ξ゚听)ξツンが感情を喰うようです

181: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 20:26:12.21 ID:MurNK6KgO
  
8 哀しい顔



放課後、私は図書室に向かう
日課みたいなものかな
放課後の図書室は静かで癒される

引き戸を開くと本の匂いがした
この匂いで、私は少しテンションが上がる


ξ゚听)ξ「…あら」


今日は珍しく、先客がいた
女生徒のようだ。肩肘をついて真剣に本を読んでいる


('、`*川「……」


かわいいよりも綺麗な感じ
憂いある顔立ちには、本を読む姿がとても形に入ってる

1人が好きな訳では無いが、いつもと違うとそれはそれで嫌な気分だ



182: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 20:29:04.13 ID:MurNK6KgO
  
当然「帰れ!」なんて言える訳もなし、私は適当に1冊本を抜く
そういえば図書室の先生居ないな…会議かな?

そんな事を考えながら、席に座る
1つ大きな机を挟み、肩肘の彼女の背中が見える

なんか監視してるみたいだし、本に集中しよう…
表紙では、棒人間が笑顔でバンザイをしてオワタと言っている

…漫画だった

まぁ、いいや


ξ゚听)ξ「……」


読む


ξ゚听)ξ「……」


ペラリとめくる


ξ゚听)ξ「……」


読む



183: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 20:31:09.64 ID:MurNK6KgO
  
ξ゚听)ξ「……」


ペラリとめくる


ξ゚听)ξ「……」


読む


ξ゚听)ξ「……」


ペラリと…あれ?


ξ゚听)ξ「……」


何故か…


ξ;凵G)ξ「……」


泣けてきた…



184: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 20:33:11.48 ID:MurNK6KgO
  


――――



( ゚∀゚)「おい」


放課後まで俺はずっと寝ていた様だ
教室の電気は消え、クラスには誰も居なかった

まぁ一人の馬鹿が睡眠の邪魔をしたが


( 'A`)「……ぁ?」

( ゚∀゚)「ツラ貸せ」

( 'A`)「…嫌だね」

( ゚∀゚)「後悔するぜ?」


短髪でツンツンに立てた金髪。
さらに両耳に小さめなピアス
秋だというのにブレザーは着ず、黒のシャツと全開にした白いYシャツ

まぁ、委員長には見えねぇわな



186: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 20:36:05.40 ID:MurNK6KgO
  
( 'A`)「いきなり来て脅して…で?」


俺は席をゆっくり立つ

180ある俺だが、コイツもデカイな
ちっ、腕ぶっといなぁ


( ゚∀゚)「冷静になればヤリ過ぎなんだよ
     だがやり直しは出来ねぇ。だからわざわざ…」

( 'A`)「消えろ」

( ゚∀゚)「…そうか」


男は、教室の後ろから廊下に出る。
立ち止まり振り向き、廊下から教室内へ一言


( ゚∀゚)「せいぜい死ねや」


だとさ



187: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 20:38:12.91 ID:MurNK6KgO
  
ξ;凵G)ξ「ウゥッ…」

悲しい…なんで漫画を読んで…
しかもコレ…ギャグ漫画…


ξ;凵G)ξ「…ウッ」


声を殺して泣く。静かすぎる図書室に、私の嗚咽
悲しい…無駄に悲しい


('、`*川「…ふぅ」

ξ;凵G)ξ「ふえぇ…」


前方に居た少女が、本を閉じ一息ついて席を立った
本棚に本を差し込み、出口へと向かう

涙でぼんやりとしか見えない…


('、`*川「…ごめんなさい」

ξ;凵G)ξ「へ?」



190: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 20:52:05.46 ID:MurNK6KgO
  
ごめんなさい…?

彼女は私の方を見ず呟き、早足で歩く
その横顔…悲しい顔をしていた気がした
扉を横に開くと、廊下に出る


ξ;凵G)ξ「あっ…待って!」


私の叫びも虚しく、彼女は扉を閉めた


ξ;凵G)ξ「…何なの?」


私の隣に置いた鞄が唸る
携帯のバイブのようだ。
公共の場ではしっかりマナーモードにしましょう


ξう凵G)ξ「ブーン?」



From  ブーン
Subject すまんこ!

先帰っててくれお!本当にすまんお!



193: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 20:54:05.76 ID:MurNK6KgO
  
ξ;凵G)ξ「涙止まらん…」


私は鞄に携帯を戻すと、本はそのままにして図書室を出た



――――



まず5人だ

俺の前方に飛び出てきた数
手には鉄パイプ、バール、金属バット
バールなんかどこで手に入んだよ


( 'A`)「なんd」

「オラァァァァア!」


せっかくだから、俺は逃げるぜ!



195: チーマー(コネチカット州) :2007/04/18(水) 20:56:11.61 ID:MurNK6KgO
  
(;'A`)「うぉぇぉぇぁぁぁぃ!?」

「ゴラァァァァァァア!」


奇声を上げて走る俺

怒声を上げて追う奴ら


(;'A`)「くそっ!民家しかねぇ!」


流石に民家に逃げ込む訳にもいかない
周りには家しかない、一車線の道をひたすら走った




どれくらい走った?


(;'A`)「…ッハ! ハァ…ハァ……」


立ち止まらなきゃいけないくらい走ったな



196: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 21:04:14.87 ID:MurNK6KgO
  
気付けば、周りには家も無くなっていた
どうやら随分と街から離れたようだ
まるで荒野、右手には廃ビルがある。

奥には林があり、そのまま山に続くようだ


( 'A`)「紅葉が、綺麗だな…」

「いたぞおぉぉぉぉ!!」

くそったれ…タイマンで来いよ…!


(;'A`)「…え?」


赤と黄色の林の中から…凶器を持った男が5人現われた

後ろにも…5人


「追い詰めたぞゴラァ!」


左右からも5人来やがった

最初からココに、人通りなんざ全くないこの場所に追い込む気だったのか?
怪我してでも、最初の奴らを潰すべきだった…



197: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 21:06:11.58 ID:MurNK6KgO
  
当然そんな後悔は意味ねぇ。
20人が円になり俺を囲む
全員バラバラの服装髪型。

共通なのは、殴れば重傷になる凶器を持ってる事だ


(;'A`)「……」


俺、死んだな…

汗がやばい、鼓動が早い
コイツラ楽しいなんて感情持っちゃいねぇ。
あるのは怒りのみ


(;'A`)「…ハァ」


喧嘩に自信が無いわけじゃない。
だけどよぉ…素手で棒持った20人に勝てるかよ…

畜生…!
まだ高岡に…気持ち伝えてねぇのに…!


(♯'A`)「オオオオオオオ!!」



198: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 21:09:07.27 ID:MurNK6KgO
  
吠えて走る。犬だなこれじゃ
だがなりふりなんか知るか!一人ぶん殴って、突破だ!

警察にでも教師の家でも駆け込んでやるよぉ!!


(♯'A`)「オラァッ!」

「ぐっ!」

「糞ガキがァ!」


予定通り、一人殴った。
俺の視界には、希望の道が拓かれた


その希望の道にキスをする俺


後ろから…硬い物で頭を殴られた


(; A )「〜ッ!!!!」


言葉が出ない。俺の神経は頭に集中する。
激痛が、俺の意識を持っていこうとする



200: 新宿在住(コネチカット州) :2007/04/18(水) 21:10:35.30 ID:MurNK6KgO
  
(;゚A゚)「ーーーッガ!!」


痛みが背中に奔った
頭を押さえ、うずくまった俺の無防備な背中
それをコイツ等が見逃す訳が無い


生々しい打撲音が耳に纏わり付く
3、4回くらい、殴られた


(メ A )「…ァ」


…頭が…イテェ

背中もイテェ

手もイテェ

もう駄目…だ


(メ A )「たか…お…」



「 死 ね ゴ ラ ァ ! ! 」



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