ドクオは正義のヒーローになれないようです

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:43:43.54 ID:ZKKfYUaH0
  
第二十七話『激闘東京タワー、ブーン&ツンVS怪人カメレオン男!』

〜前回までのあらすじ〜

1000人の男性に聞きました!
一度でいいから女の子に言ってみたい言葉

5位 「毎朝俺に味噌汁を作ってくれないか?」

4位 「愛してる」

3位 「この肉便器が!」

2位 「膣内(なか)にたっぷり射精(だ)してやるからな」

1位 「上の口では嫌がってても下の口はそうは言ってないみたいだなァ」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:44:58.91 ID:ZKKfYUaH0
  
1000人の男性に聞きました!
一度でいいから男に言われたい言葉

5位 「やらないか?」

4位 「冥土の土産に教えてやろう」

3位 「心の友よ」

2位 「貴様を倒すのはこの俺だ!」

1位 「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:45:46.57 ID:ZKKfYUaH0
  
1000人の男性に聞きました!
一度でいいから女の子に言われたい言葉

5位 「大好き」

4位 「ご主人様」

3位 「お兄ちゃん」

2位 「私、初めてなの……」

1位 「ねえ、してあげようか?」



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:47:17.37 ID:ZKKfYUaH0
  


      *  以下、何事も無かったかのように再開  *


ショボンとクーがチーター男と闘っている時と同じ頃、JOW日本支部――

( ^ω^)「……ショボンさんとクーさん大丈夫かお」
休憩室の中、飲みかけの炭酸系ジュースの缶を握りながらブーンは呟いた。

ξ゚听)ξ「心配しなくてもあの二人なら大丈夫よ。
      あんたじゃないんだから」
慰めるようでいて、さりげに棘を含んだ言葉でツンがブーンに言った。

( ^ω^)「それもそうだお」
さり気なく中傷されたことにも気付かず、ブーンが少し顔をほころばせて残りのジュースを飲み干す。
この鈍感さが、偏にブーンとツンの関係を上手くいかせている要因の一つであった。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:47:41.06 ID:ZKKfYUaH0
  
ξ゚听)ξ「取り敢えず私達には待つことしか出来ないんだし、
      テレビでも見ながらゆっくりしましょ」
そう言って、ツンがテレビのリモコンを取って電源を入れた。
画面に今日の出来事を伝えるニュース番組が映し出される。

「――町でまた変死体が発見され――
 ――警察の見解では――」
……テレビから流れてくるのは、今日も人が殺されたというニュースばかり。
最近では、殺人事件がニュースに上らない日のほうが珍しいぐらいだった。

( ^ω^)「…………」
ブーンが暗い目でそのニュースを眺め続ける。

あのVIP警察署での事件以来――
明らかに、怪人の仕業と思われる事件が多発した。

ブーン達も全力でそれに対処しているが、
全てを解決していけるわけではない。
JOWの人数にも限度がある以上、それは仕方の無いことなのだが――
そんな理由は、ブーンにとって何の慰めにもならなかった。

ξ゚听)ξ「ブーン……」
ツンがそんなブーンを見るのに耐えられなくなり、
そっとその肩に手をかけようとする。

その時――



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:48:22.96 ID:ZKKfYUaH0
  
「……が…… ――――だ」
突然、テレビの画面にノイズが走り、
次の瞬間さっきまでの番組とは全く別の光景が画面上に映し出された。

( ^ω^)ξ゚听)ξ「!!?」
画面の中に、機械と人間が合体したような――
まるで、どこかのアニメに出てくるようなアンドロイドの姿の男が映っている。

( ^ω^)「これは……!?」
次々とチャンネルを変えても、映るのはその男ばかり。

ブーンだけではない。
日本中の全ての人間が、その映像に度肝を抜かれていた。

|::━◎┥「ハジメマシテ。 日本国民ノショクン」
男が、まるでボイスチェンジャーでも通したかのような電子的な声で言葉を発した。

|::━◎┥「ワレワレハ『神威師団』――
      カツテオマエタチガ自ラノ保身ノ為ニ、抹消シタ軍団ダ……
      私ハソノ頭領ヲ務メサセテモラッテイル歯車王。
      以後、オ見知リ置キヲ」
『神威師団』――?
ブーンとツンがお互いに顔を見合わせる。

どこかで聞いたことがある。
そう、確か『銀獣』が言っていた、超異能戦闘員製造計画の為に結成された日本軍の暗部――



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:49:33.83 ID:ZKKfYUaH0
  
|::━◎┥「サテ、今夜コウシテ挨拶サセテモラッタノハ他デモナイ。
      君達ニ、アル宣言ヲサセテモラウタメダ」
歯車王が一拍間を置いて、
|::━◎┥「我々ハ、本日コノ場ニオイテ、貴様ラヘノ宣戦布告ヲ宣言スル。
      我々ヲ葬ッタ日本政府――
      ソシテ、ソノ腐ッタ政府ノ澱ミニモ目ヲ向ケズ、
      ノウノウト自堕落ナ生活ヲ送ル愚民共――
      コレラヲ処刑シ、我々ガ新タナ秩序ノ下、コノ国ヲ支配スルノダ!」
それは、公共の電波を乗っ取っての大々的なクーデター宣言だった。

馬鹿げている。
誰もが、そう思っていた。

どこの馬の骨か分からない連中に、そんなことなど出来るものか。
そう、人々は楽観ししていた。
だが――

|::━◎┥「一ツダケ言ッテオクガ、抵抗シテモ無意味ニ終ワルト教エテオコウ。
      今マデ貴様ラガ単ナル猟奇殺人事件トシテ認識シテキタ事件――
      ソシテ、前ノVIP署襲撃事件――
      全テ、我々ノ力ニヨルモノダ」
その一言が、人々を一気に恐怖のどん底へと突き落とした。

あの事件が、彼らの手によるもの――?
だとすれば、本当にクーデターは成功してしまうのかもしれない。
警察署をあれだけ破壊する力がある連中が、もし、本気で牙を剥いてきたら――

テレビを見ていた者達に、一斉に戦慄が走る。



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:50:30.99 ID:ZKKfYUaH0
  
( ^ω^)「…………!」
ブーンがテレビ画面に拳を叩き込んだ。
画面が砕け、テレビの配線が千切れて火花が起こる。

ξ゚听)ξ「ちょ、ちょっとブーン!」
いきなりテレビを破壊したブーンに驚き、ツンが慌ててブーンを宥める。

( ^ω^)「ふざけるんじゃないお!
      復讐だか宣戦布告だか知らないけど、
      そんな下らないことの為に今まで何の罪も無い人々を巻き込んできたのかお!!」
ブーンが激昂し、更にテレビに拳を叩き込んだ。
画面が更に陥没し、今度こそテレビがその原型を留めなくなる。

ξ゚听)ξ「ちょっと! ブーン、落ち着きなさいったら! ねえ!!」
更にテレビに殴りかかろうとするブーンをツンは必死で止めようとした。

普段温厚なブーンであるが、
その反面一度怒った時の爆発は凄まじい。

( ^ω^)「……ごめんだお、ツン」
ブーンはテレビ画面のガラスが刺さり、血で真っ赤に染まった右手をだらりと下ろした。

一つ。
二つ。
大きく深呼吸して、何とか気を落ち着かせる。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:52:09.50 ID:ZKKfYUaH0
  
ξ゚听)ξ「……それにしても、今の……」
ツンが不安そうな表情をブーンに向けた。

( ^ω^)「…………」
ブーンがもう一度血で染まった手を固め、握り拳を作った。
筋肉が収縮し、刺さっていたガラス片が押し出されて地面に落ちる。

( ^ω^)「……行って来るお」
唐突に、ブーンがツンに背を向けて部屋を出て行こうとした。

ξ゚听)ξ「行くって、どこに?」
ツンがブーンに訊ねる。

( ^ω^)「さっきの放送が電波ジャックをしてのものなら、電波の発信源がある筈だお。
      そうなると、その場所は大体限られてくるお。
      そして――そこにはきっと、怪人がいるお」
ξ゚听)ξ「ちょ、ちょっと! 待ちなさいったら!!」
ずんずんと一人で進もうとするブーンの後ろを、ツンが慌てて追いかける。
その時――



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:52:50.34 ID:ZKKfYUaH0
  
「全JOW職員に告ぐ! 先の放送は、東京タワーから発信されたものと判明した!
 特殊戦闘部隊は直ちに現場に急行、事態の鎮圧に当たれ!
 繰り返す。 特殊戦闘部隊は直ちに東京タワーに急行し、事態の鎮圧に当たれ!」
全館放送でのアナウンスが、JOW内部に響き渡った。
館内が俄かに活気付き、戦闘の準備が着々と進められていく。

( ^ω^)「――――!」
ブーンがアナウンスを聞くと同時に、足を動かす速度を更に速めた。
行き先は兵士輸送用の車両の置いてある車庫。
そこに、一直線にブーンは向かって行った。

ξ゚听)ξ「待ちなさいったら! 私も行くんだからね!!」
ツンが息を切らしながら、ブーンの後をついていった。



(´ー`)「…………」
JOW日本支部長官室――
その部屋の窓から、初代モナーはブーンとツンが東京タワーに向かっていくのを見ていた。

(´ー`)「……よろしいのですか?
     ブーン殿は兎も角、ツンお嬢様まで一緒に行かせてしまって」
くるりと向き直り、部屋の中の一際豪勢な椅子に座って机に肘かけた男性に告げる。
男性は座ったまま、初代モナーに視線だけ向け、
爪'ー`)「構わんよ。 これから先、もっと厳しい闘いが彼女らを待っているだろう。
      今のこの程度の闘いを乗り越えられないようなら、
      将来JOW日本支部を継ぐ器ではなかったということだ」
男性――JOW日本支部長官フォックスは、
机の中から葉巻を取り出すと、マッチを擦ってそれに火をつけた。
灰色の煙が、辺りに立ち込める。



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:53:28.71 ID:ZKKfYUaH0
  
(´ー`)「……左様ですか」
初代モナーはそれ以上何を言うでもなく目礼する。
それ以上の進言は執事の仕事の範疇外、そう自らを律するように。

爪'ー`)「ああ――そういえば、モナー」
思い出したように、フォックスが初代モナーに言った。

爪'ー`)「いつだったか、娘がお前と一緒に東京タワーを観光してみたいと言っていたな。
     丁度良い機会だ。 面倒だろうがエスコートを頼む」
(´ー`)「――――は」
カツン、と靴を鳴らし、初代モナーがフォックスに対して恭しく一礼すると、
彼は静かに部屋を後にするのだった。


〜第二十七話『激闘東京タワー、ブーン&ツンVS怪人カメレオン男!』 終
 次回、『激闘東京タワー、ブーン&ツンVS怪人カメレオン男! 〜その2〜』乞うご期待!



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/05(土) 23:54:10.45 ID:ZKKfYUaH0
  
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