンが大人しくしていろと言ったから、ここまで持ったようなものである。


( ^ω^)「もう、もう我慢できないお・・・」

動きたい。暴れたい。いらんことしたい。
じっとしていればしているほど、その欲求は高まる。



やるのか!?やるのか、アレを!!!!!?



  
173: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 01:14:15.15 ID:BguWmmVL0
  

それから間も無く、ツンがお盆を持って部屋に戻ってきた。

ξ゚听)ξ「ただいm・・・ってアンタ、何してんの?」



( ^ω^)「ビ・・・っくりするほど・・・ユートピア・・・」

ξ゚听)ξ


ξ゚∀゚)ξ ニコッ




ξ゚听)ξ「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!」



この後ブーンがどうなったか、それはご想像にお任せします。



  
175: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 01:20:49.58 ID:BguWmmVL0
  

ξ゚听)ξ「まったく・・・せっかくいい感じで話進んでたのに・・・

      アンタが変な事するから話が長引くんでしょうが」


(;^ω^)「すまんかったお。だけど、それをさせてるのはさくsy・・・

ξ#゚听)ξ「貴様には地獄すらなまぬるい」

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( ゚∀゚)彡// /   ` i
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    ⌒ ,〉  ,,    ",〉
      〈 _ _  , /
       `ー--‐''"

〜少々お待ちください〜
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176: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 01:21:58.21 ID:BguWmmVL0
  


(;^ω^)「で、何の話してたんだっけかお?」

ξ゚听)ξ「とりあえず茶が冷めるから飲む。話はそれからだ」

(;^ω^)「はいですお」



  
180: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 01:29:15.76 ID:BguWmmVL0
  

ξ゚听)ξ「ふぅ・・・もうあれから30分も経っちゃったのね・・・時間は有意義に使いましょ」

(;^ω^)「もう怒ってないのかお?」


ξ゚听)ξ「えぇ、あれだけ暴れたらすっきりしちゃったわ」


(;^ω^)「怖いお人だお・・・」


ξ゚听)ξ「そうそう、あたしはこわーいお人だから、寄って来たら危険よ?」

いけない、駄目だ。茶化して言ったつもりなのに、そうは受け取れないかもしれない。

( ^ω^)「なら、ブーンがツンをなつかせてみせるお!」

ぱぁっと明るい声でブーンが言った。

この底なしの明るさ。原動力は何なんだろう?
まぁ、心配が杞憂に終わって良かったわ。


ξ゚ー゚)ξ「出来るもんならやってごらんなさい?」

あぁ、どうしてだろう?
この子といるとこんなにも笑みが絶えないのは。
どこまでも笑いたくなる気持ちになるのは。



  
186: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 01:40:54.82 ID:BguWmmVL0
  


茶会は、下弦の月が昇り、そして雪山に隠されるまで続いた。
時計から、日付の変わる音がしても、それでもまだ。

ブーンはその時に部屋に時計があった事を知った。


たくさんたくさん、くだらない事を話して。


ξ゚听)ξ「・・・」

( ^ω^)「・・・」


誰かと話していると、きっと、あると思う。
どちらも喋りだせない、そんな一瞬の静寂。

その後、ツンが口を開いてこう言った。



ξ゚ー゚)ξ「今、天使が通ったわ」

( ^ω^)「・・・おっ?」



  
188: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 01:43:30.53 ID:BguWmmVL0
  


彼女はその所以を教えてくれた。

昔、何かの本で読んだのだという。
会話の節々に訪れる奇妙な静寂は、


"天使が通ったからなのだ"と。



( ^ω^)「じゃあ、今までも、たくさんの天使が通ったんだお!?」

ブーンは興奮気味にツンにたずねる。


ξ^ー^)ξ「えぇ。きっと、ね」

ブーンが真剣に考えてくれるものだからなんだかしあわせな気持ちになった。
そして、ここも"天使の通り道"に選ばれたことが嬉しかった。

真っ白なつばさをなびかせ、天使が笑顔でここを通ってくれればいい。
そう思うと、静寂が気まずいものには思えなかった。



  
193: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 01:54:27.89 ID:BguWmmVL0
  

ブーンはツンの肯定のことばを聞いて、嬉しそうに万歳までしている。
こういうところは少年のままだ。


( ^ω^)「ツン、いきなりだけど・・・いいかお?」

天使が通った。
なら、きっといいことがあるかもしれない。

ブーンはそれに願懸けをして、ツンにあることを聞いた。

( ^ω^)「ツンは・・・ここから外に出ることは出来るのかお?」

ツンの笑顔が曇る。
聞かなければ良かった、ともう既に後悔していた。

ξ゚听)ξ「原則的には・・・ここから出ることは出来ないの・・・」

理由は、言わなくても分かる。
彼女自身には魔法は使えない。急なことからは身を守れない。


( ^ω^)「そうかお・・・ごめんだお」


ブーンが寂しく笑う。



  
195: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 01:58:27.02 ID:BguWmmVL0
  

ξ゚听)ξ「どうしたの?何かあるなら聞くわよ?」

そんな顔をして欲しくなくて、必死でブーンに話しかける。

(;^ω^)「カーチャンにツンの事を話したんだお。

       そしたら、"会ってみたいわ"って言っちゃって・・・」


ツンは腕組みをして少し考える。

ξ゚听)ξ「なら、ブーンのお母様をこっちに連れてきたら?
     多少お疲れになるかも知れないけど・・・こちらは歓迎するわ。非公認だけど」

(*^ω^)「おっおっ。いいのかお?」

さっきまでのしょんぼりとした顔はどこに行ったのやら。
口では遠慮しているが、ブーンはすっかりその気のようだ。

ツンはそんな彼にほっとする。



  
196: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 02:02:08.02 ID:BguWmmVL0
  

ξ゚听)ξ「えぇ、昔はね、誰でもここに入れたし、私達も自由にここを出られたの。

     それには理由があってね・・・ってこら、いきなり寝るな」

(;^ω^)「すまないお。難しい話になりそうだったからつい」


仕方ないか、とツンは思った。
規則正しい生活をショボンなら励行させるだろうしね。

目をこしこしと擦りながら、それでも起きていようとするブーン。



  
197: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 02:03:54.91 ID:BguWmmVL0
  

仕方ないか、とツンは思った。
彼に規則正しい生活を、ショボンなら励行させるだろう。

目をこしこしと擦りながら、それでも起きていようとするブーン。


ξ゚听)ξ「その話はいつでも出来るし、無理しなくても・・・寝てもいいのよ?」

(;^ω^)「でも・・・」

無理してでも起きていたいのがブーンの本音。
まだ起きていて欲しいのがツンの本音だろう。

ξ゚听)ξ( ^ω^)「・・・」

両者、何も言い出せない。
と、思った直後。

ξ゚听)ξ( ^ω^)「天使が通った!!」


見事に、二人の声は重なった。


その後に響くのは笑い声。
外には、もう山の方から雪が忍び寄っていた。



  
200: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 02:11:28.35 ID:BguWmmVL0
  

( ^ω^)「ツンの夢って、なんだお?」

クッションを枕代わりに横たわったブーンが尋ねた。

ξ゚听)ξ「そうねぇ・・・しっかりと考えたことは余り無いわ。ブーンは?」


( ^ω^)「僕は、また旅に出るお!
       サラマンダーに頼まれた事も、しなきゃいけないこともあるお」

ξ )ξ「そっ・・・か。そうよね」

ここで落胆するなんて、自分は甘い夢を見ていたのかもしれない。
分かってたことじゃないの。



  
202: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 02:12:38.57 ID:BguWmmVL0
  

( ^ω^)「だから、すぐにそれを終わらせて、またツンの所に戻ってくるお!」

ξ゚听)ξ「え・・・?」

( ^ω^)「神殿の巫女の護衛・・・"守護者"になれば出来るんだお?

      誰かがその座を得る前に、僕がなるんだお!




      そしてツンを守るんだお・・・ツンと一緒にいること、それが僕の夢だお!」



ξ゚听)ξ「・・・!!」

ツンはふいに頭を回してブーンを視界から追いやる。
見つめていたら、目頭が熱くなるのを止められなかった。



  
207: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 02:19:36.70 ID:BguWmmVL0
  

ξ゚听)ξ「ねぇ、ブーン。あたしの夢・・・漠然としたものだけど、聞いてくれる?」


ツンの願い。聞かないはずがない。


ξ゚听)ξ「あたしね・・・きっと今、命を誰かに狙われてると思うの。

     妹から始まって、父さんも母さんも、兄さんまで死んじゃった・・・。
     もう血縁者はあたししかいないわ。だから、今度はあたしじゃないかと思うの・・・」


相槌を打つ暇もなくツンが続ける。


ξ゚听)ξ「だから、それを解決させるのが先決ね。


     でね、これは昔からの夢だったんだけど・・・子どもが欲しかったの」


( ^ω^)「その夢ならどうにかすれば叶うんじゃないかお?」

深く考えずに言ってしまった。
返ってきた答えは。


"・・・でもあたしの体は、子どもが産めないの。もう、人ならざる者だから。"



  
212: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 02:26:57.15 ID:BguWmmVL0
  

ブーンが雨の中打ち捨てられた子犬のような表情で、

( ^ω^)「僕は・・・ツンの願いを叶えてあげたいお・・・」

とだけ、搾り出すように言った。

ξ゚听)ξ「や・・・まぁ、あのね?難しいことじゃないわ?


     養子でいいの。それでもその子はあたしの子どもだわ」

( ^ω^)「あ・・・」

全てを納得したブーン。
祖父の、荒巻の愛情は、確かにツンに届いていた。

ξ////)ξ「だから、その、なんていうの?



     独りで育てるのも寂しいし忙しいから、アンタが父親になってくれたらなーっていう・・・」



  
214: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 02:28:05.67 ID:BguWmmVL0
  

まだごみょごみょと何かを言っているが、聞き取れない。
恥ずかしがりやなんだろう。


( ^ω^)「・・・ツン?」


ξ////)ξ「えっ、あ、はいっ!!」

威勢のいい返事が飛んで来た。

( ^ω^)「喜んで・・・だお・・・」

ブーンはすぅ、とそのまま眠ってしまった。
もう限界だったのだろう。



ξ゚听)ξ「え?」

ぽかんとするツンを残して夢の世界へ行ってしまった。



  
218: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 02:34:05.05 ID:BguWmmVL0
  

ξ゚听)ξ「あーあーもう」

でっかい溜息を吐き出し、シーツをブーンにかけてやる。

ξ゚听)ξ「この子はいっつも空気壊すんだから・・・」



呆れているのか、笑っているのか、よく分からない表情。

ξ゚听)ξ「ってかシーツ1枚しかないのよね・・・まぁ、寝てるから一緒でもいっか?」

眠れない夜は、よくシルフの布団に潜り込んだものだし。
ブーンでもたいしてかわらないだろう。

よいしょっ、と年寄り臭い声を出して、ツンもシーツに潜りこんだ。

ξ゚听)ξ「幸せそうな顔で寝てるわね・・・これ寝てるの?笑ってるの?」

ぶにゅ、とブーンのほっぺたをつついてみる。
動かない、きっと寝てる。


その満足そうな寝顔を十分堪能した後で、電気を消し、ツンも眠りについた。
ブーンと同じ寝顔だった。



  
222: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/06(金) 02:39:11.59 ID:BguWmmVL0
  


( ^ω^)「う、うーん、朝・・・僕寝てたのかお・・・あれ、ツン?」

途中までしあわせな夢を見ていたのだが、
その夢がいきなり急転して、びっくりして目覚めてしまった。


周りをきょろきょろと見回す。
シーツにはブーン以外のぬくもりを感じる。


でも、それなのに。
ツンが・・・いない?


この後ブーンは慌てて飛び起きてツンを探すが、神殿の何処にも居ないことを知るだけになる。


夢で見たツン、そしてその言葉。

「ごめんね」と涙声で言ったツン。

あれは、夢ではなかったのか。


・・・そう、夢であれば良いと望むほどの「現実」だったのだ。

--第22話 後編 終--



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