( ^ω^)ブーンが幸せの意味を知るようです

  
231: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 02:38:49.12 ID:9WLQ9otV0
  

--最終話--

ブーン達がまだ山に登り始める少し前の事。


ミ,,゚Д゚彡「ったく、ここはムカつくぐらい何も変わってねぇなぁ・・・」

神殿に突如少年が現われ、偉そうな口を叩く。

( ´_ゝ`)「誰だ貴様!!」

(´<_` )「変態か!!」

川 ゚ -゚) 「私の結界を・・・2度も越えるなど・・・何奴だ。隠しても無駄だぞ、私には分かる」

从*゚∀゚从「・・・!」


くつくつと、その少年は嗤った。

川#゚ -゚) 「・・・何がおかしい?」

クーは怒りを露わにした声で相手を圧倒させようとする。
しかし、少年には全く効き目が無い。



  
236: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 02:46:58.40 ID:9WLQ9otV0
  


ミ,,゚Д゚彡「ク・・・フフ・・・そうか、この髪の色じゃ分からないのかよ・・・」

そう言って指をぱちんと鳴らす。
みるみるうちに脱色され、銀糸が姿を現す。


その色は、間違いなく彼らのそれと同じ色であった。
─サラマンダーだけ、父親に似たくすんだ金髪だが。

(´<_` )「お前は・・・フサ!!」

川 ゚ -゚) 「今まで何処にいたんだ・・・」

ミ,,゚Д゚彡「気付くのがおせぇ世よ・・・。まぁ、俺の可愛い妹ちゃんは気付いてたみたいだが?」


ただならぬ殺気を彼から感じる。

( ´_ゝ`)「何を・・・しに来た?」

ミ,,゚Д゚彡「母を見殺しにした、お前らを殺しにだよ・・・ハハハハハハ!!!」


从*゚∀゚从「こやつ・・・狂っておるわ・・・」



  
238: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 02:50:58.08 ID:9WLQ9otV0
  

フサギコの周りに灼熱の炎が現われる。
最初から手加減などする気は無いようだ。


( ´_ゝ`)「と、とにかく、逃げるぞ!!」

シルフが空間転移を展開する。
4人は部屋から忽然と消えた。


ミ,,゚Д゚彡「チッ、悪あがきしやがって・・・大人しく殺されりゃーいいのによ」

彼の呟きも、独り言で終わった。


从*゚∀゚从「兄者・・・助かったのじゃ・・・」

川 ゚ -゚) 「後は私に任せてくれ。水の幻影で空間を捻じ曲げる。ほんの少しだが時間は稼げるだろう」

(´<_` )「じゃあ俺は、木や植物のトラップでも作っておこう」



  
242: ◆OLIVIA/O7I : 2006/10/10(火) 02:59:52.36 ID:9WLQ9otV0
  

神殿の最上階にある隠し部屋に4人は潜んだ。


(´<_` )「時にクーよ。真実を移すあの水鏡は何処にある?あれが上手く使役出来れば、説得も不可能ではないはず・・・」

川 ゚ -゚) 「すまん、あれは人にやってしまった」

( ´_ゝ`)「お馬鹿!!」

こんな事になるとは思わなくてな・・・とクーが弁解する。


从*゚∀゚从「しかしクーよ、相打ち覚悟でフサに突撃するというのは考えなかったのか?」


川 ゚ -゚) 「まだお前には言って無かったか・・・私達が、何故人に洗礼など与えていると思う?」

从*゚∀゚从「それは・・・魔法を人に与えて自分達が浮かない存在になる為じゃないのか?」


( ´_ゝ`)「では妹者よ、今の状態で俺達は"浮いてない"と思うか?」

从*゚∀゚从「いや、浮いておるのう・・・人から特別視されて・・・」

川 ゚ -゚) 「そうだろう・・・。魔法を与えるには、別の理由があるのだ」


(´<_` )「俺達が、いつか人間に戻るため・・・だ」



  
248: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 03:10:22.68 ID:9WLQ9otV0
  

从*゚∀゚从「我らが・・・人間に!!?なれるというのか!?」

川 ゚ -゚) 「妹者よ・・・お前は気付かなかったか?人に魔法を与えるたびに、自分の力が失われていくのを・・・」

妹者は少し考えてみる。
そういえば、変な脱力感があった気がする。

从*゚∀゚从「我らは・・・自分の力を分け与えていたのか・・・」

( ´_ゝ`)「そうだ・・・そして、いつかゼロになれば・・・」

(´<_` )「人に戻れるんじゃないか、そう思うんだよ」


川 ゚ -゚) 「ただ、これにはルールの様なものがあってな」

そこでクーに遺伝子がどうのこうのってむつかしい話をされた。
要約すると、子を成すと、その子には与えたはずの力が元通りになって受け継がれるんだそうだ。

从*゚∀゚从「わらわは双子だから・・・兄者の力と合わせれば、
     一番力が強かった頃の母者と同等の力を持っていたという事か・・・」


( ´_ゝ`)「そういう事だ。しかし、お前はもうたくさんの人間に力を分け与えているし・・・」

そこで兄者が言葉に詰まる。



  
254: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 03:21:16.14 ID:9WLQ9otV0
  

从*゚∀゚从「言われなくても分かっておる・・・フサの方が、よっぽどわらわより魔力をもっておる・・・」

川 ゚ -゚) 「気付いていたのか・・・」

実際、母の、ペニサスの力の7割近くはフサギコに与えられていた。
偶然の産物なのだろうが、この状態ではあまりに痛手である。


それでも、初代の水、風、地の精霊はもう、彼らの力の1割を切った。
妹者・・・彼女しかまともに戦える存在はいないだろう。


川 ゚ -゚) 「外敵に襲われないようにと・・・立ち入る者の規制を始めたのに・・・
     敵が身内とはな・・・」


クーは、フサギコの分だけは結界を張らなかった。
いつでもここにかえってこれるように。



  
255: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 03:22:02.43 ID:9WLQ9otV0
  


川 ゚ -゚) 「完璧に、仇になったな・・・」

もう苦笑しか浮かばない。

( ´_ゝ`)「とりあえず、だ。もしここにフサギコが現われたらどう対処するか考え・・・ってあっちい!!」


神殿が、神殿の至る所が燃えていた。


川 ゚ -゚) 「炎・・・まさか・・・」


クーの腕を掴む手があった。
彼女は勢いよく振り返る。




ミ,,゚Д゚彡「みぃつけた」

悪鬼の笑顔がそこにあった。



  
258: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 03:31:11.87 ID:9WLQ9otV0
  

('A`)「ブーン!!大丈夫か?もうちょっとだぞ!」

(;^ω^)「がんばるお!!よいしょっ!!」

息も絶え絶え、足はがくがく震えながらもどうにか神殿まで到着した。
ショボンが神殿を見上げて呆然とする。

(´・ω・`)「神殿が・・・燃えている・・・」

(;^ω^)「そ、そんな・・・おっ!?」

がくり、とそこでブーンの膝が折れた。
倒れこむ前にドクオが肩を貸す。

その時、かしゃん、と音がして何かが落ちた。
ドクオが慌てて拾う。

('A`)「何だこれ・・・鏡・・・ってうわ、割れちまった・・・すまん」

(;^ω^)「いや、いいんだお。懐になんて入れてた僕が悪いんだお」



  
261: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 03:34:21.95 ID:9WLQ9otV0
  

それは、ツンの元から旅立つ時に、ウンディーネがくれた鏡。
面白いものが見えるかもな、と言いながら渡してくれたのだ。

それが、もう随分昔の事に思える。

(´・ω・`)「ブーン君、大丈夫かい?ごめんね、のんびりしている暇はなさそうだ。

      手分けして精霊達を探すよ!!」

3人は燃える神殿へと突入した。
ブーンの魔法によって炎は防がれることとなった。



  
266 名前: ◆OLIVIA/O7I [>>264どんまいです(´・ω・`)つ旦~] 投稿日: 2006/10/10(火) 03:43:10.84 ID:9WLQ9otV0
  

ミ,,゚Д゚彡「全く・・・余計な罠まで張ってくれやがって・・・手間掛かったじゃねぇか。
      でも、もうさっきのは通用しないぜ。ここは全部炎が廻ってるからな」

( ´_ゝ`)「ちぃ・・・」

フサギコは狭い部屋だというのに遠慮なく炎を飛ばしてくる。
家屋というのは可燃性のものがたくさんある。

炎というのは、敵に回すとやっかいなものだ・・・」

川 ゚ -゚) 「防戦に尽くすぞ!!そして、出来る限り広い部屋に逃げる!」


从*゚∀゚从「把握!!」



  
269: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 03:53:04.84 ID:9WLQ9otV0
  



どうにか屋上まで逃げて来たクー達。

川 ゚ -゚) 「決戦が屋上なんて、映画っぽいな」

( ´_ゝ`)「クー・・・冗談を言ってる場合では・・・」

そんな事を言っている間も炎の猛攻は止まない。



ミ,,゚Д゚彡「ほらほらほらほらぁ!!どうした!!逃げてばっかりじゃいつかやられるぜ!!」

相手が攻撃を仕掛けてこないこともあり、フサギコは有頂天になっていた。

(´<_`;)「こっちも好きで攻撃魔法使ってないわけじゃないというのに!」

木の壁を作って炎を防ぐが、一瞬で焼き尽くされてしまう。

ミ,,゚Д゚彡「ほう・・・?こっちも攻めてばっかじゃつまらんからな・・・
      どうすればいい?どうすればそっちも魔法を使って攻めてくる?」



  
270: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 03:54:01.12 ID:9WLQ9otV0
  


川 ゚ -゚) 「ツンだ。巫女を返せ。巫女との誓約により、彼女の命が無い限り私達は誰かを傷つけることが出来ぬ」

クーもフサギコの炎を防ぐために水壁を作る。
が、やはりすぐに蒸発した。


ミ,,゚Д゚彡「そうか、分かった・・・少しだけ待っていろ」

そう言って、彼はまた炎の中に消えた。



  
272: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 03:59:32.44 ID:9WLQ9otV0
  


ξ゚听)ξ 「ふぁー。ひっさしぶりの出番ねー」

大きく欠伸をひとつ。

(;´∀`)oO(年頃の女の子が・・・)

と、その時、暖炉からフサギコが現われた。

ミ,,゚Д゚彡「そこの女、精霊達が呼んでいるから帰るぞ。モナー、お前も来るか?

      ・・・お前が出る幕も無いぐらい大したこともない奴らだがな」

(;´∀`)「フサが強すぎるからモナ・・・」

ツンは、また嫌な予感に襲われた。
今の言い様、まさかこの子・・・クー達と戦ってるんじゃ・・・。


ξ゚听)ξ 「分かったわ、早く帰りましょう」

暖炉からフサギコが出てきたことなど、もはやどうでも良かった。



  
275: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 04:04:22.90 ID:9WLQ9otV0
  


('A`)「いたか!?」

(;^ω^)「こっちにはいないお!」

(´・ω・`)「あとはもう・・・最上階か屋上ぐらいしか・・・」


('A`)「くっそ・・・!」

(;^ω^)「とにかく!急いで上に向かうお!」


ブーンの魔法に支えられながらも、しかし全身に火傷を負った3人。
上に向かう階段へと走る。傷など気にしている暇はなかった。

(´・ω・`)「あ・・・」

先頭を行くショボンが立ち止まる。


('A`)「どうしました!?」

(;^ω^)「階段が・・・」

上の方は火の回りが激しく、階段の方も燃え崩れかけていた。



  
278: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 04:15:12.14 ID:9WLQ9otV0
  

川 ゚ -゚) 「他に怪我人は!!」

クーがきびきびと動く。
フサギコが再び帰ってくるまでに傷を癒しておかねば・・・

从*゚∀゚从「こっちはもう大丈夫じゃ!!」

( ´_ゝ`)「こっちも大丈夫だ」

(´<_` )「クーのお陰でぴんぴんしてるさ」

3人とも、元気な返事をしてきた。

川 ゚ -゚) 「よし!!」

クーは満足そうに頷いて、大きく息を吸って精神を集中させた。


すると、目の前に広がる炎がひときわ大きく揺らめいた。

ミ,,゚Д゚彡「ふぅ・・・待たせたな」

( ´∀`)「フサ・・・ちょっと燃やしすぎモナ」

ξ゚听)ξ 「みんな!!大丈夫!?」

川 ゚ -゚) 「ツン!!こっちは無事だ!!そっちこそ平気か!?」



  
280: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 04:19:33.32 ID:9WLQ9otV0
  

ξ゚听)ξ 「えぇ!!ピンピンしてるわよ!!」

フサギコに動物のように抱えられたツンが腕を振る。
元気そうでひとまず安心した。

しかし、相手は仲間を連れてやってきた・・・。
不利な状況には変わりないか・・・。


ミ,,゚Д゚彡「さて・・・女を連れて来てやったが、易々と帰すわけにはいかねえ。
      よっ、と」

ツンを隣に立つモナーに投げる。

(´<_` )「乱暴な扱いをするな!!」

弟者の怒号。

ミ,,゚Д゚彡「あっれ?俺にそんな指図していいと思ってるのか?
      ・・・女はこっちの手にあるんだからな」

フサギコが鋭い眼光と共に脅しをかける。
人質がいるため、高圧的な態度を取るのは危険だと判断した。

ミ,,゚Д゚彡「ふぅ・・・普通に人質作戦で行こうと思ったが、お前達の態度が気に食わない。
      いっちょ楽しいゲームといこうか」

川 ゚ -゚) 「こういう時のゲームとは、こちらからは全く楽しくない。
     ・・・しかも拒否権が無い」



  
282: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 04:23:00.41 ID:9WLQ9otV0
  


ミ,,゚Д゚彡「よく分かってんじゃねぇか。そういう事だ」

彼はまたひとつ指を鳴らす。
ツンを抱えるモナーの廻りに、炎を張り巡らせた。

ξ゚听)ξ 「熱いわね・・・」

やはり緊張感のない声でツンが言った。

(;´∀`)「ちょっと我慢してくださいモナ・・・」


ミ,,゚Д゚彡「これでお前達は女を助けることは出来ない。そして・・・」

フサギコは夕方になって晴れてきた空を見回す。



ミ,,゚Д゚彡「あの日が沈むまでに俺を倒せなかったら、あの女を殺す」



  
285: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 04:27:59.40 ID:9WLQ9otV0
  

川 ゚ -゚) 「な・・・!?」

もう太陽は殆ど沈みかけている。
沈み終わるのに、15分は掛からないだろう。

そんな時間で、この悪魔に勝てというのか・・・。


ミ,,゚Д゚彡「勘違いするなよ?その後できちんとお前達も同じ所にちゃーんと宅配してやるからな」

最初に現われた時の様な嫌な笑いを浮かべる。
クーは背筋がぞっとするような感覚を覚えた。


从*゚∀゚从「そんな事、言われなくても分かっておるわ!!」

威勢よく妹者が言い放った。

(´<_` )「クー、あいつに勝つしかもうツンを助ける方法は無いだろう・・・」

( ´_ゝ`)「勝って、ツンと一緒に神殿を建て直そう」

川 ゚ ー゚) 「あぁ!!ツン、私達に命を!!」

覚悟はもう、決まった。
勝つしかないのだ。

時間制限がついていても、それに変わりはない。



  
288: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 04:33:41.64 ID:9WLQ9otV0
  


(;^ω^)「はぁっ、はぁっ・・・最上階にも・・・いなかったお・・・」


(´・ω・`)「屋上の方が何だか騒がしい気がするよね」

(;'A`)「でも屋上までの道は塞がれてますよ!?」

フサギコがクー達を追いかけて屋上に登った際、彼が意図的に崩したものだ。
邪魔者が入ってこれないように、と。

(´・ω・`)「自分達でどけるしかないよ!!大丈夫、15分もあれば終わる!
      ・・・頼むから、それまで保ってくれ・・・!!」

彼らは腕が、体が焼けていくのにも構わず崩された壁や床をどけていく。
一刻も早くこの作業が終わることを祈りながら。



  
291: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 04:42:18.72 ID:9WLQ9otV0
  



川 ゚ -゚) 「はぁっ!」

クーの氷で作り出した鋭利な刃が、フサギコに急襲する。

ミ,,゚Д゚彡「フン」

彼は自分が持つ剣でそれを一薙ぎ。
クーの刃はいともやたやすく折れた。


(´<_` )「せぇい!!」

ノームが木の枝を張り出して彼を捉えようとする。
しかし、炎に燃えつくされるだけだった。

( ´_ゝ`)「まだまだ!」

シルフの風が、フサギコを切り裂かんとばかりに襲い掛かってゆく。
しかし、炎の中を移動して、いともたやすく避けられた。


ミ,,゚Д゚彡「全く・・・4対1でこれかよ・・・殺すにも弱すぎていっそ可哀想だな」

フサギコの偉そうな態度に、文句を言えるほど元気な者は誰もいなかった。



  
294: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 04:45:52.07 ID:9WLQ9otV0
  

川 ゚ -゚) 「(こいつ・・・格が違いすぎる・・・)」

( ´_ゝ`)「(こんな奴、どうやって倒せって言うんだ!)」

(´<_` )「(剣術も魔法も・・・スキがない・・・!)」


(;´∀`)「本当に・・・俺が出る幕なんてないモナね・・・」

炎に包まれたモナーがのんびりとそれを見つめていた。

ξ゚听)ξ 「・・・」

ツンは、自分の命が生死の天秤にかけられたことよりも、精霊の怪我の方を心配しているように見えた。

しかし、ツンの命のタイムリミットは、刻々と近づいていた。
もう陽は半分程沈んでしまっていた。



  
298: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 04:52:38.91 ID:9WLQ9otV0
  

从*゚∀゚从「まだ、大口を叩くには早いわっ!!」

先程まで石畳に膝を落としていた妹者がフサギコまで突進していた。

川 ゚ -゚) 「妹者!!もうお前は十分頑張った!!」

体中に火傷の傷を負い、特攻を繰り返してはあちこちを殴打され、
妹者の体はボロボロだった。
口からも鼻からも血が出ている。

从*゚∀゚从「それでも!一番力の残っているわらわがやらねば・・・ツンが!!ツンが・・・!!!」

川 ゚ -゚) 「(ブーン・・・まだ帰ってこないのか・・・)」

ヒーローの登場を祈ってみるが、現実は甘くなかった。


ミ,,゚Д゚彡「ちょこまかちょこまかと・・・!!」

懐に潜り込んだ妹者を膝で蹴り上げる。
妹者がまた血を吐いて倒れた。



  
304: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 04:59:18.63 ID:9WLQ9otV0
  

と、思った直後。
妹者の両手がフサギコの足を捉えたのだ。

そのままフサギコの体を引き倒す。
それと同時に起き上がり、その間に"兄"の腹に拳を叩き込む。


ミ,,゚Д゚彡「か・・・はっ!」

从*゚∀゚从「このまま動けなくしてやるわ!!」

フサギコの両腕を掴みあげる妹者。
慌ててクーも駆け寄り、足を蹴って起き上がれなくする。

(´<_` )「よくやった妹者!!」

( ´_ゝ`)「よくぞ捕らえた!!」


ミ,,゚Д゚彡「ふははは・・・ハーッハッハッハ!!!」

その時、フサギコが狂ったように笑い出した。
むしろ、"狂った"のかもしれない、と腕を押さえつけながら妹者は思った。



  
307: ◆OLIVIA/O7I :2006/10/10(火) 05:06:26.66 ID:9WLQ9otV0
  

川 ゚ -゚) 「何がそんなにおかしい?」

むっとしたクーが詰問する。

ミ,,゚Д゚彡「ふ・・・それはな」

近くでまだくすぶっていた炎にフサギコは足を近づける。

川 ゚ -゚) 「いかん!!」

そう言ったときには時遅く、フサギコはモナーとツンを囲む炎の中にいた。

ミ,,゚Д゚彡「お前達、自分の足元を見てみろ」


从*゚∀゚从「?」

疑問に思いながらも足元を見る。
影が・・・無い。


( ´_ゝ`)「しまった!」

兄者は西の方角を見据える。

─訪れてしまったのだ。
望まなかった時間が。

タイムリミットが。



戻る最終話-前編(携帯用2ページ目)へ