川゚−゚)クーが錬金術師を追うようです

  
15: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:09:39.37 ID:Vw66/uZZO
  
1話
再開



  
16: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:10:23.84 ID:Vw66/uZZO
  
川゚−゚)「なぁ…」

( ・∀・)「はい…」

川゚−゚)「これ…」

( ・∀・)「はい…」

川゚−゚)「終わったんじゃなかったのか…」

胸にデカデカと空いた穴。
むき出しになった臓器。
穴の縁にある、自分の足のそれと同じ痕。

( ・∀・)「心臓がありますね。…ってことは犯人は別でしょう…」



  
17: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:11:18.55 ID:Vw66/uZZO
  
おそらく彼が『心臓狩り』の犯人で間違えない。
そして彼はすでに死んでいる。…となればこの事件は別の事件で、犯人は別にいるということになる。
あの力を使える者が他にもいるなんて。

( ・∀・)「この事件なんとしてでも僕達で解決しましょう」

川゚−゚)「あぁ」



  
18: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:12:31.48 ID:Vw66/uZZO
  
だが事件はいっこうに解決しなかった。解決するどころか第二第三の被害者が出た。
被害者の共通点は若い女性だということと都市『VIP』の人通りの少ない暗い路地で殺されたということ。そして例の『痕』だけだった。

( ・∀・)「おとり捜査…というのはどうでしょう?」

川゚−゚)「鬼才あらわる」



  
19: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:13:25.85 ID:Vw66/uZZO
  
ところでクーさん…どうして僕が…

ξ・∀・ξ「どうして僕が女装してるんですか?」

川゚−゚)「言い出しっぺの法則だ」

ξ;・∀・ξ「…」

川゚−゚)「それに…」

それに?

川*゚−゚)「似合ってるぞ」

ξ;・∀・ξ「勘弁してくださいよ…」



  
21: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:14:38.43 ID:Vw66/uZZO
  
有無をいわさずおとり捜査は開始した。
しかし暗いな。こんな暗闇の中で殺されるだなんて普通に殺されるより数倍怖かっただろう。
『普通に殺された人』に対して不謹慎か。

カッカッカッ―――

この足音は…クーさんのものではないな。さっそく犯人か…



  
22: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:15:40.40 ID:Vw66/uZZO
  
カッカッカッ―――

通り過ぎていった。
中年男性。サラリーマンか。
微妙に曲がった背中から哀愁が漂っている。暗闇でもそれはなんとなく感じられる。
まぁいきなり犯人ということはないか。

カカッカカッ―――

今度はクーさんか。
おとり捜査はこれからだというのになにか用だろうか。



  
23: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:16:03.86 ID:Vw66/uZZO
  
ξ・∀・ξ「どうしまし―――」

クーさんではなかった。
藍のジーンズに黒のパーカー。フードを深々とかぶっている。
街灯に照らされた髪が妖しく銀色に光っていた。
そこそこある背丈から男であることが想像できる。



  
24: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:16:31.97 ID:Vw66/uZZO
  
ξ;・∀・ξ「クーさ…ん?」

「見ぃつけたー」

男が手を伸ばし僕の肩に手を触れる。

ξ;・∀・ξ「いってぇーーー!!」

肩と腕の付け根に拳大の穴が空いている。だが血は出ていない。
こいつが犯人か。

ξ;・∀・ξ「くっ!クーさん!!犯人です!!」



  
25: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:18:27.93 ID:Vw66/uZZO
  
川#゚−゚)「把握!犯人そこまでだ!!」

クーさん、ちょっと遅かったかも。
犯人に締め上げられてしまいましたよ。

「ちっ…警察かよ」

川#゚−゚)「部下を放してもらおうか…」

「無理な相談だ」

パンッ―――

「くっ…そ」

男の腕から血が吹き出している。クーさんが撃ったのか。

「いったん退かしてもらうよ」

「でも」

男の手が僕の額に触れる。

「こいつは殺しておくよ」

頭に一瞬激痛がした。



  
26: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:19:41.61 ID:Vw66/uZZO
  
川;゚−゚)「うわぁぁぁぁ!!」

なにが起こった。
私の目の前でなにが起こった。
足が震える。
怖い。怖い。怖い。

川;゚−゚)「モララー…」
部下の頭が吹っ飛んだ。
犯人が逃げて行く。
追わなければ。でも足の震えがおさまらない。

川;−;)「モララー…」
頭のなくなったモララーの遺体を抱いてやることしかできなかった。



  
27: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:20:14.15 ID:Vw66/uZZO
  
川゚−゚)「モララー…」

モララーが殉死してから一ヶ月が経ったが事件はいっこうに解決の兆しを見せなかった。
その代わりといってはなんだが犯行自体もストップしていた。
八方塞がり。

川゚−゚)「私は…どうしたらいいんだ」

ノイローゼだろうか。ここのところあまりよく眠れない。
だが私が立ち止まるわけには…



  
28: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:20:44.22 ID:Vw66/uZZO
  
( ´∀`)「クーちゃん…目の下、クマがすごいモナ」

川゚−゚)「眠れないんですよ…それから『ちゃん』付けはやめてください…モナー本部長」

( ´∀`)「ははっ、ごめんモナ」

この初老の男は全くおきらくだ。部下が一人殺されたというのに。

( ´∀`)「そんなに根詰めてるとクーちゃんまで過労で倒れちゃうモナ」

川゚−゚)「犯人を挙げるまで休む気はありません」

( ´∀`)「そういうわけにはいかないモナ。クーちゃんには別の事件の担当をしてもらうモナ」



  
29: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/01/14(日) 10:21:07.30 ID:Vw66/uZZO
  
川#゚−゚)「ふざけないでください!私は―――」

( ´∀`)「上司命令だモナ!このままクーちゃんに無理されて過労死でもされたら…」

川#゚−゚)「しかし―――」

( ´∀`)「まぁそういうことだからこの事件からは外れてもらうモナ。
はい、これ新しい事件の資料だモナ」

手渡された一枚のプリント。

川#゚−゚)「…」



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