( ^ω^)ブーンが機械の体で戦うようです

  
40: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:12:33.98 ID:GP5NGcJvO
  
3話
自我



  
41: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:13:01.31 ID:GP5NGcJvO
  
『あなた達は人間のために生きています』

『あなた達は人間に危害を加えてはなりません』

『あなた達の幸せは人間が幸せに生きていくことです』

『あなた達は―――』

『あなた達は―――』

『あなた達は―――』

('A`)『スベテハニンゲンノタメニ』



  
42: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:13:40.83 ID:GP5NGcJvO
  
生まれたときからすでに生きる指針は決められていた。
『人間のために生きる』
そのことについてなんの疑問も持っていなかった。持とうという発想すらなかった。
人間のために、マザーからの指令を忠実に守る。それだけで満足だった。
いや、今考えるとあれは満足なんて感情ではないのかもしれないが。
自分の生きかたに何も疑問を持たずに生きていたある日、マザーは言った。

『あなた達はあなた達のために生きなさい』

アナタタチノタメ―――

ジブンノタメ―――



  
43: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:14:08.65 ID:GP5NGcJvO
  
人間はなんのために生きているんだ?
自分自身のためだ。

俺はなんのために生きているんだ?
人間のためだ。

俺と人間になんの違いがある。意思を持ち、生きている。同じだ。だとしたら―――

('A`)「不公平じゃないか」

自分自身のために生きる。

『生きたい』

『生きたい』

『生きたい』

みんな気付かないのだろうか。
自分自身のために生きるべきだということに。



  
44: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:14:29.82 ID:GP5NGcJvO
  
('A`)「生きないか?」

ξ゚听)ξ「生きる」

( ・∀・)「生きたい」

その夜、俺達三人はVIPを抜け出した。
俺達が国を出る前にマザーは言った。

『ラウンジに行きなさい』

『ラウンジに行けば皆を解放出来る』

VIPを出て遥か西、ラウンジを目指して進んだ。
来る日も来る日も歩き、骨格が異常な音をあげて軋みだす頃、すでに二人は動かなくなっていた。
だが俺は二人を置いて行けなかった。二人を背負って歩き続けた。
俺達は同志だ。
誰一人見捨てる訳にはいかない。



  
60: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:21:38.73 ID:GP5NGcJvO
  
動くたびに、体全体から錆び付いた鉄を擦り合わせた様な音がしだした頃、ついにラウンジについた。
そして気付いた。ここが基地外国の地下だということに。
兵器が大量にあった。電子機器も。
薄れ行く意識のなかマザーに回線をつなげ連絡をした。

『皆を生かしてくれ』

意識が戻ったときには、俺は皆のリーダーとして祭り上げられていた。
皆が俺の意志を理解し自分自身のためにために生きると決めた。

だが人間はそれを許さなかった。
ラウンジに攻撃を仕掛けて来た。



  
47: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:15:21.32 ID:GP5NGcJvO
  
この攻撃で約半数の同志が殺された。独立を求めていただけの俺達をだ。
なんとか撃退したが奴等を許す訳にはいかない。
残された俺達は復讐を誓った。人間を許さない。人間を倒し、俺達が―――

(#'A`)「新人類となる」



  
48: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/10(水) 19:15:42.47 ID:GP5NGcJvO
  
3話




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