( ^ω^)エアーがクオリティーを育てるようです

79: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 20:42:32.34 ID:ErYOau5R0
  








不審者という字は支えあって出来ている。

                      癒し人・ドクオと雅子





          『( ´_ゝ`)兄者は果てしなく不審者のようです 外伝後編』



84: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 20:44:37.40 ID:ErYOau5R0
  
うん、気分は清々しいよ。
でもなんだろう。歯がゆいというか、心の中で変な糸が絡まっている。

最後の最後で素直になれなかった気がするんだ。

そんな事ばかりが脳裏を霞めている。
もっと気の利いた台詞があっただろう。
あの時も、あの場面も、あのシーンだって。

でも戻る事は許されない。てか不可能。
そう、今だから思い出せるが、かつて俺は白が大好きだった。
色にして色にあらず、全てを受け入れる神秘のカラーだ。

まっさらな白しかない世界を、作り出そうとまで考えた時期もあった。
色を抜き、生体エネルギーを吸い尽くしてパワーを得る、といった妄想もした。

その度に弟者は
「虚言を言うのもいい加減にしろ!!!!!!!!!!」
と、俺を怒鳴った。
勿論、弟者が正しいのである。しかし当時の俺はマジだった。

黒が好きになった……というよりは白が嫌いになったきっかけは一つ。小五だったか。
俺は新品の白トレーナーを着こなしてウハウハだった。


その日の給食はカレーうどんだった――――――――


白の弱さに絶望した俺は、相棒を黒に変えた。
全てを包み込む優しさは、愚かな事でしかないと理解したからだ。



93: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 20:48:11.69 ID:ErYOau5R0
  
でも間違っていた。
弱いのは白じゃなく、飛んできた茶色を回避できなかった俺だったのだ。

白は強いという事。
それは他でもない、あの世界が証明してくれた。
なぜなら初対面であった奴らに対して、俺は今までに無く心を開いていた。

互いを全く知らない、真っ白な心だったからこそだ。
頭空っぽの方が夢を詰め込められる。その通りだ。
溶けた氷の中に恐竜がいても、玉乗りは仕込みたくないが。

色々あったが、無意識の内に、俺は奴らの色に染められていたようだ。
それは決して黒だけでは出せない代物。

俺は奴らから大切な事を学んだ。
だからこそ、自分が奴らに対して、何もしてやれなかった事に悔いが残る。
最初から最後までうろたえるしかなかった。
それに比べて、あの娘は立派だった。
あんな華奢な身体で、実に堂々としていた。

暴言を受けた時も、暴力を振るわれた時も、痛いという一方で若干興奮した。

それは何だろう。
ときめきなんて言葉じゃ表現できない、胸の奥の奥に矢が突き刺さって抜けない。
二里離れた所から射抜かれた気分だ。
こんな不意打ちありか。
俺の頭上に金属片が降り注いでいる。



97: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 20:50:37.49 ID:ErYOau5R0
  
( ´_ゝ`)「あれ……ここは?」

眼を開けると真っ白な病室の天井だった。
ここで、誰かが顔を覗き込んでいるのがベタなのだろうが、それが無いって何事よ。


(^ω^)-┐「お目覚めかい? 災難だったね」

側で林檎を剥いていたのは博士だ。
誰のせいで災難だったと思ってやがる。


(^ω^)-┐「君がパラレルワールドから戻ってくるや否や、
       扉が閉じ、研究所が崩れたんだ。
       天井から降ってきた金属片が君の頭に落下して、気絶したんだけど」

あ、ホントに金属片降って来たんだ。
そうそう、記憶が曖昧なんだけど光に包まれて俺は――――――

( ´_ゝ`)「俺は――――――……あれ、ここって!!!?」


(^ω^)-┐「何度も言わせるな、君は戻ってきたんじゃお。
       この世界は君が元居た世界だよ。ワシが言うんだから嘘じゃない」

(;´_ゝ`)「良かった……本当に……」

意識はまだ怪しかったが、とりあえず空腹感は感じていた。
博士の剥いた林檎を食べ……ってこれ林檎じゃなくてトマト!
わざわざ剥かんでいいよトマトの皮は!



101: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 20:54:42.16 ID:ErYOau5R0
  
仕方なく俺はトマトを口に入れた。思いのほか、腹もいい按配になった。
次に俺は冷静になる。弟者は?ちんぽは?店長は?
結局優勝してエステのチケット手に入れたの誰? あとカンナでトマト剥くなよ。


(^ω^)-┐「冷静になって考える事がそれか……
       勝ったのはジョルジュ長岡だよ。しかしエステに行っても、
       脳は戻らなくてねぇ……」

寧ろエステで脳が戻らなくてよかったよ。
人間の構造がそんな簡単な物じゃ、悲しくてこの先やってられない。


(^ω^)-┐「面倒見てくれる人をネットで応募したんだけど、
       名乗り出る人が現れなくてねぇ……結局弟者君が預かる事になったんだ」

( ´_ゝ`)「いやwwwwwあいつに子育てはむりぽwwwwwwwww」

談笑を済ませ、俺は病院を後にした。
医師の「今日一日は安静にして下さい」という台詞を期待したが、
特に何も言われなかったのは悔しい所だ。
ちょっと頭が痛むような素振りしたのに。
そして誰の見送りも無い退院。
一人くらい外に出てきて「お大事に」くらい言ってくれてもいいじゃない。
明日忍び込んで、全部屋のナースコール押すぞ。

雲ひとつ無い青空……かと思ったら視界の隅に小さな雲が一つ。
何処の世界にも空気の読めない奴がいるもんだ。                パンッ

あと博士はこの病院の院長でもあったようで。本業に集中しろよ。



108: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 20:56:21.26 ID:ErYOau5R0
  
研究所が崩れたのは理由は神のみぞ知る。そう片付けるしかなかろう。
あっちの世界とこっちの世界がいつまでも繋がっているのは、
よろしくないという事なのかもしれない。

眼に映るこっちの世界を見ていく内に、あっちの世界の記憶が薄れていくのが分かった。
でもそれでいいんだ。なぜなら俺はこの世界に生きる住民だから。
消えていくからいいんだ。本当に大切な物は、忘れても心に残り続ける。

もう黒なんて卒業だ。
服を買って、着て、そんで帰ろう。
前々……つーか本編の1レス目から思ってたんだけど、
結構蒸れるんだよコレ、マジで。

幼稚な意識とはおさらば。
俺はもう真っ黒な不審者なんかじゃない。

なぜなら、俺の心には奴らがくれた色があるから。










( ´_ゝ`)「ただいまー」

(´<_` )「だからって全身虹色はねーよ兄者wwwwwwwwwwwwwwww」



118: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 20:59:22.25 ID:ErYOau5R0
  
ああ、やっぱり我が家が一番だ。自室の黒い壁紙も張り替えなきゃ。

( ´_ゝ`)「はっはっはwwwwwwビックリしただろうwwwww
      マジカル桃ちゃんフワフワーwwwwwwwwwwww」

(´<_` )「ああ、ビックリしている。最強の不審者が登場した事に……」

川 ゚ -゚)「むぅ、だが何か足りないな。レインボー靴、レインボーつなぎ、
     レインボー手袋にレインボーマフラーまでしているのに……」

( ´_ゝ`)「俺もそう思ってるんだ。あと一押し、何かレインボーな物が欲しい」

(´<_`;)「十分過ぎるだろーが」

( ゚∀゚)「だーだーwwwwww」

やはり虹色不足なのか。
あと少しで、まともな一般人になれるというのに。
あと少しで、不審者から脱却出来るというのに。

「お前に足りないもの……それは――――――!!!」

何かが音を立て、割れた。
数秒後、俺達の前に現れたのは、頭に刺さったガラスを抜く会長の姿だった。
玄関から入ればいいのに。後々窓ガラスは弁償してもらうとしよう。
それより足りないものとは何なのか。

('A`)「このマントだよ」

会長は背中のマントを引き千切り、笑顔で手渡してくれた。千切るな。



122: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 21:00:53.51 ID:ErYOau5R0
  
( ´_ゝ`)「レインボー……マントか」

('A`)「更に、この黄色いブリーフを頭に被せれば……完璧だ!!」

(;´_ゝ`)「か、完璧(一般人)だ!!!」
(´<_`;)「か、完璧(不審者)だ!!!」

川 ゚ -゚)b「外出してみろ兄者。もう、冷たい目線、後ろ指、コソコソ話は怖くないだろ」

( ´_ゝ`)「ああ、ありがとよお前ら」

目頭が熱くなった。
涙など格好悪くて見せられない。
俺は急いで家を出て、ハンカチ(虹)で目から溢れ出す塩水を拭った。

俺はメロスのように走った。
普通の人間になったのが嬉しくて、失禁しながら駆けた。
横断歩道では、ちゃんと手を挙げて歩いた。
交通ルールは大事だと、すれ違う少年少女に教えてやった。
「お父さんに言いつけますからね!」と言われた。
なるほど、親切な兄ちゃんがいると親に報告するわけか。
この近所でも俺の株が急上昇しそうだ。ありがとうメロス。

ふと前を見ると、なにやら仲の良さそうな姉妹が歩いてきた。

('、`*川「あっ、メロスだ」

(*゚ー゚)「あ……兄者さん」

一般人になった俺に驚愕してるのだろうか? 喜ばしい事だ。胸が高鳴るのが分かる。



128: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 21:03:01.66 ID:ErYOau5R0
  
('、`*川「に、似合ってますよ」

(*´_ゝ`)「そうですかフヒヒwwwwwww」

(*゚ー゚)「あ、兄者さん!」

一呼吸置いて、幼女が近づいてくる。
目線を合わせる為に、俺も同じタイミングで腰を低くした。

(*゚ー゚)「この前はありがとうございます!
     兄者さん、とっても格好良かったです!!」

そう言うと、彼女は頬に口付けを……

????????????????????????

これなんてエロゲ?

何かが迫ってくる。
波のような、波動のような、波動球のような。

アレはワシの百八式より危険じゃああああああああああああ。

(;´_ゝ`)「う、うわあああああああ!!!」≪この前はありがとうございます!

   メリメリメリ
(;´_ゝ(≪この前はありがとうございます!兄者さん、とっても格好良かったです!!≡

(;´(≪この前はありがとうございます!兄者さん、とっても格好良かったです!!≡



134: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 21:05:09.43 ID:ErYOau5R0
  
 ◎ ◎
◎ ≪この前はありがとうございます!兄者さん、とっても格好良かったです!!≡
 ◎ ◎ ティウンティウンティウンティウン

俺は消滅した。

(*゚ー゚)「じゃあまた明日!!」

( ;_ゝ`)「НаКанаидеёсёБосо」

('、`*川「活舌悪くなりすぎですよ……何て言ってるのか全然分かりませんよ」

二人が去った後も、暫く放心状態が続いた。
死んだ七面鳥……いや、小鳥のようだったかもしれない。
周りを見てみると、ひとだかりができていた。
キモーイ、グロいねとかの声が聞こえてた。グロいの?

気付けばもう夜だ。
背中のマントが光っている。
発光機能あるんだコレ……無駄に金かけてやがる。

( ><)「あそこで何か光っているんです! 間違いなく通報のあった不審者なんです!」

(´・ω・`)「これで最後か。結局兄者が刑事になって飛び降り自殺のパロは削ったのか……」

んなパロあってたまるか。と考えてたら尻穴を警棒でブスリ。完尻ってわけね。

目が覚めたら交番でカツ丼を作らされていた。
俺はもう、この生活からは抜け出せないように、プログラムされているらしい。



137: ネット廃人(福島県) :2007/04/15(日) 21:07:10.51 ID:ErYOau5R0
  
☆エピローグ

('A`)ノシ「あと俺、不審者協会とか言ってたけど、普通にプログラマーとして働いてたよ」

(´<_` )「えぇ〜……登場人物の中で一番真っ当な仕事してんじゃん……」

『( ´_ゝ`)兄者は果てしなく不審者のようです 外伝後半』 

〜弟者とボクと(ry

                 おわれ



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