( ^ω^)雨は知っているようです

  
85: (岩手県) :2007/03/14(水) 23:56:26.72 ID:hQKUHne10
  
――――第三話 三月二日 夕方


ジョルジュとギコと別れたのは3時過ぎ。
それから今まで横になりずっと天井をみていた。
このとき、僕はまだツンの死が受け入れていなかったかもしれない。
理由は涙が出てこないからだ。

( ^ω^)「・・・・・」

外はオレンジ色から闇に染まる時間帯。
つまり5時くらい。チャイムが鳴る。

( ^ω^)「はいはいーい、どちら様?」

そこにいた来訪者に驚きを隠せなかった。

(´・ω・`)「久しぶりだね・・・、ブーン君」

( ^ω^)「ショボン・・・・君」



  
87: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 00:01:15.21 ID:6L82rmL60
  
彼の名前はショボン。
彼はドクオと同じ小・中学校で僕と同じ小・中・高校ではない。
普通に過ごしていたら出会うこともなかった彼と知り合ったのはドクオの仲介があったからだ。
以前、ドクオの家に遊びに行ったときに彼も遊びに来ていて少し遊んだ程度。
回数でいえば二・三回くらいしか遊んでいない。
そんな彼が・・・なぜここに?疑問が広がる。

(´・ω・`)「その・・・・ドクオのことでちょっとね」

( ^ω^)「・・・・・」

(´・ω・`)「少し・・・・外にでないかい?」

僕はあまり気が進まなかったが、あいにく断れるような言葉は持ち合わせていない。
靴を履き、ショボン君と共に外にでる。ついた場所は近所の公園であった。



  
88: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 00:04:25.54 ID:6L82rmL60
  
( ^ω^)「ショボン君はなぜ僕の家に?」

(´・ω・`)「あ、ごめん。ブーン君の家はドクオから聞いたんだ。それで君に尋ねた理由なんだけど・・・」

ショボン君は少し、遠くを見るような透き通る眼で話す。

(´・ω・`)「ドクオ・・・引っ越しちゃうらしいんだ」

( ^ω^)「・・・・・・・」

風が冷たい。
昼は優しい風だったのに。身に突き刺さるような冷たい風。

( ^ω^)「・・・・なんでだお?」

(´・ω・`)「彼・・・新しい地に行って全てをやりなおしたいみたいなんだ」

( ^ω^)「そうかお・・・・」



  
89: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 00:08:36.88 ID:6L82rmL60
  

逃げる気か。


人殺し。


逃げる気か。


人殺し。



僕 の ツ ン を か え せ ! ! !



  
91: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 00:11:45.18 ID:6L82rmL60
  
(´・ω・`)「引っ越す日は明後日らしいよ」

( ^ω^)「随分と急だおね・・・」

(´・ω・`)「まぁあんなことがあった後じゃね・・・・」

( ^ω^)「君が来た理由はそれを知らせに?」

(´・ω・`)「いや、違うよ」

ショボン君は下をみる。
その顔はなんだか寂しいかった。



  
92: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 00:14:33.26 ID:6L82rmL60
  
( ^ω^)「・・・・・?」

(´・ω・`)「ドクオが・・・ごめんってブーンに知らせてくれって言われてね」

( ^ω^)「ドクオ・・・・が?」

(´・ω・`)「うん、用はこれだけなんだ。ごめんね、時間をとらせちゃって」

( ^ω^)「いや、全然大丈夫だお」

(´・ω・`)「じゃあ、僕はこれで」

手をふり、自転車にまたがる。
僕は彼の背中がみえなくなるまで見届けていた。
辺りは闇に染まっている。



  
93: 高校生(岩手県) :2007/03/15(木) 00:17:21.13 ID:6L82rmL60
  
( ^ω^)「家に帰るお」

なぜドクオはわざわざそんなことを知らせに?
メールでも電話でも使えばいいのに。
人殺しの分際で人を使うな、ショボン君が可哀想だろ。

その日の夕食はなかなか箸が進まなかった。

僕はドクオに会わないといけない。奴が引っ越す前に。



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