( ^ω^)と(*゚ー゚)は恋人同士のようです

  
241:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 23:01:36.80 ID:+W80BKbE0
  
( ^ω^)と(*゚ー゚)は恋人同士のようです

第8話「二人のクリスマス・前編」

12月24日 午前11:30分頃

ブーンとしいは街へと出て行った。
ここは、ガバン町。
流行を追って町を変化させているのが特徴だ。

( ^ω^)「おー。くるたびに町の景色がかわってるお。」
(*゚ー゚)「だねー。まだ冬なのにもう夏物入荷だってさw」
( ^ω^)「さすがにはやいおww」


(*゚ー゚)「よーし!今日は一日中ブーンとあそぶぞー!!」
( ^ω^)「おーん!」

しいは小さいので、こういう人ごみに入るとすぐどこかいきそうに感じる。
(*゚ー゚)「うわわ。」
( ^ω^)「ちゃんと手をつなぐおー。」
(*゚ー゚)「ありがと♪」



  
243:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 23:05:50.44 ID:+W80BKbE0
  
(*゚ー゚)「お昼ご飯まだだよね?どこか食べにいこうよ。」
( ^ω^)「ここらへんでご飯食べたことないからわかんないおw」

(*゚ー゚)「そうだなぁー、じゃあアタシのおすすめのおみせがあるからそこにしない?」
( ^ω^)「おすすめかお?」
(*゚ー゚)「うん♪おいしいんだよ!」

( ^ω^)「しいが言うなら間違いないおwそこにいくおー。」

(*゚ー゚)「じゃあ決まりだね!」

そういったしいについていくと、ある小さい路地に入った。
どこにいくんだろう。


(*゚ー゚)「ここだよ!」

少し古いが、モダンな雰囲気をただよわせる洋食屋さん。
ガバンには珍しく、時代に逆行したつくりのお店だ。

( ^ω^)「なんか…懐かしいふいんきのお店だお。」



  
245:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 23:11:20.33 ID:+W80BKbE0
  
(*゚ー゚)「さあはいるよー!」

カランコロン。
耳にもなつかしい音が響く。
小さい頃以来だろうか。

/ ,’ 3 「いらっしゃい……ってしい嬢ちゃんかい?」
(*゚ー゚)「荒巻さんおひさしぶりです!しいです!」

/ ,' 3 「おー久しぶりだの。一年くらいぶりかの?」

(*゚ー゚)「ですねー!お父さんときたっきりでしたね。」
/ ,' 3 「おろ?うしろの男の子は誰だい?」

( ^ω^)「こんにちはですおー。」
(*゚ー゚)「こちら、ブーン君。あたしの彼氏です。」

/ ,' 3 「なんと!しい嬢ちゃんが彼氏を連れてくるとはのw」
(*゚ー゚)「あたしももう21歳ですよw」
/ ,' 3 「もう大人なんだのー。そこの、ブーン君はいくつだい?」
( ^ω^)「僕は19歳ですお!」

/ ,' 3 「年下かえ!しいちゃんの尻にしかれないようにがんばれのw」

( ^ω^)「ガッチリブーンがリードするお!まかせてお荒巻さん!」



  
246:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 23:11:57.50 ID:+W80BKbE0
  
/ ,' 3 「おーたのもしいこったの!それより二人とも、ご飯を食べにきたんじゃないのかい?」
(*゚ー゚)「そうなんです!荒巻さんのつくるハンバーグを、ブーンに食べさせてあげたいんです!」
/ ,' 3 「そんなたいしたもんでもないぞw」
( ^ω^)「そ、そんなにおいしいのかお?」

(*゚ー゚)「うん!荒巻さんのハンバーグ食べたら頭からはなれないかもw」

( ^ω^)「期待しちゃうおww」

/ ,' 3 「じゃあ、しいちゃんに去年作ったハンバーグでいいんだの?」
(*゚ー゚)( ^ω^)「はい!」


そういうと、荒巻は厨房にはいっていった。
荒巻は50歳ほどだろうか、白髪交じりで、後ろに髪の毛をくくっている。

手がゴツく、職人の空気がただよっていた。



  
247:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 23:12:24.53 ID:+W80BKbE0
  
/ ,' 3 「どれ……。ちょっくらふんばるかの!」

厨房では、荒巻 がハンバーグをコネているのだろうか、ペタペタと音が響いている。
(*゚ー゚)「あのハンバーグおいしいんだー。楽しみ♪」
( ^ω^)「おいしいってきいただけでおなかがすいてくるおw」


ブーンたちがwktkしていると、カラカラと台車を押す、荒巻がやってきた。
/ ,’ 3 「またせたのー。これが、ワシの特製、想い出ハンバーグじゃ。」

( ^ω^)「想い出ハンバーグ?」

(*゚ー゚)「うん。想い出ハンバーグ。」

/ ,' 3 「ネーミングセンスがないとかはご愛嬌だのw」

並べられたその「想い出ハンバーグ」。
一見普通のハンバーグなのだが、どこか懐かしい、そしておいしそうだった。

/ ,’ 3 「さ、熱いうちに食べておくれ。」
(*゚ー゚)( ^ω^)「いただきます!」

(*゚ー゚)「おいしー!」
( ^ω^)「はむっ!はふはふっ!」

そのとき、ブーンの心に何かが走った。



  
249:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 23:19:02.16 ID:+W80BKbE0
  
――あれ?


――これは……?



昔の記憶……?
何かが……甦ってくる?


――あ。


思い出した。

――しい。


しいとは、小さい頃に会っていたんだ。

なんで――なんで忘れてたんだろう。


一つ思い出すと、全部が一気に甦ってくる。

水の中の泥をすくうような……。


――気づくと僕は、涙を流していた。



  
251:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 23:20:17.83 ID:+W80BKbE0
  
( ;ω;)「もぐもぐ……。」
/ ,' 3 (この子……。)
(*゚ー゚)「ブーン……どうしたの?」

( ;ω;)「すいませんお……ただおいしくて……。」

(*゚ー゚)「なくほど感動しちゃうなんて、ブーンらしいねw」

( つω^)「すいませんおw」

/ ,' 3 「そ、それなら作ったワシとしてもうれしいもんだのw」
(*゚ー゚)「ほら、口もとがよごれてるよ?」


( ^ω^)「ごめんおww」

ブーンたちは、思い出ハンバーグを食べ終わった。
( ^ω^)「しい。ここはブーンがお会計するからさきにでててくれお!」
(*゚ー゚)「え?わるいよそんなこと……。」

( ^ω^)「いいからいいから!」
ブーンはなかば強引にしいを先に店からだした。



  
252:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 23:20:39.51 ID:+W80BKbE0
  
/ ,' 3 「……おもいだしたのかえ?」
( ^ω^)「……あのハンバーグはいったいなんなんだお?」
/ ,' 3 「あのハンバーグは、昔の記憶を思い出す効果のあるハンバーグなんじゃ。」

/ ,’ 3 「といっても、効果があるひとと無い人がいての。」
( ^ω^)「そうなのかお……。」

/ ,' 3 「そして、効果のある人間も、なかなかいないんじゃ。」
/ ,' 3 「実際効果があったのは、あんたを含め3人だけじゃよ。そんで、みーんな決まって涙をながしおった。」
/ ,’ 3 「もちろん、効かない人にはただのハンバーグじゃがの。」

( ^ω^)「……。」

/ ,' 3 「いいもの、みれたかえ?」
( ^ω^)「……。はいですお。」

( ^ω^)「ブーンが知りたかった記憶が、僕の中によみがえりましたお。」

/ ,’ 3 「そうか。それはよかったの。」
/ ,' 3 「お代はいらんから、はやくしいちゃんのとこへいってやれの。」



  
253:理系(大阪府) :2007/04/22(日) 23:21:00.60 ID:+W80BKbE0
  
( ^ω^)「そ……そうかお。じゃあ、またくるお!」
( ^ω^)「ありがとうですお、荒巻さん!」


/ ,' 3 「ほっほ。またのー。」


そういって、荒巻の洋食屋をあとにする。

ブーンによみがえった幼少のしいとの記憶。

クリスマス。


ブーンの何かを成長させていく。


( ^ω^)と(*゚ー゚)は恋人同士のようです

第8話「二人のクリスマス・前編」 完


/ ,' 3 は不思議なハンバーグを作るようです

第0話「ケース1・ブーン」完



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