ブーン小説を始めから丁寧に
- 275: ブーン小説を始めから丁寧に :2006/09/16(土) 18:15:09.23 ID:vaEnHpyz0
- (´・ω・`)「やあ。ブーン。また小説を書いているのかい?」
( ^ω^)「あ、ショボン! 今出来上がったとこだおw批評おねww」
(´・ω・`)「ほほう、どれどれ……」
――( ^ω^)が恋愛をするようです
今、2004年7月のとある古いアパートにいわゆる、ニートという職業の
内藤ホライゾンと言う青年がいた。彼は17歳のときに高校中退し、
以後、引きこもりながらネトゲ三昧という生活を送っていた。
初めは親も将来について考えるよう忠告していたのだが、恐らく諦めたのだろう。
最近は内藤に金を渡して放置している状態だ。
それにつけこんで内藤は好き勝手なニート生活をしていた。
( ^ω^)「あーひまだおー」
( ^ω^)「どうですかおww地の文がんばったおw」
(;´・ω・`)「うん、頑張ったんだけどね…正直3文目で読むの辞めたよ」
(;^ω^)「ちょwwwwなんでですかお! 親切に説明文書いたのにww」
- 279: ブーン小説を始めから丁寧に :2006/09/16(土) 18:18:11.25 ID:vaEnHpyz0
- (´・ω・`)「これも初心者によくあるミス、とくにファンタジー物なんかによくあるね。
どこがよくないのか順番に説明していこう」
(´・ω・`)「はい、じゃあ講義を始めるよ。まずは冒頭部分を見ていこう」
>今、2004年7月のとある古いアパートにいわゆる、ニートという職業の
>内藤ホライゾンと言う青年がいた。彼は17歳のときに高校中退し、
>以後、引きこもりながらネトゲ三昧という生活を送っていた。
( ^ω^)「主人公の説明文だおwとってもわかりやすいおww」
(´・ω・`)「うん、文の構造は悪くない。けど、冒頭っていうのは読者が最初に見る部分、
人間で言うなら第一印象だね。もしブーンがお見合いで相手がブスだったらどう思う?」
( ^ω^)「きめぇからそっこー帰りますおwww」
(´・ω・`)「そうだね。でも君の書いた冒頭部分はいわゆる「ブス」の部類に入るよ」
Ω<bな、なんだってー!?
- 282: ブーン小説を始めから丁寧に :2006/09/16(土) 18:21:13.88 ID:vaEnHpyz0
- (´・ω・`)「まず、いきなり地の文6文、おまけに主人公の説明というのがあまり良くない」
( ^ω^)「どうしてですお?」
(´・ω・`)「なんでもいいから小説を見てごらん? いきなり主人公の説明してるものは無いだろう?」
( ^ω^)「たしかにwwたとえばこの小説はこんな感じに始まってるおww」
ピシッとスーツを着て暑そうに日差しを避けて歩くサラリーマン。
平日の昼だというのにだるそうに地べたに座っている茶髪の学生。
ビルに反射した太陽光線は温暖化を訴える様に容赦なく街を照らす。
「あちぃな…」
容赦の無い日差しとアスファルトから発せられる熱に、俺は耐え切れずにつぶやいた。
- 284: ブーン小説を始めから丁寧に :2006/09/16(土) 18:25:28.27 ID:vaEnHpyz0
- (´・ω・`)「さて、ブーン。この部分から何がわかる?」
( ^ω^)「えーっと、まずは暑いっていってるからきっと夏とかだおw後はビルがあるから都市ですおw」
(´・ω・`)「そう。暑いから夏。ビルが田舎の片隅にあるわけないよね。今、君は文章から場面を想像したわけだけど、
これが小説の醍醐味(だいごみ)なんだ」
( ;^ω^)「えーっと、つまりどういうことだお?」
(´・ω・`)「想像力を刺激されることを読者は望んでいるのさ。だからブーンの小説みたいに
説明されたんじゃあ読む気なくすよね」
( ;^ω^)「な、なんだってー(ry」
(´・ω・`)「それじゃあ、どうやれば想像力をしげきできるのか。
それは情報を小出ししていくんだ」
- 287: ブーン小説を始めから丁寧に :2006/09/16(土) 18:28:45.01 ID:vaEnHpyz0
- ( ^ω^)「小出し?」
(´・ω・`)「たとえば、主人公…ブーンがニートであることを読者に想像させたければ」
今日の予定も、ナシ。
ここ3ヶ月事務的な用事以外で人と話していない。
「ブーン、ご飯出来たわよ」
( ^ω^)「ん」
ドン、ドンと脂肪で重くなった体を太い足で階段を踏み抜くように歩く。
高校を中退して以来、歩くのすら億劫になってきた。
(´・ω・`)「と、まあこれでデブ、引きこもり、高校中退が容易に想像できるだろう?」
- 291: ブーン小説を始めから丁寧に :2006/09/16(土) 18:34:52.64 ID:vaEnHpyz0
- ( ^ω^)「小説っぽいおww」
(´・ω・`)「わかったかい? 小説というのは内容どうこう以前に読んでもらう、っていう
大前提があるんだ。常に読み手を意識して書いていこうね」
( ^ω^)「わかりましたおwwさっそくなおしますお!」
3時間後
- 294: ブーン小説を始めから丁寧に :2006/09/16(土) 18:40:12.09 ID:vaEnHpyz0
- ――( ^ω^)が恋愛をするようです
( ^ω^)「釣りでした、プギャー…っと」
カタカタとキーボードを打ち終えると、内藤は近くのタバコを取り一服した。
つけっ放しのテレビからは特売の鍋の宣伝が流れている。
ふと、時間を見ると12時を回っていた。
( ^ω^)「平日は厨がいないから快適ですおw…ん?」
その時、内藤の目に一つの糞スレが目に付いた。
「今日、一緒に死にましょう」
( ^ω^)「自殺ktkrww」
いつものように内藤はスレをクリックし、レスを返す。
( ^ω^)「僕も死にたいですお。一緒に死にませんかメールくださいw、と」
( ^ω^)「ぶひひwwプギャーしてやるおwさ、めしめし」
内藤はレスをつけると、トントンと階段を降りていった。
続く
- 295: ブーン小説を始めから丁寧に :2006/09/16(土) 18:41:02.73 ID:vaEnHpyz0
( ^ω^)「どうですかお??」
(´・ω・`)「うん、さっきよりは読みやすくなったね。まだまだ甘い所はあるけど
そこはこれから書いていくことで上達できるよ」
( ^ω^)「はいですおwwさっそくスレ立てるお!」
(;´・ω・`)「す、ストップストップ! まだ一話、しかも短いのしか書いてないじゃないか!」
( ^ω^)「えー早く反応が見たいおw」
(;´・ω・`)「VIPはすぐdat落ちするのにそんな少ない書き溜めじゃ…ね?」
(;´・ω・`)「スレを立てる時はある程度書き置いてからやろうね。
保守頼む! みたいな態度はもってのほかだ」
( ^ω^)「うーん、わかりましたおwもっと頑張るおw」
- 298: ブーン小説を始めから丁寧に :2006/09/16(土) 18:42:41.24 ID:vaEnHpyz0
- (´・ω・`)「それから、今教えているテクニックはこの作者のやり方であって、
絶対これでやれ! って物じゃないんだ。小説を書く方法は百人十色」
( ^ω^)「じゃあこの講義意味ねーww」
(´・ω・`)「あのね、世の中に絶対的な物なんて無いよ。
法律も、教育も道徳も、誰かが作った物にすぎないんだ」
( ^ω^)「ふーん。意味わかんないおwとにかく頑張って書いていくお!」
(;´・ω・`)(僕のやり方は古いのかなぁ…いつか内藤が僕を越えそうで恐いよ)
(´・ω・`)「それじゃ、次回の講義でまた会おう」
( ^ω^)「参考程度にしてくれれば本望ですおww」
(´・ω・`)「君がいうなって。じゃあルールを守って楽しく使ってね。仲良く使ってね」
※あくまでこの講義は作者の主観から見た書き方です。
謝罪と賠償は払いません。
次回の講義に続く?
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