ドクオは正義のヒーローになれないようです

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:08:13.35 ID:VMmNseZx0
('A`)「うぅ〜寒寒寒……」
俺は悴む手をすり合わせながら、晩秋の商店街を歩いていた。

既に色付いていた木の葉も枯れ落ち、
北風は容赦なく冬の訪れを運んでくる。

そういえば、もうすぐ12月なんだな。
なんて、柄にも無く感傷染みた気持ちになってみる。

イ从゚ ー゚ノi、「この程度の寒さで何を言っておる。 情けない」
ドス女が呆れた様に肩をすくめた。

('A`)「うるせーなー。 寒いもんは寒いんだよ」
イ从゚ ー゚ノi、「全く…… 仕方ない、さっさと買い物をして変えるぞ」
やれやれと、ドス女がそう言って俺を促した。

糞、偉そうにしやがって。
大体お前が居候してるせいで、今年は冬服も買えなかったんじゃねえか。



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:08:48.85 ID:VMmNseZx0
イ从゚ ー゚ノi、「…………?」
と、ドス女が地面に落ちていた紙切れを拾い上げた。
見ると、今北商店街福引権と書かれてある。

イ从゚ ー゚ノi、「何じゃこれは?」
('A`)「ああ、そりゃ福引権っていってな。
   その拳1枚と引き換えに一回福引が出来るんだよ。
   で、当たりに応じて景品が貰えるんだ。
   ちょうど、そこに福引所があるだろ」
ドス女に説明しつつ、道の先にある福引所を指差した。

イ从゚ ー゚ノi、「…………」
('A`)「…………」
イ从゚ ー゚ノi、「…………」
('A`)「……やってみたいのか?」
イ从゚ ー゚ノi、「……うん」
ドス女はコクリと頷いた。

別に、やりたきゃ自分から素直にそう言えばいいのに。
こいつは、変な所で子供っぽいところがある。
何百年も生きてるババアのくせに。
口に出したら殺されるから言わないけど。



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:09:31.44 ID:VMmNseZx0
('A`)「分かったよ。 何事も経験だし、お前がやってみろよ」
イ从゚ ー゚ノi、「かたじけない」
そう言うやいなや、ドス女は福引所の方へと駆け出した。

イ从゚ ー゚ノi、「主人、福引をさせてくれ」
福引所の前へと駆けつけたドス女が、福引所の役員のおじさんに福引券を差し出した。

「あいよ、1回ね」
おじさんが愛想良く答え、ドス女の前に抽選器を持ってきた。

イ从゚ ー゚ノi、「〜〜♪」
鼻歌を歌いながら、ドス女が勢い良く抽選器を回す。
ガラガラと小気味の良い音を立て、やがて抽選器から一つの玉が零れ落ちた。
その玉の色は――

「おめでとうございま〜〜〜〜〜す!
 一等金色、2泊3日秘境の温泉旅行の旅大当たり〜〜〜!!」
('A`)イ从゚ ー゚ノi、「!!?」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:10:24.18 ID:VMmNseZx0









('A`)ドクオは正義のヒーローになれないようです 番外編 

『VIP温泉湯煙殺人事件 ポロリもあるよ☆ 〜導入編〜』









12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:11:22.26 ID:VMmNseZx0
('A`)「……で、来てみたのはいいけど、何なんだよここは」
電車やバスを乗り継いで3時間。
やっと目的地である旅館のある村に辿り着いた。

見渡す限り、周囲は山、山、山。
360度余す所なくマウンテンである。
秘境の温泉って……秘境にも程があるぞこりゃ……

イ从゚ ー゚ノi、「地図ではこの辺りの筈なのじゃが……
       ! マスク仮面、あそこに人がおるぞ」
('A`)「丁度いいや。 あの人に聞いてみよう。
    すみませ〜ん! ちょっと道をお訊ねしたいのですが!」
俺は大きく手を振りながら、農作業をしているお婆さんに声を掛けた。

「……何のようじゃね」
偏屈を絵に描いたような老婆が、ジロリとこちらをねめつける。

('A`)「あ、すみません。 ちょっと道を教えて貰おうと思いまして。
   天狗山のVIP温泉ってところなんですけど……」
「ヒ、ヒィィィィ〜〜!」
と、老婆は突如怯え始めた。



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:13:04.79 ID:VMmNseZx0
('A`)「あ、あの、何か……」
「い、行ってはならん…… あの山に行ってはならん!
 あそこには天狗様がおる!」
('A`)「え?いや、天狗って……」
「行ってはならん! 行ってはならんのじゃ!
 天狗じゃ! 天狗の祟りじゃ!!」
叫びながら、老婆は何処かへ去って行った。

('A`)「行ってはならんって…… 俺達そこが目的地なんですけど……」
イ从゚ ー゚ノi、「気にせんでいいじゃろ」
('A`)「……だな」
そう言って、俺達は旅館に向かって歩き始めた。

だが、今思えばこの時忠告に従って引き返すべきだったのかもしれない。
そうすれば、あんな惨劇に巻き込まれずにすんだかもしれないのだから――



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:13:47.58 ID:VMmNseZx0



('A`)「……ここか」
30分程歩いた所で、ようやく目当ての旅館に辿り着いた。
こんな辺鄙なところにあるぐらいだから、
どんなオンボロ旅館かと思いきや、予想外にかなり立派な建物だ。

('A`)「ごめん下さーい。 予約していた鬱山ですけど〜」
旅館の玄関を開け、中の様子を覗いた。
外見と同じ位、内部もかなり立派だった。

「は〜い。 今参ります」
と、旅館の奥から声が聞こえ、従業員らしき足音が近付いてきた。
そして現れたのは――



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:14:36.41 ID:VMmNseZx0








                                      (゚ -゚川  < お待ちしておりました
                                  _____.jニニニニi
                              ,..-.´--------r-''"゙、 ̄ノ゙'''-、
                (0)三)ニニニニニニニ)二二)_(    (   ╋   cool ヽ
                          __ヽo____ヽ..,______...゙.ニ=--
                         / ○  ⊥    /_  ─≡≡≡≡≡二) r'
                     ,'´ ̄フ         '´ , '´,、二二二二二二二二,j
        (;'A` )              |.二.|゙、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|.二.| T゙_l".Y".Y".Y".Y".Y^.Y
        (  )              ゙、三゙、          ゙、三゙、゚.フ() () () () () ()|
        |||              ゙、三゙、 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙̄、三゙、.、,,人_人_人_人_人+ノ
        (__)__)               ''' ̄ ̄'' ''' ''' ''' '' ' ''' '' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~''' ''   
  カラカラ     カラカラ

* 『川 ゚ -゚)クーのネジが一本取れてしまったようです』の作者様、ごめんなさい *



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:15:50.42 ID:VMmNseZx0
('A`)「ブフォッ!!」
思わず吹き出してしまった。

何で素直クールが従業員なの!?
お前本編で死んでるじゃん!?
てか何で戦車に乗ってるんだよ!?

「ドクオ、アウトー」
と、どこからか野太い男の声でアナウンスが聞こえてきた。

アウト?
一体何が?



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:16:36.70 ID:VMmNseZx0



   ノノノノ
  (゚∈゚ )  ≡=
  丿\ノ⌒ヽ
 彡/\ /ヽミ  ≡=
     /∨\ノヾ
    //\/ヽミ  ≡=
   ミ丿



('A`)「!!?」
と、どこからともなくクックルが現れ、
俺に向かって一直線に突進してきた。

(;'A`)「ちょッ! 何!? 何なの!? ねえ!?」
狼狽する俺などお構い無しに、クックルは俺の目前にまで迫ってきた。



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:17:58.20 ID:VMmNseZx0
( ゚∋゚)「…………」
(;'A`)「うおッ!?」
クックルは俺の首根っこを掴むと地面にひきずり倒し、
やおら俺のズボンとパンツをひっぺがした。
いつの間にか、その手には先端がドリル状の棒が握られている。

(;'A`)「ちょッ! 待ッ! 止めろ! 止め――」
恐ろしい事実に気付き、必死で菊門を護ろうとする俺を無視し、
クックルは勢い良く棒を振りかぶって――

(゚A゚)「アッ――!」
俺の純潔が、ドリルによって儚く散らされた。
今まで何者をも受け入れた事の無い、汚れを知らぬ秘所を貫かれた激痛に、
声にならない叫びを上げる。

( ゚∋゚)「…………」
事を済ませると、もう用など無いとでも言うかのようにクックルはどこかへと走り去って行った。

酷い……!
私、初めてだったのに……!



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:19:19.19 ID:VMmNseZx0
イ从゚ ー゚ノi、「……大丈夫か、マスク仮面」
尻を押さえて悶絶する俺に、ドス女が声を掛けてきた。

('A`)「大丈夫そうに……見えるか……!」
心臓の鼓動に合わせて激痛を訴える肛門をさすりながら、
俺は息も絶え絶えに答えた。

イ从゚ ー゚ノi、「いいや全然」
全く感情の篭っていない声で、ドス女が告げた。

畜生、このワン公め。
絶対お前も同じ目に遭わせてやる……!

川 ゚ -゚)「改めてご挨拶させて頂こう。
     私はこの旅館の女将、素直クールだ。
     当旅館は、旬の食材をふんだんに使った料理と、
     絶景の山間を見ながら浸かることの出来る温泉が自慢だ。
     あと特殊オプションとして、この旅館で笑ったら先程の様なペナルティがある。
     そこのところを、注意しておいてくれ」
いや、お前。
何でもてなす側なのに、そんな高圧的な口調なんだよ……



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:21:52.30 ID:VMmNseZx0
川 ゚ -゚)「あと説明が遅くなったが、この番外編は完全に本編とは別物だ。
     ここで何があろうと本編には影響は無いと宣言しておこう」
……誰に向かって喋ってるんだ?

イ从゚ ー゚ノi、「何ですって!? この旅館にはそんな悲しい過去が……」
('A`)「いやお前何でいきなりキャラ変わってんだよ!
    しかも旅館の過去とか全然話に出てきてねえし!!」
イ从゚ ー゚ノi、「いや、一度こういう台詞言ってみたかったのじゃ」
……すみません。
俺もう帰っていいですか?



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:22:22.40 ID:VMmNseZx0
川 ゚ -゚)「それでは次は部屋に案内させてもらおう。
     君達の部屋は2階の203号室だ。
     この旅館は3階建てで、それぞれの階に5部屋ずつ客室がある。
     風呂は1階の東側、食事のお座敷は西側だ」
('A`)「何でそんなに説明口調なんだ?」
川 ゚ -゚)「シナリオでは今晩この旅館で殺人事件が起こるからな。
     その為に旅館の構造の説明は必要不可欠なのだよ」
('A`)「いきなりネタバレしてんじゃねえよ!!」
いやタイトルで殺人事件って出てるけどさあ!?
普通登場人物がそんなこと言っちゃ駄目だろ!?

川 ゚ -゚)「うるせーごちゃごちゃ抜かすな。
     話が進まねえだろうが」
ついに逆ギレされた……!

イ从゚ ー゚ノi、「何ですって!? この旅館にはそんな悲しい過去が……」
('A`)「うるせえ!!」
俺の必死な突っ込みも空しく、
話の都合という無情なルールによって、
俺達は部屋へと案内されるのだった……



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:23:26.96 ID:VMmNseZx0



川 ゚ -゚)「ここが君達の部屋だ」
203号室の前で、クーは俺達に鍵を手渡した。
鍵には、青色のキーホルダーが付いている。

川 ゚ -゚)「もし鍵を紛失した場合は私まで言ってくれ。
     フロントに呼びの鍵があるから、それを貸し出しする。
     それと、温泉は24時間入り放題だからご自由に」
そう言って、素直クールは一礼した。

温泉か……
まあ折角だし、ゆっくり温泉に浸かるのも良いだろう。
本編は今とんでもないことになってるから、番外編でぐらい羽を伸ばさないと。

川 ゚ -゚)「ちなみに温泉に入った後殺人事件が起こるから」
('A`)「だからそういう事言うなって言ってんだろ!!」
折角疲れをとろうとしてるのに、
何で温泉に入る気無くすようなこと言うんだよ!?

川 ゚ -゚)「それでは失礼する」
言いたいことだけ言って、素直クールは部屋から出て行ってしまった。
あの女将、絶対まともに接待する気がねえぞ。



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:25:35.39 ID:VMmNseZx0
イ从゚ ー゚ノi、「ふむ、中々良い部屋じゃな」
ドス女が部屋をぐるりと見回した。

部屋の中には、テレビ、冷蔵庫、金庫、机、座布団、布団の入った押入れと、
必要な物は全て完備されている。
従業員の室は兎も角、サービスは行き届いているようだ。

イ从゚ ー゚ノi、「喜べ、マスク仮面。 お主の好きなペイ番組があるぞ」
テレビをいじくりながら、ドス女が嫌味な笑みを俺に向けた。

('A`)「……いや、別にそういうの好きじゃないから」
苦笑いを浮かべながら、俺はやんわりと否定した。
一応、こういう場合は否定しておくのがエチケットだろう。



50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:26:28.70 ID:VMmNseZx0
イ从゚ ー゚ノi、「……『ぶっかけ中出しアナル浴尿イラマチオFUCK!』」
(゚A゚)「!!!」
こいつ、今何と言った!?
いや、まさか。
そんな筈がない!

イ从゚ ー゚ノi、「『輪姦生中出し20連発』、『催眠女肉陵辱中出し』」
(゚A゚)「ウボァッ!!」
間違い無い。
こいつ、俺の秘蔵エロDVDを全部把握してやがる……!



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:27:27.20 ID:VMmNseZx0
イ从゚ ー゚ノi、「随分膣内射精が好きなようじゃなぁ。
       儂も妊娠させられぬよう気をつけねばいかんの」
('A`)「しょうがねえだろ! 俺だって男なんだからよお!!
   そういうのが好きで悪いかよ!!」
魂の叫びだった。

そうだ。
男にとって中出しは永遠の夢。
エロス界の正義のヒーロー。
これに憧れない男がいるだろうか?
いや、いない。(反語)

イ从゚ ー゚ノi、「そういえばお主、この前本屋でコミックLOを熱心に立ち読みしておったじゃろ」
(゚A゚)「もうやめて! 俺のライフはとっくにゼロよ!!」
この一言で、俺は完全に止めを刺されるのだった。



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:28:50.97 ID:VMmNseZx0



('A`)「あー、酷い目にあった……」
自分の性癖を暴露されたショックから立ち直れぬまま、
俺はトボトボと温泉に向かって廊下を歩いていた。

絶対に見つからないようにと念入りに隠しておいたのに……
次はもっと隠し場所を練る必要がありそうだ。

「くぉの馬鹿弟子がァァァァァァァァァ!!」
突然、叫び声と共に俺は殴り飛ばされた。

('A`)「ぐはァッ!!」
殴られた勢いで転倒し、尻餅をつく。
この熱い拳、まさか……!

( ゚∀゚)「己のエログッズを見られたぐらいで意気消沈するなど何たる軟弱!
     あまつさえ、自分だけの財宝に等しきエログッズを人目に晒さぬように小細工するなど言語道断!
     俺は、そんな半端者を弟子にした覚えは無いぞ!!」
('A`)「ジョルジュ師匠……!!」
俺の心の師匠、ジョルジュ長岡。
まさか、この人もこの旅館に来ていたなんて……!



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:29:56.99 ID:VMmNseZx0
( ゚∀゚)「真の漢にとって性癖など隠すものではない!
     寧ろ曝け出すことに快感を覚えよ!!」
('A`)「で、でも師匠!
   女の子にエログッズ見られたら嫌われちゃうんじゃ……」
( ゚∀゚)「この大たわけがァァァァァァァァ!!」
再びジョルジュ師匠の鉄拳が俺に命中した。

何故だ師匠!
何故こんなことを……!

( ゚∀゚)「おにゃのこだってHなことに興味はある!
     普段は清楚そうに見える少女が、
     口では『もうやだ〜』とか言いながら、チラチラエログッズを見るという萌えの為には、
     エログッズがバレるというイベントが必須フラグだろうが!!」
('A`)「!!!!!!!!」
な、何て人だ!
普通は人生最大の恥辱に等しき、エログッズの暴露まで萌えに仕立て上げるとは!
矢張りこの人は、次元が違う!!



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:30:56.16 ID:VMmNseZx0
('A`)「師匠! 俺が間違っていましたァァァァァァァァァ!!」
( ゚∀゚)「分かれば良い!
     さあドクオ、お前も今日から新しい萌えの星を目指すのだ!!」
('A`)「はい!!」
そうだ。
この程度でへこたれているようでは、ジョルジュ長岡の弟子の一番弟子の名が廃る。
今日から俺は、萌えの戦士へと生まれ変わるのだ……!

イ从゚ ー゚ノi、「馬鹿なことやっとらずにさっさと風呂に入らぬか」
('A`)( ゚∀゚)「あ……どうもすみません……」



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:31:46.72 ID:VMmNseZx0


    〜男湯〜


('A`)「ふー……極楽極楽」
肩まで温泉に浸かり、俺は大きく息を吐いた。

やっぱり温泉は良い。
闘いの疲れも、癒されるというものだ。

(´・ω・`)「全くだね」
( ^ω^)「最高だお」
( ´∀`)「同感だなァ」
( ФωФ)「悪くはないな」
と、温泉に別の客がぞろぞろと入ってきた。
こいつらまで、この旅館に来てたのかよ……

(´・ω・`)「僕とブーンは、JOWの慰安旅行でね」
いやお前もう死んでるじゃん。
番外編だからどうでもいいけど。

( ´∀`)「俺は『銀獣』を追ってだな」
出た、ストーカー。
ここまで来ると筋金入りだな。

( ФωФ)「べ、別にあなたを追ってここまで来たわけじゃないんだからね!」
はいはいツンデレ乙ツンデレ乙。
てかキャラ変わってんじゃねえよ。



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:32:39.22 ID:VMmNseZx0
(´・ω・`)「しかし温泉は本当に良いものだね。
     体の疲れもとれるし。 心も安らぐし」
('A`)「まあそうだな」
(´・ω・`)「男の裸も見放題だしね」
(;'A`)「…………」
俺は思わずショボンから遠ざかった。

冗談じゃない。
さっきオカマ掘られたばかりだってのに、また挿入されてたまるか。

(´・ω・`)「冗談だよ」
ああ何だ、やっぱり冗談か……

(´・ω・`)「僕は裸より服を着たままでクソミソする方が好きだからね」
('A`)「そっちかよ!!」
頼む神様。
どうか殺人事件で殺されるのはショボンにして下さい……!



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:34:02.89 ID:VMmNseZx0
「わ〜、ひろ〜い」
「はしゃぐな。 子供ではあるまいし」
「こりゃ絶景だねぇ」

と、壁を隔てた女湯の方から声が聞こえて来た。
どうやら、ドス女達も温泉に入りに来たらしい。

('A`)「…………」
(´・ω・`)「…………」
( ^ω^)「…………」
( ´∀`)「…………」
( ФωФ)「…………」
俺達は顔を見合わせ、一様に口を噤んだ。

こういう場合のお約束としては、女湯を覗くのが定番なのだろうが、
あの面子でそれを実行したら本気で殺されかねない。

だがしかし。
盗み聞きをするくらいなら罰は当たらないだろう。

そんなわけで、俺達はじっと女湯の方に聞き耳を立てるのだった。



82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:34:38.89 ID:VMmNseZx0


     〜女湯〜


ξ゚听)ξ「わ〜。 こんな広いお風呂初めて」

川 ゚ -゚)「はしゃぐな、ツン。 はしたないぞ」

ξ゚听)ξ「クー、あなた今回は女将って設定じゃなかったの?」

川 ゚ -゚)「固い事言うな。 所詮ぶっ壊れた番外編だ」

ξ゚听)ξ「まあそりゃそうだけど……」

从 ゚∀从「ハン。 ま、せいぜいくつろごうぜ。
      こんな機会は滅多にねえんだ」

イ从゚ ー゚ノi、「って、お主! 何当然のように溶け込んでおる!
       本編では敵同士じゃろうが!!」

从 ゚∀从「んなもん無礼講でいこうぜ。 クーの言う通り、番外編なんだからよ」

イ从゚ ー゚ノi、「むう……」

川 ゚ -゚)「まあまあ。 そう構えるな。 こんなところでいがみ合うのも無粋というものだろう」



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:35:40.76 ID:VMmNseZx0
ξ゚听)ξ「…………」

川 ゚ -゚)「? ツン、どうした?」

ξ゚听)ξ「……いや、みんなスタイルいいなーって思って」

川 ゚ -゚)「そんなことはないぞ。 それに、ツンだって充分魅力的だと思うが」

ξ゚听)ξ「でも、私そんなにおっぱい大きくないし……」

从 ゚∀从「何言ってやがんだ! 胸の大小で女の価値が決まる訳ねえだろ!
      小さい胸には、小さいなりの良さってもんがあんだよ!
      このオレが良い例さ!!」

ξ゚听)ξ「そ、そうね! そうよね!!」



84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:36:49.49 ID:VMmNseZx0
イ从゚ ー゚ノi、「フッ」

从 ゚∀从「手前、何鼻で笑ってやがんだ」

イ从゚ ー゚ノi、「いや、別に?」

从 ゚∀从「別に?じゃねえだろ! 言いたい事があんならはっきり言いやがれ!!」

イ从゚ ー゚ノi、「他意などありはせぬよ。
       ただ、必死に自己弁護する様が滑稽じゃったからな」

从 ゚∀从「ンだとコラ。 ぶち回されてえのか?」

イ从゚ ー゚ノi、「やれやれ。 負け犬の遠吠えは醜いのう」

从 ゚∀从「くッ……!」



85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:37:19.68 ID:VMmNseZx0
ξ゚听)ξ「……ババア」

イ从゚ ー゚ノi、「あ゛?」

ξ゚听)ξ「あら、聞こえなかったかしら。     ・ ・ ・ ・
      歳を取ると耳が遠くなって大変ねえ、お婆さん」

イ从゚ ー゚ノi、「……そこに直れ。 どうやら頭と胴体との風通しを良くして欲しいらしい」

从 ゚∀从「そりゃこっちの台詞だぜ。
      どうやらここできっちりケリをつける必要があるみてえだな」

ξ゚听)ξ「同感ね。 ご老体には、潔く退場してもらわないと」

イ从゚ ー゚ノi、「面白い…… ならばかかってくるがよい!
       まとめて返り討ちにしてくれるわ!!」



88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:40:02.29 ID:VMmNseZx0


        〜再び男湯〜


('A`)「…………」
(´・ω・`)「…………」
( ^ω^)「…………」
( ´∀`)「…………」
( ФωФ)「…………」
次々と、女湯の方からけたたましい破壊音と絶叫が聞こえてくる。

向こうで何が起こっているか。
容易に想像出来るだけに、考えたくなかった。

('A`)「……風呂から出ようぜ」
(´・ω・`)「……うん」
俺の提案に異論を唱える者は、一人としていなかった。



89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:40:28.62 ID:VMmNseZx0



('A`)「……ん」
小鳥の囀りの音で、俺は目を覚ました。

風呂から出た後、
同じく風呂から上がってきたドス女達と合流。

何故か女達の体中に出来ている大量の生傷のことには一切触れず、
その夜はお開きということになった。

そして各人が散り散りになった後、
特にやる事も無かった俺は部屋に帰って寝ることにしたのだが……

('A`)「結局、殺人事件なんて起こらなかったじゃねえか」
溜息を吐くと共に、俺はどこかほっとしていた。

そうだよ。
ただでさえ本編では人が死にまくってんのに、
番外編でまで人死にが起きてたまるか。
このまま何事も起こらないまま――



90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:40:56.72 ID:VMmNseZx0
(;^ω^)「う、うわああああああああああああああああああああ!!」
突然、ブーンの悲鳴が旅館中に響き渡った。

まさか。
いや、そんな。

頭の中で必死に否定しようとする。
しかしそんな俺の微かな希望は、続くブーンの悲鳴によって完全に打ち砕かれた。

(;^ω^)「ロ、ロマネスクが、ロマネスクが殺されてるお!!!」
そう、惨劇は、既に幕を開けていたのである。



92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/11/23(金) 00:41:36.12 ID:VMmNseZx0





     )、._人_人__,.イ.、._人_人_人
   <´ 天狗じゃ、天狗の仕業じゃ! >
    ⌒ v'⌒ヽr -、_  ,r v'⌒ヽr ' ⌒
// // ///:: <   _,ノ`' 、ヽ、_ ノ  ;;;ヽ  //
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(#'A`)「お前どっから来たんだよ!!!」


              〜問題編に続く〜



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