ドクオは正義のヒーローになれないようです
- 3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:29:28.28 ID:KyUTra3x0
- 第四十一話『冬の嵐 その1』
〜前回までのあらすじ〜
『夏だ! 触手だ! 中出しだ!
ドキッ☆ 人外だらけの水泳大会!! 〜(内臓)ポロリもあるよ〜』
最強最萌のヒロインは誰か!?
誰もが疑問に思い、
そして誰もが答えを出すことが出来ない永遠の命題。
しかし今、『('A`)ドクオは正義のヒーローになれないようです』の女キャラ達が、
その魅力と知性と腕っ節でその人類最後の問いかけに立ち向かう!!
- 4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:31:02.83 ID:KyUTra3x0
- イ从゚ ー゚ノi、「こういうのに参加するのは趣味ではないのじゃが……」
銀(ドス女)
身長181cm 体重67kg
B/W/H 92/64/91
水着…ワンピース(黒)
属性…人外 高身長 巨乳
川 ゚ -゚)「出場する以上は勝たせてもらおう」
素直クール
身長165cm 体重53kg
B/W/H 82/58/84
水着…ビキニ(白)
属性…素直クール グラマラス
- 5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:32:00.47 ID:KyUTra3x0
- ξ゚听)ξ「やっぱり一番若い子が勝つのが当然かしら?」
ツン
身長152cm 体重39kg
B/W/H 76/54/76
水着…スクール水着(紺)
属性…ツンデレ ツルペタ ロリ
ノパ听)「勝つのはアタシだあああああああああああああああああああ!!!」
素直ヒート
身長170cm 体重59kg
B/W/H 87/61/88
水着…ビキニ(赤・パレオ付き)
属性…素直ヒート 巨乳 悲惨な過去
- 6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:33:15.05 ID:KyUTra3x0
- 出揃うは百戦錬磨の魔人達!
最萌の称号を懸け、
スイカ割り
クイズ
料理
ビーチバレー
以上ガチンコ4番勝負で雌雄を決する!!
燃える海岸!
吹き荒れる血と悲鳴!!
乱れ飛ぶ放送禁止コード!!!
そして……最強の兵が、
突如このバトルに乱入する!!
从'ー'从「あ、あの、よろしくお願いします」
渡辺さん(ヤングバージョン)
身長158cm 体重48kg
B/W/H 80/56/83
水着…ワンピース(緑と白のストライプ)
属性…おっとり 天然 普通
- 9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:34:39.23 ID:KyUTra3x0
- 選ばれし5人の戦士達が闘った後には、
果たして何が残るのか!
そして大会の裏で暗躍する組織、
『異種姦孕ませ団』の正体とは!?
解説はお馴染みのこいつら、
('A`)「ドクオと」
( ゚∀゚)「ジョルジュの」
('A`)( ゚∀゚)「ヤッターマンコーヒーライター」
ドクオとジョルジュの二人でお送りします!!
番外編
『夏だ! 触手だ! 中出しだ!
ドキッ☆ 人外だらけの水泳大会!! 〜(内臓)ポロリもあるよ〜』
近日公開決定!!(これはガチで)
- 11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:36:31.70 ID:KyUTra3x0
* 以下、何事も無かったかのように再開 *
( ▼w▼)「…………」
ロマネスクの秘密基地の外――
俺は変身し、ロマネスクと相対していた。
右腕を左腕よりやや前に出し、アップライト気味に構える。
対して、ロマネスクは腕をだらりと下げたままで全く構えを取っていない。
( ▼w▼)「…………」
踏み込めない。
ロマネスクの姿勢はノーガードもいいところ。
完全に隙だらけの筈なのに……
それでも、間合いを詰めることが出来なかった。
( ФωФ)「どうした、マスク仮面。
突っ立っているだけでは我輩は倒せんぞ?」
痺れを切らしたように、ロマネスクが挑発してくる。
……やるしかない。
今ここで、こいつとは決着をつける……!
- 14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:37:26.05 ID:KyUTra3x0
- ( ▼w▼)「う――おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
叫び、ロマネスクに向かって駆け出した。
足の裏で地面の土を抉りながら疾走する。
充分に加速をつけ――
その速度を乗せた渾身のパンチをロマネスクに向かって放った。
( ФωФ)「甘い」
しかし、そのパンチをロマネスクは右手一つで払いのけた。
( ▼w▼)「くッ……!」
怯まず、今度は左腕でのフックを放つ。
しかしそれも、ロマネスクの右腕に防がれる。
( ▼w▼)「らあああァッ!!」
ならば――
と、左足での回し蹴りを打ち込もうとした。
だが――
- 15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:38:22.31 ID:KyUTra3x0
- ( ▼w▼)「!!!!!」
その蹴り足を、ロマネスクは事も無げに右手で掴んだ。
当たらない。
ロマネスクはさっきから右腕しか動かしていないというのに――
一発たりともこちらの攻撃が命中しない。
考えてみれば当然か。
ロマネスクが相手の攻撃を防御しないのは、
防御が出来ないからではない。
出来るのに、敢えて防御しないのだ。
それが一度防御に徹した場合、
身体能力以外はずぶの素人の俺の攻撃なんかが当たるわけがない。
( ФωФ)「フン!」
右腕だけで、ロマネスクが俺の体を宙に放り投げた。
( ▼w▼)「うおおおお!?」
ある程度の高さまで浮いたところで、俺の体はそのままロマネスクのところへと落下していく。
このまま真下に落下していくのはまずい。
そう直感したが、翼も何も無い俺が空中で軌道を変えることは不可能である。
成す術も無く、ロマネスクの前へと落下していく。
- 17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:38:58.07 ID:KyUTra3x0
- ( ФωФ)「終わりだ」
目の前に落ちてきた俺に対し、
ロマネスクが右腕でパンチを放った。
腰も肩も入っていない、腕の動きだけの完全な手打ちのパンチ。
だが――
( ▼w▼)「がはッ!!」
だが、それでも俺を倒すのには充分過ぎる威力だった。
せめてもの悪足掻きである俺のガードをぶち破り、
ロマネスクの右拳が俺の顔面を捉えた。
頭が破裂しそうな衝撃を受け、
俺の体が今度は横方向へと吹っ飛んでいった。
( ▼w▼)「あ……がッ……!」
脳を揺さぶられ、視界がぐにゃりと歪み、平衡感覚が完全に狂わされる。
猛烈な吐き気が襲い掛かり、俺は立ち上がることすら出来なかった。
( ФωФ)「どうした、立て!
貴様は言ったな。 『強くなりたい』と。
あの時の言葉と想いはその程度のものだったのか!」
( ▼w▼)「う……おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
全身から力を搾り出し、無理矢理体を立ち上がらせる。
そして、俺は再びロマネスクへと向かっていった。
- 20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:39:45.60 ID:KyUTra3x0
('A`)「…………」
しばらく後――
俺は仰向けになって地面に倒れていた。
変身は既に解けてしまっていたが、
もう一度変身する力だけの力は残されてはいなかった。
完敗だった。
あれから幾度となくロマネスクと闘ったが――
攻撃を当てるどころか、右腕以外を使わせることすら出来なかった。
右腕しか使わない状態のロマネスクに一発でも攻撃を当てれば勝ち。
そういう条件での勝負だったが、
そんな条件ですら俺は全く歯が立たなかったのである。
- 23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:40:48.04 ID:KyUTra3x0
- ( ФωФ)「生きているか、マスク仮面」
ロマネスクが上から俺を覗き込んできた。
('A`)「辛うじてな……」
寝転がったまま答える。
……こいつ、あれだけやって汗一つかいてねえのか。
前から分かってはいたが、何て化物だ。
もう強いとかそういうレベルの話じゃない。
存在の次元が違うとしか思えなかった。
('A`)「……てかお前、それだけ上手に防御出来るなら、
今までの闘いでもガードとかすりゃ良かったんじゃね?」
俺は今までずっと疑問に思っていたことを口にした。
( ФωФ)「下郎の攻撃を避けようとするなど我輩の趣味ではない。
相手の攻撃を怖れるなど、宇宙大魔王のすることではないわ!
今回は、そのまま攻撃を喰らっていてはお前の稽古にならないから、
特別に防御をしてやっているだけに過ぎん」
何と言うツンデレ。
これは間違いなくフラグ。
……嬉しくねぇ……
- 24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:41:58.20 ID:KyUTra3x0
- ('A`)「なあ……」
俺は仰向けのままロマネスクに声をかけた。
( ФωФ)「何だ?」
ロマネスクが返す。
('A`)「俺、これで本当に強くなってるのかな……」
『強くなりたい』。
ロマネスクにそう言ってから既に5日。
俺は連日ロマネスクと今日みたいな模擬戦闘を繰り返していたが、
一向に技術が上達したという実感が無い。
ただ単に、ロマネスクが強過ぎて多少強くなったところで意味が無いだけなのかもしれないが。
( ФωФ)「愚か者。 たかが5日やそこら練習しただけで強くなる訳などあるか。
そんなに簡単に強くなれるのだったら、誰も努力などせんわ」
ロマネスクはきっぱりと言い放った。
('A`)「やっぱりそうか……
って、それじゃあ俺は何の為に毎日ボコられてんだよ!?」
いきなり強くなる、そんな都合の良い話などある訳がないとは思っていたが、
こうもはっきり断言されると多少なりとも憤りを感じてしまう。
- 27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:44:41.71 ID:KyUTra3x0
- ( ФωФ)「何か勘違いしていないか?
我輩はお前に『強さを教えてやる』と言ったのだ。
『強くしてやる』とは一言も言っていない」
('A`)「……強さを知ることに、どんな意味があるんだ?」
俺はロマネスクに訊ねた。
( ФωФ)「本当の強さというものを知っているか、いないか、
それが勝負の瀬戸際、明暗を分ける」
('A`)「?」
ロマネスクの言っていることの意図が掴めず、俺は首を傾げた。
( ФωФ)「お前自身が一番良く分かっているだろうが、
お前の力はお前自身が血と汗を流して体得したものではない。
別の何物かによって、偶発的に手に入れただけの力だ。
言ってみれば、何も背景の無い、薄っぺらい強さだ。
そういった力では、真の一流と闘ったところで勝てはせん」
……その通りだ。
俺のこの力は、俺の内に潜む『怪人の出来損ない』達のもの。
決して、俺が努力や執念によって獲得したものではない。
だから、俺は弱い。
さっきロマネスクに全く敵わなかったように、
もし俺がドス女と闘ったとしても、矢張り勝つことは出来ないだろう。
身体能力の面では張り合えるのかもしれないが、
肝心の、その力を使いこなすだけの技量、
戦闘における経験や勘といったものが俺には無い。
- 28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:45:56.02 ID:KyUTra3x0
- ( ФωФ)「……が、お前が今まで闘ってきた怪人達もまた、お前同様与えられた力だ。
そういった連中が相手ならば、お前でも何とか闘うことが出来るだろう。
そしてその時、本当の強さを知っていることが、お前の力になる」
('A`)「…………」
本当の、強さか……
俺にはロマネスクの過去は分からないが、
恐らくこいつも、強くなる為に様々な苦難を乗り越えてきたのだろう。
闘ってみて、それが分かった。
――俺も、いつか強くなれるのだろうか。
自分の夢を、叶えられるくらい。
自分の大切なものを、護れるくらい。
- 30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:46:52.62 ID:KyUTra3x0
- ('A`)「…………」
俺はゆっくりと立ち上がった。
そうだ。
こんなところでのんびりと寝ていてはいけない。
俺は、強くならなければいけないんだ。
それが無理なら、せめて強さとは何なのかを理解出来るように。
( ФωФ)「ほう、もう起き上がれるのか」
ロマネスクが感心したように声をあげた。
('A`)「……まだまだこれからだ。
いつまでも、右腕一本であしらえると思うなよ!!」
俺は叫び、変身の為に意識を集中させた。
- 33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:48:08.05 ID:KyUTra3x0
* * *
12月22日、国会議事堂――
年の瀬にも関わらず、国会では議員達が熱烈な議論を交わしていた。
議題は、頻発する凶悪事件に対する自衛隊の活動に関する法案改正の是非。
最早怪人達による凶行は、国家レベルで対応しなければならない程にまで達していた。
「これは我が国に対する宣戦布告だ!
こういう時に自衛隊を積極的に出動させないでどうする!!」
「それは憲法違反だ! 憲法はそこまでの権限を自衛隊に認めてはいない!!」
「このまま黙ってやられていろというのか!!」
「日本を時計を戦前の軍国主義にまで巻き戻すつもりか!!」
喧々諤々の議論が交わされてはいたが、
話は堂々巡りを繰り返すだけで一向に進む様子は無かった。
- 38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:49:59.30 ID:KyUTra3x0
- 「茶番ですな」
と、議員の一人がおもむろに席から立ち上がった。
「…………?」
その場にいる全員の目が、一斉にその議員に集まる。
議員はそんな連中を一瞥すると、
「全く、すぐ目の前にまで危険が迫っているというのに、
議論しかすることが無いとは、本当にこの国は平和ボケしてしまっている。
いや、そんな甘い考えでここまで乗り切ってこれたことを寧ろ僥倖と考えるべきですかな?」
「? 君は何を言って――」
「分からないようならば教えてあげましょう。
話し合いなんかでは、暴力に対抗出来ないということを」
議員の体が異形の怪人のものへと変化していく。
「うわああああああああああああ!!」
「ぎゃああああああああああああああああああ!!」
国会議事堂の中は、一瞬にして地獄へと化していった。
- 43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:51:26.25 ID:KyUTra3x0
* * *
(=゚д゚)「…………」
薄暗い病室の中、トラギコはベッドに横たわる姉を見つめていた。
時計に目をやる。
午後5時25分。
そろそろ、国会議事堂が大騒ぎになっている頃か。
(’e’)「ここに居たか」
と、セントジョーンズが病室のドアを開けて入ってきた。
トラギコは黙ったまま、顔だけをセントジョーンズに向ける。
(’e’)「時間だ、トラギコ。
今までお前を飼っていた恩、今日をもって返して貰う」
(=゚д゚)「……分かってるラギ」
静かに、トラギコは頷いた。
(’e’)「心配するな。 お前の姉は、こちらで安全な場所に移送すると約束しよう。
お前は何も心配せず、ただ殺せばいい」
(=゚д゚)「…………」
トラギコは何も答えず、姉の顔を見つめていた。
- 48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:53:22.22 ID:KyUTra3x0
- (’e’)「期待しているぞ、トラギコ。
くれぐれも、以前の様な無様は晒すなよ?」
それだけ言うとセントジョーンズは病室から出て行った。
部屋に、トラギコと彼の姉が残される。
(=゚д゚)「…………」
トラギコは、じっと姉の顔を見ていた。
――これから、数え切れないくらいの人間が死ぬだろう。
そして、自分はその片棒を担がなければならない。
……間違っているという自覚はある。
だがそれでも、彼にとっては姉こそが世界の全てだった。
姉が助かるならば、
例え何人の人間が犠牲になっても……!
(=゚д゚)「……行ってくるラギ、姉さん」
呟くと、トラギコは姉の眠る病室を後にした。
- 52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:54:24.33 ID:KyUTra3x0
* * *
イ从゚ ー゚ノi、「…………」
VIP市のとあるビルの屋上――
銀は沈んでいく夕日を見つめていた。
真っ赤な、血のように紅い太陽。
それが、銀の心をざわめかせる。
イ从゚ ー゚ノi、「――――!」
と、銀は何かを感じ、はっと目を見開いた。
どこかで、あの男――
セントジョーンズの笑い声がしたような気がする。
イ从゚ ー゚ノi、「来るか、セントジョーンズ……!」
銀は忌々しげに歯軋りし、沈む太陽を見据えるのだった。
- 56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:55:33.81 ID:KyUTra3x0
* * *
太平洋沖――
幾艘もの戦艦が、日本……いや、VIP市を目指して進行していた。
静かに、しかし確実に、
死神の軍勢が一歩一歩VIP市に向かって近付いていく。
从 ゚∀从「カハハハハ。 やっとだ……
やっと、派手な祭りを始めることが出来る……」
一際大きな戦艦の司令室、司令官用の椅子に深く腰掛け、一人の女が笑う。
从 ゚∀从「行くぜ豚野狼共!
哀れな連中に、この世の地獄というものを教えてやれ!!」
女の叫びに合わせて、戦艦は更に加速していく。
そう。
冬の嵐は、今まさに吹き荒れようとしていた。
〜第四十一話『冬の嵐 その1』 終
次回、『冬の嵐 その2』乞うご期待!〜
- 60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/02(月) 00:56:34.09 ID:KyUTra3x0
- この番組は
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なるなるみになる
すっぱいレモンにご用心
の提供でお送りしました。
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