ξ゚听)ξツンが感情を喰うようです

36: 造船業(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:33:53.96 ID:NMmYom8aO
  
3 リラクシィ



最近私はおかしい…
何を食べてもお腹はふくれない
でも、食べろ食べろと心が言う

胃を満足させる為食べる物
心を満足させる為に食べる物
その二つがあるんじゃないか

私はそう考え始めていた



――――






37: ドラッグ売人(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:36:23.16 ID:NMmYom8aO
  
ξ゚听)ξ「あなたが、しぃさんですか?」

( *゚ー゚)「えぇそうよ」

ξ゚听)ξ「あの…話しを聞いて…」

( *゚ー゚)「…ん、分かったわ。ついて来て」

ξ゚听)ξ「…はい」


考えは好奇心を生み、それは行動に変わる
私は既に行動をしている
『リラクシィ』という人物が居る、と聞いたのだ

リラクシィに頼むと、ストレスや怒りが消えるそうだ。
占いのようなもので、町や学校で知る人ぞ知る存在だとか
そのリラクシィは私の学校に居ると聞き、探し見つけた

1コ上の先輩で、見た目は清楚な人
名前はしぃ。
私は2年だけど、リラクシィも初めて聞いた


( *゚ー゚)「まぁ1ヵ月前から始めたからね」

ξ゚听)ξ「あの…実は」



38: ドラッグ売人(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:38:13.21 ID:NMmYom8aO
  
( *゚ー゚)「ここなら人も居ないでしょう」


しぃさんは空き教室を見つけると、入っていった
今は放課後。廊下は静まり返っている
私も続いて教室に入り、扉を閉めた

しぃさんの座る椅子の近くに、別の椅子を持って来て腰を下ろす


( *゚ー゚)「それで…」

ξ゚听)ξ「あ、ツンです」

( *゚ー゚)「ツンちゃんは…2年生?」

ξ゚听)ξ「はい」

( *゚ー゚)「…お腹空いてるでしょ?」

ξ;゚听)ξ「え、あ、はい」

( *゚ー゚)「あなたからは怒りは感じないわね」


…怒り



40: ドラッグ売人(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:40:04.08 ID:NMmYom8aO
  
ξ゚听)ξ「しぃさんは…」

( *゚ー゚)「ツンちゃんは、おっぱい小さいのね」

ξ;゚听)ξ「は?」

( *゚ー゚)「なんかお肌も荒れてるわよ?」

ξ;゚听)ξ「しぃさん?」

( *゚ー゚)「彼氏いるの?いないでしょ
     性格キツそうだもんね。あ、その顔図星?」

ξ  )ξ「…なんで」

( *゚ー゚)「聞こえないわよ〜?」

ξ#゚听)ξ「なんで初対面の人にそんな事!」


私は怒りに身を任せ立ち上がる。
だがしぃさんは動じた様子もなく、私の頬を両手で触る
そのままキスする程に顔を近付けた



41: ドラッグ売人(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:42:18.28 ID:NMmYom8aO
  



( *゚ー゚)「いただきます」



彼女はそう言うと、大きく口を開く。
私は喉奥の深淵に、飲み込まれる錯覚を見た
私は怒りを忘れ、彼女を見つめる

忘れたんじゃないな。
突然消えた
今の今まであった、私の怒りが


( *゚ー゚)「ごちそうさま」

ξ゚听)ξ「…ぁ」


何だろうこの感じは
心に穴でも開いたような、この感じ。
でもどこか、心地いい…


( *゚ー゚)「その感じが癖になる人が多いの」

ξ;゚听)ξ「…今のは、何ですか?」



43: ドラッグ売人(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:45:40.89 ID:NMmYom8aO
  
私は自分の疑問を、素直に口に出す
この人は何か知っている。
私は何も知らない。だから、聞く


( *゚ー゚)「まぁ座りなさい」

ξ゚听)ξ「…はい」


私が席につくと、しぃさんは落ち着いた笑顔で話す


( *゚ー゚)「正式名称は知らないわ。
     まぁ『喰う』で通じる人には通じるわ」

ξ゚听)ξ「喰う…」

( *゚ー゚)「要は、相手の感情を食べる。
     私は怒りという感情をね」

ξ゚听)ξ「食べる…感情をですか?」

( *゚ー゚)「えぇ。霧をイメージすると分かりやすいかしら
     体から出る怒りの霧を、私は吸って食べれるの」



44: 造船業(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:47:08.31 ID:NMmYom8aO
  
しぃさんは柔らかな笑顔のまま話す


ξ゚听)ξ「しぃさんの他にも…」

( *゚ー゚)「私は3人知ってる、今日で4人か」

ξ゚听)ξ「…やっぱり」


私もしぃさんと同じ、感情を喰える人なんだ
なんだろう…胸の支えが取れたからか、
すごく安心した。よかった…


( *゚ー゚)「あなたがどの感情を喰うのかは判らないわ」

ξ゚听)ξ「どの?」

( *゚ー゚)「んー…感情を言える限り上げてみて?」

ξ゚听)ξ「えーと…喜怒哀楽?」

( *゚ー゚)「他は?」

ξ゚听)ξ「えーっと…憎しみとか…嫉み(ねたみ)?」



46: ドラッグ売人(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:49:13.39 ID:NMmYom8aO
  
( *゚ー゚)「そう、それともう1つ。恐怖よ」

ξ゚听)ξ「恐怖…」

( *゚ー゚)「哀楽の2人はこの学校の1年生
     もう一人は21歳で、お店を経営してるわ」

ξ゚听)ξ「…詳しいんですね」

( *゚ー゚)「リラクシィとして町で色々やってる時に、彼と知り合ったの。
     憎しみを喰う彼は詳しくてね」

ξ゚听)ξ「その人は全部知ってるんですか?」

( *゚ー゚)「詳しい止まりよ。
     彼なりに調べたんでしょ」

ξ゚听)ξ「そう…ですか」


少しガッカリした。
全部知りたかった、好奇心ゆえに


( *゚ー゚)「ツンちゃん」

ξ゚听)ξ「…はい」



47: 造船業(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:51:20.10 ID:NMmYom8aO
  
( *゚ー゚)「私達が感情を喰う本質は、心を満たす為よ」

ξ゚听)ξ「……」

( *゚ー゚)「あなたは今、心が空いてるの」


やっぱり私の考え通りだった。
胃を満たすのが食物で、心を満たすのが感情なのだ


ξ゚听)ξ「本質って言いましたけど…」

( *゚ー゚)「リラクシィは有料なのよ」


ショートカットな髪型で、大きな目
彼女は一瞬片目を閉じて可愛らしく言った
でも…それは…


ξ゚听)ξ「失い…ますよね、感情を。
     いくら一時的でも…怒りだとしても」

( *゚ー゚)「…ギブアンドテイク、ね」



48: 造船業(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:53:49.41 ID:NMmYom8aO
  
( *゚ー゚)「ずっとイライラしてたいなんて人は居ないわ」

ξ゚听)ξ「でも…」

( *゚ー゚)「ん、もう帰らないと」


空き教室の壁時計は、18時を示していた
窓からはオレンジの日が差し込み、
しぃさんが輝いてるように見えた


( *゚ー゚)「早く自分の喰う感情を見つけないと…」



49: ドラッグ売人(コネチカット州) :2007/04/17(火) 22:55:52.92 ID:NMmYom8aO
  




 死ぬわよ?




ξ゚听)ξ「…ぇ?」

( *^ー^)「さようなら」



私一人の、オレンジ色の教室
私は一人になりたかった

でも、すぐに寂しくなった。


見つけないと


ξ゚听)ξ「私は…生きたい」


感情を…喰わなくちゃ



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