ξ゚听)ξツンが感情を喰うようです

356: 一株株主(コネチカット州) :2007/04/19(木) 23:36:25.55 ID:wTdb+QriO
  
11 怒り



ノハ;゚听)「離せぇぇぇえ!」

('、`#川「うるさい!」


さっきからジタバタジタバタ…!
イライラするっ…!


「まるで誘拐だね…」


('、`*川「…!?」

(´・ω・`)「やぁ」


街灯の無い暗やみから現れた男
この声…


('、`*川「ヘイトレッド…?」



359: 一株株主(コネチカット州) :2007/04/19(木) 23:38:07.71 ID:wTdb+QriO
  
(´・ω・`)「あぁ、そうだ」


なんでコイツが…腹立つ顔だな…!


('、`*川「何の用よ」

(´・ω・`)「君らに用は無い」


ただ…、と男は続ける

さっさと言えよ…!


(´・ω・`)「ジョルジュに言っておけ。
      もう協力はしない、と」

('、`*川「本気?」

(´・ω・`)「あぁ、馬鹿には付き合えない」


ジョルジュさんが…馬鹿ァ!?



360: 一まなかな(コネチカット州) :2007/04/19(木) 23:40:07.79 ID:wTdb+QriO
  
('、`#川「…ヘイトレッド!」

(´・ω・`)「君の怒りは、彼女から与えられてる物だろう?
      実にくだらないことで怒っていると思わないかい?」

('、`#川「黙れ!」


ムカツクムカツクムカツクムカツクムカツク…!!


(´・ω・`)「僕はお見舞いに行くから…じゃあね」


ヒラヒラ片手を振って歩いていくヘイトレッド
考える前に言葉が出た


('、`#川「待てぇ!!」


男は人を馬鹿にした態度を一貫したまま、去っていった

私は手を繋いでる子を見る



361: 一株株主(コネチカット州) :2007/04/19(木) 23:42:04.71 ID:wTdb+QriO
  
ノハ;゚听)「な、なんだ!」

('、`#川「…歩きなさい」


本当に…腹が立つ…!



――――



「後頭部を3針縫いましたが、脳には損傷はありませんでした」

J( 'ー`)し「よかった…」

「あとはアバラが2本折れてますね、両手もヒビが…」

J( 'ー`)し「…ドクオは、大丈夫なんでしょうか」

「全治1ヵ月…ですね」



362: 一まなかな(コネチカット州) :2007/04/19(木) 23:44:08.07 ID:wTdb+QriO
  
医者に追い出されたけど、俺は今病院の中に居る
おばさん…ドクオの母さんが来たから、一緒に入った

ドクオの家には数回行った事がある


J( 'ー`)し「…ハインちゃん」

从;゚∀从「おばさん…ドクオは!?」


医者と話しをするため病室に入ったおばさんが、暗い顔をして出てきた


J( 'ー`)し「全治1ヵ月ですって…
     命に別状はないそうよ、よかったわ」

从;゚∀从「そうですか、よかった…」


よかった…また一人になる事は…


J( 'ー`)し「今日は遅いし、もう帰りなさい。
     明日になればドクオも起きてるわ」

从 ゚∀从「はい…じゃあまた明日来ます」



363: 一株株主(コネチカット州) :2007/04/19(木) 23:46:41.63 ID:wTdb+QriO
  
J( 'ー`)し「気を付けてね、ハインちゃん」


気を付ける。ドクオは、襲われたんだ。間違いない。



从#゚∀从「ぶっ殺してやる…」



――――



ξ゚听)ξ「…ごちそうさま」


病院の外で、私はクーの恐怖を喰った
高岡は病院の中にドクオ君の様子を見に行ったまま


( *゚ー゚)「喜び…どうしよう」

ミ,,゚Д゚彡「病院だしなぁ…」


クーは苦しそうに息をする
今、私たちの中に喜んでる人間はいない
人通りも少ないし、どうしたものか皆が考える



365: 一まなかな(コネチカット州) :2007/04/19(木) 23:50:05.37 ID:wTdb+QriO
  
ξ゚听)ξ「…なにかしらアレ?」


病院の入り口から離れた所に、ライトらしき明かりが見える
外側では数人の人が周りを囲む
1番強い光の真ん中に、マイクを持った男性が居た



(^ω^)「はい、今日は風邪引いたから病院に来てまーす」

院長「これが我が病院の風邪薬です」

(^ω^)「なんですかコレは?」

院長「ピーナッツです」

(^ω^)「うめぇwwww」



( *゚ー゚)「彼のを喰いましょう」


たぶんロケか何かだろう。
クーは撮影が終わったと思わしきタイミングで、男に近づいた



367: 一まなかな(コネチカット州) : 2007/04/19(木) 23:52:05.76 ID:wTdb+QriO
  
川;゚ -゚)「やぁ…」

(^ω^)「ん?誰だお前は」

川;゚ -゚)「…いただきます」

(^ω^)「…ぁ……」


クーが男の前に立ち口を開ける
私の見よう見真似だろうが、クーは感情を喰った


川 ゚ -゚)「む、治った…」

(^ω^)「何を食ったんだ」

川 ゚ -゚)「喜び」

(^ω^)「うめぇwwww」



373: 解放軍(コネチカット州) :2007/04/20(金) 00:01:10.91 ID:Tfv7UY3TO
  
从 ゚∀从「…なにやってんだ?」


入り口から高岡が出て来た。
その表情は比較的明るかった


ξ゚听)ξ「高岡…ドクオ君は?」

从 ゚∀从「全治1ヵ月、命に別状なしだとよ」

ξ゚听)ξ「そう…よかった…」


高岡はそう告げると、しぃさんに詰め寄った
珍しく、無表情のまま


从 ゚∀从「ドクオが誰にやられたか、知らねぇか?」

( *゚ー゚)「…私は知らされて来たの。ショボン君にね
     だからショボン君なら知ってると思うわ」


ショボンさん、今はバーボンハウスに居るかな

そう思った直後、彼の声



375: 短大生(コネチカット州) :2007/04/20(金) 00:03:35.54 ID:Tfv7UY3TO
  
(´・ω・`)「やぁ」

ミ,,゚Д゚彡「…!」


灰色のロングコートを着て、暗い道から現れたショボンさん
これでドクオ君以外は、揃った…のかな


从 ゚∀从「ショボン、ドクオの事を聞かせろ」

(´・ω・`)「それより彼は…」

ミ,,゚Д゚彡「命に別状は無いそうだ、ヘイトレッド」


黒服…フサギコが腕組みしながら言った
年は20後半かな。よく見れば格好良い


(´・ω・`)「君は誰かな」

ミ,,゚Д゚彡「嫉みだ、名はフサギコ」

(´・ω・`)「…まさか」

ミ,,゚Д゚彡「ギコの兄さ」


2人は向き合い、話し合う



376: 短大生(コネチカット州) :2007/04/20(金) 00:06:23.39 ID:Tfv7UY3TO
  
私たちは2人の険悪なムードで話し掛けられない


ミ,,゚Д゚彡「だいたい聞いたぜ?随分姑息じゃねぇか」

(´・ω・`)「…そうか」

从 ゚∀从「おっさん黙ってろ、今俺が質問してんだよ」


高岡が口を割る。
ショボンさんは左側に立つ高岡を見た


(´・ω・`)「…簡単に話そう、今日はもう遅いし。
      時に君は誰かな?」

从#゚∀从「いいから話せよ!
     グダグダ、グダグダうるせぇんだよ!」

ミ,,゚Д゚彡「おい、やめろ!」

从#゚∀从「ドクオをやったのは誰なんだよ!」


高岡がショボンの襟を掴んで怒鳴る
フサギコさんは高岡を押さえるも、高岡の怒りは納まらない



378: 解放軍(コネチカット州) :2007/04/20(金) 00:09:04.80 ID:Tfv7UY3TO
  
何事もないように、ショボンさんが冷静に呟いた


(´・ω・`)「『餌』だ」

ξ;゚听)ξ「餌?」

ミ,,゚Д゚彡「感情を周りに与える人間。
      要は俺達の逆、7人居る筈だ」


餌…私たちが喰う人間で、餌は与える人間?
確かに納得はいくけど…


( *゚ー゚)「ヒートちゃんは怒の餌よ。
     もう一人の子は哀でしょうね」

川;゚ -゚)「ヒートが…」


クーがあごに手をやり呟いた
さっきの赤髪の子、ヒートっていうのか…


(´・ω・`)「君は誰なんだい」

川 ゚ -゚)「クーだ。ヒートは私の…妹だ」



379: 解放軍(コネチカット州) :2007/04/20(金) 00:12:05.42 ID:Tfv7UY3TO
  
ξ;゚听)ξ「クー、妹が居たの?」

川 ゚ -゚)「あぁ、親が離婚して…今はいいだろう」

从♯゚∀从「んで!ドクオは!!」

クーが俯き、高岡が怒鳴る
クーに妹が居たのは初めて聞いたな…


(´・ω・`)「…とりあえず手を離せ」

从#゚∀从「嫌だね!」

(´・ω・`)「まったく…血気盛んすぎるね
      …ドクオ君は僕が助けたんだ、偶然だけど。
      夕方に買い出しに行った時、5人くらいが憎しみを出しながら走っててね」


(´・ω・`)「彼等は凶器を持っててね、追い掛けたよ
      そしたら誰かがボコボコにされてた」

ミ,,゚Д゚彡「んでそいつらの憎しみを…?」

(´・ω・`)「あぁ。よく見ればドクオ君だったよ
      後は救急車を呼んで、しぃちゃんに連絡した」



380: 短大生(コネチカット州) :2007/04/20(金) 00:15:08.36 ID:Tfv7UY3TO
  
ショボンさんは淡々と語った
こうなると予想してたんだろう。
言葉に無駄は無かった


从 ゚∀从「あ〜…結局どういう事だよ!」


高岡には意味が無かったか…
だいぶ頭に血が昇ってるんだろう


( *゚ー゚)「ドクオ君を襲った人達は、憎しみを与えられたのよ」

ξ゚听)ξ「…なんでそんな事を」

ミ,,゚Д゚彡「それを聞きに言ってたんだろ?」


フサギコさんがショボンさんに聞く。
多少見下した言い方で


(´・ω・`)「あぁ、彼は見つからなかったけど」

从#゚∀从「どこのどいつだ!」



383: 短大生(コネチカット州) :2007/04/20(金) 00:18:09.04 ID:Tfv7UY3TO
  
高岡が言い寄る。
まず間違いなく、そいつが犯人だからだ
そしてショボンさんは、知っているのだろう


(´・ω・`)「…僕はね、治りたくないんだよ」

从 ゚∀从「…あ?」

(´・ω・`)「僕は憎しみを喰って稼いでるからさ
      治られては困るんだ」


少し悲しそうに言うショボンさん。
この人は…まさか…


ミ,,゚Д゚彡「…おい」

(´・ω・`)「なんだい」

ミ,,゚Д゚彡「てめぇ…ふざけんなよ?」


フサギコさんが高岡を無理矢理退かし、ショボンさんに掴み掛かった


ξ;゚听)ξ「ちょ…」



384: 短大生(コネチカット州) :2007/04/20(金) 00:21:08.72 ID:Tfv7UY3TO
  
ミ,,#゚Д゚彡「てめぇが1番知ってるはずだろうが!
       それをそんな理由で隠してやがったのか!」

(´・ω・`)「力任せで物事を通す、
      君みたいな人間には判らないだろうね」

ミ,,#゚Д゚彡「…ッ!」


フサギコさんがショボンさんを殴る


(;゚ー゚)「落ち着いて下さい!」

ミ,,#゚Д゚彡「コイツらもアイツらも!まだガキなんだぞ!
       大人が自分のワガママ通そうとしてんじゃねぇよ!」

(#´・ω・`)「こんな下らない世の中で、僕らは与えられたんだ!」

ミ,,#゚Д゚彡「それがワガママってんだよ!」


フサギコさんが倒れたショボンさんに歩み寄る
しぃさんはフサギコさんを止めに入った

私は…見てるしか出来なかった



386: 解放軍(コネチカット州) :2007/04/20(金) 00:24:09.84 ID:Tfv7UY3TO
  
ミ,,#゚Д゚彡「アイツらは感情をバラ撒いてんだぞ!
       どれだけ苦しい事か、なんで判らねぇんだよ!」

(#´・ω・`)「人の事を考えるほど、君ほど余裕は無いんだよ!」

ミ,,#゚Д゚彡「てめぇはぁ!」


(♯゚ー゚)「ッるせぇ!!」


しぃさんが怒鳴ったと思ったら、
フサギコさんとショボンさんが急に静かになった


(♯゚ー゚)「怒鳴ってちゃ話し合いにならないでしょ!」

ミ,,;゚Д゚彡「はい…」

(;´・ω・`)「すみませんでした…」


しぃさん…恐い…

多分2人の怒りを喰ったんだろう
その分を使い果たしそうな程キレてる…



387: 短大生(コネチカット州) :2007/04/20(金) 00:26:13.39 ID:Tfv7UY3TO
  
(♯゚ー゚)「今日は解散よ! また明日!
     15時にバーボンハウスに来なさい!」

(;´・ω・`)「いや…明日休もうかと…」

(♯゚ー゚)「うるせぇ!」


…ドクオ君、大丈夫かな。
ハインすら呆けている…


(♯゚ー゚)「解散!」

ミ,,;゚Д゚彡「はい!」


帰ろう…色んな意味で疲れた…



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