ξ゚听)ξツンが感情を喰うようです

2: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 18:43:36.06 ID:xFlG7wyFO
  
15 受け継がれ続けた呪い



ξ゚听)ξ「……」


どういう事よ……!

なんで私に…黙ってたのよ……!


( ^ω^)「お?ツン、どうしたお?」


なんで…なんで……


ξ;凵G)ξ「なんで黙ってたのよ!」


なんで…嘘でしょ……?


(;^ω^)「お?ツンどうしたお!?」

ξ;凵G)ξ「なんであんたが……!
       なんであんたが、餌なのよぉ!!」



3: 国連職員(コネチカット州) :2007/04/27(金) 18:45:03.17 ID:xFlG7wyFO
  


――――



第三者。


ツンは、第三者だった。

大きな目標がある訳でもなく、ツンは自分の為に力を無くしたかった。

少しでも長く生きて、ブーンと一緒に居たかった。

それが彼女の幸せだから。

やっと見つけた、幸せだから。


だけど、彼女は当事者になってしまった。

いや、一ヵ月前から第三者では無かったのだ。

誰かの為に、力を無くす必要が出来たのだ。

彼が、1番好きな彼が、餌と知った今から。

彼女はもう、第三者ではないのだ。



4: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 18:46:03.23 ID:xFlG7wyFO
  



――――




5: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 18:47:02.75 ID:xFlG7wyFO
  
J( 'ー`)し「眠ってるわ…」


VIP総合病院

血だらけの病室から、ドクオは移された。


(´・ω・`)「警察の方には…」

J( 'ー`)し「知られてないわ。
      お医者さんが泣きじゃくって、患者が血だらけなんてね。
      マスコミに知られたら終わりだから、今回は不問に終わったわ」


雨は止む事を知らない様に降り続ける。


(´・ω・`)「すみませんでした…」

J( 'ー`)し「なんであなたが謝るの?
      全部ドクオが悪いのよ、全く馬鹿なんだから…」



6: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 18:49:04.37 ID:xFlG7wyFO
  
病院の待合室
長椅子に深く腰をおくハイン

ショボンの方を見ず、消沈した顔で話す。


从 ゚∀从「ボロボロじゃねぇか…あいつ……」

(´・ω・`)「あぁ…」


ゆっくりと、ハインの隣に座るショボン。
待合室は、患者や看護士がそれなりに居る。

その中でも彼等は、一際気持ちが沈んでいた。


从 ゚∀从「はぁ…なんでこんな事に……」



――――20分前



(´・ω・`)「そういえば…餌の面子を言ってなかったよね」


この時、僕は話題を変えたかったんだ。



8: 国連職員(コネチカット州) :2007/04/27(金) 18:51:03.24 ID:xFlG7wyFO
  
治療もせず、逃げ出すように去っていったジョルジュとペニサス。

血だらけになり、再び手術を始めたドクオ君。

とても良い状況じゃあない。
だから、空気を変えたかった。


ミ,,゚Д゚彡「そういやぁ言ってなかったな」


(´・ω・`)「恐のギコ君、憎のジョルジュ、哀のペニサス
      あとは……怒りのヒートちゃんと、楽の内藤ホライゾンだね」


結果、空気は変わった。

さっきまで俯いていたクーちゃんとツンちゃん

彼女達の空気が。


ξ゚听)ξ「……ぇ?」

川;゚ -゚)「今…内藤って……?」



10: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 18:53:02.48 ID:xFlG7wyFO
  
なぜ、否定しなかったのか。
彼女達の様子を見れば、判る事だろう?

同じ中学? 違う。
同じ学校? 違う。
同じクラスメイト? 違う。

もっと親しい仲。
そんな事、なぜすぐに判らなかったんだ。


(´・ω・`)「あぁ、楽は内藤ホライゾンっていう……」


突然、踵を返し走りだすツンちゃん。
顔は見えなかった


川;゚ -゚)「ツン!待て!」

ミ,,゚Д゚彡「あ、おい!」


クーちゃんが後を追う。
内藤ホライゾン……


(;´・ω・`)「知り合いだったか……
      追わなくちゃ」



11: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 18:55:03.60 ID:xFlG7wyFO
  
( *゚ー゚)「待って、行かせてあげましょう」


しぃさんが僕の肩を、痛いぐらいに掴む。
顔は相変わらずの微笑。


( *゚ー゚)「私とフサギコさんで、ジョルジュ君の方は探して来るわ」

ミ,,゚Д゚彡「……俺も?」

( *゚ー゚)「行きますよ?」


何故か力を込めるしぃさん。
たぶん赤くなってる


(;´・ω・`)「痛い…です」

( *゚ー゚)「あら、ごめんね☆」

(;´・ω・`)「……」

( *゚ー゚)「ほら、行くわよ」


フサギコの腕を掴み、引っ張っていく しぃさん。
すぐに僕の視界から消えていった。



12: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 18:57:03.14 ID:xFlG7wyFO
  
ギコ君……尻にしかれてたろうな。


从 ゚∀从「ちょっと……待合室行ってるわ」

(´・ω・`)「あ、あぁ」



――――



(´・ω・`)「……」

从 ゚∀从「……」

(´・ω・`)「……雨、止まないね」

从 ゚∀从「……あぁ」

(´・ω・`)「……」

从 ゚∀从「……」


沈黙。
ショボンも職業上、沈黙が苦手ではないが……



13: 国連職員(コネチカット州) :2007/04/27(金) 19:01:09.79 ID:xFlG7wyFO
  
从 ゚∀从「……」

(;´・ω・`)「……」


流石に辛かった。


从 ゚∀从「お前さぁ……」

(;´・ω・`)「うぉ! な、なんだい!?」


突然声を掛けられ、無駄に大きなリアクションをとるショボン

ハインは無表情で話し掛ける。


从 ゚∀从「なんでそんなに詳しいんだよ、色々と」


確かに、不自然である。

ただの青年一人が、異能力のほぼ全てを知っている事が。



16: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 19:04:53.81 ID:xFlG7wyFO
  
(´・ω・`)「僕はね……直系なんだ。
      この感情の力を、生み出した者のね」


何げに衝撃発言である。
だがハインは


从 ゚∀从「ふ〜ん」


あんまり興味無かった。

なら聞くなよ……とは思ったものの、彼女から振ってきた話題。
とりあえず語ってみるショボン


(´・ω・`)「この力、科学的に証明は難しい。霊みたいな物だしね。
      だから、何故僕らが選ばれたのかは判らない」


(´・ω・`)「最初は興味本意だったみたいだ。
      人から感情を無くしたらどうなるのか?、っていうね」

从 ゚∀从「……くだらねぇな」


ハインが肘掛越しに、右腕で頭を支えながら言った。



17: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 19:06:42.70 ID:xFlG7wyFO
  
(´・ω・`)「そうだね。ただこの力が作れたのは、
      実に200年は前の事なんだよ。それから人へは、人へ。
      受け継がれ続けた呪いってトコかな……」


ショボンがこの力の全容、といっても全てではないが。
それとの出会いは15才の時。
家の倉庫でエロ本を探してると、汚いノートの様な物を発見した。

中を開けばよくわからない文字。
値打ち物かと思い、とりあえず机の引き出しに入れておいた。


それから5年。
すっかり存在を忘れていたノート。

彼は暇だったので、ネットで調べ難解な字を少しずつ解読した。


更にその2ヵ月後


彼は突然、感情が見える様になった。

そして、読めても意味不明な書の意味を理解した。



18: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 19:09:18.55 ID:xFlG7wyFO
  
(´・ω・`)「僕は幸せを知らない」

从 ゚∀从「何だよ突然」

(´・ω・`)「ハインちゃんは、知ってるよね」


優しい口調でハインに問うショボン
ハインは手で頬を変形させながら、不機嫌そうに口を開いた。


从 ゚∀从「……知らないね、そんなもん。
     俺は好きに生きる。それだけだ」

(´・ω・`)「そうか……なら、ドクオ君を大切にしなよ。
      彼ならきっと、君を幸せにしてくれるよ」


優しい目と、軽くほほ笑みを浮かべる。


从 ゚∀从「……どういう意味?」



19: ボーカル(コネチカット州) :2007/04/27(金) 19:11:03.29 ID:xFlG7wyFO
  
頭にクエスチョンマークを浮かべながら、首を傾げたハイン。
ショボンは遠くを見ながら……


(´・ω・`)「自分の気持ちに、たまには素直になってみな。
      チャンスは1度かもしれない。頑張れよ」



ハインのクエスチョンマークは、更に大きくなった。



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